2020 有島ありすお誕生日記念SS 『ありすさんへのプレゼントにゃあ』(進行豹
2020 有島ありすお誕生日記念SS 『ありすさんへのプレゼントにゃあ』
2020/03/14 進行豹
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*この物語は「透がまだ誰のことも選んでない時系列下」の物語でございます!!
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「ありすさんありすさんありすさん」
「なぁに、ちまちゃん」
ありすさん、せっかくのお誕生日にゃのに、浮かない顔にゃ。
きっとまた小僧がありすさんに、お誕生日のプレゼントとホワイトデーのお返しをいっしょくたにまとめやがったのわたしたのにゃ!
ちまにゃったら、ぜーったいにそんにゃことしにゃいのに……バレンタインのチョコもらえないから、おかえしできないのが残念にゃあ……
「ちまちゃん? おーい、ちまちゃん、ちますけ、ちまたろう~」
「んにゃにゃ!?」
「どしたの? 声かけてきたのにボーっとしちゃって」
「んにゃ、プレゼントのこと考えてたにゃ」
「プレゼント……って」
あ、ありすさん笑ったにゃ!!!
よかったにゃー! せっかくのお誕生日に、しょんぼりした顔してるだにゃんて、せっかくの美人さんでおしゃれさんがだいにゃしにゃもの!
「ひょっとして、ちまちゃんからわたしに?」
「ちまだけじゃないにゃ! ちまとめっかいと、あとヤマネコからのプレゼントにゃ」
「めっかいちゃんに――ヤマネコちゃんって、国道沿いの村境の森にいる、あのこよね? 猫会議で、いっつもちまちゃんのお隣にいるおっきな猫ちゃん」
「そーにゃ! ヤマネコもお仕事できるから、ちまさま相談したら、
『にゃむ、んにゃー、ごろごろごろ。んにゃーんにゃ、ぐるぐるぐるぐる~ ふにゃ、ふにゃん、うにゃー』っていってくれたのにゃ!」
「えと……どういう意味? それ」
「『ありすさんにヤマネコもプレゼントおくりたいちにゃ』って意味にゃあ」
「えー! わ、ほんとに!? ちまちゃんからだけでも嬉しいのに、めっかいちゃんからも、ヤマネコちゃんからもだなんて」
「ひめみやに、『ありすさんのお誕生日に素敵なプレゼントおくりたいにゃー』っておねだりしたら、
『それじゃ、一日お手伝いするごとに100円あげるきに』っていうふうにしてくれたのにゃ」
「うんうん」
「で、ちまとヤマネコもおんなじことにしてもらって、みんなで10日お手伝いして、3000円も稼いだのにゃあ!」
「すごい! すごいすごい! ありがと、ほんとに!!!」
「しょーひぜーっていうので、3000円ぴったり分は買えにゃかったけど、お店のおねーさんに聞いて、ギリギリいっぱい買えるようにもがんばったのにゃ!
で、プレゼント! にゃにゃーん! これにゃあ!!!」
「わ! 綺麗な紙袋。ね? 開けてもいーい?」
「もちろんにゃ!!!」
「んふふっ! ありがと。中身なんだろ」
ありすさんが袋ガサガサあけてるにゃ。
ちま、ガサガサいう音きいてるとうずうずってして、袋の中に入りたくなってくるけど、今はがまんにゃ!
――って? ――んにゃ?
「わ、チュルルだね。うふふ、ありがとー」
にゃにゃ? 世界で一番おいしーたべもののチュルルにゃのに、ありすさん反応うすいにゃあ? ――にゃにゃっ!!?
「チュルル、ありすさんもしかして好物じゃないニャ!? ちまもヤマネコも、めっかいだって好物だから、ありすさんもきっと好きにゃってちま思って」
「ありがと。けど、これ基本的には猫ちゃんようで――わんちゃんも食べられるみたいだし、めっかいちゃんも好物なら、きっとわんちゃんにもおいしいんだろうけど」
「!!!!? ……にんげん、チュルル、食べないにゃ?」
「なのなの。だから……ん、っと――」
パって、ありすさんが笑ってくれるにゃ。
さっきまでのこまったみたいな笑いじゃなくって、とっても嬉しそうな笑いにゃあ!
「ちまちゃんとめっかいちゃんとヤマネコちゃんなら、山キジ、きっとつかまえられるでしょ?」
「余裕ニャア!!!」
「そしたら、山キジ捕まえてきてもらって、それでみんなでパーティーしましょ?
プレゼントしてもらったチュルル、ちまちゃんとめっかいちゃんとヤマネコちゃんにわたしがプレゼントしてあげるから、
そのお返しに、人間のごちそうになる山キジ掴まてもらって――それで、みんなで美味しく楽しくにぎやかに!」
「にゃあああ!」
すごいにゃ! イカすにゃ!!!
「すっごく素敵な考えにゃ! さすがありすさんにゃあ」
「えへへ、そう思ってもらえるなら嬉しいなぁ」
「ちま勘違いして、ありすさんをきっとがっかりさせちゃったのに、そこからカキーンて大逆転で!
ありすさんもちまもめっかいもヤマネコも、たぶんきっとおうちのみんなもこぞーんとこのみんなまで、
ぜぇんぶがにこにこになれるようにしてくれ、て………………にゃ……」
「? ちまちゃん、また考え事??」
「……にゃ……ちま、わかったような気がするにゃ。ありすさんへのプレゼントは、ちまがもらってうれしいものじゃにゃく――
『ありすさんがもらってうれしいもの』を、選ばなくっちゃダメなのにゃ」
「えと、そこはちまちゃん、きっと最初からわかってたんだと思うよ? 絶体。
だた、『わたしの好物だと思ったもの』を、勘違いしちゃってただけで」
「にゃにゃにゃー。にゃら、そのカンチガイが問題にゃあ」
……考えてみたら、いままで一回もありすさんがチュルル食べてるの見たことないにゃ。
にゃからちま、もっと一生懸命考えてたらカンチガイしないで、きっと別のプレゼント、最初から選べてたにゃあ。
ありすさんが、ぜーーーったいに喜んでくれるものだって、きっと、もっとよく考えた――っ!!!!
「にゃん!!!!」
「って、ちまちゃん!? どこいくの!?」
「こぞーんとこにゃ! すぐに戻ってくるニャア!!!」
ちま、小僧にもおしえてやるにゃ!
『ホワイトデーのおかえしと、お誕生日のプレゼントは別々にしてあげるだけで、もーっとありすさん喜んでくれるにゃあ』って!
それでそれで、小僧はアレでバカじゃにゃいから、いったらきっとそのとおりにして――
そうしたら――そしたらにゃふふ!!! ありすさんきっと、最高の笑顔になってくれるにゃ!!!
「ありすさん待っててにゃ! ちま今度こそ、さいっこーのお誕生日プレゼントおくるにゃあ!!!」
;おしまい