巨大美少女たちに人間が蹂躙されたり捕食されたりする話サンプル
2022年06月14日に販売した作品のサンプルです。
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機甲化部隊が不幸だったのは、陣地を展開する予定だった広場に到着するよりも早い段階、移動途中の市街地で攻撃を受けたことだった。火砲の取り回しが効かず身動きも取れない状況下において、戦車や装甲車はただの棺桶に過ぎない。
今もまた、隊列の最後尾にいた車両が廃ビルから落下してきた“敵性生物”に覆い被されて搭乗員の悲鳴をあげた。
四つん這いで大型装甲車両の上に張り付いたのは、ぱっと見では全裸の少女とかしか言えない。
病的なまでに白い肌と対照的な長く黒い髪、細っそりしている割に胸部と臀部、腿などは見た目の年齢相応異常に膨らんでおり、肌の色とギャップを感じさせる健康的な肉付きがあった。血の気の多い男性隊員なら飛び付きでもするのではないかと思わせる造形をしている。
全裸の少女が装甲車を襲っている。これだけでも奇妙極まりない現象であるが、彼女を敵性存在と言い表すまでには至らないはずだろう。ではなぜ、そう呼ばれるのか、それは、
「うわああああああ、離せっ、化け物おおおお!」
その“全高五メートルを超える”少女が、圧倒的な膂力を発揮して装甲車の天板を引っぺがし、車内にいた隊員を鷲掴みにして引き釣り出したからだろう。捉えた獲物を値踏みするようにしていた美麗な顔が、にぃっと嗜虐の色に染まる。
『殿を止められた! 各車両は機銃で応戦しろ!』
奇襲による混乱とパニックの中でも、指揮車両に乗っていた隊長は素早く状況に対応しようとした。若くも作戦を任される優秀な士官だった。ただ一つ、彼の失敗をあげるとするならば、
「くそっ、周囲の索敵を急げ、まだ近くに潜んで──」
若さ故に、自ら指揮車両の展望塔から身を乗り出して、部下の安全を確認しようとしたことだろう。視界の隅で動いたものに反応して顔をあげたときには、眼の前まで大きく開かれた口腔と白い歯が迫ってきていた。
目を見開き「あっ」と漏らした若き指揮官は、赤髪の巨大少女に喉奥まで上半身を咥え込まれ、展望塔から引っ張り出される。
胸から上を熱く粘ついた体内に押し込まれ、体を前後から圧迫される苦しみから逃れようと指揮官は暴れた。だが少女は小人の抵抗など気にも留めない。獲物を咥えたまま、今し方動きを止めさせた指揮車両を解体して獲物を物色している。
逃走もできず指揮系統も崩れた軍隊は脆弱であった。また一体、さらに一体と増えていく色白の女巨人によって部隊はじわじわと崩壊していく。
強引に火砲を放とうとした戦車はそれをするより先に砲身を圧し折られ、さらに横倒しにされると数体がかりで接合部を引き千切られてしまう。それでも逃げようとした搭乗員は狭い車内からほじくり出された。
歩兵部隊が乗っていた兵員輸送車両はもっと悲惨であった。非武装の車両は、脆い天板を剥がされればただの餌が詰まった箱である。武装もなく出口も塞がれた兵たちはお菓子の掴み取りのようにして巨人に捕まっていった。
それでも、なんとか銃器を引っ掴んで狩場から逃れかけた兵もいた。その一人であるスクフは破壊された車両の残骸に身を潜め、息を殺して仲間たちが狩られていくのを見ているしかなかった。
仲間たちを蹂躙された憤りもあったが、対人ライフル程度で三倍以上の巨躯をもつ敵の群れに立ち向かうことの無意味さは、試さずともわかった。
そうして隠れたスクフの替わりに、銃火器の有効性を試す者がいた。離れた場所で同じように逃げたのであろう別の兵士が巨人めがけて銃を乱射しているのだ。
しかし、ばら撒かれた銃弾が巨人に効いている様子はなかった。銃弾の雨を何なく皮膚で弾き、身を屈めて手早くその兵を捕まえた。
見た目は若々しい少女の姿をした巨人は、それでもなお激しく暴れる兵士を自分の顔前に持って来ると、興味深そうに観察し始める。
そのおり、鷲掴みにされながらもまだ離さないでいた銃の引き金に偶然力が入ったのか、不意に数発の弾丸が放たれた。直後、巨人がびくりと反射的な動きで眼を抑えた。
どうやら、偶然が重なって銃弾の一発が強度の低い眼球に命中したらしい。掴まれていた兵も、様子を窺っていたスクフも「いけるか?!」と希望を抱いた。だが、目元を擦った手が退いた瞳には、傷一つ付いていない。
眼を狙ってもダメージを与えられないという現実と、こちらを見る巨人の表情に明確な苛立ちが帯びたことに掴まれている兵士は絶望し、もはや叫ぶこともできず嗚咽を漏らした。
そんな彼の頭部が、次の瞬間見ていたスクフの視界から消えた。正しくは、がぶりと少女の口に咥え込まれて見えなくなった。
顔を舐め回されているのか、兵士は両手を少女の薄い唇に腕を立てているが、とても効果があるとは見えない。その抵抗を冷酷な表情で見下ろしていた少女がすうっと、鼻から大きく息を吸った素振りを見せた。
そして、ゆっくりと鼻から吸った空気を口の中に送り込み始める。
唇から外にある獲物の抵抗が激しくなった。唇を何度も叩き、足をばたつかせる。それを後目に少しずつ、ゆっくりゆっくりと鼻から吸った空気を送り込む。まるで獲物をじわじわと痛めつけるように、簡単には殺さないつもりのようだった。
遠目に見ていたスクフは最初、兵士が何をされているのかわからなった。その行為の意味を察して顔を青ざめたのは、捕まっている兵士の胴体が内側から膨れ上がってきたからだ。
憐れなことに、数分かけて人間風船にされた小人は即死できなかった。尋常でないほどに身体を膨張させた状態で手足を痙攣させている。鼻や口から強引に空気を流し込まれ、内臓を破裂させられるなど、常人には想像もつかない苦しみだろう。
対し、少女の方はもう飽きたといった様子で、最後はふんっと残りの空気を押し込んだ。
ぱんっ、と人間が発して良くない音が周囲に響き、赤黒い花火となって勇敢で蛮勇だった兵士は消えた。
その間に他の巨人による狩りが終わったのか、ぺっと口内にあった残骸を吐き捨てた巨大少女は、隠れているスクフがいるのとは反対方向、廃墟街の中心地へ向けて去っていった。
しばらくして、ようやく動けるようになった彼がいくら探し回っても、他の生存者は一人も残っていなかった。