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無料プランの記事(28)

素材屋さんを辞めたら素材屋さんになってしまった話

あんまり愉快な話ではないので、ブラウザーバック推奨です。

くらびすたは前々から「素材屋さん」呼ばわりされるのを嫌っていました。

自分にとって素材とは、たとえば音楽なり効果音なりを作るときに使う、録ったばかりで編集していない音源のことです。敢えて意地悪な言い方をすれば、人格や作品としての価値を認めない、紙一重の差でガラクタに近い側の存在に対する呼び方です。

その「素材」という言葉を、自分がそれなりに気合を入れて作り、これはきっと同人界隈の役に立つものだと信じて送り出す、「やがてゲーム作家さんやプレイヤーさんの感動体験になる小さなカケラ」に対して使う気にはなれなかったのです。

自分はそんじょそこらの素材屋さんではないのだ、感動体験の創造を手伝う立派なクリエイターなのだと信じて、最近はPALETTEプロジェクトも放っておいて請負制作の方に注力していました。

本当にイキっていました。そしてスベっていました。

後から考えると、皆さん「オンリーワンの『素材』」「自分専用の『素材』」を求めてくらびすたに声をかけてくださっていたんですよね。こちらがどれだけ創意工夫を凝らして提案しても、どこか手ごたえがない。なんだか見当違いな意見も受け取るし、あれ、あなた音についてそんなに詳しいおつもりなら僕を頼らなくてもいいでしょう?というお話も。

くらびすたはくらびすたで、クライアントさんが望む以上に「ここでこういう音を入れるならこういう音と合わせましょう」だの「システム的にそこはしんどいと思います」だの言っていました。たぶん。「庇を貸して母屋を取られる」気持ちにさせていたかも。でも僕の思想(というと大げさですかね)からいって、サウンドが占めるべきウエイトは庇の端っこに置いておけるほど小さくないんです。

とにかく、基本絵師や発案者のワンマンアーミーで、たまーに「音素材屋さん」が呼ばれる程度、いえ、彼らのエネルギーは実際目を見張るものがありますし、やはり僕は音にしか集中しないしできない人間であるというのが現状ですから、その点どこまで行っても僕はクリエイターとして貧弱なのは間違いありません、とはいえ皆さん3,000円でリリースして数十本売れるゲームに使う「音素材」のパックが5,000円だと高いっていうのは暴力的ではありませんか、いいえ、その考えこそが庇を貸してなんとやら状態なのかもしれませんが、それにしたって。という具合で、この辺の現場と目線を合わせるには、やはり僕は出しゃばりすぎなのです。

クライアントさんの中には本当に喜んでくださる方もいます。それでも僕は相手次第で「あなた様専用の、人格を持たず文句ひとつ言わず使われる、他の音とのミスマッチだってものともしない、そんな見かけだけゴージャスな奴隷音源」を制作するかもしれないという状況を作り出していたのです。ただの「素材屋さん」稼業よりもおぞましい禁忌です。

やっぱり僕は僕の信じるクラフトマンシップに従って、二次元コンテンツのサウンドをガッチリサポートしたいです。ただそれはシナリオやコンセプトがないと活かせず、その上で僕は今のところあくまで音専業でいます。辛抱強く音屋としての価値を高めながらいい出会いが来ることを待つ以外にないなと思います。

つまり

ずっと忘れていたツクールDJプラグインの開発をそろそろ再開します

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PALETTE 2019遅れていてごめんなさいセール

※2019年8月21日19時40分: セール期間についての追記とリンクの設定を行いました。

しばらくやらずにいたセールですが、ここ一年ほどまとまったリリースが出せずにいるので久々に解禁します。

結構頑張ってお金かけて作った素材なので、できるだけ定価で買ってもらいたいところではあるのですが、忘れられて使われなくて売れなくてとなれば本末転倒になってしまうので…

自分で言うのもなんですが、モノは結構いいと思います。特にPALETTE 2018のエロ効果音は企業からの使用許諾の打診も受けたくらいのクオリティです。

セール期間

2019年9月15日まで(終端の時間はサイトによって異なります)

セール対象

  • PALETTE 2018(効果音)通常価格: 7,560円
  • PALETTE 2018.1(BGM/ジングル)通常価格: 4,320円


通販サイト

DLsite(10% OFF)
https://www.dlsite.com/maniax/circle/profile/=/maker_id/RG30411.html

FANZA(30% OFF)
https://www.dmm.co.jp/dc/doujin/-/list/=/article=maker/id=74026/

FANZAでの割引額、本当にエグいです。

利率の違いはたぶん大人の事情です。Ci-en使っておいてアレですが今後のリリースはFANZAの方に比重を置きます。DLsiteと違ってFANZAだとバラ売りできるし。

かなりの出血サービスです。どうかたくさんの拡散、レビュー、ご友人へのお勧めで僕を養ってください。よろしくお願いします。

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スマブラで学ぶ音響効果

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Web番組に出ます

かんたんに。

土曜21時から「クリエイターズ生放送」というWeb番組で「スマブラで学ぶ音響効果」と題してミニ講演を行います。
音屋さんがどういうところに注目しているのか、どういうことが美味しい演出に繋がるのかといったところで自分で言うのもなんですが、かなり参考になると思います
お時間さえ合えばぜひ覗きに来てください。YouTube Liveです

https://twitter.com/Klavistr/status/1162011048909533184

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サウンド体験(SEX)デザイナーとプルースト効果

やあ(´・ω・`)
実に8か月近く放置していました。その間にそれはもういろいろなことがありまして、全部書くのもアレなのですが、転職したり炎上プロジェクトに参加したり大きなお仕事をいただいたり映画でQueenにハマったりあろうことかボラプを3回観に行ったりM3に参加したりしていました。(順不同)

というかこんなさびれたクリエイターよくフォローしますね皆さん。30名くらい新たにフォローいただいてしまっています。何も更新していないのに。

さて、久しぶりの更新となるこの記事では「サウンド体験(SEX)デザイン」についてお話します。サウンド体験(SEX)ってどういうことなんだという話ですが…

サウンド体験 = Sound EXperience

お前らこういうの好きだろ。

というわけで、とあるイラストレーターさんとのメールで書いた文章から抜粋し、ためになるお話(自称)をさせていただきます。一人称が普段の「僕」から「私」になっているのはご愛敬。


「サウンド体験は『匂い』体験に近い」というものです。

夕方、駅からの帰り道、住宅街で。カレーや煮物の匂いが漂ってきて、懐かしむのは「おかあさん」の背中姿。
そのような体験はよく語られます。「プルースト効果(Proust effect)」と呼ばれるものです。
これとほとんど同じようなことが「思い出のBGM」に起こるのです。

詳しくは脳科学の分野になると思いますが、シンプルな仮説として私は「音も匂いも空気を伝わるから」と考えています。
あるいは「耳鼻科というものがあるように、たぶん耳と鼻はいろいろ近いのだろう」とも。
(五感の中では嗅覚のみが大脳と直結しているため、いずれにせよ嗅覚の特異性は頭ひとつ抜けます)

正直、音楽を真正面から聴くことのコストは―特に一般ユーザーにとって、たとえばTwitterに張り付いてイラストが流れてくるのをぼんやり眺めることに比べると―相対的にかなり大きいものにあたると思います。
大雑把に「見る」だけなら一瞬で済みますが、全体を「聞く/聴く」となれば大雑把であっても30秒なら30秒。5分なら5分。確実に時間を拘束されてしまうのです。
音楽の消費のされ方が年々粗末になっているといわれ、コンテンツ開発における予算や作業の中で後回しにされやすいのも、全部サウンドを真面目に扱う代償の大きさによるものだと私は理解しています。
時間はかかるわ、スピーカーを使うなら2つ必要で場所も取るわ、作業用BGMは流せないわ…わがフィールドながら、なかなかにうんざりします。(こうした事情から他業種の方々を少し妬むことも、ほんの少しだけ、あります)

ただし、熱心にプレイしたゲームや一番印象的なデート、行きつけのラーメン屋さんで流れていて、意識せずに聞いていたサウンドは別です。
これらは音のアート全般が抱える煩雑さのほとんどを吹き飛ばし、当時の情動とともにパッケージされ、脳に焼き付けられるのです。
なぜなら、目的の「ついで」に知らないうちに聞かされて染み付いてしまっただけなのですから。
真面目に聴こうとしていたわけではないが故に記憶に残りやすいとは、なかなか皮肉なものです。

私が楽曲だけでなく効果音やサラウンド音響の制作にも注目しているのは、まさにこの音のプルースト効果をより立体的にするためなのです。
楽曲が料理の匂いなら、効果音は台所の裏側から漂うLPガスの臭いですし、音響全体へのアプローチはその匂いを確実に捉えられるように気流を整えるようなものです。(排ガス→雑音の発生源を除ける、向きを工夫する、など)
これらを丁寧に重ね合わせることがコンテンツをよりイマーシブにし、サウンド体験、ひいてはユーザーの感動体験を濃くするのですね。
ですから私は、私自身のことを一種のUXデザイナーないし「サウンド体験(sound experience)デザイナー」のように思っていますし、SXデザインの優れたゲームが世に広まってほしいと願っています。

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