カマキリです。
この文章は自戒の意味を込めて作成したものであるため
誰かに見せること、伝えることを主にしたものではなく
現状を分析し自分自身に言い聞かせることを主眼にしたものです。
なぜ個人サークルの全年齢作品が目立たなくなってしまったのか
私は全年齢の安眠系ASMRを好まれるユーザーさんの需要は年々増加しているものと考えています。ASMRの認知度が広まり友人の進め、TV番組、雑誌などでもとりあえげられるほどになりました。個々のユーザーに合う、合うわないはさておき視聴者の絶対数は増えているにも関わらずDLSiteにて個人サークルの全年齢作品の製作数、売上本数は目立たなくなってきていると感じています。
これは私が個人的に感じているだけで、これが「真」であるとは限りません。
あくまでカマキリ個人の体感としての話として捉えてください。
ではなぜそのような感覚を覚えるのか。
個人サークルが目立たなくなった一因として無視できないのが企業サークルの存在です。
昨今は有名声優さんを起用した音声作品が全年齢のランキングを常時表示されていることで作品の注目度、ひいては売上にも影響を及ぼしています。
DLSiteランキングの重要性について
売上に影響を及ぼしている要因としては、
絶対的な牌の奪い合いというよりは
サイトのトップページのランキングの露出度が低下することが大きいです。
ユーザーの購買行動には大きくわけて以下の2通りが考えられます。
・明確にこのサークルの作品を買うと決心している場合
・なんとなく作品が欲しいから自分に合う作品を欲している場合
前者はともかく後者の「なんとなく」というユーザーに訴求をする場合
トップページのランキングベスト3に入ることで大きなアドバンテージを得られます。
なぜベスト3なのか。
それは、スマートフォンでサイトを見た場合に最初に目に入るのがランキングのベスト3までだからです。
グーグル検索のトップ10までは1ページ目に表示されますが
トップ11からは2ページ目になってしまうため大きく視聴数が低下してしまうのと似ています。
さらにユーザーの行動心理としてはランキング上位にある作品のほうが
「ハズレがないだろう」「きっといい作品なんだろう」と考え選びやすいのもあるでしょう。
ランキングが製作者として何よりも影響が大きいこと
また、単純な売上にも影響を及ぼしますが
サークル側としては精神的な面での影響力も大きいです。
本来創作物に優劣をつけるべきではありませんが、
商業的な側面だけで考えるなら競争にさらされることになり
「自分の作品は他のサークル作品により明確に売上が少ない」
**つまり「自分は他者に劣っている」という思考に陥りがちです。
場合によっては身を切られるほどの痛みを伴います。
これは実体験として私も経験していることです。
下手をすると劣等感に苛まれて生きることになるため
ランキング、売上が精神に与える影響力は極めて大きい。
作品を制作するのが怖くなったり、嫌になる製作者さんがいる要因はここにあるのかもしれません。しかし誤解がないように言っておきますがこのような思考は誤りであることは明確に提示しておきます。本来創作とは競争をするために行っているものではありません。
DLSiteのランキングの仕組み
以上ランキングの重要性について語ってきましたが、
そのランキングとはどうやって決まるのでしょう。
私もすべてを掌握しているわけではありませんし、今後変動があるかもしれません。
現状の話だけをするのであれば
一定期間の 売上高 つまり 販売本数 × 単価 となっています。
特に全年齢作品を販売するにあたり問題なのが「単価」なのです。
もし競争という枠の中でランキング上位を狙うのであれば「単価」を下げるほど難しくなっていきます。
同じ1000本を売ったとしても
1作品700円の作品と1400円の作品では実際は倍の売上高となります。
ここで話を戻します。
そもそもなぜ今回の焦点が「全年齢」に限った話なのかということなのか。
企業サークルさんが有名声優さんを採用した作品に関して単価ですが
およそ1300円~2000円ぐらいが相場となっています。
個人感覚ですがこれまで300円~1000円ぐらいが相場だった全年齢作品においてはかなり強気と言える価格です。
現状も個人サークルさんの作品はその価格帯が多いのではないでしょうか。
単純に考えても倍単価が異なるので、
その倍売り上げるか単価をあげていくほかありません。
しかし有名声優さん出演作品ほどの強気価格をつけるのはおおよそ無謀でしょうし
そもそもそんな価格をつけてまで今までのユーザーさんに購入して欲しいかと言われるとそれもいかがなものかと思うわけです。
「競争に勝つべく」ユーザーさんに負担を強いるか否かは個々の判断によるところでしょうが個人的にはあまりこれを「良し」とは思いません。
もしかしたら高価格でも売れるかも…とも思いますが、その目的が「敗者となりたくない」「劣等感を味わいたくない」という創作とは本来全く違う次元の欲求を満たすところに行き着くからです。そのときの適正な価格で出すほうがよほど健全でしょう。
以上から個人サークルが全年齢作品のランキング上位を狙うことは至難のわざだと考えております
本当に企業サークルがいるから売れないのか? 本当のライバルは別のところにいる。
DLSite全年齢の作品の作るのが難しい理由を説明してきました。
ですがランキングに入れないから売上が半分以下になったり、
全く売れないということはないと思います。
そもそもR-18作品に対して全体の売上本数が少なすぎるのではないか?
と感じています。
それもそのはずです。
作品を購入せずともYoutubeで無料でASMR配信や、シチュエーションボイスを聞くことができるようになりました。
いえ、昔からこういった動画はありましたが、
今は声優さんやVtuberさん、企業さんなどが多く取り組み出しているため
相対的にクオリティが向上しています。
作家さんが台本を校正しているのではないか?と思うものもあり、
お金を払ってでも聞きたいと思うレベルものものが多数存在します。
安眠したい、癒やされたい、となんとなくASMRを楽しみたいライトユーザーにとってわざわざ作品を購入して冒険するよりも、Youtubeでいろんな動画を検索して自分に合った配信者を見つけるほうがいいというところに行き着くのかと思います。
作品形式になっているものより、
雑談や、アットホームな配信のほうがいいという人もいるでしょう。
個人サークルさんが従来どおりの作品を作り続けて難しい要因はここにあると思います。
企業サークルは関係ないとまでは言いませんが、
健全に運営していたら同人作品を買いたい、同人声優さんの声がいいという方もいると思うので私はそこまで気にする必要はないと思っていました。
しかし今や個人がバイノーラルマイク(高価なものも)を手にして配信をする時代です。
そんななかお金をとって作品を買っていただくということについて深く考える必要がありそうです。
他人は関係ない
いろいろ書いてきましたが私は作品が売れなくなる、あるいは売れないときの言い訳がしたいからこのようなことを書いたわけではありません。
企業サークルが、youtubeが…などと格好悪い弱音を吐くために文章にしたものではなく、このような現状を踏まえてどうあるべきかを整理するために書いたものです。
私はクリエイターであり競争に晒されていますが、本当に競争に身を投じる必要があるのか真剣に考えています。
生活をしていくにはある程度の売上が必要であるため、全面的に競争から降りるということは難しいのですがその反面、自分の心が休まるときがあるのか?あるいはどれほど売れれば自分は成功したと言えるのかという疑問がつきまといます。
このような競争ありきの考えで創作をしている以上、
自分は幸せを手にするのが難しいのではないかと思います。
だからこそ、周りに目を向ける必要はない。
自分だけを見つめて制作をすれば良い。
その決断をすることは大変勇気がいることですが、少しずつ自分を変えていきたいと思っています。