ANAGRAM 2020/05/10 22:00

キャラクターの表情変化について 記事:りょーちん

みなさんこんばんは(こんにちは・おはようございます)。
ANAGRAM代表・ディレクターのりょーちんです。

今日は少し制作上の作業についてお話してみたいと思います。
ADVゲームを動かすには『スクリプト』というものが必要になります。絵を表示したり、音楽や声を再生させたりする言わば命令です。細かく説明すると長くなってしまうので、実際に私が打っている命令をお見せしますね。
※本来は正確な記述とか色々あるんですが、自分の場合はやりやすいように作ってしまっているので、その辺はあまり気にしないでください。



本編3巻のこのシーン。


エクリプスにて陽華とルナが会話をしているシーンですね。
このセリフに声と表情の変化を付けたいので、スクリプトに起こすとこんな感じになります。

ルナ 私服 腕4 眉ベース 目ベース 口ベース 頬無
ルナ いやいや
ルナ 腕4 眉困る 目困る 口困る 頬無 delayrun=ラベル0
ルナ 腕4 眉考え 目考え 口考え 頬無 delayrun=ラベル1
ルナ 腕3 眉喜 目喜 口ニタニタ 頬無 delayrun=ラベル2
ルナ 腕3 眉諭す 目ベース 口諭す 頬無 delayrun=ラベル3

@ルナ voice=luna_2045
【ルナ】
「本来はそうあるべきじゃよ。人間は平和をやたら望むなあ。
 吾輩とは相容れぬ思想じゃ。平和は無為の象徴。
 この世に生まれて、何も無い日常を過ごしてどうする?」


一部の方は分かると思いますが、ほとんどの方はなんのこっちゃわからないですよね笑。
簡単に説明しますと、

@ルナ voice=luna_2045

↑まず、これがボイスの命令で、このテキストが表示されるときにルナのNo.2045のボイスを再生しなさいねーってなってます。
たまーに見かける、表示と違うセリフが流れちゃったりっていうバグなんかはここで発生してしまうんですね。恐ろしい事です。ちゃんとデバッグはやろうな。



んでもって、表情変化の方はひとつずつ命令を入れていっています。


ルナ 私服 腕4 眉ベース 目ベース 口ベース 頬無
ルナ いやいや

↑これは表情と動きの命令で、ルナのセリフの頭「本来はそうあるべきじゃよ。」という部分に対応させています。

一個ずつ命令を説明すると、

ルナ ← このキャラに対しての命令だゾ
私服 ← この服装(ルナの場合は体の向きとしています)で表示ね
腕4 ← 腕差分はこれにしてな
眉ベース ← 眉毛の差分はベースを使って
目ベース ← 目の差分もベースだね
口ベース ← 口もベースだわこれ
頬無 ← 照れたりはしてないから頬は赤くしないでな
いやいや ← いやいやっていう動きさせてな

こんな感じです。
ここでは眉も目も口もベース(ベース表情の意味です)から引っ張ってきているのですが、ボイスを聞いてもうちょっと変化付けたいなーとか思ったら、パーツ毎に命令を変えていきます。


例えばセリフの3行目部分。「この世に生まれて、何も無い日常を過ごしてどうする?」
ここの表情の場合は、

ルナ 腕3 眉諭す 目ベース 口諭す 頬無 delayrun=ラベル3

↑のように目だけベースを使って、眉と口を諭すという表情パーツを使っています。
並べて比較してみるとこんな感じ↓


左が全パーツ『諭す』だけの場合で、右が組み合わせた(本編で表示された)ものです。

いかがでしょう、目が違うとかなり印象が変わると思いませんか?
キャラクターに息を吹き込むのはもちろんボイスですが、それを活かすも殺すも表情次第だと強く思いますね。ですので、キャラの表情にはこだわっているよーというお話でした。


まぁ今回なぜこんな話をしたのかというと……。


音声収録しないと表情がいれられないんだよねぇえええええええ!
早く収録したいなと思う、今日この頃でした。

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