大決壊!~しつけて委員長9~
倒れてしまった委員長を保健室に連れ込んで、なにも間違いが起こらないわけないじゃないか。
Mに目覚めていく委員長の運命や如何に。
「さて、どうしたものか」
保健室のベッドサイドで戸惑っていたのは長政だった。
咄嗟の判断で円華を保健室へと運び込んで、ベッドに寝かせてみたものの、これからどうすればいいのかサッパリわからない。
保健の先生に任せておきたいところだけど、運が悪いことに保健の先生どころか一人の生徒さえもいない状態だった。
(俺の見間違いでなければ、委員長のスカートのなかには……)
長政だって男なのだ。
女子のスカートが捲れ上がれば見てしまうし、脳内メモリーに焼き付いてしまう。
これは男の悲しいサガってやつなのだ。
そして長政の脳内メモリーにも、しっかりと焼き付けられていた。
(委員長が、おむつ充ててた? しかもレモン色に染まっていたと言うことは……)
あの真面目な委員長が、授業中におもらしをしていたということだろうか?
その事実に驚いてしまうけど、きっとそういう体質なのだろう。
この前だって、
だからそのことを笑うのは、最低な奴がすることだ。
(それにしてもこうして見ると、委員長って意外と可愛いんだな)
まくらに散った黒髪はツヤツヤしてて、眉毛も形よくカールしている。
いつも不機嫌そうにしてる真面目な委員長も、無防備な寝顔は可愛いようだ。
(……って、俺はなに委員長に見とれてるんだよ)
今は委員長に見とれている場合ではない。
こんなに可愛い委員長のスカートのなかには、おしっこに濡れた紙おむつがあるのだ。
可愛い委員長のお尻を包み込んでいるのは、赤ん坊のような紙おむつ……。
それはなんだかとても背徳的なことのように思えた。
(まずい。変な気分になってきたぞ。……ときに、俺はどうすればいいんだ? 委員長が起きるまで待つ? それとも寝てる委員長を置いて教室に戻るか?)
もしも委員長が目を覚ましたとして、おむつを交換することになるのだろう。
そのときに隣にいるわけにもいかないし。
ここは一つ、書き置きでもして教室に帰った方がいいだろう。
ベッドサイドの小さな机にあったメモ帳に書き置きを残して立ち去ろうと――、
そのときだった。
「ん、んん……」
円華の眉目が微かに歪むと、やや吊り目気味の黒瞳が開かれてしまう。
円華は気怠げに身体を起こすけど、しかしまだ状況が飲み込めていないらしい。
目を擦りながら、座り気味の目つきでキョロキョロとあたりを見回していた。
「ここは……、保健室? 私、なんでこんなところにいるのかしら? ……あれ、御影君?」
「よ、よう」
長政は頬を引き攣らせてしまう。
面倒なことに巻き込まれたものだ。
ここで逃げ切ることができていれば、円華も自分の失態を思いだして早退なりなんなりしてくれただろうに。
だけど、こうなってしまった以上は、逃げようがない。
「あっ」
円華が短い悲鳴を漏らす。
恐らく、思いだしてしまったのだろう。
自らの失態を。
教室で長政とぶつかり、尻餅をついておむつを見られ、しかもおしっこを横漏れさせて気絶してしまったことを。
円華の頬が、みるみる赤くなっていく。
「大丈夫、クラスのみんなには見られてないと思うから」
「うう……、でも、御影君は見たんでしょう……?」
「そりゃあ、まあ」
「変だと思ったでしょ。学校でお、お、おおお、おむつ、穿いてるなんて」
「いや、そんなことは全然思ってないよ。そのことを笑う奴がいたとしたら、きっと最低な奴だと思うから」
「……笑わ、ないの?」
「ビックリはしたけど、笑ったりなんかしないよ、俺は」
「そ、そうなんだ……」
円華はベッドの上であひる座りして、内股をもじもじと擦り合わせてみせる。
セーラー服のスカートのなかには蒸れ蒸れおむつを穿いているのだ。きっと気持ち悪いのだろう。
昨日の公園で漏らしてしまったようだし、今日だっておむつを穿いてきている。
なにか困っていることがあれば助けてあげたいところだが……。
「委員長って、その……漏らしやすいのか?」
「そ、そんなことないわよっ」
さすがにストレートに聞きすぎただろうか。
円華は頬を真っ赤にして睨み付けてくる。
それっきり保健室に気まずい沈黙が落ちてくる。
……が。
円華は、視線を逸らしながらも、恥ずかしそうに口を開くのだった。
「その……笑わない?」
「たぶん」
「なによ、それ」
「笑うかも知れないから」
「もう、意地悪なんだから。でも御影君、私のおむつを笑わなかったし。だから知っておいて欲しいの」
「お、おう」
円華の声のトーンが落ちる。
それから待つこと二十秒ほど。
円華は、ゆっくりと口を開くのだった。
「私ね、子供のころからなんだけど……人前でこっそりおしっこするのが好きな子だったの……」
「? 委員長、なにを言ってるんだ?」
「そこ、本気でキョトンとしない! 恥ずかしいじゃないのよっ」
「い、いや。驚かないほうが無理だろ。と、とにかく、人前って、たとえば」
「プールとか、茂みとか……人に見つかりそうなところ、とか」
「もしかして、この前のプールの授業中」
「そ、そうよ……。あなたには気づかれそうで焦ったけど」
「それに公園でも?」
「うう、わざとしてました……。そういうスリルっていうの? ドキドキするのが大好きで、いつのまにか癖になっちゃってて」
まさかの真面目な委員長の告白。
それもかなり変態チックな。
長政は思わず言葉を失ってしまったけど、それでも顔を真っ赤にしている円華が余計に可愛く思えてきてしまう。
「ははっ。真面目だと思ってた委員長だけど、意外なところがあるんだな」
「やっぱり笑った」
「いや、これは違うんだ。委員長、いつも怖そうにしてたから、ギャップにビックリしたんだ」
「むー。いつも不機嫌そうで悪かったわね。ただおしっこ我慢してるだけなんだから! いい? このことは誰にも秘密だからねっ」
「わかってるよ。誰にも言わない」
「絶対に絶対なんだから」
「ああ、約束だ。二人だけの秘密ってやつだな」
「ふ、二人だけの秘密……」
その言葉が心の琴線に触れたのか、顔を更に赤くして俯いてしまった。
「でも」
円華は俯きながら呟く。
「……こんな変態な私、嫌いになったでしょう?」
「いや、別に。むしろ意外な面を知れて、可愛いなって」
「か、可愛い……ッ! そういうことを女の子に軽々しく言わないのっ」
「ほら、怒ってもやっぱり可愛い」
「もう、知らないっ」
「本当に可愛いって思ってるんだって。そうだ、代わりのおむつとか持ってきてるのか?」
「一応、カバンに入ってるけど……」
「俺がおむつを換えてやるよ。そのくらいやれば、俺が委員長のことを嫌いじゃないって証拠になると思うから」
「そ、それはさすがに恥ずかしいしっ。御影君ったら、急になにを言い出してるのよっ。そんな恥ずかしいことさせると思う!?」
「俺がそのだらしない尿道を、しっかり躾けてやらないとな」
「し、躾け……ッッッ」
しょわわわわわわ。
委員長のスカートのなかから、くぐもった水音が聞こえてくる。
どうやらたくさんおしっこを漏らしたというのに、また漏らし始めてしまったようだ。
それだけ円華の尿道はゆるゆるなのだろう。
「あっ、ああああぁぁぁ……」
円華は気まずそうな声を漏らし、どこか陶然とした表情を浮かべている。
どうやら、見られながら漏らしているというのに気持ちよくなってしまっているようだ。
「って、委員長。おむつ、もう限界だろ!? 横漏れしてくる!」
「あうう! でも、出てきちゃったら止まらないんだからぁ!」
「スカート捲って、仰向けになって!」
「はっ!? 御影君、ナイスアイディア!」
こうなったら最後の手段だった。
円華はスカートを捲り上げると、ベッドに仰向けになる。
レモン色に染まった花柄おむつが露わになった。
それはまるで赤ん坊がおむつを交換してもらう時のようなポーズだった。
横漏れしてしまうおしっこを、背中のほうの吸水ポリマーに吸わせようというのだ。
「あ、あ、あ、あ、あ、ああ」
しゅいいいいいいい……。
くぐもった水音がおむつから聞こえてきて、今にも力尽きそうになっている紙おむつが少しずつ膨らんでいく。
「お尻が……ああ、背中の方まであったかいよぉ……」
ブルル!
円華は大きく震えると、
プシュウ!
最後の噴射とともにおもらしは終わったようだ。
仰向け作戦が上手くいったのか、紙おむつは円華の失敗をすべて受け止めてくれている。
スカートを捲り上げているから、その様子がよく分かった。
「って、委員長のおむつをジッと見つめてるわけにもいかないよな。よし、いま交換してやるからな」
「……こんな屈辱的なことをされるなんて……ううっ」
口では嫌がっていても、本心では交換して欲しいと思っているのだろう。
円華は、戸惑いながらも赤ん坊のように脚を開き続ける。
「躾けてください、ご主人様」
「えっ?」
長政は一瞬なにを言われたのかわからなかった。
それでも円華は、顔を、そしておむつから伸びる太ももまでも真っ赤にさせて言うのだった。
「私のエッチでイケナイ身体を、ご主人様に躾けて欲しいの……」
「お、おう」
ご主人様。
真面目な委員長から、まさかこんな言葉が出てくるとは思わなかった。
だけどここで男である長政がドン引きしたら、円華に恥をかかせてしまうことになる。
せっかく円華は恥ずかしいのを我慢して、自分の秘密を教えてくれたというのに。
「わかった。それじゃあ今から俺が委員長……いや、円華のご主人様だ。おむつを換えてやるからジッとしてるんだぞ」
「は、はいぃ……」
どうやら円華はMのスイッチが完全に入っているようだ。
脚を開いたまま、嬉しそうにプルプルと震えている。
円華が持ってきたカバンから新しい紙おむつを取り出す。
「まずは円華のおむつを外してやらないとな」
「お、お願いします……」
テープタイプの紙おむつに指をかけ……、
■■■■■■■■■■■■
Mに目覚めようとしている委員長は、しつけられることを想像しただけで漏らしてしまう。
まだ調教は始まったばかり。