殻の王国制作エピソード~③背景デザイン 其の一
今回は、殻の王国の背景デサインについて話していきたいと思います。
殻の王国の背景は全てiroさんが描いています。
当初は違う絵師さんにお願いする予定でしたが、その絵師さんに私が描いた万魔殿の配色したラフを渡し、このイメージを基に~のような感じでとお願いしたところ、
「これ、もう完成してますよね? これ以上イジる所がありません」
ときっぱりと断られてしまい、キャラデザインをお願いしていたiroさんに事情を説明した所iroさんが快く引き受けてくれたので、キャラデザインに加え背景もiroさんにお願いすることになりました。
魔界の背景をデザインする上で最も重要視したのが、魔界の壮大さと人界にはない未知なる風景を表現することです。
しかし、魔王城外観や玉座の間をデザインするにあたって、荘厳さや魔王の威厳を表現しつつ人界にはない未知なる風景を表現することは非常に困難でした。
なぜなら、荘厳さや王の威厳という表現は、あくまでも人間の感性から見た表現であり、人界においての秩序性を含んでいるからです。
つまり、人外の感性で描いたものには、人間視点では荘厳さも威厳も感じられず、人間視点ではただ混沌がそこにあるだけの風景になってしまうのです。
結果、魔王城という概念自体が人間視点であるので、未だ誰も見たことのないデザイン且つ荘厳さと威厳のある魔王城を描くのは不可能であるという考えに至りました。
そこで、現実世界に存在する建築物の中で、最も悪魔的なデザインの建築物をベースに魔王城をデザインする方向で進めることになりました。
背景デザイン 其のニに続く