【今作音声収録の小話と、発売時期確定しました!】敗戦隷姫エルネア~亡国の姫は侵略国家の共有奴○~#5
お世話になっております!金色complexのせうまです!
発売日まで残り数日と迫ってきましたが、如何お過ごしでしょうか?本日は、『敗戦隷姫エルネア』のボイスに関しまして、音響スタジオ様で立ち合い収録をさせていただいたので、その感想記事を書かせていただければと思います!
●収録スタジオ様と、声優様
今作では、「アイボリーノーツ」という音響スタジオ様でボイスの収録をお願いさせていただきました。
立会をさせていただいた杏仁らいちさんには、今回の作品の主人公である「エルネア・ルーシェ」役をお願いさせていただいております!
エルネアは、気が強く生意気な少女らしさと気高い王族らしさを両立した女の子です。その為、杏仁らいちさんの可愛らしくも品と芯のあるお声がピッタリだと感じ、キャスティングをさせていただきました。
実は今作では、Hシーン以外の通常シーン(シリアスなシーンなど)にも私の独断で「声があった方が良いな」と感じるシーンに、ヒロインのボイスを付けていただいているシーンが多々あります。
そちらのシーンも熱演していただきましたので、ゲーム本編のストーリーやCGは勿論、ボイスの方もお楽しみいただけますと幸いです。
(キャラクターへの愛着が深まる程、Hシーンの実用性って上がりますよね)
●スタジオ収録の経緯
今回杏仁らいちさんに宅録ではなくスタジオでの収録をお願いした経緯としまして、お願いをするエルネア・ルーシェというキャラクターが本作の主人公ということもあり、依頼させていただく収録ボイスのワード数が宅録で行うには多かった為、杏仁らいちさんよりご提案をいただき懇意にしていらっしゃるスタジオさんをご紹介いただいたという経緯があります。
ボイスのボリュームが多くなってしまった理由に関しましては、Hシーンのシナリオライティングで、今作で「やえ」さんという友人のシナリオライターの方に一部お願いをする形にした、という点も理由ではありますが、作り込む内に加筆が楽しくなってしまってHシーンが宅録で収録出来る範囲を超えてしまったという点が理由として大きかったです。(このシチュには、このプレイとかこの描写があった方がエッチだよな!で無限にボリュームが増えていきます。正直当初の想定だともう少し小ボリュームの筈でした)
なので、結果論ですが、裏を返すと今作は前作以上にHシーンにボリュームがあります!
計画性が無いとも言えますが、そういったエッチシーンのボリューム面にもご期待いただける作品に仕上がっていると思います!
●ゲーム制作におけるスタジオ収録の優位点
お話を戻します!金色complexでは、今までは宅録でボイス収録をお願いする事が多く、今回が始めてのスタジオでの立ち会いのボイス収録だったので、正直少しの不安感もありました。
エロRPGにおける宅録でのボイス依頼は、「①台本を作る⇒②声優さんにお送りする」この二つの作業だけでゲーム制作側の主な作業は完結するので非常にやる事が分かりやすいのですが、スタジオ収録に関しては、インターネット等から得られる情報が少なく、「スタジオ収録って具体的に当日どのように収録をしていくんだろう」という部分がぼんやりとしたままにスタジオに足を運ぶ形になった事が不安の主な理由だったように思います。(今思い返してみると)
そういう点でも、スタジオ収録の体験記事がもう少し増えたら、立ち合い収録での心理的ハードルが下がって小規模なゲーム制作サークルでのスタジオ利用も増えるのかな……という気持ちもあり、今回記事を書いている部分もあります!
(リサーチ不足かもですが、中々同人サークル側視点での声優さんのスタジオ収録の感想記事を見かけないので、もっと増えて欲しいなぁという気持ちもあります!オタク心として、ジャンル問わず尊敬するクリエイターさんの制作の様子・現場を知りたい!という感情・欲求は結構普遍的な物なんじゃないかなぁというイメージがあります!作業環境の写真とか見るの好き)
スタジオ収録での全体の流れとしましては
①制作した台本・設定資料を、事前に音響スタジオさんと声優さんにメールでお送りする。
②当日、音響スタジオさんに足を運び台本の内容や各シーンの収録の順番等を音響さんと打ち合わせ。
③声優さんがスタジオへいらっしゃったら収録開始(音響さんと一緒に声優さんの演技を聞きながら、細かな演技確認やディレクション)
④後日、音響スタジオさんから音声ファイルが納品される。
という流れになります。
②の部分と③の部分で、実際にリアルタイムで意見やニュアンスのすり合わせや質疑応答が行える点以外は、基本的に宅録のやり方に近い物がありました。
ただ、この②と③の部分を即時・直感的に行える点が、収録量の多くなるワード数多めの台本だととても重要なのだなと感じました。
実際、スタジオで演技確認やディレクションをしていて、私の方でのシナリオ執筆上のミス(誤字)や声優さんの苦手分野・得意分野に沿った細部の台詞の変更・修正がその場の判断で出来るのが非常に有難かったです。
宅録だと、メールでのやり取りになるので、お戻しを受け取ってから返信の手間・時間が発生してしまうので、ワード数が多いとその分チェック作業等の回数も増えてしまいます。
(例えば、「サンタリオ公国」を「サンタリオ王国」と打ち間違えている台詞のミス。ゲップ系の演技が苦手な場合の嘔吐系の演技への脚本変更・演技確認等)
そういった面で、音声作品等と比較してワード数(ご依頼のボリューム)が多く、共通認識として擦り合わせておくべき設定が複雑になりがちなゲーム作品では、スタジオ収録には大きなメリットがあると感じました。
●収録当日の感想
今回お世話になった音響スタジオであるアイボリーノーツさんは、昨年独立された新スタジオで、お洒落な内装が印象的なスタジオです。
アイボリーノーツ代表で、音響周りの作業をお願いした長岡さんも内装と似た柔和な雰囲気が印象的な方でした。
(仕事部屋の雰囲気、そのクリエイターさんの人としての雰囲気を反映しがちな気がします。ちなみに、私の仕事部屋は植物が多いです)
また、収録ブース内の撮影も快くご許可をいただきました。
(ハチミツのど飴がありました。気遣いを感じます)
(椅子が回転するらしいです。杏仁らいちさんが「この回るやつが収録中に使いやすいんだよ!」と教えてくださいました)
収録スタジオを訪れ、ブースを拝見して、普段お世話になっている音声作品やゲームのボイスが、こういう場で収録されているのだなという感動がまずありました!
また、プロの仕事場としての機能美のような物が随所に溢れていて、機材オタクとしての興奮もありました!私は絵やシナリオを執筆する事が多いので、必要機材というと液タブ位なのですが、音楽系は機材が沢山あって楽しそうだなと感じます。
(長岡さんも杏仁らいちさんも雑談を沢山してくださる方だったので、機材のお話や防音室のお話等を聞けて楽しかったです!)
雑談といえば、今回は声優さんから直接、声優さん視点での読みやすい台本の要点・作り方をお伺い出来たのが収穫だったと感じます。ト書きを該当セリフの直前に書き込む事。立ち会い収録をする上での通し番号付記の重要性。声優さんの視線を意識して、収録の流れを止めない為の台本レイアウト。
宅録・スタジオ収録問わず、次回作での音声収録に活かせそうな学びを得られたと感じます!
●プロって凄いなぁという話(雑記。ここは読み飛ばしていただいても大丈夫です)
ここからは、今思い出せる当日の感想・印象的だった事を雑記として徒然なるままに書いていこうと思います。
長々と書き連ねてしまいましたが、今回初めて音響スタジオさんでスタジオ収録をさせていただいた感想は「プロって凄いなぁ」という一言でまとめられてしまうように思います。
特に、杏仁らいちさんの収録に立ち合わせていただいている最中、収録の小休憩で杏仁らいちさんが収録ブースから出てくる度、さっきまで「エルネア」だった女の子が「杏仁らいち」さんに切り替わる雰囲気の変化が印象的で、「プロって凄いなぁ」と強く感じました!
声優さんがブース外で私達と普通に話をしている時には役の演技をしていないので、当たり前といえば当たり前な表現になってしまっているのですが、そういった物ではなく「声色が変わる」というより、「雰囲気が変わる」というニュアンスが適切な感じがする感覚でした。
(初めての感覚だったので、印象に残っています)
雑談中はほわほわとした優しい女性という雰囲気の杏仁らいちさんが、ブースに入って収録を始めると、「この声は、確かに故郷を燃やされているよなぁ」というエルネアの重いバックグラウンドを経て来た、優しくも陰や負の感情を抱えた王族の声に切り替わる。そういう役の憑依感のようなものがありました。
これを実際に体験出来ただけでも、スタジオ収録をお願いした甲斐というか、ゲームを作っていた甲斐があったと思います。
また、今作はオホ系や叫び等ハードな演技が多く、喉に負担のかかる台本をスロートコートを流し込みながら演じてくださっている姿が印象的でした。
すごい熱演ぶりだったので、何度か休憩を挟みながらも命を削るように収録ブースに赴いてくださり、喉を壊さないか心配になりつつも、これがエルネアだよなぁと強く感じました。(自分の子なので元々エルネアの事は大好きなのですが、お声を付けて頂いたことで、より愛着が湧きました。エルネアの完璧じゃないながらも頑張る姿がとても好きです)
脚本は主に私が書いているので、各シーンでのエルネアの心情については私が一番よく理解しているつもりだったのですが、役を解釈して演じてくださる声優さんの姿を見ていると、私の解釈よりも今この瞬間にエルネアを演じている杏仁らいちさんが今感じている事柄・解釈・思考こそが本当のエルネアの心情なんじゃないかな?という感覚にもなりました。
私は昔4年程漫画家をやっていた時期があるのですが、こういう自分が作ったキャラクターの解釈の絶対性が揺らぐ感触は、一人(厳密には編集さんと一緒に唸りながらネームをコネまわすので二人)で作る漫画とは違い、多くの方の力を借りながら作品を作れるゲーム制作の面白さだなぁと感じました。
音響・編集周りをしてくださった長岡さんも、リアルタイムでボイスをチェックしながら、収録の流れを止めずに適切なディレクション(演技・漢字の読みの指定)をしてくださり、とても助かりました。ボイス収録がある程度ひと段落付く度に(例えば、一つのHシーンの収録が完了する度に)長岡さんと私で「今の収録内容で問題無かったか・リテイクをお願いするべき所が無いか」を話して、声優さんにOKかどうかをお伝えするのですが。その際の音響さんのディレクションの精度が高すぎるあまりに、度々、「これって僕が抜けていても長岡さんが完璧にディレクションしてくれるから問題無い気もするなぁ」と思う瞬間がある程で、こちらも、やっぱりプロは凄いなぁと感じた瞬間でした。瞬間というか、常時そういう感じだったので、ずっと凄いなぁと感じている感じだった気もします。
(長岡さんとの雑談で、凄腕の音響さんになると、音響ソフトに表示されている声優さんのボイスの波形を見るだけで修正が必要になりそうな箇所が分かる!みたいなお話を聞いて、どんな職種でも、凄い人のスキルって第六感染みてるなぁと感じました。プロってかっこいいです!)
●最後に
最後となりますが、改めまして金色complex最新作『敗戦隷姫エルネア』の発売まで残り数日と迫ってきております!(4月下旬予定で既に完成ファイルの方は販売サイトさんへお送りしているのですが、販売サイトさんでの審査期間次第なので4月20日~末が販売開始目途になるかと思います!)
今作はHシーンフルボイス+一部ボイス有りの作品となっているので、ボイス面でもボリュームがあり、今回のスタジオ収録でもエルネアのボイスのみでも凡そ3日、十数時間を掛けて熱演をしていただきました!量・質共に熱のある作品に仕上がっていると思いますので、楽しみにお待ちいただけますと嬉しいです!
それでは、失礼いたします!