作品紹介「真昼に踊る犯罪者」

ライターの「今俊郎」様による作品紹介記事です。
今回はソフトハウスキャラの4作目「真昼に踊る犯罪者」です。
こちらは「全力支援プラン」のプレゼント作品にもなります。
くわしくは「全力支援プラン」の記事をご確認ください。


2001年4月20日に『海賊王冠』を発売したソフトハウスキャラが、その半年後となる10月26日にリリースした第4弾作品。それが『真昼に踊る犯罪者』だ。この作品が発表された当初は、過去3作とは趣を異にする、そのスタイリッシュなタイトルも注目された。しかもジャンルは「大都会犯罪シミュレーション」。これまでのソフトハウスキャラの作風とは、がらりと変わったというイメージ。当時は「新ブランドは3本リリースすることで定着する」ということが言われていたが、その3本目を経て、新たな方向性を打ち出してくるチャレンジャブルな作品、という印象があったのは間違いない。
とはいえ、結果的には、2005年に発売された、ソフトハウスキャラファンにも人気の高い『ダンシング・クレイジーズ』に繋がっていくわけだから、様々なジャンルの作品をリリースしてきた初期ソフトハウスキャラの展開は、一つの正解だったと言えるだろう。

話を『真昼に踊る犯罪者』に戻す。
この作品は、現代日本の加来山府にある都市を舞台としている。昼は健全な経済都市でありながら、夜には陰謀渦巻く混沌都市。そこで「何でも屋」を営む主人公たちが、持ち込まれた様々な依頼を解決していく。その依頼は合法的なものはもちろん、強盗や誘拐などの犯罪行為まで含まれる──というストーリー。まさに「大都会犯罪SLG」と呼ぶにふさわしい設定だ。

主人公は、その「何でも屋」を営む山県一義。彼と、彼の3人の部下が、数々の依頼をこなしていくわけだが、とにかくその3人の部下がすごい。都会に出てきた忍の奥平鈴、妖としての特殊能力を駆使した情報収集に秀でた葵宮子、そして「殺し屋界のプリンセス」とも呼ばれたほどの凄腕を誇るアーティ・ブルックリン。この3人の美少女たちを駆使して、数々の事件と犯罪行為を成功させていくのだ。

とはいえ、そこはソフトハウスキャラのSLG。この4人だけで事件のすべてが解決できるわけではない。そこで一義は多数登場する協力者を駆使して、よりミッションを容易にクリアできるようにしていくことになる。このあたりは、まさにソフトハウスキャラらしさというところだろう。
このように、依頼を受けて解決する中で発生する重要依頼をクリアすることでシナリオを進めていく、というのが『真昼に踊る犯罪者』の主な流れである。舞台は現代であるから当然現代的なミッションやストーリーがメインなのだが、「何でも屋」に忍や妖がいることから、ファンタジー的な展開もあり、なかなかにバリエーション豊かなミッションが揃っているのだ。

そんなミッションをクリアするSLGパートの進行は、さほど難しくない。しかしながら、単に依頼を受けて、支援者を集めればクリアできるというものではないあたりが、ソフトハウスキャラらしいいやらしさ。ミッションの攻略難易度を下げるためには「何でも屋」や協力者を訓練しなければならないし、ゲームを円滑に進めるために必要な資金を調達するためのアルバイトパートもある。

さらにメインのキャラクターはもちろん、支援者たちにもそれぞれに得意な技術が設定されているから、どのミッションに度のキャラを配置するかでクリアの難易度は当然変わってくるわけだ。
こんな風にプレイヤーの攻略スタイルやこだわりに応じて、様々な遊び方ができるというのも、まさにソフトハウスキャラ作品といったところ。依頼をクリアするために町を徘徊して罠を仕掛けるとか、「どんだけやりこみマニアを楽しませてくれるんだよ!」と嬉しい悲鳴を上げそうになる。ちなみに依頼の総数は999件で、さらに依頼によっては複数回持ち込まれるものもあるという。正直、アタマオカシイと言いたくなる数である。

エッチシーンに関しては、ストーリーを進めていくことで、順次オープンしていく形になっている。ただ、ストーリーを進めるためにはクリアした依頼数、日数、所持金などなど、様々な要素が関係してくる。
ヒロインとのエンディングについては、ミッションのリーダーとしてクリアした依頼の数に関係するので、「このヒロインのエンディングが見たい!」となれば、そのヒロインを集中的にリーダーに指名したくなるところ。ところが先にも書いた通り、ヒロインに設定された得意ジャンルというのがあるので、そこの兼ね合いに頭を悩ませることになる。
正直「なんでもいいからエロシーンを見せろ!」というゲームではないのだ。このあたり、いかにも2001年のエロSLGって感じだなあと、今回原稿を書きながら改めて思ってしまった。とにかくいえることはひとつ──がんばれ、だ。

そんな『真昼に踊る犯罪者』にも、ソフトハウスキャラならではのお遊びだって盛り込まれている。
登場ヒロインの鈴と宮子は『葵屋まっしぐら』と関係があるし、ゲームの中に葵屋も登場する(探すのは簡単ではないが)。さらにこの後に発売された『ダンシング・クレイジーズ』との関連もあるので、そこを探してみるのも面白いだろう。
ゲームとしてみれば、この作品でソフトハウスキャラは初めてヒロインボイスと主題歌を採用しているというのも、大きな転換点。山春日霧姫役で出演された羽賀ゆいさんは、プララジ第8回から第10回にゲスト出演していただけているので、ぜひそちらを聴きなおしていただきたい。

ということで、ソフトハウスキャラのラインナップの中でも、初期の大きなマイルストーンでもある『真昼に踊る犯罪者』。現在は店頭で探すことは難しくなってきているが、機会があればぜひともプレイしてほしい1本であるのは、まちがいない。


プララジの「羽賀ゆい」様出演回は こちらになります。
第8回 第9回 第10回
これからもこのような感じで次々作品紹介をして行きたいと思います。
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