~ザ・ファブル~「擦り減っていく心…清水ミサキ」
『ザ・ファブル』
同人作品です。
忠実な再現はしてませんが、ネタバレが苦手な方は避けてください。
前作
~ザ・ファブル~「小島の狙いは清水ミサキ」
~ザ・ファブル~「清水ミサキの契約書」
~ザ・ファブル~「清水ミサキが欲しい似顔絵…」
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23422904
上記も併せてお読みください。
~本編~
・・・・・・・・・・。
そして、二階の部屋では――
ミサキが一人、静かに立っていた。坊主頭の舎弟は、ドアの前に立ちながら笑みを浮かべている。
「さ、これからやで。“できる女”ってとこ、しっかり見せてもらおか」
ミサキの胸の奥に、冷たいものがゆっくりと満ちていくのを感じていた。
けれどその奥底では、何かが、確実に目を覚まそうとしていた。
二階の部屋――薄暗いその個室の中で、ミサキはただ静かに立ち尽くしていた。蛍光灯の灯りは古びていて、ちらちらと明滅を繰り返している。そのちらつきが、彼女の不安をますます煽った。
背後でドアが閉まる音。そのすぐ後に、無遠慮な金属音が響いた。ガチャン、と無骨な鍵が掛けられる音だった。
「ま、逃げられても困るしな。お互いのためやでぇ~」
そう呟いたのは、坊主頭の舎弟だった。
彼は部屋の隅にミサキを軽く見やったあと、前で待機してる三人に向かって肩越しに振り返った。
「おい、お前ら。興味あるなら覗いたらええでぇ?俺、見られとる方が燃えるタイプやからさ」
ニヤニヤとした顔には、恥じらいも迷いもなかった。
「……せやけど、手ぇ出すのはアカンで?“初回限定”っちゅうのは、俺の役得や。まぁ、順番はあとで決めたらええわ」
軽口のつもりで放たれたその言葉に、外の三人は薄ら笑いを返すだけで特に応じなかったが、その目は明らかに興味を隠しきれていなかった。
ミサキは、そのやり取りを聞きながら、喉の奥がきゅうと締めつけられるような感覚に襲われていた。
(……また……始まるんや……)
坊主は腕をぐるりと回しながら、肩の力を抜くようにして言った。
「まぁ……しゃあないわな?こっちはこっちで“仕事”やし。あんたもようやく女として目ェ覚ますときや。──俺がその“初乗り”いただけるっちゅうんは、ラッキーやなぁ~」
いやらしさと軽薄さが入り混じった口調で言いながら、坊主はゆっくりと歩み寄る。
その足音が一歩ごとに近づくたび、ミサキの肩は微かに震えた。けれど、逃げる場所はない。背中はすでに壁につかえている。
「大丈夫やって。そんな怖い顔せんと。俺は優しい方やで?──ちゃんと“感じさせる”のが信条やからな」
笑いながら手を伸ばしかける男の動きに、ミサキは思わず体を強ばらせた。唇がわずかに震え、目は逸らされたまま。
そのときの彼女の胸の内には、恐怖と怒りと、そして……もはや限界に近い無力感が絡み合っていた。
(……なんで、私がこんな目に……)
男の足音が、鈍く床を軋ませながら近づいてくる。
部屋に響くのは、その音と蛍光灯のかすかな唸り声だけ。ミサキは背を壁につけたまま微動だにできずにいた。喉の奥で何かを飲み込むように、息を潜める。
男はニタニタとした笑みを崩さぬまま、その距離を詰めた。指先をわずかにひらひらと動かしながら――まるで品定めするように。
「緊張してるんか? いや、わかるで。そらそうや。けどな、始まってしもたもんは止まらへん。安心せぇって……丁寧に扱ったるさかい」
気味の悪い優しさを装ったその声が、ミサキの耳を撫でた。
そして、男の手が――ゆっくりと、だがためらいなく、ミサキの頬に触れた。
「……やわらか。肌、キレイやなぁ……手入れしとるやろ?」
触れられた瞬間、ミサキは顔を逸らすようにして首を振った。咄嗟に男の手を振り払おうとするが、力の差は明白だった。
男は動じることなく、逆にもう一方の手を使って彼女の両肩を押さえ込む。
「ほらほら、暴れんでもええって。力入れたら余計しんどい思いするだけや。な? 慣れたら、気持ちよぉなるかもしれんのに……」
歪んだ理屈が、息に混じって吐き出される。
男の手が下へと滑っていく。指先がゆっくりと胸元に伸び――ミサキのブラ越しに、柔らかな膨らみを掴んだ。
「……くっ、やめて!」
ミサキが叫ぶように押し返そうとするが、男は一切意に介さず、そのまま指をめり込ませるようにして揉み始める。ニヤニヤと顔を歪めながら、恍惚としたように。
「うわぁ……ええな……まじで、想像以上やんけ……これ、俺のもんやろ?」
「違うっ……触らないで……!」
ミサキは必死に身を捻り、腕を振りほどこうとする。しかし男の手は離れない。むしろ、その力はますます強くなる。
「んで……次は、ここやな」
囁くような声とともに、男の手がミサキのスカートの裾にかかった。
爪先が、生地の中をまさぐるように滑り込んでいく。太腿の内側に指が触れた瞬間、ミサキの背筋が反射的に跳ねた。
「……やっ……やめてってば……!」
彼女の声はかすれ、涙声に近かった。足を閉じようとするが、男は膝をねじ込むようにして間を押し広げる。
「……暴れたら怪我するで? 俺、ちゃんとやるから。そっちが変に抵抗せんかったら、優しぃに決まっとるやん……」
スカートの奥へと侵入してくる指先の気配。汗ばむほどに熱を帯びた空気が、下半身を包み込んでいく。ミサキの喉が詰まり、声にならない吐息がもれる。
だが、次の瞬間――
「やめてっ……!」
必死に振り払うように、彼女は手を叩き落とした。体をよじって逃げようとするが、壁との間には逃げ道がない。
男は一瞬ひるむも、すぐに口元を歪めて笑った。
「おぉ、元気ええな。けどよぉ……」
そう言いながら、再び手を伸ばし、今度は強引に太腿の内側へと指をねじ込んでくる。
「……なんやこれ……もうヌレヌレやないか。お前、ホンマは待っとったんちゃうか?」
ミサキは目を見開き、怒りと羞恥が一気に込み上げる。
「違うっ……!そんなわけあるかっ!」
叫びながら男の顔に手を伸ばし、爪を立てるようにひっかこうとする。だが、その動きはあっさりと止められた。腕を掴まれ、背中を壁に押しつけられる。
「はいはい、そんなん無駄やって……もっと素直にならなアカンで?」
囁きながら、男はもう一方の手を腰の奥へと滑らせる。ショーツの縁をなぞるように指が這い、やがてその中へと潜り込んでいく。
ミサキは全身を震わせ、膝に力を込めて突き飛ばそうとしたが、男の膝が割って入っていて自由がきかない。
「ほら、もうグチョグチョやん……感じとる証拠や。身体はウソつかんて、よう言うやろ?」
声の調子は軽く、笑いさえ混じっているが、その指先には容赦がなかった。
ミサキは奥歯を噛みしめ、涙がにじみ始める。
(ちがう……これは違う……! 私は――)
必死に腰を捻るも、男の腕力に抗えない。ショーツ越しに触れてくる指先が、いやらしく割れ目をなぞり、くちゅり、と音が鳴った瞬間、男が声を弾ませた。
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