新作サンプル 露出魔メリーの暴かれた秘密の変態性癖(その1)
露出魔メリー サンプル(1/4)
第23回例大祭で頒布した露出魔メリーが強○魔たちに見つかってぐちょぐちょに犯される小説の前半を4回に分けてサンプル投稿します。
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書籍版: 【小説】廃嬢執行 露出魔メリーの暴かれた秘密の変態性癖
DL版: 廃嬢執行 露出魔メリーの暴かれた秘密の変態性癖
それでは本文です〜
第一章
木曜日の夕方、メリーは大学構内を歩いていた。大学構内は浮ついた雰囲気の学生で賑わっている。なぜ浮ついているかといえば金曜日に講義を入れていない大学生にとっては木曜とは週末であるからだ。それはメリーにとっても同じだった。
普段であれば蓮子と秘封倶楽部の遠征を計画するか、あるいは遊びに繰り出すはずだがあいにくと蓮子は金曜から泊まりがけのバイトがあるとかで予定が空いていた。
「泊まりがけのアルバイトって蓮子は何をするのかしらね」
メリーは寂しげに独り言を呟いた。
秘封倶楽部の遠征費用は遠距離まで出かけることが多い。つまりそれなりの金額になるため生活費用と合わせると普段のアルバイトの稼ぎだけでは厳しくなってしまう。
蓮子はその費用を稼ぐために稼ぎのいい週末に開催されるイベントのアルバイトを掛け持ちしていた。だがお嬢様育ちのメリーにとってそもそも学費や生活費を自分で稼ぐという概念が乏しかった。
もちろんメリーも社会勉強も兼ねて何度か働こうとしたことはある。だが、お嬢様育ちのおっとりとした性質と、あまりの美貌ゆえにバイト仲間や客との間に無用なトラブルを起こしてしまうため短期でやめざるをえなくなり、以降は何もしていない。
蓮子がいないとなると途端にメリーは時間を持て余してしまう。メリーにとって凡人との時間は退屈に過ぎるため蓮子以外に友人がいないのだ。いや正確にいえば友人に値する人物がいないといった方が正確だろう。
だが体力と好奇心を持て余したメリーにとって週末の3日間は長すぎた。そして聡明で行動力に優れたメリーは一人でもできる楽しむべき趣味をすでに見つけていた。この週末は趣味を楽しむことに決めたメリーは鞄から携帯端末を取り出す。
趣味を楽しむにしてもどこで楽しむか、その場所も重要だ。どこにすべきだろうか?
その時すぐ前を歩いていた女子学生たちの会話が耳に入った。
「ねぇ、聞いた? H山市民公園のランニングコース。先週、不審者が出たんだって」
髪の毛を短く切りそろえた女子学生が友人らしき娘に話しかけた。
「あー、あそこ夜は暗いもんね。また露出狂が出たの?」
隣にいたポニーテールの女子学生が応じる。二人とも運動部らしい。
「違うって。ランニングしていた女性が襲われたって話。パトカー何台もいたらしい」
短髪の女子学生が話を訂正する。そのあと会話は話題のカフェに移って行った。
メリーはその会話にインスピレーションを得た。H山市民公園ならば何度か行ったことがある。女性が男に襲われたという話は物騒だが、先週ならば警察も捜査に入った現場に犯人が戻ってくることもないだろう。
暗いというのもいい話だ。メリーの趣味には適度な暗さが必要になる。そうと決まれば今週末はH山市民公園に行くことにしよう。善は急げ、メリーが日本で覚えた諺の中で好きな言葉の1つだ。行くなら今日がいい。
目的と場所を決めたメリーは足早に自宅を目指した。
酉京都の中心部の中で比較的高層建築が許される新市街区。その中でも規制限度である15階建てのマンションがメリーの自宅だ。メリーはシャワーを浴びて着替えを済ます頃にはすでに太陽は京都を囲む山の向こうへと落ちていた。
だがメリーは夜の散歩を気にもとめない。むしろそちらの方が都合がいいからだ。
マンションの駐車場に駐めてある高級セダンは父親が普段使い用の車として買い与えてくれたものだ。メリーはその運転席に乗り込むと起動スイッチを押す。エンジンの頼もしい起動音が響いた。
メリーは宵の口の京都の街を郊外へと車を走らせていく。中心部の眩い高層ビルの明かりから郊外の優しい明かりへと景色が変わっていく。店の数が減り戸建てばかりの住宅街に入るがメリーは車を走らせ続ける。
やがて住宅どころか街灯もまばらな酉京都の外れに着くと十字路に面した広大な駐車場にメリーは車を乗り入れた。駐車場の入り口には発券機などというものはない。土地を持て余すような郊外であるために満車になることもないこの駐車場には、発券機などというものは不要だからだ。
車から降りるとメリーは周囲を見渡す。自分の車で来るのは初めてだが事前に目をつけて下調べしていたとおりの場所だった。十字路をこのままいけばH山があり山越えすれば隣県へと抜けられる。だがメリーは今日はそちらに用はなかった。
十字路を左に進めばH山市民公園がある。広大な敷地を持つよく整備された公園で球場やグラウンド、ランニングコースなどを備えている。日没後は人が少なくなる場所であるし今日のメリーの目的地はそこでもない。
十字路を右に進めば高速道路の出入り口がある。そういう場所にありがちないかがわしいラブホテルが何軒かとカラオケとファミレスが1つずつある他は何もない場所だ。当然ながらメリーの目的地は違う。
メリーの今日の目的地はここ。正確にいえばこの駐車場に併設された商業施設だ。
この駐車場の入り口には「オアシスH山」という古い看板がかけられているが施設名を記憶している利用者はいないだろう。なにしろ独立した平屋型のテナントが3軒あるだけの商業施設だからだ。
この施設のメインテナントはサウナ併設の大型スパだ。昔は市民公園で運動した利用者が汗を流す目的で大いに賑わっていたらしい。もっとも現在は老朽化したボイラーが故障中で無期限休業となっており、その影響でこの施設も閑古鳥が鳴いている。
スパの奥側にある2つめのテナントはコンビニだ。コンビニという割には広い床面積とL字型に曲がった不思議な構造をしている。
開業当時は別の業態のテナントが入居していたに違いない。そうでないと屈曲してレジから目の届かないスペースがある構造はコンビニとして不自然だからだ。
……しかしこのレジから目が届かない構造になっているからこそこの店はある趣味を持つ人々にとっては人気のある場所となっていた。
コンビニの奥をよく注意してみると漏れ出る灯りから実は3つめのテナントがあることに気づくだろう。看板にはエスニックパラダイスなる店名が書いてあるが一見して何の商品を売っている店なのか分からない。
店舗を外から眺めても中を伺えないように窓にミラー加工されたシートが貼られているため、ますます何の店か分からない。開業当初は広い床面積を活かしたレストランが入居していたらしいが気づかれづらい建物位置が災いして早々に撤退したらしい。
それ以降テナントが何度も入れ替わり、今は訳のわからない店となっていた。だがそれゆえに一部の人々から興味を集める店になっている。
この商業施設の閑古鳥の理由は明らかだ。メイン施設であるサウナを備えたスパが無期限の休業中だからだ。だがそれは大した問題ではない。今日のメリーにとって興味があるのは市民公園と2つめのコンビニ、そして3つめのテナントだからだ。
メリーは車から降りた、春の夜風が冷たい。メリーが家から来てきたコートを運転席に放り投げるとジョギング用のスポーティな服があらわになる。トップスのTシャツ一枚に下はショートパンツだけ、さらにスニーカーと靴下だけという薄着すぎる格好だ。
H山市民公園の方から若い男が一人駐車場に向けて歩いてくるのが見える。どうやら市民公園のランニングコースで走り終えてきたのだろう。汗だくの肌を見れば彼が一汗かいてきたのは間違いない。
H山市民公園の駐車場はやや奥まったところにあることから、市民公園の利用者の多くはこのスパやコンビニがある商業施設の併設駐車場に車を駐めて利用することが多い。
人の数は少ないが適度にひと気があることも、今晩のメリーにとってこのロケーションを今日の趣味を実行する場所として選んだ理由として重要だった。
メリーの趣味はほぼ無人の場所で楽しむには危なすぎるからだ。人が多すぎてはやりづらいが、人があまりにいないと襲われるかもしれない。かといって完全に無人では張り合いがない。そこがこの趣味の難しいところであり下調べが重要になる理由でもある。
さて、早速始めるとしよう。メリーは車の鍵をロックするとH山市民公園に向けて歩き出した。薄着に加えて荷物は小型のランニングポーチだけ。中身は車の鍵と財布と携帯端末だ。携帯端末を確認する。19時を少し回っている、いい時間と言えるだろう。
メリーはゆっくりとH山市民公園に向けて走り出した。
H山市民公園にはランニングコースも備えられていた。ランニングコースというものはある程度曲がりくねっているにせよ歪んだ楕円のような形になっている。
コースに入った人間は、コースに指示が書いていない限り迷うことになる。右回りで走るべきか、左回りで走るべきかという点だ。周囲にランナーがいれば多くの人間はそれに合わせるだろうが今回は人がいなかった。
一説によれば左回りで走る人間の方が多いという。無意識に利き足をよく使う走り方を選ぶためであり、利き足が右足の人間の方が多いからだ。
メリーはそれを知っている。だからこそ彼女はコースを右回りに走り始めた。
軽やかな疾駆音があたりに響いている。夜闇の中で夜の京都の山の輪郭だけが遠くに浮かび、足音だけが響く。土を蹴る足の感覚が心地よい。
前方から逆向きに走る中年女性のランナーが見えてきた。すれ違いざまに中年女性はメリーに一瞥をくれるとやや眉を寄せてそのまま後方へと消えていく。
次に見えてきたのは同じく逆向きに走る青年のランナーだ。タンクトップ姿で肉体をよく鍛えていることがひと目でわかる。青年はメリーに目線を向けるとやや戸惑ったような反応を示した。
青年は何も見ていないかのように顔を正面に向けるとランニングを続け始めた。だがメリーと青年がすれ違う瞬間、青年が顔を前に向けたまま横目で彼女の胸の辺りを凝視していたことをメリーは見逃さなかった。
青年とすれ違ったあとメリーは得意げにふふんと笑う。メリーの今日の服装はトップスのTシャツと短パンだ。薄着だがランニング目的とあれば不審に思う人間はいない。
だが走り出せば話は別だ。ばるんばるんと踊る胸が他人の目を惹いてしまう。メリーはトップスの下にブラジャーを着けていなかった。もちろん意図的なものだ。
次に現れたのはハゲかけた中年男だった。もちろん走る向きは逆向きだ。
中年男はメリーの様子にすぐに気づいた。メリーが走るたびにばるんっばるんっと胸が勢いよく踊り狂う。中年男はメリーの顔と胸を交互に見ながら凝視すべきかそれとも忠告すべきか迷った様子で面白いほどに動揺する。
中年男の様子に腹の底で笑い転げながらメリーは表面上は気づかないふりをして平静を装う。もし話しかけて来たら日本語が分からないふりであしらうつもりだった。
メリーは日本という国が好きだ。清潔で治安がいい。若い女がノーブラで胸を揺らしながら独りでランニングするなど母国では犯してくれと言わんばかりの破廉恥な行為だ。
だが日本の男たちは(大学や繁華街で寄ってくるナンパ男は例外として)遠慮がちで慎み深い。こんな明らかに痴女同然の格好でランニングしたとしてもせいぜい注意で留めてくれる。
母国では横暴で有名な警官もそうだ。日本の警官は「あなたは外国人だから分からないだろうけど」と親切そうに身の危険を忠告してくれる。メリーはいつも胸から必死に目を逸らそうとする男性警官の様子に笑わずに堪えることに苦労していた。
中年男は首ごとメリーの胸に向けながらもはや体面を取り繕うことを諦めたのか舐め回すようにねっとりとした視線をすれ違うまで投げかけ続けてきた。
もはやメリーは失笑を噛み殺すのに必死だった。そこまでしておきながら中年男はすれ違うとそのまま走り去ってしまう。日本人の「礼儀正しさ」は外国人であるメリーから見ればちぐはぐにすぎるのだ。
あの中年男がもしすれ違った後に引き返して追いかけてきたり、あるいはメリーの腕を掴んで草むらにでも引きずり込もうとするならメリーにとっても笑い事ではなくなる。
だがノーブラでのジョギングなど日本に来てから数えきれないほどに繰り返したが今までにされたことはなかった。いや単に今まで運が良かっただけかもしれない。
事実、先日この公園で女性が男たちに襲われたと大学で噂話を聞いたばかりだ。ただしメリーも対策を講じていないわけではない。防犯ブザーを常備しているし、適度に通行人が通る場所を選んでいる。
いきなり襲われたとしても致命的な事態にはならないはずだった。
その後も何人ものランナーとすれ違い、男性たちは態度に違いはあるもののメリーの豊かな胸がばるんっばるんっと走るたびに揺れる様を凝視する姿は同じだった。
そうこうしているうちにメリーは最初の地点に戻ってくる。案内板によればランニングコースは一周2500メートルだ。30分も走っていないために体が温まり始めたばかりで物足りなさを感じる。
……となればもう一周走ったとしてもなんの問題もあるまい。そう考えたメリーは軽やかにランニングコースを走り始めた。同じコースを走るのだから先ほどすれ違った人々と同じようにすれ違うのもまた当然だろう。
ある者は驚いたような反応を示す。ある者はすれ違う前から何かを探すように遠くに視線を投げており、メリーを見つけると目当てのものに出会った反応を示した。別の者は先ほどは遠慮がちだった視線から遠慮がなくなっていた。
走るうちに先ほどすれ違った青年が現れる。先ほどは顔を正面に向けたまま横目で豊乳を凝視していた青年は、最初は視線だけを胸に向けていた。
だがメリーが自分の視線に気づきながら非難するような仕草を見せないことに気づくと彼女の弾む爆乳に顔ごと向けながら舐め回すように凝視し続けた。
このまま走り続けたらどうなるだろうか。我慢の効かなくなった男が現れて腕を掴まれて草むらや公衆トイレに引きずり込まれれてしまうかもしれない。
想像するとメリーの背筋がゾクゾクと震えた。背筋を震わせるのは恐怖や不安だけではない、いやむしろ期待と興奮の方が大きかった。
そして想像によってスイッチが入り我慢が効かなくなったのはメリーの方だった。
メリーは前後を確認し、人の姿が見えないことを確かめるとコースから外れる。そこにあるのは何の変哲もない樹だ。ただし木の周囲を囲うようにドーナッツ型の背の低い植え込みが形作られている。
樹のすぐそばにしゃがむと植え込みが目隠しとなってランニングコースからメリーの姿を見つけることはできなくなる。だが念には念を入れる必要がある。
メリーは少しだけ背を伸ばして周囲をキョロキョロと確認し、間違いなく今の自分が誰にも見つけられない状態にあること、そして周囲に誰もいないことを確かめた。
安全であることを確かめるとメリーはしゃがんだままランニングパンツと下着のショーツを膝までずり下ろした。H山から吹き下ろしてくる風は冷たく、ここが酉京都の市街地よりずっと涼しいことをメリーの肌に訴えかける。
メリーは下半身に力を入れた。数秒ののちに乙女のクレヴァスから最初は緩慢に、そして次第に激しく液体が噴き出し始めた。
じょろ、じょろろっ、じょろろろろぉぉぉ……。メリーはブルリと体を震わせる。今自分は野外で小便をしている。野ションという男でも下品とされる行為を、若い女がしているのだ。しかもすぐ近くには公衆トイレさえある。
もし他人に見つかりでもしたらよくて頭のおかしい女として軽蔑、悪ければそのまま犯されてしまうに違いなかった。
じょろろぉ、と黄色い液体はアンモニア臭を撒き散らしながらもまだ出続ける。ひどい尿の悪臭が彼女が行なっている野外排泄の異常さをメリーの嗅覚に訴えた。
排尿が終わるまでは逃げることも周囲を窺うこともできない。もしかしたらすぐ近くにまで人が来ているかもしれない。臭いや音で自分に気づくかもしれない。
地面に落ちた尿が細い小川となってランニングコースにまで流れ、ランナーに気づかれてしまうかもしれない。そんなスリルがメリーを興奮させ、腰の奥を熱く激らせる。
誰かに気づかれるかもしれない、気づかれたらどんなひどいことになるだろうか。それを想像するだけでメリーの背筋がゾクゾクと震える。
やがてメリーの秘裂から溢れ出る小水はぽたぽたと垂れ落ちる水滴だけになり、そして途絶えた。膀胱の中身が空になったのだ。
小便が終わってなお、メリーは立ち上がることができなかった。異常な興奮の余韻により肉体が昂っている。メリーは2歩ほど歩くと自分の小便で汚れていない場所に白い尻を下ろすと指で興奮のままに己の秘裂を慰め始めた……。
メリーも本国にいた時からこんな露出という馬鹿げた趣味を持つ変態女だったわけではない。異常な趣味が花開いてしまったのは、彼女が留学生として日本に来てからだ。
そもそもメリーの生まれと育ちには問題があった。名門中の名門である良家の令嬢として育てられたメリーは、生まれてからずっと周囲から羨望と尊敬の視線を浴びてきた。
だが必ずしもそれは良いことだけを意味しない。名門の令嬢かくあるべしという規範を叩き込まれ、がんじがらめになりながら周囲の視線に怯えて生きることになるからだ。
抑圧された学生生活の中でも恋に恋する若き乙女であったメリーは人並みに素敵な殿方と出会いたいと考えていた時期もあった。メリーの両親も厳しい人ではあったが親として大きな問題があるわけではない。だが男女のこととなると話は別だった。
両親は家柄と才能に優れた男でなければ交際を許さず、周囲の男たちもメリーの家柄と能力、並外れた美貌を恐れて近寄ってこない。さらに高貴な家の出身である両親もまた仲は良かったがお互いへの愛情をおおっぴらにあらわにする関係ではなかった。
そのためメリーは自分が対等な立場の男性と満たされた関係を築き、愛情を育むという未来を想像できなくなっていた。
しかし若いメリーにも人並み、いやそれ以上に肉欲というものはあった。子を孕む準備が整いつつある健康なメスの肉体が男の体や行為を求めることは当然のことだ。メリーが体の火照りを週に何度か己で慰めるようになるのも自然な流れだった。
自慰行為は回数を重ねるごとに激しく、えげつなくなっていく。平均より強いメリーの性欲と凝り性の努力家であるメリーの工夫が悪い方向に出たとも言えた。
望んでそうなったわけではないが、結果は悪い方に転がった。自分が恋人と愛情を確かめ合うような行為を想像することができぬままに性感帯を己で虐めていくうちにメリーはレ○プ願望という歪んだ欲望の満たし方を求めるようになっていた。
恋人でもない男から乱暴に扱われ、犯され、精液を注ぎ込まれる。そしてなお男は飽きることもなく再び自分を犯し始め……。男に執拗かつ暴力的に犯され子種汁を何度も何度も膣内に注ぎ込まれ、子宮の肉の飢えを嫌というほど満たされる。
肉の疼きを鎮めるために指で己を慰めるたび、メリーは繰り返し男に犯されて肉の飢えを満たされる妄想に耽るようになっっていった。
もちろんそれが異常な願望だということをメリーは理解していたし、それを表に出したことは一度もなかった。
そんなメリーの学生時代にも転機が訪れる。周囲が距離を縮めるのを躊躇するメリーの近くに、自分から踏み込んでくる朗らかで快活な少年が転校生として現れた。
少年との身分の差は大きかったし、頭の出来もメリーの通う名門学園には入れても彼女の怜悧な知性に及ぶはずもなかった。だが少年はメリーに臆せず近づき、メリーの全てを肯定的に捉えて素直に賞賛した。
今まで自分の周囲にいなかったタイプの男性にメリーは興味を持ち、紆余曲折はあったがついに深い仲に落ちるまでになった。もちろん相手の少年にも性への興味というものはあり、そしてそれはメリーも同じだった。
メリーは心を通わせた相手との情交を何度も交わし、その幸福を噛み締めた。
もちろん少年のセックスのテクニックは稚拙なものだったがそんなことはメリーには問題ではなかった。時にはメリーの方から行為をねだり、二人ともベッドの上で汗だくのまま動けなくなるまでお互いを感じあった。
行為が終わった後はベッドの中でいつまでも裸で抱き合う。汗をかいたお互いの肌が密着し、お互いの体温を感じる。このまま溶けて愛する男と一つになりたい。メリーは心からそう思った。人生で最も満たされた時間だった。
そしてメリーの愛し合う男性との幸福に満ちた交際は唐突に終わった。
少年はメリーにまともに別れを告げる間もなく学校から去っていった。父親はただあの男のことは忘れろと言った。メリーが問い詰めるとお前はのぼせていたんだ、最初から釣り合う相手ではなかったとだけ吐き捨てて父親は会話を打ち切った。
まがいなりにも愛情という感情や男女の間の幸福を理解し始めていたメリーには、この出来事が決定打となった。
メリーの内面にある男女の恋愛への憧れや愛情への信頼は跡形もなく打ち砕かれ、男性と愛情を育む行為への不信感は不可逆で決定的なものとなってしまった。
そして同時にメリーの心から何かが失われてできた大きくて虚ろな穴を埋めるようにレ○プ願望は日に日に大きくなり、妄想する行為もまたハードなものになっていった。
両親もメリーの内面の変化を詳細に察知したわけではないが、自分たちがしたことがなにか悪い影響を与えたのだろうということは理解した。
メリーが遠く日本へ留学できることになったのは本人の希望のほかに「環境を変えれば心の傷も癒えるだろう」という両親の考えもあってのことだった。
だが知己が誰もいない日本への留学はメリーの孤独感を深めただけだった。
容姿も家柄も知性も、全てが完璧なマエリベリー・ハーンという女に近寄りがたいという印象を抱くのはメリーの祖国の人々も日本人も同じらしい。
それでも時間が経ち、宇佐見蓮子という相棒であり最高の親友はできたことはメリーにとって僥倖だった。だが蓮子と出会う前の深い孤独はメリーの中でもう一つの異常な願望を目覚めさせてしまった。
己を知ってほしい。自分は他人が考えているほど完璧な人間でも大した人間でもない。いやむしろ本当の自分を知って軽蔑し罵ってほしい。
そんなメリーの思いは露出癖という形で彼女の内面に芽吹いてしまった。夜ごとに出歩いては人気のないところで裸同然の肌を曝け出すという異常なスリルに金髪の美人留学生はすっかり取り憑かれてしまった。
友人もおらずテレビ番組も理解できない。やることもない夜の孤独と閑暇を潰すのに露出癖はうってつけだった。
なにより誰かにバレたら、男に見つかったらレ○プされるかもしれない。そのリスクは想像するだけでメリーのレ○プ願望を大いに刺激した。
露出趣味ができてからメリーの生活は充実した。ストレスの捌け口ができたことで表情も柔らかくなり、蓮子という最高の親友もできた。
だが蓮子という相棒ができてなおメリーは露出癖を改めることはできなかった。今さら最高のストレス発散方法をやめることはできないし、なにより己の歪んだ内面を、蓮子はもちろん他人に相談することもできなかった。
だが何も問題はない。先月も、メリーは何度も深夜の露出行為に及んだ。しかし今まで一度もバレたことも、人に見つかって問題になったこともない。
メリーにとっては露出はストレス発散のためのスリリングな行為だった。誰にも迷惑がかからず、治安の良い日本であれば問題が起きるリスクも低い。
そしてストレスを十分に発散したメリーは今日も涼しい顔で大学に通っている。容姿も家柄も知性も、全てが完璧な留学生のマエリベリー・ハーンという表向きの顔を守るために適度なストレス発散はメリーにとって必要不可欠だった。
甘イキを2度繰り返し、ようやくメリーは自慰行為をやめることができた。
最初は適当なところで打ち切るつもりだった。だが遠くからランナーの足音が響いてくると「今ここで顔を出せば見つかる」という不安と恐怖が走り抜けた。
そしてほぼ同時に見つかったらどうなるだろうかという後ろ暗い倒錯した興奮がどろりと湧き出してしまい思わず自慰に熱が入ってしまったのだ。
1度軽くイったあと切り上げて下着をあげようとした瞬間に足音がまた聞こえてきたこともよくなかったのだとメリーは自分に言い訳した。
先日この公園に現れたという女ランナーを襲う強○魔がまた今日も獲物を探すうちにたまたま自分を見つけていたら? 自慰行為に熱中する自分のすぐそばまで迫っているかもしれない、そんな妄想が興奮をさらに高めてしまったのもよくなかった。
実際には警察まで現れたこの公園に強○魔が間をおかずに現れるというのは考えづらいということはメリーも理解している。たとえ強○魔といえど逮捕は怖いはずだ。
だがそれでも「もしかしたら強○魔が現れるかもしれない」という想像は野外オナニーというスリルに満ちた行為に素晴らしい彩りをそえてくれた。
実際に現れるかどうかは重要ではない。大事なことは妄想に説得力を与えてくれることだとメリーは考えていた。
メリーは茂みから顔の上半分だけを上げて周囲を見回し、誰もいないことと足音が聞こえないことを確認するとショーツとランニングパンツを引き上げ、まるで何事もなかったかのようにランニングコースに復帰した。
未だ微かにアンモニア臭がこちらにまで匂ってくる。だが仮に通りがかりが気付いてもそれが人のものか野良犬のものかを気にするものは多くないだろう。あるいは粗忽な男が立ちションをしたのだと思うかもしれない。
つまりは若い金髪の女が変態露出行為の一環として野外排尿と野外オナニーという変態行為をしたという真実に辿り着くはずもない。
そう考えてメリーはランニングを再開した。確かに野外排尿と野外オナニーという変態行為は素晴らしかった。だがこれはあくまで「前菜」なのだ。
体は十分に火照っている。これなら「メイン料理」も十分に楽しめるだろう。メリーは思わず舌なめずりをしながら軽快に駈けていく。
スタート地点に戻ったメリーは軽い駆け足を維持したまま先ほど車を駐めた駐車場へともと来た道を引き返し始めた。もちろんこれで終わるつもりはない。
車まで戻ると中に入る。着替える必要があるからだ。車外で着替えるというのもスリルの面で言えば悪くないが、これからもっと楽しいことが待っているのに無駄な危険を冒す必要はない。コートを着込んだメリーが車から出ると再び鍵をロックした。
靴もランニング用の靴から背の高いピンヒールに履き替えた。これからすることは運動ではない。それに趣味を楽しむために格好は重要だからだ。
ランニングポーチを車の中に置き、持ち物はコートのポケットにある携帯端末と財布に車の鍵だけという身軽な格好だ。メリーは商業施設の中で営業している2軒の店舗のうち片方へと足を向けて歩き始めた。
三寒四温というテレビで知った日本の言葉をメリーは歩きながら思い出した。日本という国は春頃には気温が暖かくなったり寒くなったりするという。
とにかく今はコートを着ていても怪しまれない季節だということだ。メリーはコンビニの入り口の前に立つ。自動ドアはただ人影がセンサーに検知されたことが理由でドアを開いた。
ドアが開いたということは入っていいということだ。メリーはそれを理由にずんずんとドアの向こうに足を踏み入れた。横の方からしゃせー、とやる気のない声が聞こえた。
コンビニの店員がメリーの方に一瞥もせずに声を出したのだ。メリーは店員が顔を上げないうちに店の奥に進む。店員の注目を集めていいことなど一つもないからだ。
店の内部の構造はL字型になっている。それはメリーも事前の調査で知っていた。
問題になるのは店員からの直接の死角になっている部分のことだ。早足で角を曲がったメリーは周囲を見回した。雑誌や弁当の類が置いてある店の入り口側には雑誌売り場のところに立ち読みをしている客が1人いたが、L字の奥側には客はいない。
L字の奥側はレジから死角になる分だけ監視用のミラーや監視カメラが複数設置されている。もっともこれらは過去の遺物だ。昔は万引き防止をミラーやカメラに頼ったらしいが、現在はレジを通さない商品は入口の防犯ゲートですぐに検知できる。
そのためレジにいる店員の目が届かない場所であるにも関わらず店の奥側には誰も関心を払っていなかった。メリーは店内を少し歩き回り、本当に客や品出し中の店員がいないことを確認する。どうやら警戒すべき対象はいないようだ。
安全を確認したメリーはいよいよ「本番」に入ることに決めた。コートのボタン部分を手で外し始める。1つ、2つ、3つ……。ボタンは全て外れたが前合わせが重なるダブルのデザインであるためメリーがコートの下に何を着ているかは明らかではない。
布地の左右の端をそれぞれの手で掴むとメリーはゆっくりと前を開いた。店内のすこしひんやりとした空気が肌に当たるのを感じる。なんとも言えない開放感を感じ、メリーはゾクゾクとした痺れに身体を震わせた。
メリーはちらりと防犯用に設置されたミラーに視線をやる。視界を広く取るために球状に加工されたミラーには下着姿の上にコートだけを羽織った女が前を大きく広げている姿が映っていた。
そう、今のメリーが身につけているものはピンヒールの靴とコートの他には赤いレースをあしらったブラジャー、そしてセットアップとなるショーツだけだった。
あと3秒、いや、5秒このままでいよう。メリーの中でスリルが高まり、興奮によって肌が火照るのを感じる。5秒経った。メリーはコートの前を閉じるとボタンを1つ留めて店内を歩き回る。
レジの店員も、グラビア雑誌を立ち読みしている客の男も特にメリーに注目した様子もない。全く気づかれていないということだ。
メリーは失笑する。グラビア雑誌を読んでいる男が見ていたのが水着姿の若い女がカメラに向けて尻を強調したポーズとっているページであることに気づいたのだ。
そんなものよりもっといいものがすぐ近くにあると言うのに、あの男は写真の中の女に夢中になっている。モデルより、顔も肉体も胸の大きさも全て自分の方が上だと言う自負をメリーは持っていた。水着より下着の方がいやらしいことは言うまでもない。
まあいい。気づいていないなら気にする必要はない。メリーは再び店の奥へと歩みを進める。もう一度コートの前を開けると防犯カメラの前に立つ。思い切りがばっとコートの前を広げた。
防犯カメラにはメリーの下着姿が大写しになっているはずだ。さらに膝を外側に開いて腰を落とす。ガニ股という下品な中腰姿勢となったメリーは腰をぎこちなく前後させた。
今、間違いなく防犯カメラには自分のいやらしい姿が映っているはずだ。
もしコンビニの事務室に店員がいれば防犯カメラに映った気づかないはずがない。半裸の変態女がカメラの前でいやらしいポーズをとってカラダを見せつけているのだ。
いいわけのしようもない変態行為だった。メリーの体がゾクゾクと妖しく震える。最高のスリルが神経を走り抜けていく。もちろん下調べはしてある。この時間のコンビニはレジにいた男が一人だけのワンオペ体制なのだ。露出愛好者たちが集うコミュニティサイトからの情報だが、情報は確からしい。
その情報源が確かなら、という前置きはつけねばならないがワンオペならばレジに人がいれば事務室は無人ということになる。気づかれるはずがない。
だが万が一事務室に人がいたら? レジの店員が防犯ミラーに映ったメリーが半裸だと気づいてしまったら? 新たに入ってきた客とでくわしてしまったら?
そう考えるだけでメリーの興奮はどうしようもないほどに高まっていく。太ももに熱いなにかが垂れ落ちる感覚を感じた。興奮のあまり秘裂から愛液が垂れたのだ。
メリーは防犯カメラに向けて腰をカクカクと動かしながら露出プレイに興じる。誰が来るとも分からない、どこから見られているかも分からない野外での露出に比べればリスクは小さい。だがバレてしまえば「終わり」という点は同じだ。
そのリスクとスリルの大きさがメリーを昂らせてしまう。心臓がバクバクと高鳴りうるさいほどに耳に響く。はぁはぁというやかましい吐息が自分がどれほど興奮しているかをメリーに思い知らせる。
その間にも誰かの足音をとらえはしないかとメリーは聴覚に神経を集中させる。聞こえるのは自分の吐息と心臓の音だけだ。我知らず口の端が緩んでしまう。
スリルは最高で、精神はすでに十分に昂っていた。だがもっと欲しい。そうメリーの欲望が訴える。どんなものにも上がある。上があることを知ればそれを味合わずにはいられないのだ。目の前にそれがあり、一歩踏み出せば届くのだからなおさらだ。
メリーは踏み出しては行けない一歩を踏み出すことにした。同じ場所に留まると怪しまれるかと考えたメリーは再び店内を歩き回るふりをしながら危ない客が入ってきていないか、棚の影から確かめる。
2人連れの客と単独の客が新たに入店してきた。2人連れの客は手前側の弁当や飲料品を扱うコーナーで今日の夕食を探しているようだ。もう1人は雑誌コーナーで立ち読みを始めた。
新顔の客は日用品などがメインの店の奥側の棚には興味がないようだ。……それに客の数が増えることは悪いことばかりではない。リスクが増えるということはスリルが増えるということでもある。
そう考えたメリーは再び店の奥側に移動した。場所は大きな窓の前だ。コンビニに転換される前の名残なのか、店の外に面した一面が、面積の大きな窓になっている。
もっとも外は見えない。窓ガラスにシートが貼られて目隠しになっている。外面に沿って机が設置されていることからイートインコーナーにしようとしていたらしい。
だが店員の目が届かない店の奥にイートインコーナーを置くのは都合が悪かったらしく今は椅子が撤去されて机しかない広い空間だけが残っている。
つまりメリーの目の前にあるのは机しかない広めの空間だ。おまけにシートが貼られた窓は明るさの関係で内部を反射してぼんやりと映る鏡のようになっている。
こんな場所で露出行為をしたら目立つに決まっていた。今から2分。たっぷり2分かけてスリルを堪能するチャレンジをメリーは自分に課した。携帯端末のタイマー機能で1分と2分に振動のみの通知をセットする。
ボタンを外してコートの前を大きく広げる。ここまでは前と同じだ。そして肩幅より大きく足を開くとさらに大きく膝を開き、ガニ股を大きく開いた格好で腰を突き出す。
コート以外は下着姿でガニ股の中腰になり腰を前に突き出した格好。控えめに言って目立つ姿だ。もし誰かが店内の奥に入ってきたら確実にその者の注意を引くに違いない。
だがメリーの「チャレンジ」はその程度で終わるものではなかった。ちょうど店内に流れるBGMがここ数年の定番の名曲と言える陽気なリズムの楽曲に変わる。夏をイメージした曲はやや季節外れだがメリーにとっては都合が良かった。
陽気なリズムにあわせてメリーは腰を前後左右にリズミカルに動かす。鏡の中に映った自分を見てメリーはにへらと笑う。公共の場だというのに下着姿で腰を突き出して音楽に合わせて踊る己の姿はどう見ても頭のおかしい人間のそれだ。
もし他人に見つかったらどう思われるか、軽蔑どころでは済まないだろう。最近の人間は皆携帯端末を持っている。そんなもので動画を撮られでもしたら、自分の社会的生命は終わりだ。そんな想像をするだけで脳がヒリヒリする。
メリーは音楽に合わせて腰を円を描くように踊らせた。頭がおかしくなるほどのスリルで思考が真っ白になる。今までの露出行為など単なるままごとに思えるような興奮。これだ、これこそが自分の求めていたものだ。
携帯はまだならない。1分すら経っていないのだ。数十秒だというのに頭がグズグズになるような興奮とスリルをメリーは味わっている。2分が経つ頃には自分はどうなっているだろうかと彼女の口の端の緩みが大きくなった。
両腕を頭の真後ろに組む。その時携帯端末がわずかに振動した。1分が経ったということだ。だが人が近づいてくる気配はない。完全に頭のおかしい痴女のポーズをとりながらメリーはさらに情熱的に腰を振りたくり、男を誘うようなダンスを踊る。
どう見ても痴女にしか見えない姿で、夜のさびれたコンビニで下着姿のまま腰をヘコヘコと振る自分は控えめに言って異常だ。完璧な美貌とずば抜けた頭脳を持つ才女、そんな自分の評判を台無しにする行為を好んで行なっている。
誰かに見つかったら終わりだ。見つかりたくないという気持ちは確かにある。では自分はなぜこんなことをしているのだろうか。きっと誰かに見つけて欲しいのだ。
自分はどうしようもなくて寂しくて人を信じることができず、犯されることで性欲処理をしたいと思ってしまうような異常者なのだ。そんな自分を誰かが見つけ出して、本当の自分を知った上で、ありのままの自分がいてもいいのだと認めて欲しいのだ。
そのとき携帯端末のタイマーがゆっくりと何度も震えた。2分が経ったのだ。
メリーは観客のいない卑猥なダンスショーを終えると、息を整えながらコートのボタンを留めて前を閉める。汗だくのまま、まだはぁはぁと荒い息を吐きながらメリーは何事もなかったかのように居ずまいを整えた。
秘所には大量の蜜があふれ、太ももを伝っていく筋もつたい落ちている。過去に経験したことのない量の愛液が垂れ落ちる感触は自分の興奮の凄まじさを物語っていた。今すぐに拭いてもよかったが今の達成感のままにその感触を味わっていたい。
気分は最高にハイになっていた。2分の「露出チャレンジ」を終えたら大人しく帰るつもりだったがなんだか未練を感じる。しかしもう一度同じことをするだけではつまらないという気持ちもあった。メリーはなんの気なく周囲を見回す。
空になった棚の奥の金属製の部分にちらりと自分の顔が映った。先ほどまで自分の正面にあったぼんやりとしか映らない窓とは違う、はっきりと映った自分の顔には異常なまでの興奮によって紅潮しながらも満足げな笑いが浮かんでいた。
自分はこんなに幸福そうな顔をしていたのか。メリーは意外な驚きを感じた。蓮子に出会う前の自分、常に他人から見られることを意識して鉄の仮面のように己の表情を律していた頃の過去の自分には想像もできなかった満足げな顔だった。
しばらくメリーはそこに映った自分の顔に見惚れていた。精神の自由を取り戻した自分はこんな風に笑えるのだという奇妙な達成感を感じたからだ。
その時唐突に後ろに人の気配を感じたメリーが慌てて振り返ると、そこには中年の男が立っていた。男はメリーにちらりと一瞥を投げる、視線はすぐには外れなかった。
なぜこの女は汗だくなのだろうか。なぜ空の棚を眺めていたのだろうか。そんな違和感を感じている様子だった。だが男はそれ以上の違和感を感じなかったのかふいと顔をそむけると棚から目当ての商品を掴み取り、すぐに引き返していった。
危なかった。メリーはバクバクと鳴る心臓の音を聴きながら安堵した。男の接近に気づかなかったからだ。下着姿のまま夢中で踊っている時にあの男が来ていたらどんなことになっていたか想像もできない。
……だが結局は大丈夫だったではないか。内心でメリーの声をしたなにかが呟く。
そうだ、結局は運の問題でしかない。それにそれはとても低い確率だ。なにしろ今までも大丈夫だったではないか。
……そう考えると今日の「趣味」をここで打ち切ることがもったいなく思えてきた。気分もいい。シチュエーションも最高だ。どうせならもう1件行ってもいいのではないか。
メリーの当初の予定では市民公園をノーブラでジョギングし、コンビニで下着姿の露出を楽しんだあとは帰宅する予定だった。だが興奮状態にある精神が「このままでは帰りたくない」と言っている。
そしてこの辺りの露出スポットについて下調べしていた場所がもう一箇所あるのだ。
メリーは舌なめずりをした。どうせなら今夜は最高の夜にしよう。メリーは未練を感じていたはずのコンビニ店内から足早に退出した。
レジから一歩も動いていない店員はレジ後ろの壁にだらしなく寄りかかりながら何も気づかなかった様子で「ざーす」とやる気のない声を出した。
メリーは一度自分の車に戻ると「荷物」を置いた。体がさらに身軽になる。車から離れたメリーの足は一番奥にある店舗の方に向いていた。
エスニックパラダイスなる元はレストランだった店舗の前にメリーは立っていた。
大きくとられた窓はすべてミラー加工されたシートが貼られていて店の中に何があるのか分からない。入り口付近はいくつかディスプレイがあるが東南アジアを思わせる雑多な置き物があるばかりでますますなんの店なのか分からなかった。
メリーは店の入り口の前に立つと自動ドアが開く。入り口横のレジにいた中年の店員は横目でちらりとメリーを見るが声すらかけなかった。
中年の店員は段ボールの中身を整理する作業に忙しいようだが、メリーにとってはそちらの方が都合が良かった。下手に注目を向けられてもいいことはない。
店の中はアロマやハーブが混じったような匂いが立ち込めている。ずっと店の中にいるはずなのに、よく店員は平気だなとメリーは思った。
レジの前のスペースはアロマやハーブが何種類も置かれている。植木鉢から乾燥させた葉、粉末状になったものまで様々だ。まるで紅茶の銘柄のように乾燥させた葉のサンプルが数十種類も並び、その下に手書きで解説が書かれている。
興味を惹かれたメリーはしげしげと覗き込んだ。リラックスや興奮の効果があると書かれているが、特に右側に並べられたものに関してはメリーには意味が分からなかった。
パートナーが喜ぶという意味に読めるがいったいどういう効果があるのかとメリーは首をひねる。日本生まれではないメリーは婉曲な表現を理解しかねたが、もしこの場に蓮子がいればいずれも強い催淫効果があるのだろうと理解できただろう。
性的な語彙に疎いメリーが見落としていたものがもう1つある。「今日の店内のお香はコレ」というPOPだ。
そのPOPは最も催淫効果が高いと謳う乾葉銘柄のところに貼られていた。慣れた店員にとっては効果が薄いがメリーにとっては効果はてきめんとなる類のものだ。
入り口近くのアロマやハーブの売り場は狭い。そしてそれ以外の売り場に行くには暖簾のかかった一箇所しかないゲートを潜らねばならなかった。
メリーは店の奥へと足を進めた。18歳という年齢についてなにか警告の書かれた暖簾をくぐるとそこはメリーの期待通りの空間が広がっていた。
裸になった女が胸を晒け出し、男の性欲に訴えるパッケージが印刷された光学ディスクの入った映像商品がずらりと並べられている。いわゆるAV、アダルトビデオと呼ばれる商品がこの店の主な商品だった。
しかも数や品揃えが並大抵ではない。興味を惹かれたメリーが店の中を歩き回ると暖簾近くの中央エリアは比較的ライトで万人受けする商品が並べられていた。
そこから左奥に入るとバイブや電動マッサージャー、オナホといった性玩具がたっぷりと並べられている。さらに奥にはコスプレ衣装があり、さらに奥には手錠や鞭、あるいは拘束具やボンテージなどのセックスをより刺激的にするアイテムが並べられていた。
メリーが踵を返して右奥に進むと先ほど同様にAVコーナーが広がっている。しかし中央エリアとは違うのは作品の質だ。パッケージの画質が粗かったりデザインも洗練されていないものが多い。
パッケージが与える印象も中央エリアの作品とは異なるものが多い。
メリーはためしにいくつか商品を手に取ってみた。「泥酔ギャル、徹底レ○プ」「爆乳女子大生をわからせ、肉便器調教」「格闘少女、土下座敗北。砕け散ったプライド」。
なかなか大したタイトルだった。レ○プや調教という単語に興味を惹かれたメリーは携帯端末の翻訳アプリを起動させてパッケージを調べる。
だが中身を見て感じたのは「期待はずれ」という感覚だった。メリーはレ○プ妄想のために本国での犯罪事例を調べたことがあった。そこには被害者である女性の写真も記載されている。その酷さと惨さはメリーに恐怖を覚えさせるのに十分だった。
それに比べればこのパッケージに映る女性はおままごとだ。男たちに囲まれて手足を押さえつけられ、両手でピースサインを作る泣き顔のレ○プ被害者の女性。だがその体にはアザや殴られた痕はなく肌は綺麗だ。本物のレ○プ被害者は綺麗なものではない。
本物のレ○プが暴力と危険に満ちたものだとメリーは知っているからこそ、比較的安全な日本に来るまで露出趣味を実行に移したことはなかった。それに日本で露出する際も徹底的に下調べをすることでリスクを極減している。
レ○プという犯罪行為についてそれをオナニー妄想の種とすることと、実際の被害者になることの間には天と地ほどの差があるからだ。
日本のポルノ動画の質は高い。それはメリーも認めるところだ。だがポルノ業者の作る生やさしい「レ○プごっこ」で満足できるならばメリーは変態的な露出行為などという法を冒す行為に興じてはいないのだ。メリーは不満げに鼻を鳴らした。
メリーはさらに奥にもう1つ売り場があることに気づいた。黒色の暖簾には赤文字で大きく「警告」と大書されている。その下に注意書きがあったが抽象的でまわりくどい日本語であったためメリーには意味が分からなかった。
まあいい、入れば分かる。そう考えたメリーは暖簾をくぐった。暖簾の先にあるものはやはりAVコーナーだった。だがどうにもパッケージの作りが素人くさい。
メリーはためしにいくつか商品を手に取ってみた。「実録、ほぼ処女の現役女子○生の徹底調教」「女教師+脅迫+輪○倶楽部。20人のドSが壊れるまで輪○」「拉致レ○プ+監禁、生意気OLの心が折れるまで。捕まったら懲役○年確実の強○ショー」。
タイトルの語気の強さは先ほどよりも強い。だが大事な点はそこではない。パッケージに映る女たちの顔と姿だ。
男たちに囲まれながら媚びた笑みを浮かべる淀んだ目の少女。全身はアザと歯形だらけで手首と膝には拘束具によってできた鬱血のあとが残っている。裏面を見れば必死の表情で泣き叫ぶ少女に「危険日膣内射精、このあと妊娠発覚」のキャプションがあった。
泣き腫らし、引きちぎられてボロ切れと化したスーツとブラウスの残骸をまとった絶望の表情を浮かべる女。全身にタバコの火を押し付けられた無惨な火傷の跡と靴跡の残った肌を晒しながら、自分の身分証を掲げて引き攣った笑みを浮かべる若い女。
どれもこれも「本物のレ○プ犯罪」の迫力があるAVパッケージには、まるで免罪符の文句のように「この作品の犯罪的な内容はすべて女優の演技と演出です」という詐欺的な文言が例外なく刻まれていた。
通販でも他の店でも見たことのない、本物のレ○プを扱ったAV動画作品だ。本物の犯罪であるが故に広く流通せず、マニアだけが知る店で細々と売られる作品。
まさかこんなものがあるのかとメリーは笑った。この店に、この作品たちに早く出会うことができていれば自分は露出趣味などに目覚めなかったかもしれないと思う。
安全圏から自分のレ○プ願望と妄想を満足させてくれる作品。これが見たかったのだとメリーは思う。必要なものは己の願望と妄想を満たしてくれる興奮であって、危険と暴力に晒されてまで被害者になるつもりはメリーには毛頭なかった。
たしかにこの動画を作る上でどこかで実在する女性が男たちの手で被害者になっているかもしれない。だがそれはメリーにとっては関係のないことだ。なにしろメリーにとって重要なことは犯罪の有無ではなく自分の欲望の充足だからだ。
運命の出会いに喜ぶメリーは何者かの足音を聞いた気がした。
いやそれは気のせいではない。若い男が1人、暖簾をくぐって背徳の犯罪ポルノ動画を並べたコーナーに入ってきたのだ。メリーが恐る恐る棚越しに見ればタンクトップから露出した男の腕にはタトゥーがあった。
メリーはゴクリと唾を飲み込んだ。今の自分を鑑みればコートの下は裸同然だ。リアルな犯罪をポルノ動画として楽しむ男が至近距離にいる。バレれば何をされるか分かったものではなかった。メリーは息が荒くならないよう必死に呼吸を制御する。
逃げ出そうにも唯一の出口である暖簾はタトゥー男の背後にある。メリーは全力で頭を回転させ、堂々と作品を眺める客に徹することにした。
今日のオナニーの種を探す行為をしている人間は後ろ暗い気持ちを抱えている。同じ売り場にいる他の客から見つからないよう距離をとりたがるはずだから堂々としていれば女であることに気づきさえしないだろう。その作戦にメリーは賭けた。
男は今日のズリネタを探しながら売り場をゆっくりと棚と棚の間を移動する。メリーは棚を挟んで男と距離をとりながら必死に移動する。不自然にならないように、棚を物色するふりをしつつ、時折パッケージを手に取る。
だが注意はタトゥー男から決して離さない。やがて男が棚の裏側へと移動した。
メリーは先ほどまで男がいた側、すなわち暖簾がある側へと移動する。だが男が何かに気づいて暖簾の側に戻れば終わりだ。心臓が異常な速さで脈動する。
もしかしたら相手に聞こえるのではないかというスリル。全身に鳥肌が立つのは不安のためか、それとも興奮からか。
男は棚の前をゆっくりと移動していく。メリーはなお辛抱強く男が暖簾から距離を取るのを待ち、隙を見て暖簾をくぐって中央エリアへと戻った。
どうにか安全圏に戻ったことを実感した瞬間、心臓がバクバクと異常な大きさと速さで音を立てていることに気づいた。
だがまだ完全な安全圏ではない。男をやり過ごすためにメリーはしばらくは左奥のコスプレコーナーに移動することに決めた。そこには衣装の試着に使う頼りないカーテンで目隠しできる場所があるからだ。あそこなら隠れることができる。
中に入りカーテンを閉めたメリーは自分が秘所から異常な量の愛液を垂れ流していることに気づいた。自分は興奮していたのだ。女がレ○プされる姿を記録した犯罪動画を物色しにきた粗暴そうな男と至近距離にいて、レ○プの恐怖に怯えながら発情したのだ。
その事実に気づいた瞬間メリーの背筋に電撃が走った。
目の前に破滅と貞操の危機を間近に感じながら自分は間違いなく興奮し、心臓が異常なほどに震わせながら愛液を垂れ流していた。危険は今までの露出行為の比ではない。だからこそスリルと興奮は今まで感じたこともないほど素晴らしいものだった。
メリーは深呼吸する。冷静になれ。確かにさっきは危なかったがうまくやり過ごせたではないか。今なら引き返せる。店の出口から出て車に乗れば何も問題はない。
だがさらなる変態性の自覚はメリーに撤退ではなく新たなチャレンジを決意させた。
メリーは慎重に周囲を伺った。先ほどのタトゥー男は目当ての商品を見つけると早々に帰ったようだ。それでも店内には3人の男性客がいる。
金髪の留学生の頭の中で即興の計画が作り上げられていく。リスクは低く、それでいて露出のスリルと興奮の最も美味しいところを貪れる計画だ。
大きな赤い文字で「警告」と書かれた黒い暖簾を一人の若い男がくぐった。細身でメガネをかけた陰気で気弱そうな男。拗らせた性癖や志向の暴力性と対照的に、今までの人生で一度も他人に暴力をふるったことのなさそうな男だった。
店内の男性客の中で一番無害そうな男が目当てのエリアに入ったことを確認したメリーはその後を追って警告と書かれたエリアの中に入る。
他の二人の男性客は中央エリアでAVを物色しているため、こちらに来る心配は薄そうに見える。メリーは横目で男の位置を確認しながら棚を挟んで男と対角線の位置を確保し続ける。ただし今回は相手に背中を向けた状態だ。
向こうの男から見れば自分は背中を向けてAVを物色している別の客にしか見えないだろう。メリーはゆっくりとコートのボタンを外すと前を開いた。
手入れの甘い陰毛と綺麗なピンクの乳輪が露わになる。メリーは先ほど車に戻った時にブラとショーツを脱ぎ捨てていたのだ。
もはや今メリーが身につけているものはピンヒールの靴とコート以外なにもない。全く言い訳のしようもない露出趣味の変態痴女の格好だった。
メリーは背後の男が目当ての商品を探して移動するのに合わせて背中を見せながら移動する。距離は近いが棚を挟んでいるから男が自分を襲おうと考えても棚を大きく回り込まないといけない。その動きを見逃さなければ危険は少ないはずだ。
何も知らない男に尻を向けながら前を