あおくん 2024/07/12 22:01

4.お産の進行を促すために行う乳頭刺激の効果【セックスレス夫婦の出した結論】

某日、予約していた妊婦検診へと向かう妻。
生憎その検診には付き添うことができず、仕事中も気になっていたのだが、どうやら進展があったようだ。

「あのね、仕事中にごめんなさい…まだ陣痛かわからないんだけど、定期的な張りが来てるみたいなの」
「今日検診だったんだよな?病院はなんだって?」
「内診で刺激してもらったんだけど、それで出血があったのよ。その後ノンストレステストを受けてたら、ジワジワ痛いかなぁって。そしたらね、やっぱり波が来てるんだって…」
「波が来てる?じゃ、いよいよって感じか……でもまだ張りがきただけなんだろ?」
「ええ、まだ痛みもないの。一応、一回家には帰ることになりそうだから、また進展あったら連絡するわね」
「…わかった」

とにかくソワソワした時間を過ごした俺は、定時を待たずに退社して帰宅した。
すると、目の前の妻は意外にも既に余裕はない様子で驚いた。

「大丈夫か?もう結構痛い?」
「そうなのよ…少し休憩したいんだけど、それにトイレも行きたいの。でも行ってる間に波が来ちゃったら辛いし……」
「とにかく横になっとけって。好きな姿勢でいいから。それから今のうちに何か食べておいた方がいいぞ」

急いで作ったお粥をテーブルに置くと、妻は痛みの合間をぬって素直に食べてくれた。
そんな妻に付き添うも、まだそれほど頻繁な痛みでは無いようで、小一時間ほどで妻は寝落ちしてしまっていた。
心配しつつそのまま寝室の床に座り込み、何もできないまま時間だけが過ぎた。

「パパ?ママ、陣痛来てるの?」
「今日、病院行ったんだけどな、そこで陣痛が始まったみたいなんだ。まだ痛みの間隔が長いから病院には連絡入れてないんだけど、そろそろだと思う。お前もできることは協力してくれよ」
「わかってるよ」

それから数時間経過し、妻は目を覚ますと必死の形相で唸っていた。
腰を摩り励ますが、それ以外何もできない自分の無力感に苛まれた。

「はっ、はっ、ふーっ、ふーっ、ふー…」
「ママ、すごい汗だ……辛そう」
「冷や汗がすごいわ…そろそろ陣痛の間隔も十分切ってるわよね?電話入れようかしら」

苦悶の表情を浮かべながらも、何とか呼吸を合わせる妻を励ますことしかできない自分。
妻は産院に連絡を入れると、案の定向かうことになった。
部活へ行った息子は立ち会えなそうだが、幸いなことに娘は今ここにいて今日もこの後の予定はないという。
全員で車に乗り込むと、娘も不安を隠せない様子だった。

「ねぇ、ママは大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だ。出産に痛みは付き物だし、こうならないと赤ちゃんも産まれて来れないからな。お前たち姉弟もこうやってママが苦しんで産まれてきたんだ。この姿を目に焼き付けて、ママに感謝しないとな」
「うん……」

————————————

産院へ向かうと、陣痛が本格的になっている妻を担当医に任せた俺ら家族は、そこから陣痛室へと通された。
三度目の出産ではあるが、十数年ぶりのことであり、不安な面持ちが大きいのは妻の方に決まっているだろう。

「痛いっ…」
「ママ、頑張って……」

小声で娘にエールを送られながら、ひたすら祈り続ける俺。
そんな妻の姿は見るに耐えないもので、思わず顔を逸らしてしまった。
しかし、妻のお腹が中から蹴られる動きと、助産師の診察による進行の報告より、順調に進んでいるんだということを再確認することはできた。

「少し体勢、変えてみましょうか?それからマッサージをして、少し気分転換しませんか?」
「そう……ですね……ありがとうございます」
「娘さんも一緒に、お母さんのお産をサポートしてあげてね。たぶん今が一番苦しいところだから」
「私、何をしたら?」
「こっちの乳首を触って刺激を与えて欲しいの。で、反対側はご主人にやってもらいましょうか」

俺の前で妻を抱え身体を支えながら妻の乳首に触れると、妻の反応はいつも通り敏感だった。
助産師のフォローの元、乳頭刺激の方法を教わるが、もっと強い方法で行うのだという。

「もっと強く刺激してあげないと意味がないですから。こうして…お母さん、子宮が収縮する感じする?」
「わかんないです…もう、ずっと痛いし…」

「そうよね、でも乳頭刺激をする事で子宮の収縮に繋がるから、これはちゃんと効果があることなの」

本人が一生懸命なのだから自分がソワソワしても何も始まらない。
それはわかってはいるのだけれど、経産婦とはいえ高齢出産になることもあり、不安感に勝つことができないのが現状だった。

「ちょっとご主人、そんなんじゃダメでしょ?ちゃんと強く刺激してあげなきゃ」
「あぁ……すみません……」
「ほら、娘さんもお母さんの乳首にしっかり触ってあげて!恥ずかしがってちゃだめよ!」

助産師が娘に教えながら、妻の乳首を優しく撫でているが、それでは意味がないと指導を受けたのだ。
そんな光景を見ながら俺は妻へのマッサージをひたすらに続け、いよいよ出産の時を迎えようとしていた。

「いきみたい!いきみたいのぉっ!んぁぁっ、ふぅん!」
「そろそろいきんでみましょうか。ご主人と娘さんも一緒にサポートしてあげてくださいね」

助産師に促され、妻はいきむ体勢へと変わる。
俺は妻の背中を優しく支えながらサポートをし、娘は妻の乳首をマッサージしながら刺激を与えていた。

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