海の日の濡れた航路
疼きの前夜
夏の夜。静まり返った寝室には、微かに冷房の風が吹き抜け、薄いカーテンがゆるやかに揺れていた。ベランダの植木鉢が風に葉を鳴らし、その気配が遠くの海を思わせる。
ダブルベッドの上で、沙羅は夫の背中にそっと身を寄せていた。娘・茉莉は大学生になり、今では彼氏の航平と同棲している。明日の「海の日」は、現地で彼らと待ち合わせて家族で海へ出かけることになっていた。
だが、そんな穏やかな計画の一方で、沙羅の心と身体の奥では、静かに疼く熱が膨らんでいた。
夫の眠りを確かめるように、寝間着の裾をめくりながら手を滑らせる。指先が彼の下腹部に触れ、ふくらみにそっと触れると、ぬくもりが掌に伝わった。
「明日、楽しみね……」
吐息混じりに囁いたその声には、無意識の色気がにじんでいた。
「……ああ、でも……早く寝よう。明日は早いからさ」
夫は顔をわずかにこちらへ向けただけで、あっさりと背を向ける。その寝息がすぐに深くなっていった。
沙羅の中で芽吹いた火照りは、置き去りにされたまま。消えるどころか、全身にじわりと広がっていく。
彼女はゆっくりとシーツの下で身体を起こし、ネグリジェの裾をたくし上げた。形のいい大きな乳房が薄布の下で揺れ、寝返りの反動で豊かな尻の丸みがシーツに沈む。胸も尻も、年齢を感じさせない女としての艶を保ち続けていた。
ゆっくりと脚を開き、ショーツの中へと指を差し入れる。熱を帯びた秘部の奥、ぬるりとした潤いに触れた瞬間、喉の奥から震えるような吐息が漏れる。
「っ……はぁ……っ」
クリトリスの根元を、人差し指と薬指でやさしく挟み、細かく震わせるように上下に擦りあげる。沙羅の身体はびくんと小さく跳ね、鼻にかかった吐息が熱く漏れる。
「あっ……ん、んっ……ふぅ……」
もう一方の手が、胸元へ。ふくらみを優しく揉みながら、尖った乳首を親指と人差し指で捩じるように強く摘まむと、快感が腰の奥まで突き抜けていった。
「んあ……っ、だめ……っ、気持ち……いい……」
沙羅はこのやり方が好きだった。乳首をいじめながら、クリの根元を二本の指でリズムよく挟んで刺激する。両方に快感が集中した瞬間、頭の芯がとろけるような甘い痺れに包まれていく。
「はっ……ふ、んんっ……」
息遣いが徐々に荒くなり、腰が自然と揺れ始める。ぬるぬると濡れた音が指先に絡み、膣の奥がひくついて快感の波を求め始める。乳首をさらに強く捩じると、限界が押し寄せてきた。
「んんんっ……!」
背中をわずかに反らせ、膣がきゅっと強く締まり、全身が小刻みに震えた。沙羅は声にならない喘ぎを喉の奥で押し殺しながら、快感の波に呑まれたまま絶頂へと達した。
濡れた指先をそっとシーツで拭いながら、胸が小さく上下する呼吸を整える。沙羅は深いまどろみの中へと沈み込んでいった。
寝室には、夫の変わらぬ寝息だけが穏やかに響いていた。
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