しゅれでぃんがー Nov/25/2024 15:40

久々に同人ゲームの感想。








 前作である『ゴブリンコンキスタ』は【最強のヒロインが矮小なゴブリンにヤられる】とか【物語のスケールも大きい】とか【物語自体が登場キャラたちの設定と密接にマッチしている】みたいな奇跡の親和性を見せていた。素晴らしい作品であった。なので、今作にも期待していた半面。去年あたりに体験版を触った時点で「たぶん前作は越えられ無さそうだなあ」、という予想もしていたのだけれど。クリアしてみたところ、予想通りであった。





 今作は世界とかそういう話じゃなく、一人の女の子の旅の話が主軸である。どこまで行っても、主人公であるレイリの周辺の話までしか分からないし。レイリ自体が普通に強いぐらいの戦闘力しかないので問題を自力で根絶するまでの活躍はできない。要所で誰かしらの手助けが入る。だから、なんというか主人公としてなにかしている、という感覚が薄い。没入感に浸れない。

 人間誰しも、主人公として読んだり動かすならそのキャラがなにがしかをして活躍して欲しいものだろう。この主人公にはそれが無い。けっきょく敵だった商会の女だったり、師匠である剣聖に助けてもらう。設定と環境的にそれが当然の流れなのではあるが……予想通り過ぎて面白くはないなあ、という感じ。


 主人公の性格自体にもあんまり好感が持てないのも弱点だ。年相応と言えばそれまでだが、育ち方の結果というのもそりゃそうなのだが。夢見がちとも見えるような穢れを知らなさ、人を疑わなさ。でも、何かしら上手くいく。他の人が助けてくれる。剣聖に拾われたという時点で超ラッキーガール。なにからなにまで主人公補正という名の運でなんとかしているように見えてしまう。それが冷める。

 悪事に憤ったり敵と戦ったりしているのを見ても、それは剣聖に拾われたからであってその根本はただラッキーなだけなんやで、と冷めた目でプレイしてしまう。主人公を見てしまう。それが悲しい。





 そして一番良くないのが。【ラスボスに魅力が無い】ことである。ラスボスよりその配下たちの方がまだ好感が持てた。狼男はなんというか説明不足感があまりにも強くてもったいなかったが、それはそれとして一応何かしらの信念に基づいて行動しているようには感じられた。キメラのやつなんてすばらしい。この作品の欠点を全部指摘してる。ということは、作者自体もこの作品のしょーもない部分を自覚しているのである。そのうえで、それが面白いと思って作っているのかもしれない。

 が。俺はやはりキメラのボスに完全同意だ。ラスボスの考えは分からないが、やってることからその結末まで。何から何までくだらない。裏になにか考えがあったり歴史があるのかもしれないが、語られない設定というのは存在しないのと同じである。プレイしてエンディングを見た感想は。【こいつマジしょーもない敵だったな】、である。

 これだったら宗教都市でカナメが出てきた部分からその顛末までの話の方が、このゲーム全体の物語よりも面白かったし興味が引かれた。レイリの話よりシグニニの話の続きの方が見たいよ。話しとしてはよくできていようが、一人の小娘の旅の話とかどうでもいいもん。龍になったゴブリンの話の方が格としてめっちゃ上じゃん。そっちの話を読ませてくれよ。




 将棋とか格闘ゲームとか、人はミスをする生き物だから勝負になるとか面白いとかいう話があるんだけど。俺は格ゲーは理論値で考える人間なので、【相手がミスしない人間だったら一生勝てないでしょ】という考え方がどうしてもちらつく。だから格闘ゲームをしなくなった。このゲームのラスボスもそうだ。こいつがちゃんとしてたら国王やら議会の人間をガーゴイルにして終わりだった。それをしなかった理由がそれで、レイリに負けた理由がこれ。……っくっだらねぇ~……。ここまで時間かけてプレイして結末がこれか。良い話だったけど……それ以外の感想が無いわ。えぇ~……。と、俺はプレイをし終えてしばし脱力してしまった。


 これはエロゲーだし、エロゲーじゃないと日本ではゲームってほぼ売れないという現実もあるからアレなんだけど。エロに振った工数を全部物語に振ってくれたら、もっと色々面白い場面が見れたんじゃないかと思ってしまう。エロ自体も濃度が前作より大幅に薄くなった。良かったのは妊娠して一年近く拘束される場面の三つぐらいである。残りは普通のヒロインが普通に敵に犯されるだけ。そこら辺のエロゲでよくあるやつである。この時点でどうやっても前作を越えられない。シチュを100個増やそうが、前作の主人公カナメが色んなゴブリンに犯されてるシーンの1つすら越えることができない。凡百のシーンは1つの傑作には勝てないのだ。レイリは凡であり、カナメは傑。それを支えるのがシチュエーションや設定なのだ。





 次回作ということで、全体的なクオリティは大幅に上がっている。完成度も高まっているし、演出なんて〇ケモン進化ぐらいの変化がみられる。その点は純粋に素晴らしい。が、題材となった物語自体が前作と打って変わって凡庸なので、受け取れる感想が【とても丁寧に作られた凡作】となってしまった。


 俺は正直、こうなるだろうと去年の体験版時点で正直思っていたのだが。予想通りだったのが残念……ではないか。まあそりゃそうだよな、という感想だった。やっぱり、エンターテイメントは普通に面白いぐらいではウケないのだ。






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