BlueHat 2022/11/03 20:48

エロゲクリエイターが起業コンテストで1500万円獲得した話

どうも…
次の記事ではゲームデータを持ってくるとか言ってたのに…
全く違う展開になってしまって申し訳ない…
一応調教システムはほぼ完成してウィンディーネをイカせまくる事が可能にはなったんですけどそれどころじゃなくなってしまい…


この度起業コンテストに「違法UPされないエロゲ販売プラットフォーム」という題目で申し込んだところ1500万円を獲得いたしました。


何それどういう事?と思うかもしれませんが、そのいきさつを述べます。
べつに起業したい人向けに描いたわけでもなく、単に日記的な感じで書いた文章ですが興味があればご覧ください。

  • Part1:このまま死んでいくのかな…
  • Part2「引きこもりエロゲクリエイターがビジネスアイデアを持ち込んだら箸にも棒にもかからずボコボコにされた件~たとえ後から励まされたとしてももうやる気が出ないので知らん、俺は自宅でエロ絵を描いてシコる余生を全うする~」
  • Part3「またしてもゴミみたいなアイデアを持ち込もうとした件」
  • Part4「中国からの刺客、そして転機」


Part1:このまま死んでいくのかな…


事の発端は大学を卒業しエロゲクリエイターとなり引きこもり生活を始めたところからです。

同人エロゲクリエイターってどんな生活をしているのでしょうか?
他の方は知りませんが、私はニートみたいなものでした

好きな時間に起きて、エロ絵を描いて、ムラムラしたら抜く…
やる気がない日はゲームをするし、眠くなったら寝る。毎日起きなければならない時間も決まっていないので、日ごとに生活リズムは2時間ずつずれていく。
そして運動不足で腹は出て、誰とも会わない喋らない。喋る機会が無いと表情も固定されてきて、いつ見ても不機嫌そうな顔立ちの男が鏡に映る…

もっとも困ったことは「人間関係が更新されない事」でした。学校や企業にいる限り、毎年何かしらの新しい出会いがあるでしょう。
それが無いと急激に日々の刺激が激減します。更新されないどころか誰かと話したりもしなければ新しい情報はTwitterからしか入ってきません。毎日パソコンに向かうかベッドで寝るかのどちらかしかなくなり、完全に変化のない日々を送る下地が出来上がってしまったのです。
とはいえそれはそれで楽しいものでもあり、しばらくはニートのような生活を満喫していました。

そしてエロ絵を描いてシコる生活を続けていた時「このままシコってるうちにジジイになるのかな~」と感じました。



………


え…なにそれ…怖…



寝る、食べる、エロ絵描く、オナニー、それを繰り返してくうちに一か月が消滅している。
この一か月には何の思い出も無く、そもそも今月という時間が確かにあったかどうかも怪しい。
それが繰り返されて一年になり、十年になり、ジジイになり、死んでいく。
…え、マジで…?

これは学生の頃もなんとなく抱いていた恐怖でしたが、引きこもり生活を続ける事でリアルな恐怖となって付きまとうようになりました。

このままではマジで今の生活が延々と続いて腐っていく日々を送ることになってしまう。
そして死ぬ。
ヤ…ヤダッ…(ちいかわ)
何か、何か新しい事をやってみたい、そう強く感じるようになりました。


最初は去年販売したMilkyQuestIIの販売利益を使って、他の絵師やツクラーの人たちを雇って別のエロゲを作ってもらうのはどうかなと思いました。
単純に既に知っている分野を誰かにやってもらうわけだからやりやすいかな~と。自分の作品数も増やせるし収益も増えるし、せっかく得られた貯金を銀行で腐らせておくくらいなら挑戦してみようかなと。

しかしそれでは今の生活が何も変わらない事に気付いてやめました。年に1本エロゲを出せる男が誰かの力を借りて2本エロゲを出すようになったところで変わるのは貯金とシコる回数だけでしょう。つーか今作ってるゲームだって中々製作進んでないのに…

しかし何かをやってみたい、もっと人生が楽しくなるような劇的な変化をもたらしてほしい。今までにやった事無い挑戦をしてみたい。
そんな思いから、オナニーの傍ら適当に色んな記事を漁っていました。
するとそんな私の目にある記事が入りました。



”IT起業したい若手向け勉強会セミナー”



胡散臭いなあこういうやつ…多くの人が感じる事だと思います。
私も普段だったらこんな、意識高い系が集まりそうなイベント目もくれません。
ですが、
1:無料だった事
2:講演にやってくる人たちが普通に大企業の方だった
3:暇だったこと(ニートみたいなものだし)
そして何より1週間後に開催という、なんとなく点いた火が消えるより早く参加できるというグッドタイミングだったこともあって参加する事にしました。




Part2「引きこもりエロゲクリエイターがビジネスアイデアを持ち込んだら箸にも棒にもかからずボコボコにされた件~たとえ後から励まされたとしてももうやる気が出ないので知らん、俺は自宅でエロ絵を描いてシコる余生を全うする~」


さて、参加するにあたって私は「どうせ行くなら勉強する以上の意味があるものにしたいな~」と考えました。
ただただ交流して仲良くだべる事と、黙ってそこに座って終わったら帰る事は「得るものが無い」という点において同義です。
現地に行ってせっかく大企業の偉い人達と関わるのであれば、わずかながらにでも何か得るものが欲しいと思いました。
それに不特定多数にむけた無料イベントなんて、ネットで得られる以上の情報が手に入る事はまれでしょう。


「どうせだったら少しでも印象に残る参加者として偉い人に覚えてもらいたいな、そこから繋がる人脈があったりして大きなことができたりするかもしれんし…じゃあどうしよう?」


そう考えた私は適当なビジネスアイデアのパワポを作って持って行って見せる事を考えました。開催までの一週間をかけて作ったパワポを手に勉強会に臨むのでした
この一週間というのが絶妙で、アイデアを考えて準備をするのにかなり余裕があり、実行するには十分な時間でした。


勉強会の会場は、意識高い系見た目の陽キャとオタクが入り混じるカオスな空間でした(もちろん私は後者)。
そこで始まった勉強会はやはりというか難易度の低いもので、やはりここでなければ得られないものもありそうに無さそうです。

ですが私は勉強をしにやってきたのではありません、まあ、何をしに来たのかも良く分かってないけど、とにかくなんか偉い人に会って自分が持ってきたアイデアを見せて、そしたらなんか感心されて評価されて、

「それめっちゃ面白いじゃんビジネス立ち上げてみたら!?」

とお墨付きを貰えちゃうかもしれない。そしたらとんとん拍子で現在の生活が変わってお金も稼げて楽しい生活がやってくるかもしれない。同じイベントに参加していても、何も用意していない周りの奴らとは違うんだと、そんな期待をしていました。

勉強会が終わった後の交流会、早速私はパワポを持って偉い人の下に向かいました。






私のアイデアはボコボコにされました。






持って行ったアイデアですが「クリエイターがそれぞれ独自の仮想通貨を発行できる支援サイト」でした。
ファンティアのように月額支援という形でクリエイターのコインを購入し、応援している人が人気になった時、古参であるほどコインの価値が上がるとかそんな感じです。


「類似のサービスが既にあるの知ってる?」
「何か思いついたときは既にあるかの調査が必要だよ?」
「もっとアイデアはちゃんと詰めないとwww」


そこら辺のおっさんや同級生に言われるなら「うるせーバカ」で済みますが、普通に大企業の偉い人という実力者に殴られたことでめちゃくちゃやる気をなくしてしまいました。
そもそもこのアイデア自体、私が昔からずっとやりたいと思っていた事というわけでもなく、単に「イベントに参加するなら顔覚えてもらお~だからなんかアイデア持ってこ~」程度の気分で作ったものです。
これをやりたいという確固たる意志も何もありませんでした。
そんなものが評価されるわけがありません。


そして思いつきとはいえアイデアを否定された私は意気消沈して帰るのでした。
エロ絵を描いてシコって死ぬ、これが俺の生きざまなのかなと…

かくして私の挑戦は終わり、再び巣(アパート)に戻って元の日常に戻るのでした。




Part3「またしてもゴミみたいなアイデアを持ち込もうとした件」



しばらくしてメールが来ました。
勉強会に申し込んだときのアドレスで、「起業コンテスト募集開始!」と綴られていました。

なんだっけそれ…?ああ…そういえば勉強会の中で偉い人たちが言ってたな…

『今回この勉強会をやったのはね、もうすぐ起業コンテストを開くからその周知も兼ねてるんだよね!君たち大学生もいるし若い人達ばっかりでしょ?ぜひとも挑戦してもらいたいんだよね!』

それを聞いた当時はそんなこと言われても眼中にありませんでした。なぜならそんなものに出なくても、今この場に持ってきた最強のアイデアを見せれば、そんな審査全部すっ飛ばして起業の道に進めるからです。

そしてボコボコにされた後はそんな話は全て頭からすっ飛んで、射精と共にバカになった頭からきれいさっぱり消えていたのでした。

しかしながらこうして目の前に吊り下げられたチャンスを見ては、何かまたやってみたいなという気持ちにさせられてしまいます。そもそもかつて感じた「この生活が一生続くのか…」という思いは心の底にくすぶり続けていたのですから。

前回は一週間で考えたアイデアだから失敗したけど、今回は募集期間を全部使って考えればいいアイデアが出るかもしれない。そしたら今度こそいい芽が出るかもしれない。
そう考えた私は今一度挑戦すべくアイデアを書き綴ることになりました。





数日後、そこにはゴミみたいな起業アイデアがありました。





「メタバース社会に向けた3Dモデル生成サービス」みたいなタイトルだったと思います。ほんとに酷いアイデアでした。

pixivファクトリーというサービスではイラストを投稿すると、それが印刷された服とかアクリルフィギュアとかを作れるサービスです。
そして依頼をする前に、完成予想図のプレビューを見れるという機能があります。結構てきとうにプレビュー生成するだけで面白いので絵師の間で話題になった時期がありました。

「じゃあこれからはメタバースの時代なんだし、それを見越してイラストをアップしたらメタバース上で使える3Dデータを出力してくれるサービスあったら儲かるんじゃねーの」
そんな適当な考えから考え付いたアイデアでした。

はっきり言ってゴミです。なぜかというと、こういった企業コンテストに申し込むときに重要な三つの要素を一つも満たしていないからです。
起業したい人向けによく見かける情報として、起業する時に用意しなければならない三つの要素があると思います。

・実現できるのか(技術面)
・儲かるのか(ビジネス面)」
・なぜ君がやるのか(個人の素質)

実現できそう、簡単に作れそうでも儲かりそうに無ければ投資できません。だって金を回収できませんから。

凄く儲かりそうでも作れそうにない物は投資できません。だって作れなければ何も始まりませんから。

そしてアイデアが良くても、儲かりそうでも、「その人がやる理由」がないと投資できません。なぜならそれをやり遂げて見せるという意思がないと、もっとやる気がある競合が現れて抜かされた時、簡単にあきらめてしまうかもしれないという不安があるからです。

儲かりそうだし、実現できそうだし、なにより「コイツならやりとげてくれそう!」と思わせる事、この三つを満たした時、初めて投資家はリスクを負ってお金を出してくれるのです。
なぜなら投資家がしたい事は”お金を配る事”ではなく”そのお金を増やしてくれる何か”を見つける事だからです。



それを踏まえてさっきのアイデアを見て見ましょう。

「メタバース社会に向け、イラストを投稿したら3Dグッズのデータを生成してくれるサービス」

Q (技術的に)実現できるのか?
A 私は作れません。

Q 儲かるのか?
A 分かりません。メタバースの事も良く知りません。

Q どうして君がやる必要があるの?
A さあ…


まさしく
「なんか起業したいと考えるバカが考えて応募してきた起業アイデア」
その典型例がそこにありました。


これで申し込むかな~と、資料を作って文章も考えて後は履歴書アップロードするだけ、そんな段階になった時に気付きました。



これ…絶ッ対に…落ちるわ…



私がやりたいわけでもない、作るための技術があるわけでもない、かつビジネス的な成功が見込めるとも全く思えない。そんなものを応募して一体何が出来るというのでしょうか。
何かしないと何も変わらない、だから何か行動をしなきゃ…なんて思ってましたが、なんの意味も無いことをするのはむしろ労力が無駄になる分マイナスです。


私の手は止まりました。
結局、何かを成し遂げることは私にはできないのだ…
私の挑戦は終わりを告げるのでした(二回目)。




Part4「中国からの刺客、そして転機」


そんなとき、TwitterのDMに一つのメールが届きました。
そこにはなぜか私のゲームの内部データが編集されている様子を示す写真が載っていました。
つまり改造を加えられているという事です。普通ならあり得ない事です。
そしてこう綴られていました。


「私は中国人です」
「あなたのゲームを中国語に翻訳しています」
「無料アップロードするつもりです」
「これは私のビジネスなのでやめろと言われてもやめません」
「ゲーム制作頑張ってください^^」









🔪💢👹💢🔪









私はブチ切れました。

今すぐネット回線を通り抜けてこのメッセージを送ってきた間抜けをボコボコにしてやりたい、その衝動に駆られました。

こんなものを見せられた日には精神が昂って絵を描いたりといった事をする気に全くなれなくなります。風呂に入る、布団に入る、ゲームをする、それでも中々スイッチが切り替わってくれないのです。あとシコる事もできません(重要)。

何なんだこいつは、やるんだったら勝手にやれよ。
何わざわざDMしてきちゃってるの?

一時間ほど経って、ぐつぐつ煮えたぎる怒りをたたえた私は返信のメッセージを打ち込みました。
いったいどんなメッセージを送ったでしょうか?




「データを俺にくれたら販売して、ある程度の取り分をやるよ」
「そっちの方が儲かると思わない?」




はっきりって罵倒しまくってブロックしても良かったというか、そのつもりだったのですが、それをやったところで何になるでしょうか?
結局違法UPされるし、私は何も得るものがありません。
罵倒したからと言って気が晴れる訳でもありません。

『だったら仲間内にとりこんで、自分の利益も増せばいいじゃないか』

孫氏の兵法にもあった気がする、なんだっけ、戦わずして勝てだっけ。敵を増やすより味方にしてしまえだっけ。まあいいや。
しばらくして返信ががきました。





「ううむ、分かりましたそれはその方がよさそうです」
「海賊版なら十分なクオリティですが、販売するには翻訳の制度が甘いので一か月かけてブラッシュアップして渡します」





こうして私は中国語版の違法UPを妨害し、無料で翻訳させ、しかもそのクオリティをブラッシュアップさせた中国語版のMilkyQuestIIを発売開始する事になりました。



私は過去にも自作のゲームの英語版が勝手に作られているのを見つけ、それを自分の販売ページに登録して販売することで無料で英語翻訳版を手に入れたことがあります。
そんなこともあってこのような手段を取れば、ただやみくもに怒りをぶちまける以上の効果があることを知っていたのでした。



(「英語版 エロゲ 違法」で検索すると記事が出てきます)

ちなみに韓国版もある。




MilkyQuestIIの英語版もありますが、これは正式に翻訳を依頼したものです。
それ以外は全部違法。糞が!!

そんなこんなで中国版が販売開始されてからしばらくして中国人からDMがまた来ました。

「違法UPは悲しい泣」

…何言ってんだ?中国語版が違法UPされちゃったって事か?
「あなたなら何をされたら困るか分かるでしょ?あんたが勝手に対処してください」
そう冷たい返事を返し、どうでもいいと言わんばかりに最近買ったSEKIROをの攻略にいそしむのでした。






「しかしなんでこんな状況が放置されてるんだ?」






私が同人ゲーム業界に入った2014年から10年近く経過しています。
そして海賊版の問題は、私が業界にやってくるずっと前から蔓延っており、ずっとずっとそれを解決する強力な技術が待ち望まれているのにも関わらず全く解決していないまま放置されているのです。

早くこんな糞ったれな状況をどうにかしてくれよ、
強力な法律が出来たりして犯罪者をぶちのめしてくれないのかよ、
なんで金を払っても無いヤツが俺の絵でシコってるんだよ(最重要)、




ああもう…








早く違法UPされない仕組み、できないかなあ…








………


ん?


あれ?


これってもしかして…



”ものすごいビジネスチャンス”がほったらかしにされてるんじゃないのか?



「違法UPされない仕組み」というのはずっと待ち望まれている仕組みのはず、たくさんのクリエイターが欲している課題なのに誰も解決できていない問題なのだ…
それはつまり、その一点だけを…「違法UPされない」という点だけを解決すれば、今ある市場の全てをひっくり返すことが可能になるほどの強力な仕組み足りえるのではないか?

そしてそれは、10年前なら無理だったとしても、今ある技術をフル活用したら解決できる問題になっているのではないだろうか?

ブロックチェーンとかNFTとか…意味わからなくて胡散臭いけど少し前までは無かった新しい技術が産まれてきたこの時代だったら…

私は何の技術も無いバカだけど…私よりもずっと頭がいいエンジニアの人たちに、今一度「どうしたら違法UPされない仕組みを作れるのか」を本気で考えてもらったら…

「違法UPされないゲーム配信プラットフォーム」というのは…
もしかしたら作れるんじゃないのか???








これだァーーーーーー!!!!








私はこれまでに書き溜めたゴミアイデアのファイルを全部削除し、「違法UPされない仕組み」をどうにかして生み出すべくそこからコンテスト応募締め切りまでの期間、毎日アイデアを考えました。

今回このアイデアを申し込むにあたってすさまじい弱点がありました。
それは「私は何もできない人」である事です。

先ほど起業コンテストに申し込むには「私にこそやらせる理由」「実現できるのかどうか」「儲かるのかどうか」が必要だと言いました。

私がやる理由は十分にあります。その業界にいて被害にあっていて困っている張本人だからです。
儲かるにも決まっています。今あるエロゲ市場の全てのクリエイターが待ち望んだ技術、それを作る事はつまり市場すべてがターゲット足りえるからです。


ですが”どうやって作るのか?”については全く持って根拠を用意できません。
技術も無いし、今から勉強しても間に合うわけがありません。
そもそも長年解決できなかった問題を、こんな素人がちょっと考えただけで解決出来たら今まで業界の人たちは何をやってたんだって話です。




だから私は正直に言う事にしました。



「私は何もできない、どうしたらいいかさっぱり分からない」

「でもその方法を知っている人たちが絶対にいるはずだ、すべての材料はこの時代に揃っているはずだ」

「その人たちに今一度、真剣に考える機会を与えるきっかけを与えて欲しい。」

「この業界に蔓延る問題を解決するためのムーブメントを、どうか私に起こさせてくれ!!」




そんな思いを徹底的に詰め込んだ文章を考え、書類選考に応募しました。

技術的に実現可能かどうかは完全に放置して、「私だったらこの状況に糞ムカついているから絶対にやり遂げて見せる!」「そしてそれを解決したら同人エロゲ市場すべてからの需要を得て絶対に儲かる!!」という点をとことん強調し、技術は全く持っていない事を正直にアピールしました。


「なにも出来ないくせに挑戦するとかバカじゃないの??」そう思うかもしれません。
しかしその思考だと、いつまで経っても人は手の届く範囲以上の活躍を成し遂げることはできないのではないでしょうか?


例えばゲームを作る時、どういう遊びを提供したら面白いのか、それをどうプログラミングすればいいのか、キャラクターデザインはどうしようか、マップや背景のイラストを用意しなきゃ、どうマーケティングすべきか、何円で売るのが一番良いのか…switchで出るような大規模なゲームにおいて、単独ですべてを理解できる人はいるのでしょうか?
いるとしても、そんな超人は数あるゲーム会社それぞれに必ずいるのでしょうか?

何か大きな事をやり遂げるとき、一人ではできない何かを成し遂げるとき、必ず誰かの力を借りて協力して働く必要があるのではないでしょうか。

だとしたら、ほんの一部分でもそのプロジェクトを成功させるための力になれる部分があるのであれば、挑戦する機会を得るための努力をすることは許されてもよいのではないでしょうか?


私は「自分にはできない事を誰かの力を借りて挑戦したい」という事を常日頃ぼんやりと考えていました。
しかしながらやりたい事は見つからず、ただただエロ絵を描いてシコるだけ、それがこの先数十年続く事に得体のしれない恐怖を抱き続けてきました。


そんな中でこうして、「自分がずっと困っている」「解決したいと強く思える」「誰かの力を借りれば解決できる問題のように感じる事」を見つけた時、その「自分ではできない事に挑戦」をしてみたいと強く思いました。


何もできない人間がその挑戦をするためには、徹底的にやり遂げて見せるという気持ちを、覚悟を込めた文章を文字制限のある中で書類に込める必要がありました。

どうか私にエンジニアの方々の力を借りて目標を達成するためのチャンスを与えて欲しい。

そんな思いをぶちまけた、数週間ほぼ毎日かけて添削し続けた書類を提出し、応募確認メールが届いた事で肩の荷が落ちたような気分になりました。


そして私は久々にエロ絵を描く時間を確保できたのです。






数週間後、見覚えのあるアドレスから送られてきたメールには、
「書類審査合格のお知らせ」という文面が載っていました。

(つづく)

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