四月亭 Dec/20/2024 05:12

『東京バトルファックアリーナ』の制作過程についてのあれこれとか

 新作を販売開始してから、そろそろ1週間が経った。
 クリアしてくれた人とかも出てくる頃だと思う。
 なので、クリアした後でブログを見に来てくれた人向けに、『東京バトルファックアリーナ』の制作のいきさつとか、そういう事を書いておこうと思います。


(まだクリアしてない人は、ネタバレになったりするので、あんまりこの記事は見ない方がいいかもしれません)








 ネタバレ回避用のスペース。
 見たい方はページをスクーロルして下さい。







 
 『東京バトルファックアリーナ』を作り始めたのは
 前作(ウエディングバトルファック)が完成してから直ぐ後。
 つまり、2023年の8月くらい。
 
 最初は確か
 「今までずっとファンタジー舞台だったし、1回くらい現代舞台で作ってみたいなぁ」
 みたいな気持ちがあった。
 
 そして、とりあえずパッケージイラストから考えて
 ↓こんな感じのパッケージを考えた事で、それに伴ったゲーム内容を考えて行った。
 


 ↓完成版



 CGの制作作業は
 描き始めたのが2023年9月くらいで、完成したのが2024年3月くらい。
 絵の描き方を色々と模索してたり、途中で鬱になってたり、30歳引きこもりニートが実家を追い出されてたり、引っ越しをして一人暮らしを始めたり、色々あったので
 この時点で既にかなり長い時間がかかってる。
 そのおかげで、画力とかも最初と最後ではだいぶ変化してると思う。

 ↓最初の頃は、我流の何となくでこういう絵を描いていたのだが


 
 ↓最近流行りのAIに自分の絵を(image2imageする事で)見て貰ったら、こんな感じに改善案を一杯出して貰える事が分かり

「絵を描く→AIで改善案を大量に出す→それを元に自分の絵をブラシュアップしていく」
という方式を取るようにした事で
 ↓こんな感じの絵を描けるようになり

 そして、色のグラデーションとかを自分でもまた考えていった結果、↓こんな感じの絵が描けるようになっていった



「上手い絵を参考にして絵を描いた方が良い」
 というのは、まあ普通に昔から知っていたのだが
 ”自分が描きたい構図と全く同じ構図の上手い絵”というものは、世の中にはあんまりないし、探そうと思ったら凄く時間と労力がかかる。
 なので今までは、「上手い絵を参考にしたいと思ってはいるがそれが出来ない」という事情があった。
 しかし、AIのアレを使ったら、自分が描いた絵と全く同じ構図の絵を、失敗作まで含めて何十枚と簡単に出力して貰えるので
 「他人の絵を参考にして自分の絵を描く」という事が一気にやりやすくなった。
 
 画像生成AIというものには色々な問題があり
 こういうものを使っている事があまりいい顔をされないのは分かっているのだが
 そのままトーレスしたりしてる訳ではないので、許して欲しい。
 (ちなみに、そんな経緯もあって、本作は作品タグがAI一部利用になっている)





 そんなこんなで、3月末くらいにはイラストが完成して
 「あとは文章とシステムを作るだけだし、そろそろ完成しそうかな」と思ったのだが
 そこからがまた絶望的なくらいに長かった…。


 まず、引っ越しして一人暮らしを始めた頃の自分は
 人生でも最大レベルに病んでいた時期だったので
 病み過ぎて哲学とか仏教とかそういうものに興味を示し始めてしまい、色々と、エロゲーを作れるような精神状態ではなかった。

 ……しかし、生きていると金はなくなる。
 そして、自分はどうしても引きこもりがやめられないので、新作のエロゲーを完成させないといけない。

 一時はマジで
 「エロゲ制作なんてもうやめようかな」とか
 「辞めないにしても、今作はなんかもう作る気になれないので、半年くらい頑張ってCG50枚くらい描いたけどお蔵入りにしようかな」とか思ったりしてた。
 ……しかし、コンコルド効果というか、ここまで作ったのに今更やめられないという結論になったものあって、頑張って最後まで作っていく事になった。

 しかし、その時の自分はやはり病んでいて
 エロい事を考えたりする気持ちにはあまりなれない
 「人生とは…」とか「自分の生きている意味とは一体…」とか
 そんな事で頭が悶々としていて、普通の「ああんらめぇ♡」みたいな文章が書けない。

 しかし、やるべき事はやらないといけないので、それでも文章は書いていく。
 ……そうしたらなんか、作ってるエロゲの文章のノリも、よく分からないものになっていった。

 ↓よく分からないノリのエロ文章



 そして、そういう文章を色々書いていった結果
 段々と自分でも「俺は何を書いてるんや…」という気持ちになっていった。

 ↓「俺は何をしてるんや…」という気持ち



 自分は元々、勢いだけでエロ文章を書いていたら
 段々とノリが変になって行ってしまう癖みたいなものがあった。
 別にわざとやっている訳ではないのだが、自然とエロギャグみたいになってしまう所があった。
 ……そして、病んでたせいで、その制御が効かなくなってしまっていた。

 しかし、自分のそんな癖に、突っ込まれた事は何故かあまりない。
 前々作(聖天使の試練)辺りから、勢いだけで書いたせいでエロギャグみたいなノリが劇中に入ってしまっていたのだが
 なんなら、その前々作から自分のサークルのゲームは売れ始めたくらいで、何故か、普通に高評価をして貰っていた。
 
 そんな背景もあって、色々考えた結果。
 むしろもう開き直って「この作品はそういうノリで行こう」という事にした。

 「そもそも、セックスバトルなんてものを真面目にやっていたら、どうやってもシュールになる」
 「しかし、シュールな事をそれでも一生懸命頑張る事にこそ、本当のカッコよさのようなものはある」
 「この作品はもう、そんな感じのテーマで行こう」
 ……そういう感じの方針を取る事となった。

 ↓そんな感じの方針



 ↓そんな感じのノリ




 そうする事で、うつ病的なアレとかを乗り越えて
 なんとか作ってたエロゲを完成まで持って行く事が出来た。


 制作期間で言うと
 3月~6月→「お釈迦様は本当に極楽浄土に行く事が人の救いだと思っていたのだろうか…」とかそういう事を悶々と考えている
 6月~7月→何とか精神を持ち直し、訓練パートのテキストを書いていく
 8月~9月→試合パートのテキストを書いていく
 10月→非Hシーンのテキストを書いたりしていく
 11月→デバックをしたり推敲したりしていく
 12月→販売
 ……という感じだったと思う。


 

 そんな制作経緯があったので、正直、かなり評価が怖かった。
 売れるかどうか分からなかったし、売れたとしても、ふざけていると怒られるのではないかと不安だった。
 自分なりに一生懸命作ったりはしたのだが、それが受け入れられるかは分からなかった。
 そして、結果としては……。

 本当にありがたい事に、今までの中で一番多くの人に買って貰えて…。


 評価も、★1が一杯付いたりとかそういう事はしていなかった。(なのでそこそこ受け入れて貰えはしたのだと思う)



 自分は、この前書いた記事で
 「dlsiteのゲームは初日売り上げの6~8倍くらいが最終売り上げになる」
 「そして、初日は20万円分売れたから、120万~160万円分くらい売れるのでは?」
 という感じの事を書いた。

 ……しかし、今思えば
 前作はなんか、謎なくらい後になってからジワ売れしていたので
 たぶん前作は何処かのレビューサイトとかで取り上げて貰ったりして、その影響でジワ売れしたのもあったのではないかなと思う。
 そして、今作がそうなるかは知らんので、結局80万円分くらいの売り上げで終わる可能性もまだ全然あると思う。

 ……しかし、それでも
 最悪20万円分程度しか売れない事も覚悟していたので
 その最悪の想定と比べたら、本当に、売れてくれて助かったと思う。




 今作は今作で、作者の魂のようなものは込めた。
 自分でも面白いと思ってるシーンとかが一杯あるし
 デバック作業をしている時は、(完成させた達成感とかもあって、)エンディングのシーンを見ている時に自分が作ったゲームなのに感動してポロポロ泣いたりもしていた。
 ……そして何よりも、★の評価とかを見る限り、このゲームを楽しんでくれてた人も(たぶん)いる。

 だから、このゲームを作ってた時よりは
 自分はこのゲームの出来に自信を持ててはいる。
 「こういう変なノリのエロゲもあっていいのではないかな」という事を想っている。

 ……しかし、当たり前の話だが
 こういうエロゲはたぶん邪道ではある。
 なので、スポ根エロみたいな本作のジャンルは、たぶん一発芸みたいなものではある。(と思う)


 人間にはたぶん、発情のスイッチみたいなものがある。
 その発情のスイッチがONになった時に、人はエロい感じの気持ちになる。
 ……そして、そのスイッチはたぶん
 「人生とは…」とか
 「うおおおおおおおおお!!これが本当の俺なんだああああ!!!」とか
 そういうノリでいる時に押されるものでは、たぶんあまりないのだろうとは想う。

 ↓そういうノリ



 ……だからまあ、何と言うか
 自分は別に「このゲームを面白くない」と思っている訳ではないし
 製作者がこんな事を言うのもなんなのだが
 このノリはたぶん、次回作では、もうちょっと控えめにはなってるとは思います……。


 


 【おまけ。今考えてる、次回作の構想とか】

 東京バトルファックアリーナは、売れた。
 そしてその上で、自分の中には「ああすればよかったなぁ」みたいな反省点も、そこそこある。
 なので、自分は今、「次回作も頑張ろう」という感じの気持ちになっている。

 そして、とりあえず次回作としては
 (これはまだ未定であって、本当に仮でしかないのだけど)
 ↓「こんな感じのエロゲを作ろうかなぁ」とか思っている。

 何と言うか、気持ちとしては
 「次はもうちょっと落ち着いた感じの雰囲気のものを作りたい」というアレがある。

 ……たぶん、おそらくまた、ここから半年とか1年とか
 そのくらいずっと、自分はエロゲを作っていく作業をしていく事になるのだと思う。

 自分は引きこもりニート的な人種で
 これしかないし、これだけは応援してくれている人がそこそこいる。
 次回作が何時出来るかは分からないし、(正直)今度こそ完成までに心が折れたりしてしまう可能性も0ではないが
 それでもまた、次も頑張っていきたいと思います。

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