●痴人の略29●
「さあ、今度はこれで全身を愛撫してあげよう」
「とても気持ちいいよ?可愛い声をもっとあげてくれよ?」
老人たちは特殊な素材の手袋をつけて鬼灯の晒された裸体に迫った。
手袋の内側にはシリコンのイボが付いていて、その独特の感覚は、触れられると妖しい感情がこみあがってくる仕様にされている。
しかもそれぞれが付けた手袋は、内側が繊毛状のものや、柔らかい突起が無数に並んだもの、猫舌状の突起が並べられているものなどがある。極敏感になった鬼灯の身体をこれらで責めるなど、鬼灯にとっては直接性感帯を触られるのに等しいだろう。
「うっ・・・ぐう・・・!」
(あんなもので体中に触れる気か?くそっ、逃げられない・・・・!)
奥歯を噛み締めるが、弛緩剤を打たれ、両手両足を拘束されている身では逃れることもできない。
鬼灯の白い身体にローションが垂らされると、異形の手袋をかぶせた老人たちの手が、その美肌を滑り始めた。
「んあぁぁぁっ!はあっ!あぁぁぁあぁ!あっ!あっ!あぁぁああああ!」
ローションのふんだんなヌルつきが愛撫を円滑にし、様々な刺激が鬼灯の肌を一斉に襲う。
くちゅくちゅと音をたてて激しく胸を上下に摩擦するものもあれば、触れるか触れないかの状態で、すすす、とわき腹を撫でるものもある。
ビクビクと反応する両大腿にも手は及び、膝裏から足の付け根までを撫で上げ、鬼灯に妖艶な声をあげさせる。
「あはぁぁっ!ああっ!あっ・・・・あぁ・・・・っ!」
滑らかな内腿を撫で回し、時折刺激的に爪をたて、鬼灯が自身を意識するようにわざと周辺を念入りに愛撫する。
「くぅっ・・・んうぅぅっ・・・!」
ローションに鬼灯の熱い汗が混じり、むせ返るような甘い香りの中で、美しい青年が異形の手で裸体を撫で回されている様は、倒錯的で、一枚の春画のように妖艶だった。
「ふふ、随分素直にエロい声が出るようになってきたね」
ニュルニュル、ぐちゅぐちゅと粘液の音を立たせながら、鬼灯の美肌を老人たちの手がはい回り続ける。すでに愛撫が始まってから三十分は経っただろうか、鬼灯の白皙の肌はほんのりと朱がのぼり、毛穴から香る汗を拭き出させて、愛撫に合わせて肢体をビクビクと跳ねさせている。
「あ、あぁぁ・・・はぁぁぁ・・・」
執拗な愛撫を受ける鬼灯の声にも、快楽に耽溺したような響きがまじり、老人たちの耳を楽しませている。
まるで美しい弦楽器のように、手で撫でれば艶やかな音が漏れ、鬼灯は我慢も抵抗もできず、好きなように喘がされた。
「はは・・・ここではもう何回イッたかね?すっかりイキぐせがついてしまったようだが、気持ちいいかい?」
指に猫舌の突起を生えさせた手袋の老人が、完全に充血した胸の突起をじょりじょりと左右に摩擦する。
「んふうぅぅぅっ・・・!あっ!あぁぁぁあっ!」
我慢できないほどの激悦を感じ、鬼灯は妖艶な声を上げる。全身の愛撫が始まってから、常に標的にされてきた胸の突起は、もう何度も絶頂を重ねられ、少し触れられても絶頂への糸をつかんでしまうほど、イキぐせがついてしまっていた。
「たまらないねえ・・・この乳首の淫らなこと・・・」
「胸全体も感じるだろ?ほら、こうやってスルスルと・・・」
「あぁっ!あっ!あっ!あっ!」
鬼灯の白い身体がビクンビクンと連続して跳ね上がり、汗の珠を散らせながら身もだえる。
二分に一回は絶頂させられ、鬼灯の上半身は性感帯がむき出しになったかのように敏感になってしまっていた。特に胸を弄られると我慢ができないほどの愉悦が走り、我慢することもできず絶頂へと突き上がってしまう。
「うっ・・・うぅ・・・くうぅ・・・っ!」
(く、悔しい・・・こんなヤツらに、ここまでいいようにされるなんて・・・)
歯噛みしている今も、腹筋を疣手袋で撫で上げられ、性的に燃え上がる身体を妖艶にくねらせる。
「ふふ、まだまだ許さないよ・・・」
「もっともっとイッってしまいなさい」
二人の老人が両脇に陣取り、胸の突起を集中的に責め始める。
一方の手袋は不揃いの粒が連なり、一方の手袋には歯ブラシ程度の硬さを持った繊毛が生えている。
それぞれの異なる感触の指が左右の突起を摘まみ、ジョリジョリ、ザリザリと激しくこね回し始める。
「はぐうぅぅぅっ・・・・んんん!あぁあああああああ!」
上半身をビクビクと跳ねさせながら、鬼灯が激感に叫び、あっという間に胸絶頂を迎える。しかし、鬼灯が絶頂しても指の動きはとまらない。
胸の絶頂は、一度イケば刺激され続ける間ずっと快感が続く。激しくイカされた状態を延々と続けられ、鬼灯が解放されたのはたっぷり三分たってからだった。