東方二次小説(第二話)「アイドル天狗はたて」


大天狗「飯縄丸龍(いいずなまる・めぐむ」」の屋敷にたどり着く
はたてはここは何度も来たことがあるが、今回は菅牧典が恭しく先立って
招き入れる。
はたては菅牧典が好きではない。いつもにこにこと笑ってはいるものの
その視線には隠微なものさえ感じる。実際来る途中でも時々はたての後ろを飛んで
視線を浴びせる。全身に悪寒のようなものが走り、思わず

「こらっ覗くな」


振り返ってと叫ぶ。
そのたび典は、なにもいわないまま、にこにこと笑っているだけ。
「まじでうざいやつだわ」
はたては思い出して真っ赤になった。
大天狗の屋敷の入り口は小路になっている、厳かな雰囲気の中
はたては典の後をついていった。

和室の部屋、部屋の中心に飯縄丸が立っていて、はたてをむかえた
さすがに今日ばかりはしおらしく大天狗の前に。
「おめでとう、君がアイドルで優勝するとは思わなかった」
「は、あ、ありがとうございます」
「前日までの集計では君は首位ではなかった。最後に白狼天狗や
河童たちの票を集計したら逆転した。いやいやおめでとう」

「は・・はい・・」
なによ以外そうに言わないでよ。
これで私も魅力がようやくわかったでしょう・・・
そういいたいのを、ぐっと抑えて大天狗の言葉を待つ。
「そうだ今回のアイドルの件はこちらの白龍と、典に任せてあるから詳しくは聞いてみてくれ」
そういって、部屋を出ていく

「姫海棠はたてさんですね、お初にお目にかかります。白龍健ともうします
・・さあお座りになって・・どうぞ」
そこには、白髪・着物、袴の男天狗の姿が・・・
うそお・・なにこれ・・こういうのって・・出会いあってわけえ・・・
あまり見ない男天狗‥しかも・・美形・・・
まじかよこれ・・・はたては・・いわれる通り白龍の前に座る
「情報部の中では姫海棠さんは有名なんですよ。射命丸文さんももちろんですが・、花菓子念報読ましていただいております」

「あ、ありがとうございます。うれしいです」
すっかり舞い上がっているはたてと白龍の横で、つまらなそうに典が座っている
はっきり言って面白くないようなのだ。

場面変わって、岩山。犬走椛が哨戒警備にあたっていた。
突然現れた典とともに飛び去ったはたてが心配ななり。得意の千里眼で大天狗の屋敷をのぞいていた。
アイドル投票には椛も参加していた。仲間の白狼天狗たちとともにはたて応援団のようになって
組織票のように投票した。河童の知り合いも協力してくれた。
椛にとって仲の良いはたてを応援するのが目的だった。まさかここまでのことになるとは
それが逆にはたてを苦しめるなど考えもしなかったのだ。
「あやや~~椛どこを見ているんですか?」
突然素っ頓狂な声に椛は思わず見紛えた。
そこには・・。
「椛さん~清く正しい射命丸ですよ~まさか忘れちゃったんですか~」
「文さんですか・・。脅かさないで下さいよ」
椛は剣をおろすと。は~っとため息をついた
「どうしたんですか、文さんがここに来るとか珍しいですね。何か御用ですか?」

「あやや~~ずいぶんな対応ですね。こう見えても私あなたの上司になるんですがね」

慇懃無礼な射命丸の言い方にも椛は慣れているようで

「これは失礼しました。その射命丸さまが何の御用でしょうか?」

椛はすこしつっけんどんにものをいう

「あなたはたてと仲が良かったですね。はたてのこと知りませんか?」

椛は文の意外な言葉に思い起こした、文ははたてのことを気にしている。同じ鴉天狗だし
同じ新聞記者だし、実は文ははたてが嫌いではないことも・・。

しばらく考えていたが。思い直したように


「文さんはご存じないのですか?妖怪の山アイドル選手権のことを?」
「あやや~~当然知ってますよ。たしか今日決定するとか・・。それがなにか?」
椛はなやんだ、文は本当に知らないのだろうか。でもこうなっては他に相談する相手もいないし。
「実は・・」
椛の言葉なに文は腕組みした・・。

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