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チェーンライド【1】~【5】

【1】

 嫌な湿気をもたらす梅雨が明け、本格的な夏がやってきた。それでも避暑地のここは、朝夕涼しく感じられる。
 ペンションやリゾートホテルが立ち並ぶ中、いかにもという感じで存在するテニスコートには、女として開花し始めたくらいの女子高校生たちがラケットを手に素振りしている。
 彼女たちは、春光女子学園高等部のテニス部員である。
 春光女子学園は名門のお嬢様系学校で、その伝統に恥じぬような良家の子女が大勢通っている。
 その春光女子学園のテニス部には、夏休みに入ってすぐ伝統のテニス合宿が二週間ほどあるのだ。合宿とは言っても、このような避暑地でステイ用のログハウスをいくつも借り切って、よほど厳しいとは言えないテニスの練習を行う……言ってみれば、ただ旅行感覚で遊びにきている感じだ。
 とはいえ、学校内で企画されているモノなので、当然引率教師はいる。
 その引率教師、新井泰隆(あらいやすたか)は春光女子学園に赴任してから二回めの夏を迎えている。今年で三〇歳になる新井の風貌は、少し痩せててメガネをしている上、普段は化学の教師の定番である白衣を着用しているので、神経質そうな研究者というイメージが先に立つ。
 だが、学生時代、テニスサークルに所属していたので、春光女子学園に赴任してすぐにテニス部顧問になった。
 したがって新井はこの合宿を引率するのも二回目となる。
 去年と違うのは、転勤でもう一人のテニス部顧問がいなくなり引率教師は新井一人だと言う事と、ある計画を画策している事……女子高生を監禁調教する事だ。

 合宿初日、新井は、腕組みをしながらコートの中の部員たちを見つめていた。そして、その視線の先には、今年テニス部に入った一年生の畠山緋冴(はたけやまひさえ)が熱心に素振りを繰り返していた。
 緋冴をはじめてみたとき、新井に衝撃が走った。背中まであるつややかな黒髪、少しだけ濃い眉に切れ長の眼、きらきらと光る唇。身体の線はほっそりとしていて少し物足りなさを感じるが、顔とのバランスを考えるとマッチしていて品の良さが醸し出されている感じだ。
 緋冴は容姿だけではなく、入試の成績もかなり良かった。親も先日株式を店頭公開した有力成長企業の社長。良家の子女のサラブレッドと言っても過言ではない完璧さだった。
 新井もいろいろな女を見てきたが、十五歳の少女にこれだけ心を動かされた事は今までなかった。
 だから、緋冴がテニス部に入部したときは、飛び上がるほど嬉しかった。そして、その思いはだんだんと夏の合宿に向けられていったのだ。
 合宿の初日に緋冴を連れ出し別に借りた貸し別荘に監禁する。部員たちにはなんとでも言って緋冴は先に帰ってしまったことにすればいい。家の方も娘は合宿に参加していると思っているから怪しまれる心配はない。
 それぞれ情報が行き来しないように、わざわざ携帯電話の電波圏外にあるログハウスを選び、規律と称してログハウスに備え付けている電話を使用できないように借りる時に頼んでおいた。
 だから、唯一通話出来る新井の部屋にある電話を使わない限り、部員たちは外部との連絡はとれないのだ。
 引率教師として行う事は朝晩の点呼と、午前中二時間くらい練習についてやるぐらいで、後は自由に行動できる。したがって、監禁した後の調教時間もたっぷりとれるはずだ。
 
 舞台はそろった。後はヒロインを招くだけだった。

 【2】

 合宿初日。テニスの練習も終わり、部員総出で夕げの支度をしている。緋冴はTシャツとジャージという部活定番のラフな格好で、ジャガイモの皮を器用な手つきでむいていた。初日は合宿定番のカレーでもつくるのだろう。
「緋冴、こっちもお願い」
 中等部時代からの親友である吉野千絵(よしのちえ)が緋冴にニンジンを渡した。吉野千絵は緋冴と好対照で、よく似合うショートカットとくっきりとした目鼻立ちが印象的な美少女だ。性格的にも活発な方で、よく目立つ娘である。
 その千絵から渡されたニンジンを緋冴は笑顔で受け取った。
「千絵ちゃんもやらなきゃダメだよぉ」
「ははは、アタシはこういうの苦手だからね」
「そんなこと言ってたらいつまでたっても上達しないよ?」
 緋冴はニンジンの皮をむきながら、心配そうな顔でそう言った。
「大丈夫、女だけが家事する時代は終わったのよ、じゃアタシは食器の用意してくるわ」
 千絵はまた、はははと笑って食器を用意しているグループの方に歩いていった。
 そんな千絵を見て緋冴はふうと小さくため息をついて、またニンジンの皮をむき出そうとしたとき、炊事場に場違い的な男の声が響く。
「おーい、畠山はいるか?」
 新井が炊事場のドアのところで緋冴を呼び出した。
「はい? 何ですか先生」
 緋冴は返事をすると、包丁を置いてぱたぱたと新井のところまで駆け寄った。
「お家の方から電話が入っているぞ? なんでも急用だとか言って」
「あ、はい、すいません」
 ――急用って何かしら?
 緋冴は不安に思いながら新井の後ろにならって歩きだした。使える電話は新井のログハウスしかないので、そこまでいかなければならない。
「先生、急用って……」
「さあ、俺も詳しい事は全然聞いてないんだ」
 当然だ。緋冴を連れ出すための口実であって、そんな電話は掛かってきていない。
 そして、自分のログハウスの前までくると、ホテルのドアボーイのように扉を開けて緋冴を招き入れた。
「さ、電話はこっちだ」
「すいません」
 緋冴はぺこりと頭をさげて、いかにも通話中であるようにフックされていない受話器をとった。
「もしもし」
 しかし、緋冴の耳には『ツーツーツー』という音しか入ってこない。
 ――あれ? 切れてる?
 緋冴が首をかしげ、新井の方を向いた。
「先生、切れてますけど……?」
 その時、緋冴の視界に入った新井の顔は凶悪な笑みを浮かべていた。
「そうだよ、はじめっからそんな電話掛かってきてないんだからな」
「え?」
 と、緋冴が言った瞬間。
 新井はポケットからスタンガンを取り出して、緋冴の腰にあてた。
「あうっ!」
 緋冴が大きな悲鳴をあげて、倒れ込むところを新井が抱きかかえた。
「おっと……フフフ、他愛ないな」
 さっきにもまして凶悪な笑みを浮かべた新井は緋冴の腕と足首をすばやく縄でくくる。口には猿ぐつわをかませた。
 本格的に緊縛してみたい欲求にかられたが、今そんな余裕はない。緋冴が気絶しているうちに貸し別荘に連れ込まなければならないのだ。
 新井は荷物を担ぐようにして、緋冴を肩で担ぎ、ログハウスの玄関までやってきた。
 そして、注意深くあたりを見渡す。
 ――誰もいないな。
 テニス部員は全員で夕げの支度をしているし、通行人がいるような場所でもない。新井は誰にも見られる事もなく緋冴を自分の車にほうりこんだ。
 そして自分も運転席にすばやく乗り込み、エンジンをかけた。
 ――緋冴、これから楽しくなるぞ…… 
 新井ははやる気持ちを抑えて、ゆっくりとアクセルをふかしはじめた。

 もうまもなく夕食になる頃、テニス部員は当然のように食堂に集合していた。
 そんな中に新井も顔を出す。
 緋冴はここから車で十分くらいいったところにある貸し別荘に監禁した。縄を後ろ手に括り直し、首輪をはめて頑丈なクサリでつないだ。このまま調教をはじめたいところだが、合宿に戻って緋冴が急遽帰ったという説明をしてこなければならない。
 名残惜しそうに緋冴の胸の膨らみを服の上からゆっくりともみしだく。柔らかく張りのある感触に新井は満足げな笑顔をうかべた。
 ――と、このくらいにして戻らないと。
 新井は意識の戻らない緋冴を部屋に残し、合宿にもどった。多分、今ごろ意識を取り戻して悲嘆の涙に暮れている頃だろう。
 そんなことを思って淫猥な笑みを浮かべた新井に吉野千絵が駆け寄って質問した。
「先生、緋冴は?」
 一緒に出ていったはずの緋冴が戻ってこないので心配しているのだ。
「ああ、今から説明する」
 新井は千絵を制して、部員全員に話し掛けた。
「えー、畠山なんだが、身内に不幸があったので急遽合宿をきりあげ家に帰る事になった。電車の時間がギリギリだったこともあり車で駅まで送った。今は電車の中だと思う」
「先生、身内って?」
 千絵が心配そうに質問した。
「詳しくは聞かなかったがおじさんがなくなったとか言ってたな」
「そうですか……」
「まあ、畠山に何かあったとかそういう訳ではないから、皆は心配せずに合宿を続けてくれ」
 新井の話に、部員が声を合わせて『はいっ』と返事をした。
 ただ、ひとり千絵だけは考え込んでいた。
 ――いくら急いでたからって、緋冴が挨拶もなしに帰ったりするなんて……
 別に新井の話に疑問を持ったとか、そういう事は全然考えていない。緋冴は合宿を切り上げて帰ったと信じている。だが、普段の緋冴の行動を考えれば、ちょっと不自然な感じもするのだ。
 しかし、その緋冴にこれから訪れる悲劇など、今の千絵にわかるはずもなかった。

 【3】

 ベット以外にはなにも置かれていない部屋。窓もなく、室内は漆黒の闇に包まれている。そのベットの上で縛られて身動きできない緋冴はしくしくと泣いていた。
 三十分ほど前に、緋冴は意識を取り戻した。ぼおっとした意識を正気づかせるように、重たい頭を大きく振ってみると、ジャラジャラという金属音がする。
 そして、気づく。後ろ手に括られ、足にも縄がかかっている。口には猿ぐつわがされていて思うように声を発する事もできない。首には飼い犬がつけるような首輪がはめられてあり、クサリがつながっていた。
 ようやく、自分は誘拐された事に気づき、自由を求めてばたばたともがいてみるがどうにもならない。やがて疲れてしまったのか、もがく事をやめてしまう。
 ――どうして、こんなことに……
 記憶をさかのぼってみる。
 合宿の夕食を作っていたら、新井に呼ばれて、電話に出て……その後の記憶がない。
 とりあえず誘拐犯は新井だと言う事だけは判った。
 緋冴は新井にたいして、なんの感情も持っていなかった。ひょろっとした印象のある化学教師でテニス部顧問。特別かわった授業をしているわけでもないし、部活動の時も何度か会話した程度だ。
 本当に普通の先生。そんなイメージしかなかった新井が自分を誘拐したのだ。
 何の目的のために? 
 いろいろと思考をめぐらせているうち、壮絶な恐怖感がせりあがってきた。
 とてつもない怖さに耐えられなくなって、緋冴は嗚咽をもらし始めた。
 しばらくして、遠くのドアがバタンと閉じられた音がした。
 ――誰か来た……
 息をのむ。
 パタパタという足音が少しずつ大きくなるしたがって、心臓の動悸がはげしくなる。
 そして、運命の扉が開かれた。
 部屋のドアを開けた人物は、ドアそばにある明かりのスイッチを入れた。パッと蛍光燈がついて室内が明るくなる。
 緋冴はその明るさに耐え切れず、眼を細めた。そしてだんだんと視界が戻ってきて、入ってきた人物が新井だと気づいた。
 その新井はこれから自分の奴隷となる少女を歪んだ笑顔で見つめると、口を開く。
「気づいたか、畠山」
 新井の問いかけに緋冴は何かしゃべろうとした。が、猿ぐつわのため『うぅ~うーっ』とうなってるようにしか聞こえない。
 新井は緋冴に近づいて、緋冴のよだれでべとべとになっている猿ぐつわをはずした。そして、緋冴の身体を持ち上げて、正座で座らせる。
 緋冴は口が自由になったので、深呼吸をしてからキッと新井を睨み付けた。
「一体どういうことですか?」
「そんなこともわからんのか? バカだな、おまえ」
 新井の冷酷なセリフを緋冴ははじめて聞いた。授業でも部活でもそんな事を口にしなかった新井の豹変ぶりに、緋冴は恐ろしさを感じた。
「お金、ですか?」
「ホントにバカだな、おまえは。身の代金目的ならこんな誘拐すると思うか?」
 確かに、身の代金目的ならこんな合宿の途中とかそういう状況でするわけがないし、顔見知りというリスクを考えない訳がない。
「じゃ……どうして……」
 恐怖に引きつった緋冴の表情を満足げに見ると、冷酷に言い放つ。
「決まってるだろ、これからおまえをここで飼うんだよ」
 ――飼う?
 新井のいってる事がよくわらからない緋冴。
「わからんのか? ま、バカなメス犬だから理解できんのは当然か」
 さっきからバカバカといわれ、緋冴のプライドに傷がつく。
「わ、私はバカじゃありません!」
「フン、バカなメス犬が吠えてるな。いいか、おまえはこれから二週間の間、俺に飼われる事になる。その間にいろんな芸を仕込んでやるからな。二週間後には一人前の奴隷にしてやるからありがたく思え!」
 緋冴はようやく新井が自分を凌辱するつもりなのだとわかった。
 途端にポロポロと涙があふれ、叫びだした。
「いやあ! 絶対にそんなのいやあ! 助けてぇ……ううぅっ」
 女が泣き叫ぶ声は、サディストにとって美しい調べだ。
 新井は緋冴の叫びに陶酔しながら、口を開く。
「助けてほしいか?」
 しゃくりあげながら、緋冴はうなずいた。
「じゃあ質問だ。おまえは処女か?」
 突然の淫猥な質問に、緋冴は無言のままイヤイヤした。
「質問に答えろ! 今すぐひん剥いてじかに確認したっていいんだぞ?」
 新井の脅迫に緋冴はすくみ上がり、あわてて小さい声で答える。
「は……はい」
 恥ずかしい質問に答え、羞恥に頬が上気する。
「私は何も知らない処女です。と言ってみろ!」
 そんなこと言えないとばかりに、緋冴はまたイヤイヤした。
「俺は何度も同じ事は言わないぞ?」
 新井はそう言って緋冴のジャージのズボンに手をかけようとする。
「ひぃっ!」
 緋冴は悲鳴をあげ、すぐに新井の言葉を口にした。
「わ、わたしは何も知らないしょ、処女です……」
 理不尽な質問にこんなはずかしい答えを強要され、緋冴の目尻から再びポロポロと涙がこぼれでた。
 新井はにんまりとほくそえむ。春光女子学園の初等部から男のいない環境で育ってきた緋冴だけに、ある程度予想していた事とはいえ実際にそうだと判ると、飛び上がるほど嬉しくなる。
「フン、そうか、緋冴は処女か」
「はい……」
 緋冴は新井がまた行動にでないように、素直に返事をした。
「じゃあ、こんなところで処女破られたくないよな?」
「はい」
「だけど俺はおまえを調教して奴隷にしたい」
「そ、そんなのイヤです」
 緋冴は哀願するようなまなざしで新井を見つめた。
「そうか、まあ、俺も冷酷無比な男ではないからな。おまえが喜ぶ提案をしようじゃないか」
「え?」
 緋冴の顔に一瞬期待の表情がよぎる。
「おまえがオマンコしてって言うまでは、処女を守ってやる。そのかわり、おまえは素直に俺の言う事をきいて二週間の調教を受けろ!」
 卑猥な言葉に緋冴は羞恥で真っ赤になった。
「どうした? いい提案だろう」
 二週間という限られた期間の中で、徹底的に奴隷に叩き落とすには、素直に調教を受けてもらう必要がある。処女を散らすのは今すぐでなくていいし、後でなんとでもなるのだ。そういう意味では、新井にとっていい提案である。
 だが、緋冴は当然拒否する。
「イヤです……」
「そうか、交渉決裂だな。趣味ではないが、俺はおまえを無理矢理犯してセックス奴隷にするしかないな」
「そんなのイヤあっ!」
「いいか、今の状況を考えろ。俺は力ずくでおまえを犯す事ができるし、調教する事もできる。だがそれをしないで処女は守ってやると言ってるんだ。もう一度だけ聞いてやる。犯されてから調教受けるのと、処女は守って調教受けるのとどっちがいいんだ?」
 緋冴にとってぶのない二者択一。だが、後者を選ばぬかぎり、結果は前者となるのだ。
 選ぶしかないのだが、それを口にする事がなかなかできない。
「どうした? 後五秒で時間切れにするぞ!」
 新井はそう急かして、カウントダウンをはじめた。
「五、四、三……」
 三まで来たところで、緋冴が涙を流しながら口を開く。
「わ……わかり、ました……」
 この駆け引きは新井の勝ちだ。相手の要求を聞く振りをして、結果的には自分の要求をすべて通してしまう。一流の調教師にはこういう駆け引きが必要だ。
 だが、これで終わりではない、調教はもう始まっているのだ。
「何がわかったんだ?」
 緋冴は答えられない。当然だろう。
「これから私を調教してください。って言ってみろ」
 新井はセリフを教え込むが、緋冴は口を動かそうとはしない。
「言えないって事は、早くも約束やぶりって事だな? ということは俺も約束は守らなくていいって事だな?」
 新井はそう言って再びジャージのズボンに手をかけて、引き摺り下ろそうとする。
「ま、待って、いいますから……」
 緋冴は慌てて口を開いた。
「フン、物覚えの悪い奴だ」
 新井は手を引っ込めて、緋冴が口を開くのを待つ。
 緋冴は羞恥に打ち震えながら、小さな声でセリフをいい始める。
「こ……これから、私を……ちょ……調教してください……ああ、イヤあ」
 緋冴のセリフを聞いて新井は嬉しそうに追加する。
「私を立派なメス奴隷にしてください。と言え!」
 緋冴はもう拒めない。
「私を立派な……メス……ど、奴隷にしてください……」
 つっかえつっかえ、涙ながらにセリフを口にする。
「そうか、ホントはおまえのようなションベン臭い小娘なんて調教するのは趣味じゃないが、生徒にお願いされたら、先生としてはきかないわけにはいかんな」
 緋冴はあまりの屈辱に何も考えられない。ただ涙は止まらなかった。
「それから、俺の事はご主人様と言うんだ! わかったな?」
 緋冴は素直にうなずいて、返事をする。
「はい……ご主人様……」
 緋冴は、新井をそう呼ぶ事によって自分は本当に奴隷にされてしまったような気がした。

 【4】

 ――まずは第一歩だな。
 新井は満足げに歪んだ笑顔を作った。そして、おもむろに緋冴にかかる縄をとき始めた。緋冴は一瞬驚いたが、手足が自由となる事に安心した表情を見せる。
 手足を拘束していた縄はすべて解かれ、緋冴を繋ぐのは首輪のみとなった。だが、南京錠でかっちり止められているのではずす事は女の力では無理である。
「さて、奴隷の使命はなんだか判るか?」
 戒めをとかれた手足をさすっている緋冴に質問する。
「判りません……」
「ホントにバカだなおまえは。主人を喜ばす事に決まってるだろ」
 何かまたいやらしい要求をされそうで、緋冴はぐっと身構えた。
「ストリップをしろ。着ているモノを全部脱いでみせろ!」
「イ、イヤです、そんなこと出来ません……」
「という事は俺が無理矢理脱がしてもいいんだな?」
 自分には選択権などないと、改めて思い知らされる緋冴。だが、初潮を迎えてからは親にも見せた事のない自分の裸身を、こんな卑劣な男にさらす事などできるはずがない。
 そんな緋冴の心の葛藤を新井は手に取るように判る。
「フン、後五秒で決めろ」
 新井はまたカウントダウンをはじめる。だが、今回はカウントダウンがゼロまでいっても、緋冴の動きはなかった。
「よし判った。それが答えだな?」
 新井はそう言って緋冴のTシャツの襟元をつかんで思い切り引っ張る。
 Tシャツはビリビリといって、首の横の部分から引き裂かれた。とは言え、本格的に破いてしまっても面白くないので、ブラジャーの肩ヒモが露出する程度でいったん止める。
 こんな初歩的な暴力的脅しでも、緋冴を屈服させるには十分だった。
「ヤメてくださいっ! 自分で、自分で脱ぎますからぁ」
「おまえはホントに物覚えが悪いな。俺の言うことは一回できけ!」
「は、はい、ご主人様」
 緋冴は新井の脅しに心底おびえたのか、新井が喜びそうな返事をした。
「ベットからおりてそこに立ってするんだ」
 新井に命令され、緋冴は慌ててベットから降りた。だが、やるとは言ったものの中々脱ぐ事ができない。
「どうした? また俺が脱がせてやればいいのか?」
「い、いえ、やります……」
 緋冴は絶望に打ちひしがれながら、Tシャツの裾をつかんでゆっくりと捲り上げ……そして脱ぎ捨てた。シミ一つない白い肌が露出し、まだ小ぶりだが形のよさそうな双乳を包み込んでいるブラジャーが現れた。
「イヤあ……」
 緋冴はそう叫んでブラジャーだけになった上半身を腕で隠す。
「どうした、まだ一枚脱いだだけだぞ?」
 死ぬ思いでようやくTシャツを脱いだ緋冴に、新井は冷酷に次を要求した。
 緋冴はぽろぽろと涙をこぼしながら、腕をおろし、ジャージのズボンに手をかけた。
 するするとおろされるズボンの下から、いかにも処女らしい白いパンティが現れた。光沢があるので素材がシルクであるという事が判る。
 どうにか下を脱いだ緋冴は左手で胸を右手でパンティを隠して哀願する。
「もう……許してください……」
 新井は緋冴の話など取り合わず、冷酷に命令をする。
「手をどけろ!」
 緋冴はもう思考力がなくなって、新井の命令を拒否する事が出来なくなってきている。ゆっくりと両手をおろし、下着姿を新井に晒す。
 清純な緋冴のイメージそのまま、白の下着だけの姿になった緋冴は美しかった。内心小躍りするくらいの喜びをおくびにも出さず、新井は冷酷な命令を続ける。
「フン、まだ全然ガキの身体だな……どうした? まだ二つ残っているだろう?」
 新井の命令に、緋冴の全身が硬直した。
「許してください……」
 シクシクとしゃくりながら緋冴はなおも哀願する。下着だけはどうしてもとる事はできない。
「ダメだ、早く取れ」
 新井は一切聞き入れない。
 ――もうダメ……こんな恥ずかしい事……
 緋冴は救いがない事に打ちひしがれて、すべてあきらめたように、手を背中に回した。
 そして、やや間があった後、ぴっちり締まっていたブラジャーがふわっと緩んだ。
 と、急に現実に帰ってきたのか、緋冴は慌ててずり落ちそうなブラジャーを抱えた。
「ストリップダンサーならそういう焦らしが必要かもしれんが、おまえには必要ない、早く取れ」
 新井の執拗な恫喝に、緋冴はついにブラジャーをすべて外し、床に脱ぎ捨てた。
 まだ成長過程にあるであろう双乳は、大きくないが張りがあっていい形をしている。そしてその先端には、透き通るくらいに鮮やかな桃色をした乳頭が、はずかしげに咲いている。
 新井は夢にまで見た少女のヌードに、思わずツバを飲み込んだ。だが、口にするセリフはあくまで冷たい。
「小さいな。男の胸とそうかわらんぞ」
 今まで人に見せた事のない胸をそう批評され、緋冴は『うううっ』と鳴咽をもらした。何故そんな事まで言われなければならないのか、あまりの屈辱に緋冴の気持ちは悲しみの沼に沈む。
「さて、最後の一枚だ」
 新井は視線を緋冴の一番大事なところに移し、そう告げた。
 だが、緋冴はしゃくりあげて泣くだけで、パンティを脱ぐ気配はない。
 ――このへんが限界だな。
 新井は冷静に判断していた。多分、このまま脅しや恫喝を続けても、緋冴が自分でパンティを脱ぐとは思えなかった。
「脱げないのか?」
 最後に問いただすが緋冴はイヤイヤを繰り返すだけ。
「フン、主人の言う事がきけない奴隷には、罰が必要だな」
 新井はそう言って、さっきまで緋冴を縛りつけていた麻縄を手に取った。

 【5】

「イヤです、縛らないでくださいっ」
 縛られると判って、緋冴は必死に抵抗を試みる。だが、男と女の体力差は歴然としている。
 緋冴の両腕は後ろに回され、手首に縄がぐるぐると回される。
「イヤあ、イヤあっ!」
 悲痛な緋冴の叫び声を心地よく感じながら、新井は手際良く緋冴の身体に縄がけを行ってゆく。美乳の上下に縄が通され、小ぶりの胸がぷっくりと絞り出され飛び出してきた。
 最後に首に縄を回し、双乳の真ん中から縄を通して、緊縛は完成した。
「小さいオッパイもこうすれば少しはあるように見えるだろう」
 そんな新井の卑猥な言葉も緋冴の耳には入らない。屈辱と羞恥、そして、裸同然の格好で自由を奪われた不安。
「解いてください……」
 消え入りそうな声で哀願するが、新井は一切無視をして、緋冴をベットに押し倒した。
「さて、おまえばっかり脱いで不公平だと思っているだろう? 俺はやさしい主人だからな、公平に俺も脱いでやる」
 理不尽な事を言いながら、新井は着ていたポロシャツを脱ぐと、続いてジーンズを引き降ろした。
 ビキニタイプのパンツ一枚になった新井を見て、緋冴は心底おびえた。
 痩せてひょろひょろかと思ったが、つくべきところの筋肉はちゃんとついていて、中々男性的な裸体だ。
「ああ、脱がないでください……お願い……」
 ビキニタイプのパンツだけに、新井の自慢の肉棒が強調されている。普段はトランクスだが、女を仕込むときはビキニタイプが一番効果的なのだ。
「チンポを見た事あるのか?」
 新井の淫猥な質問に、首を大きく横に振って答える緋冴。
「ちゃんと口で答えろ」
 新井に答えを強要される。
「……は、はい、ありません……」
「フン、じゃあ特別だ。おまえの主人のチンポを見せてやろう」
 新井はそう言って、パンツを一気に引き降ろした。そこには完全に隆起しきったたくましい一物がまがまがしく己の主張を行っている。
「イヤあ……」
 緋冴は固く眼を閉じ必死に見まいとしている。
「緋冴、目を開けてちゃんと見るんだ」
 命令に従わなければ何をされるかわからない。緋冴はゆっくりと目を開けた。
 緋冴の視界に、凶悪に反り返っている新井の剛棒が飛び込んでくる。
 一瞬息をのんだ。
 ――こ、こんなのって、こんなのがもし……
 そして、恐ろしくなって身体が震えだした。
「どうした? 主人のチンポを見た感想を言え!」
 新井の言葉に、緋冴はイヤイヤで答える。
「言わんとコイツをぶち込むぞ?」
 切り札とも言える新井の一言に、緋冴は屈して口を開く。
「……お、大きいです……」
 素直な感想だった。子供のいわゆるチンチンは何度か見た事あったが、それとはあまりにかけ離れた物体だった。
 緋冴の感想に満足した新井は、寝そべった状態の緋冴の横に、添い寝するような格好で同じく寝そべった。
「よし、これから個人面談だ。正直に答えないときは……判ってるな?」
 新井がそう言って、自分の一物をしごきたてた。
「は、はい、判りました、ご主人様」
 あまりの恐ろしさに、緋冴は新井に媚びるようそう言った。
「最初の質問だ。キスはしたことがあるか?」
 男と付き合った事などないので、当然ファーストキスもまだだ。
「……ありません……」
 緋冴は素直に答えた。
「じゃあ俺がやり方を教えてやる」
 新井はそう言った次の瞬間、緋冴の唇をむさぼるように奪い取った。
 緋冴は一瞬何が起こったかわからなかったが、最悪のファーストキスを今している事に気づいた。
 そのまま新井は舌で強引に緋冴の唇を割り、そのまま舌を緋冴の口に進入させた。そして新井の手は、麻縄で絞り出されている乳房を愛撫し始めた。
 緋冴は無抵抗でされるがままになっている。自分の口の中を這い回る舌に弄ばれいくうちに、最初に感じていた嫌悪感がだんだんと薄れてゆく。次々と送り込まれてくる唾液をこくっこくっと嚥下して、甘い鼻息をもらす。
 緋冴の美乳は激しくもみしだかれていくうち、その先についている美しい色をした乳首がビンビンに尖ってきている。新井はそれをきつく摘み上げると、犯されている咽喉の奥から『んんっ!』とくぐもった声が発せられ、ビクっと全身が痙攣した。
 ややしばらくそうしてディープキスにふけった後、新井はようやく唇を離した。解放された緋冴はハアハアと荒い呼吸を繰り返す。
「どうだ? キスの感想を言え!」
 新井の質問に緋冴は呼吸も整えられないまま答える。
「……よ、よく……わ、わかりません……」
 これも本心からでた言葉だった。ファーストキスを奪われたショックも最初感じた嫌悪感もいつしか消え、真っ白になって相手のされるがままになっていたからだ。
「フン、まあいい、これでキスのやり方は判ったな?」
 まだ思考力が戻ってきていない緋冴は、新井に聞かれるまま素直にうなずいた。
「じゃあ、今度はおまえからしてみろ。ちゃんと舌を使うんだぞ?」
 新井はそう言って、緋冴がキスしやすいように自分の顔を緋冴の顔に近づけた。
 嫌悪感もすべて吹き飛んでしまったのか、緋冴は促されるまま自分から新井の唇にキスをした。
「ううん」
 吐息をもらし、遠慮がちに自分から舌を入れてくる緋冴。新井はうれしげにそれを受け止め、激しく舌を絡めた。さっきはされるがままの緋冴だったが、今回は自分からも舌を絡める。
 さっきと同様新井が緋冴の乳房を愛撫し始めると、緋冴の舌がより積極的に新井の舌を求めだした。
 緋冴がすぐにこんなキスを許してくるとは思ってなかっただけに、新井は嬉しい誤算を感じながら本気でディープキスにふけった。
 お互い呼吸が続かなくなるまで、ディープキスは続いた。限界が来て緋冴が唇を離し、前回同様はげしい呼吸をはじめる。
 一方の新井も余裕がなくなるまで付き合っていたので、こちらも息が荒い。どうにか呼吸を整えて、緋冴に質問する
「どうだ? キスを好きになったか?」
 まだ呼吸の荒い緋冴だが、強制もされないのに言葉で答える。
「ああ……はい……はあぁ……」
 実際好きになったかどうかはわからない。だが、好きでもない男、それどころか自分を凌辱しようとする憎むべき男と唇を合わせて、舌を吸いあっているうちに、頭の中が真っ白になって自分から求めてしまったのは事実である。
 ――キスでこれだけ反応するなら、馴致は案外早く終わるかもしれないな。
 新井はそんな緋冴を愛しく感じ、乱れた黒髪をやさしくかき上げてやり、頬や首筋にキスを繰り返した。

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