エロトラップスィーパーの面白さ解析
というわけで、自分にとって何がどう凄いと思ったかについて、軽くまとめます。
既に5000本を越えており、客観的なことは既に大体のことが言われているので、他所のレビュー等に譲ります。
面白さ確保の絶妙さや、複数ゴールの設定、それそのものの優位性をまず挙げていきます。
さらに、🦐が前書いた「ヒーロー性とヒロイン性の相反」を解決する一つの方法ではないかという期待が、本稿には込められています。
前提
テストプレイから参加しており、総プレイ時間は8時間ほど。
8割実績を埋めたあたりでの話
何が面白かったか
マインスィーパとして
まずマインスィーパーが面白いと言うのはあるんですが、マインスィーパーエロゲ自体は過去にも他サークルから出ています。
しかし、いずれも真っ当にマインスィーパー+αとして作られており、それをクリアすることでご褒美にたどり着くというモノがほとんどでした。
で、本作もマインスィーパのつもりで解くと速攻で"クリア"は出来るんですね。
ハードは多少運要素があるとして、Hポイント100以下でのクリアは簡単で、すぐ終わってしまいます。
理由:四隅から一つ離れた場所を4箇所クリックすると、ほぼ最短で階段にたどり着ける。
逆に低スコアクリアを目指すという実績もあるので、網羅的に不要になってなかったりします。
実績という名のクエスト
本作の肝は実績という名のクエストにあると見ています。
実績によって、下記のようなルートそれぞれを別途楽しめます。
・マインスィーパとして速攻クリアしていくルート(パズル)
・era的な調教によりVCABを虐めていくルート(調教)
・死なないようにパラメータを維持するルート(シミュレーション)
通常1本のゲームで考える方向性としては上記のどれか一つになりがち…というより、複数の目標があると良く分からなくなると言う問題点が本来出がちです。
しかし、本作は1プレイが短く、目標が実績埋め≒クエスト制覇1本という認識になるため、それぞれ明確な目的を持ってプレイを楽しめます。
複数の実績を1プレイで一気にクリア!というのも、やり込み甲斐があってGood。
わかりやすさ
シミュレーションと言うジャンルは一見複雑に見えるため、分かりづらさが大敵となります。
本作も単純にしているとはいえ、プレイ画面はミッシリと文字やパラメータが出ています。
しかし、先に述べた実績と1対1で対応しているため、何が何に繋がるのか、何をすれば何に近づけるかを1つずつ確かめることが出来ます。
通常これはチュートリアルや最初のクエストとしてやるべきものですが、VCABの対応が明確なため1つずつ実績を埋めればなんとなく分かるという形になっている点も上手いです。
中毒も実際は何度も同じ責めを受ければ発生するものだけなので、見た目ほど複雑さはなかったりします。
もちろん、それを維持してクリアするのは大変かつ工夫が必要になるため、飽きません。
物足りなさへの一工夫
上記の通り面白さがあるとはいえ、冗長、あるいは不要となる要素が出るのが普通ですが、本作では上手く潰しています。
特殊階層
速攻クリア出来てしまう関係上、マインスィーパだと見てしまうとスカスカに感じてしまいます。
ここで、特殊…特に階段位置のヒントが無い階層を挟むことで、満遍なく探る必要性が出て来て、無駄なスペースが無くなります。
要素と実績の対応
魔法は撃たなくても良かったりします。
しかし撃つと尿瓶が溜まってメリットデメリットが発動。
撃たないといけない場面や、撃ってはいけない場面、むしろ撃って実績を狙うなど、死に要素になっていません。
全体がVCABとその派生でまとまっていることが、網羅性を上げているとも言えます。
あとはメリットとデメリット、安定かピーキーかだけになるため、両穴特大ダメージに気を付けながらバランスを追究していけます。
ヒーロー性とヒロイン性の切替え
以前書いた"プレイヤーの気持ちの切替え"と言う部分を、クエストや実績という形で"プレイヤー側に"切替えて貰えるというアドバンテージが本作にはあります。
プレイヤーが目的を選択出来る
実績/クエストで述べた通り、このゲームはプレイヤーが「今回はどういうつもりでプレイするのか」というのを自分で決定しながら…
・プレイヤーは(今回は)ヒーローになって無傷でゴールしてもいい
・(今回は)悪役になってダウンするまで徹底的にいじめ抜いても良い(ゲームオーバーになっても実績は開放される)
・(今回は)ショーの仕掛け人になってギリギリを維持して突破させるのも良い
といった風に、3種類以上の目的でプレイ可能です。
通常のエロリョナゲでは、どういうプレイを目標とするかは、ゲーム側が制御して居ることが多いです。
プレイヤーはそのときの気分に応じて、
・しんどい思いで高難易度をクリアする(ヒーローなのにヒロイン要素が辛い)
・低難易度で頑張って死ぬ(ヒロインになりたいのにヒーローになってしまう)
のいずれかの工夫が必要になったりします
(いいとこ取りをしているゲームほど葛藤が大きい。
ヒーロータイプ、ヒロインタイプは元より、上手くゲームに落とし込まれているものも、ギリギリを維持するというショーの仕掛け人プレイに固定されている面がある)
しかし、プレイヤー側に選択の余地があるというのは、お互いにとって利点が大きくなります。
プレイヤー側:そのときの気分で目標とする実績を選択/切替え可能
→(自由度が高い!)
クリエイター側:プレイヤーがヒーローになるか、ヒロイン(被虐)になるかは実績に応じてプレイヤーが決めれば良いので、そこに干渉しなくて済む
→(ジレンマに悩まなくて済む!)
実は…
"わざと爆弾を踏む"という発想自体は本家MSマインスィーパのデイリーミッションにあったりします。
しかし、それはそれで「爆弾を踏むこと」だけが目標となっており、「ギリギリを維持しつつクリアする」という本作とはちょっと違います。
ライフが複数あるというのもアドベンチャーモードなどにもある要素ですが、それだけでは本作までの面白さには繋がっていませんでした。
(なぜなら、MSマインのアドベンチャーモードは途中金塊を拾ってスコアにしますが、先へ進んだ方が高ランクの金塊が落ちているので、途中で拾う必要がないため)
といったように、その発想自体は既にあるものの、組み合わせて面白くしたと言う意味で本作の意義はかなり大きいです。
era要素を上手く落とし込んでいるのもポイントでしょうか。
まとめ&おわりに
展望
本作は1回が短めのパズルだからこそという面もあります。
しかし、他のジャンルにおいても
・「ギリギリを維持する」(シミュレーション:司会者目標)
・「速攻クリアする」(ヒーロー目標)
・「ギトギトに虐める」(ヒロイン目標)
を同時に用意し、プレイヤーに選ばせる方法はあると思います。
例えば:
・ミッション形式にして、それぞれ3パターン方式のクリアの仕方を用意する
・3パターンのクリアの仕方でエンディングを用意する
・それぞれのパターンで3種の褒美が貰える
…などなど、1つのステージで2~3倍楽しめる仕組みは考えられそうです。
サブクエストやリプレイ可能なクエストであれば継続しつつ3パターン楽しむなんてのもできるでしょう。
1ステージがそこそこの長さで終えられるアクションほどやりやすそうです。
意義
「実は…」の節で言いたかったのは「分解すると何が面白いかが分かるけども、それを組み込んだら面白いと言うわけではない」という点です。
しかし、色々な要素が合わさって面白さに繋がっている、と言うのはあると思います。
色々吸収していけばいずれ組み合わさった面白さが表れるんじゃないかな~と思いつつ、面白いゲームの何が面白かったかは時々まとめてみたいですね。
ちなみに
バランスがかなり良いのも縁の下の支えとなっています。
私含めてかなりみっちりデバッグしてたのでそこは折り紙付きです。
おわりのおわりに
とか長々と書いてないで、自分のゲーム製作がんばらにゃだ…