クラモリン 2021/02/21 00:05

ジャイアンティスについて教えて

「ところで、タラガルガンタを見てくれ。こいつらをどう思う?」


「すごく・・・大きいです・・・」

はい、ということで今回は giantess(gts) の観点からフェムフォースの紹介をしたいと思います。
『FEMFORCE』シリーズは日本語未訳ですが、巨女愛好家の間では早い段階からその存在が認知されていたようです。

アメコミの世界には巨人の女性、巨大化能力を持つ女性超人が黄金時代以来多数登場しますが、AC Comics からは善悪両陣営の超人巨女を中心にした読み切り連作『Gargantarama』というシリーズが2006年からスタートしています(本家の『FEMFORCE』シリーズのナンバリングタイトルに収録されているようです)。

1958年のSF映画『妖怪巨大女(Attack of the 50 Foot Woman)』は巨女愛好家にはよく知られた映画で、以来合衆国では巨女というと 50ft というのが定番になっていたりします。メートル法で言うと 15.24m。マジンガーZ や RX-78 より一回り小さいですが、ダグラムやビルバインよりは二回り大きいです。まぁ人体としては充分巨大ですよ。

2007年に MARVEL が刊行した『Marvel Adventures: Avengers #13』の表紙イラストはジャネット・ヴァン・ダインを中心に据え、『妖怪巨大女』のポスターのパロディになっています。
そしてこのネタはAC Comics が1986年に『FemForce #5 - Cat Fight』で先取りしていたりします。ここで巨大女のポーズをとっているのはフェムフォースメンバーのシー・キャット(She-Cat)…ではなく、悪の科学者プレトリアス博士が作成したシー・キャットそっくりのロボットです。ちなみにプレトリアス博士の元ネタは1935年の映画『フランケンシュタインの花嫁(Bride of Frankenstein)』。

ジャングルガール

話はちょっと巨女から外れます。

1985年の『Femforce Special #1』でフェムフォースに招請されたタラ・フリーモント(Tara Fremont)は、1981年『Femzine #1』でのフェム・フォース・ワンにも参加しています(フェム・フォース・ワンの設定はフェムフォースに受け継がれていませんが)。


彼女は1970年に『Paragon Presents #2 - Dark Continent』でデビューした Paragon Publications オリジナルのキャラクターです。

Dark Continent は「暗黒大陸」と訳される語句で、要するにアフリカ大陸のこと。また同じ号で AC 世界のトップヒーローの一人であり、フェムフォースとも色々深い因縁があるキャプテン・パラゴン(Captain Paragon)もデビューしています。

黄金時代に確立した「Jungle Girl」「女ターザン」の類型を継承するキャラクターで、1974年にはタラを主人公とした『Tara On The Dark Continent』が刊行され、さらに(『FEMFORCE』のレギュラー出演と並行して)1988年にスタートした『Jungle Girls』シリーズでもメインを張っています。

コスチュームやアクションのワイルドさとは裏腹に、高度な教育を受けた良家のお嬢様です。
フロリダの大富豪である T.C. Fremont の娘として生まれ、実家の事業が地球の環境や生態系に大きな被害を及ぼしていることを憂い、環境保護活動に人生を奉げることを決意。
環境科学と関連する複数の分野で学位を取得する一方で、激しい鍛錬により優れたアクロバット技能を修得、ナイフや槍を用いた戦闘技術にも精通。
これらの能力を活かし世界各地の秘境に乗り込み、屈強な男たちや獰猛な野獣にも怯むことなく冒険に挑んでいく…

という、漫画でしかありえないようなスペックにもかかわらず、フェムフォースという超人集団の中では「超常的な能力を持たない常人寄りのキャラクター」というポジションに収まっていたわけですが。

マダム・グランデ

ここでもう一人の紹介対象、ガルガンタ(Garganta)に話が移ります。
キャロル・ハイスラー博士(Dr. Carol Heisler)は本来は化学者であり、人体強化薬の服用によって肉体が若返り、原始的な破壊衝動に支配される 50ft の巨女・ガルガンタに変身してしまいました。
フェムフォースの活躍で取り押さえられますが、その後数回の暴走を経て能力を理性でコントロールできるようになり、フェムフォースをサポートする正義の巨大ヒロインとして複数のエピソードに出演。
意識を集中させれば 200ft(約61m)までの巨大化が可能になり、また動物と意思疎通が出来るテレパシーの能力も備えています。

デビューは1990年の『FemForce #30 - Up From The Ashes Rises...Death!』で、本来は一話限りの Antagonist として登場したのですが、巨女愛好家による予想外の支持により、1991年『FemForce #32 - The Return Of Garganta, The 50 Foot Woman』で復活、上記のようなセミレギュラーの地位を得るに至ります。

Too-Tall Tara

そんな事例もあって巨女愛好家の影響力が強まった…のかどうかは定かではありませんが、1991年『Good Girl Art Quarterly #5 - Growing Pains』にてタラ・フリーモントに巨女属性が付与されます。

フェムフォースにコスチュームを提供している the Span-XX corporation が、自社製品の優れた伸縮性能を誇示する目的で、タラにガルガンタの強化薬を(割と強引に)投与。これ以来、タラも巨大化能力を持つヒロインとなりました。
悪質なだまし討ちに当初は腹を立てていたタラですが、結局はこの新たな能力を積極的に活用するようになります。フェムフォース参加の経緯もそうですが、怒りっぽい割に付き合いがいいんですね。
巨大化のメカニズムはガルガンタのそれとは異なっていて、ガルガンタの限界である 200ft よりも更に巨大な姿になることも出来る反面、巨大化していられる時間は限られており、50ft 以上のサイズでは体力を急激に消耗してしまうという弱点があります。

チート能力

そんなわけで、タラとガルガンタを中心として巨女愛好家の支持を得た『FEMFORCE』シリーズは、巨女特化の『Gargantarama』シリーズを創出するに至るわけですが。

この二人以外にも、それぞれの能力で巨人化現象を引き起こせるキャラクターがいます。
魔法の力で大抵のことは、実質何でもできるナイトヴェールと、現実改変の能力で大抵のことは、実質何でもできるシルヴァ・シン(Silva Synn)で、この二人はその気になればメンバー全員を巨人化させることもできるようです。
ただしナイトヴェールは以前の記事でも述べたように魔力の暴走を警戒しており、シンの能力も…というよりシン自身が…制御困難な性質を持つため、そうそう気軽に「何でもできる」わけではありません。

さて今宵はこの辺で。お付き合いいただきありがとうございました。

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