クラモリン 2021/02/23 00:05

もう一人のチート能力者について教えて

さて今回も Paragon Publications あらため AC Comics オリジナルのメンバーについて紹介していきたいんですけどね?

The Girl From LSD

1973年、Paragon Publications から『Paragon Super Heroes #1』が刊行されました。『#2』は出なかったようですが、ここでデビューした二人の超人のうちスカーレット・スコーピオン(Scarlet Scorpion)はセンチネルズ・オブ・ジャスティス(Sentinels of Justice)に、もう一人のシルヴァ・シン(Silva Synn)はフェムフォースにそれぞれ参加し、AC 世界で活躍していくことになります。

で、今回の紹介対象がシルヴァ・シンなんですが、超人となる以前の経歴として「LSDを常用していたゴーゴーダンサー」という、実に1960年代らしい設定が為されています。
その種の「堕落した文化」の根絶と社会の浄化を掲げる狂信者グループによって拉致され、マッドサイエンティストのダーク・ファルカス博士に被検体として売り飛ばされてしまいました。
シルヴァの全身に高電圧がかけられた際、体内に残留していたLSDの成分が彼女の脳神経に劇的な変化を促し、肉体はほぼ不死身に、精神領域は急速に拡大し「神々の域」にまで達してしまいました。
そしてその結果、彼女には「現実を改変し、幻覚を実現してしまう」能力が備わってしまいました。


なおこの能力を使用する際、周囲の人間は彼女が見聞きしている幻覚を共有しており、超人としての称号である Synn は彼女の本名であると同時に、「共感覚」を意味するSynesthesia の略称でもあります。
飛行、瞬間移動、念動力、テレパシー、精神エネルギーの物質化、ブラストパワーなどの現象はほぼ無意識に発動できてしまいますが、逆に「状況を判断し、意識して特定の状況を作り出す」ことは難しいようです。

というのも、彼女の能力は「幻覚剤でラリっている」状態の延長のようなもので、意識を集中させることで天才レベルの知能を発揮することもできますが、集中が途切れると幼児のようになってしまう、能力そのものがチートでありながら非常に不安定なわけです。

黄金時代からのヒーローであるアトマン(Atoman)によって保護され、1981年『Femzine #1』ではフェム・フォース・ワンに、1986年『FemForce #5 - Cat Fight』からはフェムフォースに参加しますが、能力の制御が困難さを増したことから一度はチームを脱退。
その後ナイトヴェールの魔法によって別次元に転移、数年の修行を経て能力を制御できるようになり、フェムフォースへの復帰を果たしています。

…えー、この後引き続きシー・キャットの紹介もするつもりだったんですが、今日はなんかもう色々あって疲れた

1996年の『FemForce #96 - Mangled By The Claw』は、シンの能力によって「作画が日本風のマンガスタイルになってしまう」という非常にメタいネタになっています。表紙イラストに「美人アルカディア」とちゃんと日本語で書かれてるんですけどね、「美人アルカディア」っていったい何でしょうね。

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