おっさんを瞬間移動させたくなかったので、マップを作りました
前回は、主人公のおっさんを清掃員にすることにしました、という話を書きました。
では、その清掃員になったおっさんを、ゲームの中でどう動かすのか。
ここも『臭作』そのままではなく、自分なりの形に変えています。
今回は、その中でもなぜかかなり時間をかけることになってしまった――
マップ画面の話です。
『臭作』では「場所を選ぶ」
『臭作』では、次にどこへ行くのかを選択して、その場所でイベントが進んでいきます。
非常に分かりやすいです。
最初は今回のゲームも、
「同じ感じで場所を選べればいいかな」
くらいに考えていました。
……が。
前回、おっさんの職業を清掃員にしたことで、ひとつ気になることが出てきました。
例えば、
「駅前の女子トイレへ行く」
を選択する。
次の瞬間。
もう駅前の女子トイレにいる。
……。
瞬間移動してるな、このおっさん。
清掃員という設定にした途端、急に気になってしまいました。
だったら、ちゃんと歩かせよう
清掃員のおっさんは、街のあちこちを移動しながら仕事をしています。
だったら、
「どこへ行くかを選択する」のではなく、「どこへ向かうかを考えて、実際にそこまで移動する」
ゲームにした方が面白いんじゃないか。
ということで、街全体を使ったマップ画面を作ることにしました。
プレイヤーはマップ上で現在地を確認しながら、次に向かう場所を自分で決めます。
駅。
商業施設。
オフィス。
ホテル。
公園。
街には色々な施設があります。
そして、このゲームで重要なのは――
そこに、どんな女子トイレがあるのか。
です。
おっさんは、その女子トイレから女子トイレへ、自分の足で移動します。
つまり今回は、
「場所を選ぶ」から「街を歩き回る」へ。
ここが『臭作』から大きく変えたところのひとつです。
この街では、トイレが重要地点です
普通のゲームなら、
武器屋がある。
宿屋がある。
ダンジョンがある。
そこへ向かいます。
このゲームでは、
女子トイレがあります。
そこへ向かいます。
非常に分かりやすいです。
ただし、「女子トイレ」という名前の地点をいくつか置いて終わり、
にはしたくありませんでした。
せっかくトイレを題材にするなら、
トイレそのものにも個性を持たせたい。
例えば、
新しい商業施設なら洋式中心。
少し古い施設や公園なら、和式が残っているかもしれない。
個室の数も違う。
広さも違う。
新しさも違う。
雰囲気も違う。
同じ「女子トイレ」でも、
全部同じではありません。
そして違うのは、設備だけではありません。
利用する人も違います。
駅なら、通勤・通学客。
オフィスなら、そこで働いている人。
商業施設なら、買い物客や店員。
ホテルなら、宿泊客や従業員。
公園なら、近所の人や通りかかった人。
場所が違えば、
利用者層も変わります。
当然、
利用されやすい時間帯も変わってきます。
朝に人が多いところ。
昼に混むところ。
仕事終わりに利用が増えるところ。
夜になると急に人が減るところ。
なので、
「一番近いトイレへ行けばいい」
というゲームにはしたくありません。
この時間なら、どのトイレに、どんな人が来そうなのか。
そこまで考えて行き先を決めるゲームにしたいと思っています。
普通のRPGなら、
「このダンジョンには何が出るか」
を覚えます。
このゲームでは、
「この女子トイレには何があって、どんな人が来るのか」
を覚えます。
……。
たぶん同じです。
たぶん。
おっさんにも移動時間があります
さらに、
本当に街を歩いている感じを出すなら、
「駅からオフィスまで0秒で到着する」
というのも気になります。
なので、
移動すると時間が経過するようにしました。
遠いところへ行けば、その分時間がかかります。
すると当然、
「じゃあ今何時なのか分からないと困るな」
となるので時計を付ける。
「現在地も分かりやすくしないとな」
となるので直す。
「このトイレだけ妙に目立つな」
また直す。
……。
おっさんを瞬間移動させたくなかっただけなのに、だんだん話が大きくなってきました。
そして、おっさんには勤務時間があります
移動すると時間が経過する。
ここまで作ったところで、またひとつ疑問が出てきました。
『臭作』は、限られた日数の中で行動するゲームです。
今回も最初は、
「同じように数日間で区切ればいいか」
と考えていました。
でも。
清掃員のおっさんについて考えているうちに、ふと思いました。
このおっさん、何時から何時まで働いてるんだ?
まさか一日中、街中の女子トイレを清掃しているわけではありません。
さすがに働きすぎです。
そこで清掃員の勤務時間を調べてみると、早朝、日中、夕方、夜間など、施設によってかなりバラバラでした。
だったら今回のおっさんには、人の動きが大きく変わる夕方から夜に働いてもらおう。
ということで、
勤務時間は18:00~22:00。
4時間です。
この時間帯なら、オフィスの退勤、駅の帰宅客、仕事帰りの買い物客など、時間とともに街の人の流れが変わっていきます。
つまり、
「時間によって街の女子トイレの様子が変わっていく」
という部分もゲームにできそうでした。
そして何より、
4時間しかありません。
「あのトイレも気になる」
「駅も見に行きたい」
「オフィスにも寄っておきたい」
「商業施設も確認したい」
などと言っているうちに、
あっという間に22時です。
遠い場所へ移動すれば、それだけ時間を使う。
ひとつの場所に長くいれば、その分ほかを回れなくなる。
勤務終了間際になれば、
「残り30分であそこまで行くべきか?」
という判断も出てきます。
つまり、
「どこへ行くか」だけではなく、「限られた4時間をどこに使うか」
も考えないといけません。
全部の女子トイレを回ることはできない。
全部の可能性を確認することもできない。
だから、
どこへ行くかと同じくらい、どこへ行かないかも重要になります。
最初は、
「清掃員なら勤務時間があった方が自然だよな」
くらいの話だったんですが。
結果として、
ゲームにもちゃんと時間制限が入りました。
残念ですが、おっさんにも労働時間があります。
女子トイレが気になるからといって、
無限に働かせるわけにはいきません。
女の子の居場所を教えてくれる親切なマップにはしません
そして、このマップでかなり大事にしていることがあります。
一般的な美少女ゲームでは、
イベントが発生している場所に女の子のアイコンが出て、
「今、この娘はここにいますよ」
と教えてくれることがあります。
非常に親切です。
アイコンを見つけて、
そこへ行けば会える。
迷いません。
でも今回は、
それをやりません。
なぜなら、
街を歩いていて、女子トイレの上に女の子の顔アイコンが浮かんでいることはないからです。
当たり前です。
おっさんにも、
「今あの娘は駅の女子トイレにいます!」
なんて便利な情報は降ってきません。
そこで重要になるのが、
さっき書いたトイレごとの違いです。
この娘は普段どこにいるのか。
今は何時なのか。
その施設を利用しそうなのか。
そして、そこにはどんな女子トイレがあるのか。
洋式中心なのか。
和式が残っているのか。
どんな利用者が多いのか。
そういう情報を少しずつ覚えながら、
「誰が、いつ、どのトイレを使いそうなのか」
を自分で考えます。
あそこかもしれない。
今から行けば間に合うかもしれない。
いや、こっちを先に見た方がいいかもしれない。
でも移動している間にも時間は進む。
だったら、ここで待ってみるか。
……本当に来るのか?
そして実際に時間を使って移動した結果、
誰もいない。
ということもあります。
女子トイレはある。
洋式もある。
和式もある。
でも、
人がいない。
残念でした。
でも、おっさんには未来予知能力なんてありません。
ただの清掃員です。
……たぶん。
この「誰が、いつ、どのトイレを使うのか」を考える部分については、
まだほかにも色々仕込んでいます。
その辺りは、また別の記事で。
マップ画面はこんな感じです
最初は、
「ここを押したらここへ行く」
くらいの単純なマップでした。
そこから現在地、時計、移動時間、トイレごとの違いなどを追加して、今はこんな感じになっています。
まだ調整中ですが、
「次はどの女子トイレへ行こう」
と考えるゲームには、だいぶ近づいてきました。
そして、この街を動いているのはおっさんだけではありません。
ヒロインたちにも、それぞれ行動があります。
今日ここで会えたからといって、明日も同じ場所にいるとは限らない。
この辺りは、また別の記事で紹介したいと思います。
それでは。
おっさんの勤務時間は有限。
女の子の居場所も教えてくれない。
全部の女子トイレを回る時間もない。
……さて。
今夜は、どのトイレから回るか。