投稿記事

2021年 06月の記事 (114)

時 自若 2021/06/24 12:23

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2021/06/24 12:22

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2021/06/24 12:20

浜薔薇の耳掃除「第47話」

「すいません」
学生が一人訪ねてきた。
「はい、なんでしょうか?」
「あの実は…」
その子は将来どうするか迷ってて。
「前に、駅でエスカレーターでお見かけしたときに、オシャレで格好いいんだけども、仕事道具はしっかり実用的なカバン持って颯爽としているところみたんですが」
その時スタイリストも兼ねていたので洋服類も持っていた。
「一緒にいた友達が、あれは浜薔薇の人って教えてくれて、それで進路とか考えなきゃいけない時に思い出したんですよ、どういうお仕事か聞かせてください」
「どう?う~ん、免許を取ってだけども」
「今、免許とる人少ないから、学費が無料の公立もありますよ」
「そうなのか?」
「時代は変わったな」
「僕らの時代でさえ定員割れしてたからな」
「傑はどっちも持ってる」
浜薔薇で唯一の理美容持ちである。
「その定員割れのおかけで、勉強したんだけども…」
理容?理容?ヒャッホー理容の志願者だぜ!
願書だしに行ったら講師に踊られた。
「通信もありますけどもね」
通信だと一年長いよ。
「なんか俺は志願したところほぼ定員割れで人生来てるような」
「あ~先輩は定員割れのところに入学するんだけども、定員割れをなんとかしなければって学校が工夫というか、廃校にしてはいけないと地域が行政に書類だしたりするから、不思議と卒業の年や卒業後に倍率が上がるんですよね」
そのために出身校聞かれるだけで、えっ、あそこの出身なんですか?と言われる。
「まっ、イメージなんてそんなものなんじゃないか?」
「でもやっぱり学費が安かったり、就職に有利だったりすると、生徒増えるんだなって思いますね」
「手に職はいつの時代も強いかな!」
「あっ、でも先輩はあんまり参考になりませんから」
「どうしてですか?」
「免許とった後もホテルに勤めたりすることで、そのホテルのお客さんがたまに来ちゃったり」
よっ、蘆根さん。
高額所得者が顔を店に来ます。
「日本屈指の技術を持つマッサージとかに習いにいっているから、技習得までに大分お金というかかけてます」
「そうか?かなり安く済んだと思っているがな」
「この仕事技術の獲得までにお金を使うことがとても多いので、そこでやめる人もいます」
「そっ、そうなんですか」
具体的な金額も軽く口にした。
「でもそういうもんだしな」
「こういう考え持っている人はあんまり参考にはなりませんから」
「なるほど」
「ただ免許持ってるから、色んな出会いはあるんで」
傑はスタイリスト方面の仕事もやれたりするのは、自分が服が好きだったこともあるんだが。
「同級生が撮影を仕事したいけども、お金は安くしか出せないからなんとかならないかって言われたりね」
「面白そうだし、あれだろ、お前のことだから赤字は出さなかっただろう?」
「当たり前ですよ、安くて使えるものがどこにあるのか、あそこで勉強させてはもらいました」
逆に撮影の仕事したかった人はそこまでやりこまなかったので、カメラをやめてしまったそうだ。
「やるなら、最後までやりこんでほしいよな」
「これも真似しちゃダメだから」
「そうなんですか」
「限界を越えても気づかないってことだから、先輩は特別というか」
よーし、蘆根、特訓だ!はい!で当時は習っている。
それを見て他の生徒は俺には無理だと心が折れたりしました。
「見ている分にはいいけども、やろうとするとキラキラした地獄に行くことになるから」
「だからマッサージを覚えたんじゃないか」
「もしもマッサージ抜きなら?」
「疲れ溜まっているんじゃないかな、あ~そうだな、俺の知り合いとかマッサージとか覚えなかったから、立ち仕事辛いとか、腰がとかいうしな」
「それはね、便秘とかね」
「でもそれもマッサージがあれば!解決だな」
「う~ん、これね、難しいんだけどもね、立ち仕事だから、自分の体調管理のためにマッサージはあり、僕も今習っているけども、寝起きが全然違う、うん、君の年齢だとわからないと思うけども、ほぼその元気が大人になってから続くようになるよ」
「そうだな、俺は同年代が疲れるとか全然わからん!」
「美容系に行くんだったら、これもありだから、マッサージしている人が若さとか元気な姿をしていると、あの人はどうして若いのか、元気なのか、その秘密はどこにあるのかって絶対に気にする人が出てきて」
「そうだな、紹介で来ましたとかで来るよ!」
「そりゃあ、先輩のマッサージ受けて、シェービングして、普通に寝て起きたら、むくみとかはないし、肌艶違うからですよ」
「本当は食べ物の管理もしてもらいたいんだがな、そこを俺が生きているうちに越えたいよな」
「レベルが違いすぎると同じ言葉でも、解説が必要になるから、学校だと会話が可能な先生とかいるから、そういう人たちを教えてもらったら、先輩の言っていることわかるから」
「おいおい、腫れ物扱いか?」
「前提の知識がないと難しいでしょ、専門用語とか」
「おお、そういうことか」
「この話、ご両親に話してみてね、たぶんご両親の方がなんだって!っていうから」
「わ、わかりました、ありがとうございます」
後日。
「先日は息子がお世話になりまして」
その子のお父さんがやってきた。
「話を聞いてどうしても来たくなって、最近疲れちゃってて」
「はいはい、お任せください。先輩お願いします」
「時間はありますよね、疲れみんな取りますから」
それは言い過ぎじゃない?と思ったが。
「しゅごい」
もうこのマッサージが忘れられない!そんな体にされてしまった。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2021/06/24 12:19

浜薔薇の耳掃除「第46話」

「あのさ、サイトに猫の小さいときの写真載っているじゃん?」
猫じゃありません、ケットシーとか細かいことは言わないでおこう。
「はいはい」
「あの子猫が遊んでるのって、おばちゃんの福猫じゃない?」
「おばちゃんの福猫?」
「知らないで持ってたの?」
「どういうことです?」
お客さんが言うには、昔、この近所に商店街があって。
「ビアホールがあったんだけども、その並びに洋服屋さんっていうのかな、あったの、元呉服屋さんの、そのおばちゃんが作るマスコットっていうのが福猫って呼ばれてて」
なんでも持っていると福を呼ぶと。
「あっ、そうかその店とかも知らなかったか、じゃあわからないよね」
そのお客さんは地元の人間なので、子供の頃にその福猫の話を聞かされて、現物も見たことがあったらしい。
「俺が聞いたときは宝くじが当たった人が2人ぐらいいたのかな、何百万とか、子供の頃ならふ~んなんだけども、大人になってからならもらっておけば良かったなって思ったわけさ、まだ持ってるなら大事にした方がいいよ」
お客さんが帰った後。
「そのおもちゃまだあるんですか?」
傑が聞いてきた。
「あるぞ、イツモが気に入っているものは捨てれないので」
捨てるとまた戻されます。
「うちの家、現状のまま引き渡しだったんだわ」
取り壊すのに百万以上かかるそうなんで。
「リフォーム可能かどうかもわからなかったから、そこは近所の人が」
任せろ!
(いい仕事にこだわりすぎて娘さんに、お父さんまたなの!って言われているあの人だ)
検査したとならば。
「取り壊すよりはリフォームした方が、リフォームしやすい物件だよ、傷みが本当にないんだもん」
道路に並んで、蘆根宅・浜薔薇・元イツモの生家があった現浜薔薇駐車場・KCJが支援のために借りているアパートとなっています。
シュタ
玄関にイツモが現れる。
何かを感じ取ったのだろうか。
「確かそれはまだここに」
イツモは蘆根がしていることを覗き込んでいる。
「これだな、福猫」
返事をするようにイツモは鳴いた。
「これですか?」
「これだな、その現状のままの片付けの最中に、イツモが気に入ったものを集めて、それは残したままなんでな」
「でも一等とかじゃなくて、何百万とかそういうところがリアルですよね」
「そうだよな、あれから福猫を知っている人いるのかっていったら、何人かは知ってた、そのおばちゃんが渡して、その時に当たった人がいるとかは話しているが」
「当たった本人の話は出てない」
「まあ、夢がある話なんじゃないか、それ」
「そうですが、せっかくだからなんか願ってみたら?」
「健康でずっと店が続けられたらいいんじゃないかな」
「先輩って趣味ってありましたっけ?」
「趣味…」
「何か趣味を持ちましょう」
「この仕事つくと、インドアな趣味ばかりになるんだよな」
「それはわかりますけども」
「考えておくわ」
「お願いします」
なおタモツはが庭いじりが趣味です。
「葡萄とかも育ててますよね」
「根本に茗荷育ててたぞ」
「家庭菜園みたいですね」
「俺が家庭菜園始めたら、ビニールハウスが欲しくなるな」
「それ確実に寒い日は猫の溜まり場になるじゃないですか」
「イツモがいるから大丈夫だと思うけどもな」
ここら辺のボスである。
「そういえばイツモのおもちゃなら、これ勝手に持ってきて大丈夫ですか?」
「最近気に入っているのがあるから、そっちだな」
ぐるぐるぐる
乾燥機の前にイツモいた。
「洗濯物が乾かすために、乾燥機が回るだろう?あれが今気に入ってて」
カチ
時間が来たので終わると、イツモは毎回驚いた。
「そしてこっちを見て、なんで終わるのって顔をするまでが毎度のことだな」
「そういえば耳かきの動画を配信しないかってリクエストが来てますが」
「あれは撮影が難しいんじゃないか?」
相手がお客さんなので。
「そうだな、イツモで試してみるか?」
ケットシーの耳掃除
「いけるんじゃないですかね」
「でもな、イツモってこのシートのやつで拭って汚れとるからな」
そこでイツモを抱き寄せて、目の前でやってみる。
「爪切りも耳掃除も好きなんだよ」
「それは先輩だからですよ、僕がやると途中で逃げちゃう」
「何が違うんだろうな」
指に耳掃除用のシートを巻いて、ずれないようにしてから拭き取る。
「イツモ、外が縄張りなのはわかるけどもさ」
ケットシーは猫と違い縄張りが広く、家だけではおさまらない、これは昔は村ひとつなどを縄張りにし、野生の熊や猪などから守ってきた名残なんだそうだ。
「変な臭いがすると思ったら、泥とかだな」
クンクン嗅いでチェック。
何回か拭いた後に、またクンクン嗅いで。
「良し」
「狭いところとか潜り込んじゃうからですか?」
「でも冬だと通っていた場所が抜かるでいたりするから、迂回とかするんだけどもな、行けるかな?って思って泥まみれは多い感じ」
「そういえば車の下とかにもいますね」
「お客さんの車には潜らないからいいんだけども」
知らない車にはいい子なんで近づきませんよ。
「キリッとした顔しても、たまにやらかすから注意はしてる」
この午後、木に止まっていた鳥を狙おうとし、失敗し落ちた。
「ほらな、怪我はないって言われたけども、基本的にやんちゃなんだよ」
さすがに反省しているらしく、傑の目から見てもしょんぼりしていた。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

時 自若 2021/06/22 13:39

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

2 3 4 5 6 7 8

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索