投稿記事

2022年 09月の記事 (68)

遠蛮亭 2022/09/18 06:54

22-09-18.くろてん2幕3章3話.竜にならんとする魚たち

おはようございます!

ここのところむらいつ用のエロ絵を描いてばかりだったので、まず息抜き絵をいくつか。

まずあいミスのコト。ホント最近同人ゲーム以外だとあいミスしかやりません。そのあいミスすら数か月に一回起動するかどうかなのですが、昨日その数か月ぶりで秘跡聖装が獲れました、という記念。

そしてきゃんバニのスワテイ。20年以上経ってよーがなんだろーが好きなもんは好き。まあ、遠蛮の愛情表現はズタズタのギタギタにして凌○したがる方向に傾くことがあるので少し以上ですが。ちゃんと普通に愛でたい気持ちになることもあるんですけどね、精神のバランスがささくれ立ってるときが多いので凌○寄りになりがち。これ、あとで表情差分作って自分用エロゲで使います。

そして凌○の象徴はこんなやつ。ドスケベでマルコメでデブショタという、気色悪さの3乗です。こーいう下卑た薄汚いガキが美少女を暴力とか権力とか財力とかちんこ力とかで手も足も出させず穢す、というのが好き。辰馬くんみたいな聖人君子キャラは個人的に好きですが、エロ的には動かしにくいです。

………………
黒き翼の大天使.2幕3章3話.竜にならんとする魚たち

また少し時間が経って。

 6月19日。新羅辰馬と神楽坂瑞穗が出会った日がやってきた。

 別に記念のケーキを買ってくるような日でもない。悲劇の記念日なので、瑞穗としては思考の端にも上せたくはあるまい。だがこの日に限って、新羅邸に長船言継……かつて瑞穗をもっとも激しく凌○し、今も強く執着する男がやってくる。

「おっさん、ここ、一応学校の敷地内なんだけど?」

 辰馬は不機嫌そのものの表情で言った。尚父《しょうほ》たらんと自負している長船はやや、鼻白んだが、その程度でくじけるほど軟弱なメンタルをしていない。そうでもなければヒノミヤを捨ててアカツキに寝返り、そこで参謀官として活躍などと言う優秀ながら厚顔無恥を地で行くような真似は出来ないだろう。

「瑞穗は? いるでしょ?」
「うるせーよ。とりあえず髭剃って出直せ」
「いや、俺が髭剃ると美形過ぎて。女が寄ってきてかなわんのですよ」

 軽くへらり、と顎を撫でてみせるが、それはあながち、嘘でもない。長船言継という男は30過ぎのいいオッサンであり、それ以上に人格破綻のサディスト性欲肥大者だが、うっすら生えた無精髭を抜きにしても相当に美男子ではある。辰馬のような美少女的な顔立ちとは違う、どちらかというと野趣のある男らしい美形だ。神月五十六は褐色肌だったが、肌色が白いという違いを除けば、ある意味あの老人に似ていなくもない。長船は京城柱天の門番の息子だし、まさか五十六との血縁関係もなかろうが。

「……まぁ、いーや。なにしにきた?」
「瑞穗と一周年記念でセックスしに」
「死にたいらしいなお前!」
「いやまぁ、冗談ですって。新羅公も結構、軍略について見識を広めたってことで。ひとつ今日はそれを試しちゃ見ませんか?」
「試すって。まだ受験まで相当あるけど……」
「まあ、付いてきてくださいよ。楽しいところにお連れします。あ、それと瑞穗と、磐座を連れて。3人1チームですんで」
「チーム?」
「だから質問は現地に着くまでお休みですって。まあ、新羅公がぽんこつでも瑞穗と磐座がいれば勝てるでしょう」
「おいコラ、だれがぽんこつだよ?」
「あぁ、それなりに自信はあるようで。それなら結構」

……
………
…………

「辰馬さま……手、離さないでくださいね?」

 長船の存在に怯える瑞穗が、辰馬の手を強く握る。ちょっとの接触でも瑞穗の超弩級胸部装甲はこちらに触れて柔らかさを伝えてくるから、なにかと心臓に悪い。

「おー……」
「仲のいいこと。というかわたしはヒマではないのですけど、長船?」

 辰馬が瑞穗に生返事を返すなか、磐座穣はやや権高に長船に対して怒声を上げた。

「いつまでも人の上司ぶッてんなよ、小娘ェ。だいたい、ヒノミヤが負けたのはてめぇの実力不足、作戦ミスだろぉが。負けたくせに責任とって凌○されるわけでもなし、なにのーのーとイキってんだお前ごときがよぉ?」
「へぇ……それがお前の本性ですか。そういえば、那琴さんも寧々さんもお前に穢されたのでした……ここで、その罪を精算、させましょうか」

 穣は水干《すいかん》の袖から宝杖を取り出す。言い様は静かながら言うことは怒りに満ちており、その碧眼には瞋恚《しんい》の焔が燃える。

「すぐにキレんじゃね-よ、クソガキ。ったく、なんで五十六のじーさんがお前みたいなへちゃむくれを気に入ってたのか……ま、あの爺も耄碌《もうろく》……がふっ!?」

 五十六への暴言が吐かれた瞬間、穣の怒りが沸騰した。洗脳による盲信は解けたとは言え、やはりなお穣の中に神月五十六の存在は大きく、辰馬に惹かれながら素直な態度を取れないのも五十六への忠誠が残っているからに寄る。

「死にたいようですね」

 冷然、冷徹、冷酷無比。それこそ魔王だってそうそう見せないほどの迫力で、穣は長船に宝杖を向ける。穣自信の能力は情報収集のみだが、宝杖に秘められた力は万象を焼き尽くす雷霆。かつてヒノミヤ事変で穣が予定通りに「ホノアカの心臓」を手に入れ、そしてこの宝杖を駆使していたら。辰馬は負けないまでも苦戦し、そしてその先の五十六戦で敗北していたかもしれない。そもそも穣は最初からそれを想定していたわけだが、兄・遷の裏切り(というか妹思い)により失策した。

 ともあれ、宝杖の力を使えば雷撃で局地的に周囲の酸素を奪って窒息させるていどのことは難しくもない。穣の怒りはさらに収らず、さらに宝杖の力を解放、天から雷光を降らせ、長船を打ち据えた。

「…………ッ!!」

 人間が完全に呼吸を扼された状態で意識を保ちうる時間は4秒。これはどれだけ筋肉を鍛えようがどうしようもない。脳に酸素が届かなくなるのだから、意思や根性でどうにかできるものではない。だが、長船は4秒経過後もかろうじて意識を保っていた。幻影使い、長船言継の能力は相手に幻覚を見せることだけではなく、認識を阻害するという能力も備える。これにより穣の感覚を誤認させ、長船は完全に酸素を奪われた状態を脱していた。とはいえやはり苦しいのは変わらないが、失禁脱糞して白目を剥くのだけは免れる。かれの魔術もまた覇城瀬名《はじょう・せな》同様、人理魔術に過ぎないのだが、応用性の高さはそれなりに高く、こうして神力に抗しうる。

「そんくらいにしとけよー。さすがに殺人とかシャレんならん」
「新羅……邪魔をしないで下さい! この男は許されないことを言いました!」
「あーもう、なんかなー……もうなんならあの爺のことわすれてさー、おれンこと好きになれよ、お前」

 それは、いろいろ吹っ切れた辰馬の博愛主義(ハーレム志向)が言わせた、喧嘩するより仲良くしろの言葉だったのだが、穣のほうは平静でなどいられない。なにせこの数ヶ月、ずっとこっそり意識し続けてきた相手のこの言葉である。自分があれだけ素っ気なく振る舞ってきたのに、もしかして全部見抜かれていた? そう考えると穣の頭の中は真っ白になり、瞳の中がぐるぐる回る。ヒノミヤの天才軍師は白面を熟柿《じゅくし》のごとく真っ赤に染め、何度も頭を振り、そしてもうどーでもよくなった長船への術を解いた。

「くはぁ! ……し、死ぬかと……この、とんでもねぇ凶暴だな、軍師様よォ?」
「黙りなさい」
「あァ? 新羅公に言われて照れてんのか? なんでぇ、可愛いとこ……」
「お前懲りろよ。またやられるぞ?」
「……あー、つい。いやいや、磐座サマがあんまり可愛いんでね、ちょっとからかいたく……」
「だからそれをやめとけって。で、何処行くって?」
「柱天ですよ。まぁ、ちょっとしたゲームがあるんで」
「ゲームとか、んなことやってる場合じゃねーんだけど……」
「いえいえいえいえ。ちゃんと新羅公を呼ぶ理由のあるゲームですよ。兵法の腕試し、っていうね」
「腕試し?」
「まあ、模擬戦ではありますが。どうです、やる気になったでしょう?」
「あーな……うん。そーいうことならやる気にもなる。で……おれにヒノミヤの天才が二人付くのか? 有利すぎじゃねーかな……」
「さて、どーでしょう。なかなか、侮れない連中が集まってるようですし。兵法鼻祖の国、桃華帝国の俊英……あの呂燦《りょさん》将軍の秘蔵っ子なんかもね」
「へぇ……」

 辰馬は呂燦を知らない。いや、ヒノミヤ事変の最終局面でアカツキ勢勝利を決定づけた、ひとかたの立役者だと言うことは知っているが、個人的なことはなにもだ。穣に聞けば知っていたのかも知れないが、いままで辰馬が穣に対してそのあたりを尋ねたことは一度もなく、穣も自分から語ることはなかった。実のところ、征南将軍・呂燦はあの勝利を演出しアカツキから大量の領土割譲を引き出したことで国家の英雄となった……はずだったのだが、そこでアカツキ宰相・本田の詭計《きけい》にかかり獲得した版図どころか逆に大量の国土を浸食され、愚将、無能の烙印を押されている。

 しかしそれは政治的な面での敗北。軍人としての呂燦は桃華帝国《とうかていこく》四隅《しぐう》の将の中でも傑出した軍事の才覚を誇り、とくにアカツキ屈指の勇将・「赤備え」井伊の猛攻をここ数年にわたり完全に封殺していた技量は彼にしかなしえない。猪武者というより知略の人であり、政治には無頓着ゆえそこを突かれて本田にしてやられたのだが軍略家としては東方諸国に比類なし、と言われるほどの人傑である。一度滅んだ世界、その上古の世の天才兵法家とすら、肩を並べるとも言われているほどで、しかも武芸絶倫でもあり、配下の勇将6人との7人がかりとはいえラース・イラのあの天才、世界最強、ガラハド・ガラドリエル・ガラティーンを撃退したほどの武勇を誇る、相当に信じられないレベルの人間である。

 まあ、今回登場するのはその弟子であって、呂燦本人ではないということなのでどれほどのものかはわかりかねるが。

 穣が積極的に長船に聞き始める。どうやら呂燦の秘蔵っ子に対して、見知り合う前からライバル心があるらしい。かなりにわかりやすい負けず嫌いであった。

「って離してる間に、柱天ですよ。図南の間には行ったことあるっしょ?」
「あぁ……ヒノミヤ事変の最初の日にな」
「んじゃ、俺はこれで。一応、審判役なんでね。これ以上は肩入れってことになっちまう」
「あー、ま、頑張れ」
「あんたが頑張るんですよ! ちゃあんとこっちの思惑通り、王を目指すとなってくれたんだ。こっから先しっかり勝ち続けてもらわねーと」
「そーだなぁ……負けたら終わりの世界だしな。全部勝つしかねぇわ」
「つーわけで、頑張って下さいよ。わが主」
「そんなもんになった覚えはねーが。ま、いーや。なんにせよ、勝つ」

………

「そう上手くいきますかね?」
「あ?」

 露骨に馬鹿にした口調に、辰馬は振り向きもせず巻き舌だけで答える。あんまり気配の消し方が下手すぎて、わざわざ確認のために振り向く気にもならなかった。まさかこの声の主が桃華帝国・呂燦の秘蔵っ子ということはどう考えてもなさそうだが。

「おい! ちょっと! こっち向きなさいよ、オイ! あなた新羅辰馬でしょう? 魔王継嗣の!?」
「あー……だったらなに?」
「やっと振り向いた……くく、あなたの最強伝説、私が終わらせて差し上げましょう……」

 自信満々、そう告げたのは、やたらちんまい、デブで顔も潰れて鼻も潰れ、細い糸目に丸メガネを掛けた、辰馬よりいくつか年上らしき若者。なんというか、「出水に似てんな」と辰馬はとんでもなく失礼なことを考える。出水は小デブだが、あれはあれでよく見れば端整な顔立ちといえなくもない。だが辰馬にとってころん、とした体格は一律で「出水っぽい」相手でしかなかった。

 そいつはくぃっ、くぃっ、とやたらせわしなくメガネのブリッジを上げ下げする。

「ふふ、怯えていますね? この私の自信に。どうやってあなたを打破するか、その……」
「邪魔だ」

 思いっきりドヤ顔で口上をぶちあげようとしたデブを、後ろから歩いてきた男たちの一団が無慈悲に突き飛ばす。桃華帝国の国象色、薄紫を基調とした民族服の一団、その先頭に立つ、長髪を後ろで結わえた眼光鋭い男は……。

 こいつ……。

 辰馬が思ったのと同時に。

 ほう……。

 男のほうもまた、わずかな驚嘆と興味の色を緑がかった黒瞳《こくどう》に乗せる。

「あんたが、征南将軍の秘蔵っ子ってヤツ?」
「その言われ用はあまり愉快ではないが、確かにそう言われてはいるな。お前は……魔族と……神族の臭いもするな。となると、盈力使い。なるほど、魔王の後継、新羅辰馬とはお前のことか。アカツキ内戦(=ヒノミヤ事変)では女装して兵士たちの指揮を爆発的に高めたとか。ふふ、確かに似合いそうだ……」

 さすがに少し驚いた。今まで、辰馬のことを「混ざり物」と呼ぶ相手は多かったが、初見で「神魔のハーフ=盈力使い」と看破した相手はほとんどいない。とはいえ後半部分のことばで辰馬の心証はきわめて、悪くねじくれたものになったが。

「ちょ、私を無視してライバル演出はやめていただきたいですね! 私はかのクーベルシュルト、マウリッツ・リッシュモンド伯の一の弟子レンナート・バーネル! 対戦表を見る限り、あなた方が激突することはないでしょう! なぜなら3回戦で呂燦将軍の秘蔵っ子、戚凌雲《せき・りょううん》どのは私に敗れるのでね!」
「ふむ……バーネルどの、か。確かに貴公の研鑽は相当のものがありそうだが。まあ、相手が悪かったな。勝つのは私だ。所詮西方の兵法はわが桃華帝国のそれの模倣。貴公はそれを思い知ることになるだろう」

 呂燦の秘蔵っ子……戚凌雲はそう言うと、二人の仲間を引き連れて整然と去って行った。

「……瑞穗、読めたか?」
「いえ、読めたというか読めなかったというか……清んだ湖面のような心で、読み取れるものはなにも……あんなのガラハド卿以外では初めてです……」
「うーん……学生レベルとか余裕で勝てるとか、その考えは甘かったな……ま、全力でいくしかねーわ」

 こうして、新羅辰馬を巻き込み、模擬戦大会が幕を開ける。やはり圧倒的に強いのは戚凌雲率いる桃華帝国チームであり、大口を叩いただけにバーネルのクーベルシュルト勢も強い。そして新羅辰馬も、破竹の快進撃で2回戦までを勝ち上がった。

 その前に、凌雲とレンナートの3回戦。

「これはもう、見ておくしかねーよなぁ」

 棋盤上で繰り広げられる、実戦さながら、虚々実々の駆け引き。さて自分の相手になるのはどちらかと、辰馬はテレビ画面(スポンサー=覇城瀬名)に映る棋面を見つめた。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

遠蛮亭 2022/09/17 12:10

22-09-17.くろてんSlgアンケート+鷺宮蒼依さんお絵描き

おつかれさまです!

Slgくろてん、初回バージョンでのエロイベントがあるキャラについてアンケートを取らせていただきたく、今回少し多いですがご回答いただけたら幸いです。キャラ名と画像を提示しますのでそれを見て好きなキャラに投票してくださいませ。

まず、辰馬くんの身の回りにいつもいる面々。この中からエロが見たいキャラはだれか、複数投票可ですので気軽にお願いします! 最終的にはともかく最初バージョンではそんなに大規模なものにしない予定なので、1枠から2人、和姦と強○1枚ずつとかそんなささやかなもので済ませようと思います。アップデートでどんどん拡充させられればな、と。


次はライバル校、明芳館と賢修院の面々。蕭芙蓉はくろてんリライトにも登場しませんでしたが、イメージとしては詠春の側近です。武道家タイプのガーダー。

ついで辰馬くんの身内連中だったり、歴史的なつながりがある人々だったり。あと1幕2幕でボスキャラを務めた3人。

次はヒノミヤ勢から。

つぎ、女神陣営の面々。早雪はサティアの眷属なのでここじゃない気もしますが、枠があいてないのでここで。

そして最後、上記以外各国のひとびと。以上54人となります。あとでまだキャラ数増えるかもしれませんが、とりあえずエロシーンありで考えるのはこの面々で。

で、これだけで終わるのもなんなのでお絵描きひとつ。

むらいつ用、鷺宮蒼依さん。バックからというのがもんのすごい苦手で、とくに後ろから頭を描くのが絶望的に下手なわけですが、今回はそこそこマシ。そして横に表情見えてるべきだと思うのです。

怯え顔。1つ前で媚びた表情してみせたにもかかわらず許してもらえず、みたいな感じです。

挿入されてパンパンと。ブツの入ってるところ描いてませんがまあいけるんではないかと。

射精されてアヘ顔。

放心状態でひとまず終わり、です。蒼依さん狼連れてるんで獣○にすればよかったかなーとも思いますが、このアングルのさらに後ろから狼のケツとか乗っけると全然エロくない気がするのでやめました。

以上でした、それでは!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

遠蛮亭 2022/09/17 06:44

22-09-17.Slgプラグイン販売できず+瑞穂さんお絵描き

おはようございます!

まず一つお詫びすることが。Slgプラグインですが、これを商品として販売することができなくなりました。制作費用数百万、販売権を譲渡していただくとなるとさらに数百万がかかることになり、さすがにどう逆立ちしても無理です。娼館プラグインやモンスター捕獲プラグインなどについても同様、申し訳ありません。

ですがSlgプラグインを使用した「くろてんSlg(仮)」は問題なく制作を続けますので、こちらのほうよろしくお願いいたします。登場人物80人以上が入り乱れる大作になる予定で、プラグイン紹介という意図が潰えたからにはr-18です。ただ、50人以上の女性キャラ全員についてエロイベント絵を描くのはさすがに骨なので、最初はイベント絵ありのキャラは一部にとどめ、アップデートで少しずつ、エロイベントを増やしていく形をとろうかと思っています。女性キャラたちについて初回バージョンでエロ絵を入れるべきキャラはだれか、アンケートを取るのもいいかもしれません。まあ、このSlg版のイラスト担当は全部遠蛮がなので、期待されると困るのですが。

今朝は以上です。あとはむらいつ用のお絵描き……主人公が瑞穂さんではなく長船にかわる時点で「紫薫の時の齋姫」というタイトルは変更すべき気もしますが。ヒノミヤの野心家の物語ということで「火之宮の階(きざはし)」とかにしましょうか。

作中、これが瑞穂さんの登場イベントになります。もちろん製品版では広輪さまのイラスト。来年2月末ごろにむらいつは発売できそうです。確定ではないですが広輪さまの作業が順調ならば。瑞穂さん、リラックスしてオシッコ中。

のぞかれてることに気づいた瑞穂さん。


のぞいてたエロガキが、開き直ってちんこを露出、病気と言い張り。

本当かなぁと思いつつ病気だったら大変と思う瑞穂さん。

口で毒消し浄化してくれと要求され、おずおずと唇を近づける瑞穂さん。

ぺろりと舐め。

口を開いて咥える。

かんみその上を剥がれ、上半身にたっぷり射精される瑞穂さん。

すっかり酩酊してしまい喜んで口を使うようになる瑞穂さん。

さらなる大量射精。

以上でした! 今朝はくろてんはナシです。昨夜3時過ぎまで起きてたらいま頭が割れるように痛いので、これから少し寝ます、それでは!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

遠蛮亭 2022/09/16 10:50

22.09.16.くろてん2幕3章2話.魏囲趙救+お絵描き1種6枚

おつかれさまです! 誰か仕事くれないかなーと思ってたらなにやらアメリカの詐欺会社からお声かけがありました。謹んで無視させていただきましたが、やっぱり自分のレベルでは日本の信頼あるところからお声掛けいただくにはまだ遠いのだろうなぁと思う遠蛮です。

さて、さっきの記事に書き忘れですが、前回でくろてん新章入りました! まあ特別大きく変わることはないんですが、兵法ものの色合いが濃くなります。とはいっても兵法編は1幕3章ですでにやってますからそんな目新しいことはないですが。

で、むらいつ用のイベント。現在シナリオ順に逐次描いてますが、まず先にシナリオ優先にした方がいいような気もしてきました。話進めてこのシーンイベ絵いるなぁとなるとその都度クリスタ起動するのは効率悪いような。でもたぶんこのやり方で最後まで行きますが。

みのりんと五十六のシーン。みのりんはあんまりエロに積極的なわけではないのでまずはこの表情。

快楽が勝ってきたらこっちになりそうなんですが、物語序盤、五十六が長船を送り出した直後の時点でこの表情は使わんかなーと思います。

3枚目、気持ちよすぎて軽めの顔面崩壊。これも初期のみのりんがそんなに感じるタイプではないから、あとあと長船とのシーンに流用しようかなとか。

4枚目、これ以降はちょっと不穏な表情。この泣き顔も五十六とのセックスではなさそう。やっぱり長船に無理矢理されてるシーン用ですかね。

5枚目、絶叫。

6枚目、放心。

以上でした! むらいつでは長船のことを「言継」と名前で書くことにしてるのですが、これが実に慣れないのですぐ間違えます。まあ、慣れるまで頑張るしかないですね。

では以下くろてん行きます。

………………
黒き翼の大天使.2幕3章2話.魏囲趙救

「……あの女ァ、まだ首が痛てぇ……」
「おれは膝外されてしばらく歩けなかったっつーの、なんだあのアマ」
「まぁ、女だけに多少、俺らより腕が立つのかもしんねぇが……金鷹《きんよう》学園総勢2200人、これだけ居れば敵じゃねぇ。ブチのめして泣きわめかせて、ズタボロに犯してヒィヒィ言わしてやるよ!」

 なにやら倉庫のような薄暗闇のなか、陰気な情念を感じさせる声で語り合うのは、かつて昨年6月、新羅辰馬に瞬殺されたチンピラ少年たち。そのリーダー格はそれぞれに伊丹直人、長和久、温井廉、平幸弘、三宅香月、遊佐幸二、おなじく遊佐の弟謙二の七人。

 彼らは今なお辰馬を絶世の美少女と思い違いしており、過去の報復に徹底的なレ○プでもって報いることを誓い男子校、金鷹学園の総力を結集した。復讐という大義名分で美少女を犯せるとあって、性欲旺盛な学生たちはあっさりとリーダーたちのもと集結した。モラルの低いチンピラ学生たちは、このあたり非常にタチが悪い。

………………

「なんか、寒気がすんな……」
「そうですか? わたしは暑いくらいですが……」
「お前のは巫女服……水干《すいかん》だっけ? 来てるからだろ、シャツにしとけ、シャツに」
「着衣の乱れは心の乱れ。正装を違えるわけには参りません。わたしは神楽坂さんのように簡単に、下界の文化に流されませんので」
「あ、そう……」

 ブルッと身を震わす辰馬。今日は瑞穗は図書委員のお仕事中であり、辰馬に勉強を教えるのは金髪ツンデレ、磐座穣。ヒノミヤ最高の頭脳はキレも冴えも瑞穗以上なのだが、教え方が厳しいうえに素っ気なく、辰馬としては少々やりづらい。まあ、ついて行けないほどのことはないので構わないのだが。

「今日の例題は囲魏趙救《いぎちょうきゅう》、魏を囲んで趙を救う、です。魏とか趙というのは上古世界の、桃華帝国のルーツになった国の群雄の名前ですが、そこを覚える必要はありません。簡単に説明すると強敵を相手にするとき、これを直接相手にせず、別の所にある敵の急所を攻めることで鋭鋒を避ける、そういうもです。理解できましたか?」
「はあ……まあ、わからんことはないか。大勢に喧嘩売られたら頭の家族を人質に取って逆転とか、そういうことだろ? やっぱ兵法ってえげつねーわ……」
「えげつなくて大いに結構。勝つために手段を選べるなんて幸せな状況が、そうそう転がっているものではありません」
「まあ、そーかもなぁ。少なくともそーいう手を平気で使えるよーにならんと、軍人にはなれんか……」

 言いつつ、一枚の封書を見遣る。それは長船言継からのもので、ヒノミヤを脱し要領よくアカツキの軍属になった長船は、大尉、参謀として北方、桃華帝国戦線に活躍しているということを自慢たらたらに書き付けてあった。

 桃華帝国とアカツキはヒノミヤ事変の際秘密同盟を結び、征南将軍・呂燦が大軍をひきいてアカツキを助けるという友好をしめしたのだが、アカツキ宰相・本田馨?は謝礼として一度、割譲した領土に軍を入れて逆にもとより以上の版図をとりかえし、そして桃華帝国の北、極寒の国ヘスティアと結んで挟撃の構えを見せることで、うかつに桃華帝国が動けない状況を現出、その間隙を縫って軍部の№2、大将軍・井伊率いる北面軍が桃華帝国に侵掠戦をかけている。今までは辰馬にとって無縁のニュースだったが、誰にも後ろ指指されることなく自分の女を自分のものとして守るために王となる、その大望のためにまず軍属を目指す辰馬としては、このあたりの情報にもしっかり目を通さねばならない。

 とはいえ。やはり瑞穗と穣とでは一緒に居るときの気疲れが違う。少々、披露した辰馬は「少し、休憩いいか?」と切り出した。

「惰弱ですね。かりにも王になるなどと大言壮語を吐いたなら、もっと集中力をしっかりもたなけばなりませんよ。まあ……新羅は始めたばかりで集中の方法にも不慣れでしょうから、1時間だけ許します。外の空気を吸ってきて下さい」
「あー……そうする」

 惰弱、と罵りながら一応、一時間の休憩を許してくれるあたり、言うことは手厳しいが穣は案外優しい。まあそれを言うとたぶん怒られるので、素直に褒めることもできないが。

……………

 しばらく外を歩いていた。学園の敷地を出て、実家の近く、艾川《よもぎがわ》の近辺の芝生にすこし腰掛ける。心に去来するのはかつてこの地で首討たれた新羅家の祖先、伽耶聖のこと。凌河帝の命を盾に取られ、どちらにせよ帝は殺されるとわかりながらなお忠節を貫き、果てない凌○の末に大逆人として斬首させたアカツキの民族英雄。

 だめだな。どーせなら勝てよ、ばかたれ。

 結局、そう考える。悲劇のヒロインだろうがアカツキ最大の英雄だろうが、結局負けて主君も守れず、というのは辰馬好みではない。辰馬の望みは全員揃ってのハッピーエンドであり、出来れば悪役だってなんだって殺したくない、というのは甘すぎるのだろうが、それが偽らざる気持ちだ。

 ふと、ボールが転がってきた。鞠とかではなく、近年アカツキにも普及してきたサッカーボールだ。

「おねーちゃーん、ボールとってー!」

 クソガキ……つぁーらんことを……。

 とは、思いつつもまあ、大人げなく激昂はしない。もう大概女扱いにも慣れてきた。逆レ○プばっかされて徹底的に受け役を仕込まれてきたことでもあるし。とりあえず、座ったままひょい、と足先だけでリフト、ひょい、と浮かせて立ち上がり、子供の力でも受け止められる程度のボレーを放ってやる。

 すると。

「す、すげー! ねーちゃんすげー!」

 なんか感動された。相手してるヒマ、ねーんだけどな。帰るか……と思うも、子供は辰馬にしがみつく勢い。相手が大人なら「うるぁ!」と投げ飛ばすなり蹴り飛ばすなりするのだが、純真無垢に慕ってくる子供相手にそれはできない。

「俺、悠斗《ゆうと》。伊丹悠斗って言うんだ! ねーちゃんは?」
「あー、新羅辰馬。ねーちゃんじゃなくて、おにーさんな」
「へ、おにーさん? 男なの、そんな顔で? ヘンなのー!」

 さすがにおいガキ、殺すぞと言いたくなるが、ぐっとこらえる。まあ悠斗に一切の悪気はないので、辰馬としても引きずることはなく。適当にサッカーの指導というか、相手をしてやると悠斗はもうプロ選手でも見るような目で瞳を輝かせた。アカツキのサッカーレベルはまだまだ低いし、辰馬が、それほど得意とは言えないとはいえやはり卓絶した運動神経を有すということで、ある意味実際、プロに近いといってもいい。

「一時間過ぎたな……こりゃ、磐座の雷が落ちそうな……。そんじゃーな、悠斗」
「うん。またね、おにーちゃん!」

……
………
‥‥……

「30分の遅刻。いったいどこでなにをしていたんですか?」

 辰馬の方には一瞥もくれず、懐中時計の針を見ながら、磐座穣は静かな怒りを放出する。その強烈な意力《マナス》は、辰馬を怯えさせるほどのものだった。穣の持つ神杖万象自在<ケラウノス>の威力を考えるまでもなく、はっきり言って、怖い。

「いや、ちょっとガキとサッカーを……」
「へぇ……王になる、その意思をあっさり放り出して球蹴りあそびですか。それはさぞかし楽しかったでしょうね。そんなことでは大願成就、けっして不可能でしょうけど」

 そこから辰馬は穣にネチネチといびられた。穣にとってこれは素直になれない愛情表現の形なのだが、そんな迂遠なことをされても基本的に鈍い辰馬には届かないわけで、ただひたすらに「磐座は怖い」ということしかインプットされない。辰馬もそれなりに放胆ではあるのだが、女性の機嫌を損ねて平気で居られるタイプでは全然なく、おろおろと狼狽える。

……
………
…………

 それから数日、辰馬は悠斗と暇を見つけては遊んだ。

 悠斗は家庭のことに関しては異常なまでに口が硬く、特に家族のことは頑として口をつぐんだ。まあ、辰馬だって自分が魔王の継嗣《けいし》と名乗るつもりはない。とはいえ瞳の色を隠しもしていないので「混ざり物」ということはわかってしまっているだろうが。

 そして、昼は悠斗と遊び、夕方からは瑞穗か穣と兵法授業、という日々が続いたある日。

 一度に2000人近い不良学生に、河原で辰馬は囲まれる。雲霞の大群に、河原が黒く埋まった。

 まずいなー……いや、別に怖い相手じゃねーが、今は悠斗もいるしな……。どーすっか……。

 心の中で頭を?く。もういっそ盈力をぶっ放して一斉に半殺し、とか物騒なことすら考えるが、また暴力事件で案件になるのはごめんだ。

「よぉ~、お嬢ちゃん。この前の借りを返しに来たぜェ~……?」
「………………、………………? 誰?」

 辰馬は相手のことを思ってしっかり熟考、思い出すことにつとめたのだが、まさか半年前にいらんちょっかいをかけてきたチンピラなど覚えているわけがなく。申し訳ないが首を傾げて聞き返すしかなかった。伊丹はガクリと膝にきたもののチンピラ特有のゴキブリ的しぶとさですぐに復活、いやらしい笑いを顔にはり付ける。

「ま、いいさ。見ろよこの人数! いくらおめーが神力使いだか武術の達人だかしらねーが、ボッコボコのギッタギタの、ボロ雑巾にして気が狂うまで犯しまくってヤっからよぉ、覚悟しろやおじょーちゃん!」

 あまりにもチンピラ全開な下卑た台詞に、辰馬以上に過剰反応したのは悠斗。

「にーちゃん……」
「あァ? 悠斗……おま、なんでこいつと……」
「てゆーかにーちゃん、師匠になんてこと言うんだよ! ホント最低だな、にーちゃんは!」
「あー……兄弟?」
「うん……恥ずかしながら、俺の兄貴」
「う、うるせーよ! 関係ねぇ! とにかく……」
「おっと待った」

 辰馬は悠斗の身体を抱き抱えると、首に手を掛ける。

 魏(悠斗)を囲んで趙(自分)を救。うん、ちょうどいいシチュエーションだわ、これは。

「じっとしろよー。お前の弟の首が、ポッキリ行くからなー。おれ、これでも握力80ちょいあるし。子供の首くらい簡単だぞ」
「ちょ……おまえ、外道! 悠斗を離しやがれッ!」
「うるせーわ、数に飽かして人を襲うよーな外道が、言えたことか」
「ナオトくん、なにビビってんだよ、弟だかなんだかしらねーけどあんなガキ!」
「黙れ黙れ黙れッ! 悠斗はなぁ、あんなガキ、なんかじゃねーんだ……ッ!」
「そーだよなぁ。で、そこらの連中にも。大事な家族や仲間や恋人が居ると思うけど。おれやおれの仲間にいらん手ぇ出すなら、お前らの大事なもんを全部むごたらしく壊して、殺す。年取った母親だろうが、つきあい始めの可愛い後輩だろうが関係なく殺す。さて、ご諒解?」

 思い切りハッタリだが、効果は絶大だった。なにせ幹部連中は実際、辰馬がやろうと思えばそれを可能な身体能力、戦闘力をまのあたりにしており、さらには悠斗が兄への義憤か師匠《たつま》への恩義からかいかにも苦しそうに演技してみせるのも効果大だ。

「さ。どーする? おれはどーでもいいぞー。どうせ、2000が5000でも結局、おれが勝つし」

 にらみ合いが長く続くことはなかった。辰馬の頭のおかしい(演技ではあるが)発言に恐れをなした連中は自分の大事なものを壊されるリスクをえらんでまで、襲いかかる道をえらべない。結果、三々五々解散、という事になった。

「もういーだろぉが! 悠斗を離しやがれ、外道がッ!」
「あいよ。悪かったな、悠斗」
「ううん、バカ兄貴を懲らしめられてすっきりした!」
「……ぉ、お前、今のアレ……?」
「ま、そーいうこった。けど、おれやおれの仲間に手ぇ出したら。そんときはホントにお前らの大事なもの、ぶっ壊すかんな。そこんとこ覚悟しとけ」

……
………
…………

「だから! なんでこの程度の簡単な設問が解けないんですか、バカ! あなた本当に王になるとか……そもそも軍学校だって怪しいですよ、いまのままじゃ」
「う……すんません」
「今後一問間違えるごとに、あなたの大事な本を燃やします。そうしたら、多少は必死になるでしょう?」
「ちょ……そ、それは!」
「問答無用です! わたしは神楽坂さんのように甘くないですからね、びしびし行きますよ!」

 今日も、辰馬の講師は磐座穣。少々難しい件に入ってミスを連発する辰馬に、穣の怒りが炸裂した。大事にゆっくり読んでいてまだ読了していなかった絶版書を本当に焚書されるに至って、辰馬は勉強に本腰を入れることを誓うのだった。

………………
以上でした! それでは!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

遠蛮亭 2022/09/16 06:58

22.09.16.くろてん2幕3章1話.欲擒姑縦+お絵描き1種6枚

 おはようございます!

 シナリオ部分だけでも早々に完成させないといけないんですが、昨日は体調悪くして8時で睡眠、最初の寧々さん凌○イベントの加筆修正とその先の五十六からの神楽坂派討滅指令拝命、ここまでしか進めませんでした。もっと体力あればいいんですが、まあ病人なので致し方なし。

 今朝のお絵描き、蒼依さん、嵯峨野さん、杠葉さんによる4Pご奉仕です。今回なかなかうまくいかなかったんですが、他に出せるものもないのでこれを。

1枚目、泣きながら男のものを待つ3人。

2枚目、ちんこ登場。

3枚目、ハート目になって喜ぶ三人。

4枚目、舌を突き出し、おしゃぶり。

5枚目、射精。この精液噴出するイメージって言うのがすごく苦手で描きづらいんですが、とりあえずこれで。

6枚目、全身に精液を浴びて大満足の3人。

以上で、それではくろてんの方。

………………
黒き翼の大天使.2幕3章1話.欲擒姑縦

 軍人を志し、王を目指す。

 そう志した以上、道程は容易ではない。

 兵卒として軍に投じるのとはわけが違う。そしてヒノミヤ事変期のときのようにイレギュラーな指揮権委譲で士官となるのとも違う。大佐までの位は売官制度で買えないこともないが、そんな方法で将官になって、兵を服しうるとは思えない。

 人を従えるに足る将になる。よって、勉強が必要だった。

 そうなると普通の学問ではなく、兵学・軍略に関する専門知識が確実に必要となる。幸いに辰馬の周囲には神楽坂瑞穗、長船言継、そして隠れもないヒノミヤの天才軍師・磐座穣という3人がいて、さらには政治向きの才覚なら比類ないエーリカ、そして普段から親密というわけではないが傭兵として実戦経験に豊富なジョン・鷹森らの人材が揃っている。教師に不自由はしなかった。……雫は、体育教師で実のところおバカさんなので、この際戦力にはならないが、その応援は力になる。

 史学に関しては辰馬自身、興味と学識があったのもプラスだった。砲兵の弾道計算に必要な計算知識なども、辰馬は苦手なわけではない。やはり問題は兵学という専門知識、ということに集約される。

 というわけでその晩は、辰馬は瑞穗と勉強中。

 そろそろ夏が近くなってきたこの頃、なぜか無防備すぎるうえになぜか辰馬を逆レしたがる新羅邸の少女たちは暑さを理由に以上な薄着であり、瑞穗も超神話級の柔肉のすさまじさゆえになかなか合うシャツがなく、男物の薄手のLLLなど着ているものだからはっきりいってこれ下着じゃん、みたいな状態でしかない。辰馬は鋼鉄の意思力でどうにかそちらを見ないようにこらえるが、最近ご無沙汰だったせいか瑞穗の眼光が妖しく、身の危険を感じる。

「えー……欲擒姑縦《よくきんこしょう》……これはまあ、わかるな。つまり心を服させろってことだろ? または追い詰め過ぎるな、ってことか」
「はぁはぁ……は、はい。その通りです、さすがに辰馬さまは理解が早いです」
「いらん世辞いーから。実例として、なんかねーのかな?」
「では、辰馬さまがお好きな東西戦争期のお話ですが。燕熙帝の将・天童将入《てんどう・しょうにゅう》が6万の兵で凌河帝の都、現在の副都少弐ですが……を囲みました。しかし、伽耶聖は当時としては圧巻のその大軍を、4000の寡兵で退けています。それはなぜでしょう?」

 瑞穗は興奮に頬を赤くしながらも、辰馬の勉強を見なければならないという使命感はちゃんとあるようで。そんな過去問を出す。

「ん……ちょい待て。2分で考える……。まず、天童が名将だったらありえん話だな。とにかく聖を舐めてたってことと、この欲擒姑縦という設問からするとあれだ、たぶんだが、逆をやったんだな。逃げ場を空けてやるべき所を、囲みまくって聖を追い詰めた……んじゃないかと思うが?」

 辰馬が本当に2分でそれを導き出すと、瑞穗は流石に瞠目する。実際、天童将入は勇猛果敢ではあるが思慮に欠ける男であり、伽耶聖率いる牢城軍を敢然包囲して袋のネズミとしたはずが逆に窮鼠《きゅうそ》となった聖たちの突撃と伏兵戦術にやられ、6万の兵のうち2割近い9000人を失い、戦線を維持できなくなり撤退に追い込まれるという憂き目に遭った。ちなみにこの当時から今に至るも兵士は農業労働力であるから、勝敗にかかわらず数万の軍勢が一度に消滅するような事態はまずありえない。敵を鏖殺する殲滅戦、というのはここ最近、それこそヒノミヤ事変において初めて発生した「総力戦」以降のことであり、それとても完全に敵を滅ぼすなどと言うことはまず、ありえない。起こったとしたら国の人口がごっそり減ってしまうのだから、国家が立ちゆかなくなるのは少し考えればわかることだ。それにしても、辰馬の才能を甘く見たつもりはないとして、ここまで的確に見抜かれるとこれまでヒノミヤで軍学を長らく仕込まれてきた瑞穂自身の自負が揺らいでしまう。

「正解……です。すごいですね……」
「ん? 凄いかなぁ。こん程度で士官学校のトップは狙えねーと思うんだ」

 辰馬はこのあたりの自己評価が頗《すこぶ》る低い。軍学の専門家ならまだしもこれまでほぼ素人だった人間が、軽く説明を受けただけであの回答を導き出せるものか。本当に紛れもないレベルで、新羅辰馬は天才だった。この天才に自分の持つ軍略の全てを伝授したなら。ヒノミヤでの凌○により後天的な淫魔の資質を得ている瑞穗だが、その性的興奮を忘れるほどにこの生徒の教え甲斐は素晴らしい。

「そんじゃ、次か。「敵すでに明らかにして、友いまだ定まらざれば、友を引きて敵を殺さしめ、自ら力を出さず、損を以て推演《すいえん》す……借刀殺人、か。あんまし使いたくない手だなぁ、これは……」
「でも、非常に有効な手ではあります。たとえば自力ではどうしてもかなわないような強敵がいたとして……」
「あー、ガラハドみたいな」
「はい。ガラハドさんが敵として、こちらの手で倒せないのなら偽情報を流してラース・イラ上層部の手で殺させれば……」
「あー……聞きたくねーなぁ、そーいうの……まさか瑞穗の口からそーいうのが出るとは……」
「はぅ……だって、兵法ってそう言うものですから……」

 半眼になる辰馬に、瑞穗は思わず縮こまる。縮こまるほどにバカでかい胸の方は強調されて非常によろしくないことになるのだが、それは置くとして。

「辰馬さまの頭脳ならそこまで無理な勉強は必要ないと思います。適度なペースで進めれば十分かと……」
「そーかなぁ?」

 瑞穗の言葉に、辰馬は上古の兵法家がものしたという兵書をぺらぺらとめくる。特別に難しいことが書いてあるわけではない。むしろやってしかるべきことを確実に、無理押しはせず、情報をしっかり集める、そういう当然のことを執拗に書いてあるのだが、これがまた、いろいろと現代に通じる示唆と教訓に飛んでいるから古代人畏るべしだ。

「そんなら、そろそろ寝るか」
「ぁ……はい?」

 嬉しげにシャツに手を掛けようとする瑞穗に、辰馬は慌てて待ったを掛ける。前回までで確実に瑞穗たちを「自分の大事な女」と認めた辰馬だが、だからといって猿のようにセックスするのはいかがなものか。というより自分の中に始めると歯止めのききにくい好色さが眠っている自覚のある辰馬は、あまりそれを表に出したくないのである。

「だめですか?」
「あれだな、向こう1年待て。おれが卒業して、士官学校入ったら……」
「そんなの無理ですよぅ。いくらなんでも気が変になっちゃいます!」
「とはゆーてもなぁ……いや、あれか? 我慢できない感じ?」
「はい……少しおかしくなっちゃいそうです……」
「……んじゃ、一回だけな。一回。それでどーにか……うあぁ!?」

 『一回』の許可を得た途端、瑞穗は辰馬を押し倒す。辰馬は50キロ前後しかなく、瑞穗はその豊満すぎるPカップの重さが20キロ超のために70キロ近く。体格差もわずか3㎝であり、油断している状態だと瑞穗のどんくささを差し引いても押し倒される。特に、淫魔の性質が発現している今の瑞穗は、快楽をむさぼるために身体能力の引き上げを受けていて油断ならない。

「ちょ、お前、いきなり押し倒すな、ばかたれ。なんでいつもそーいうやりかたで……」
「それは、辰馬さまがかわいーからです? だからイジメたくなっちゃうんですよぉ~?」
「ふざけんな黙れドS! まさかお前から加虐発現が飛び出すとは思わんかったわ!」

 辰馬は完全にマウントを取られた状態でじたばた暴れるが、瑞穗は太腿の圧迫だけで辰馬の動きを完璧に制圧する。普段の瑞穗とはまったく、わけの違う身体能力だった。

「それじゃ、しますね? 辛くても苦しくても、やめてあげませんけど?」
「ひ……や、うっぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!!」

 辰馬の悲鳴を、談話室でゆかが聞いた。

「ねーねー、美咲? いまのお声なぁにぃ?」
「ゆかさまがお気になさることはないことです」

 主君である新羅家正妻9才の無邪気な疑問に、晦日美咲は怜悧に答えつつ内心で頭を抱える。

 新羅さんの閨房事情をどうこう言うつもりはありませんが、これ以上ゆかさまの情操教育に悪いと、少し懲罰が必要かも知れませんね……。

……
………
…………

「くぅ、っあ……ぉあっ……くひ……」
「あんっ、ん? も、もっとです、辰馬さまぁ?」
「ちょ、すこし……休憩……つか、一回だけって……ひぃぃ……」
「もっと、もっと、あぁっ、もっとぉっ?」

 恐るべきは淫魔の好色。辰馬は一方的に搾精され、搾精され、搾精され、死ぬほど搾り取られた。こと閨事に関して、新羅辰馬にとって神楽坂瑞穗以上に恐ろしい相手はない。一度スイッチが入るともう、普段の清楚が嘘のような貪婪になって足腰立たなくされてしまう。アスリートである雫だってここまでではない。

……
………
…………

「大変、申し訳ありませんでした!」

 翌朝。我に返った瑞穗は辰馬の前で全裸土下座である。全裸である必要はないというか、出来ることならさっさと服を着て欲しいのだが、深く深く反省した瑞穗は服を着るより前にまず謝罪なのである。やはりこの子はどこかおかしい。

「いーから服着れ。あと、頼むからガッコはじまるまでちょっとだけ寝かせてくれ」

 心底嘆願する辰馬、そこにドアが開き。

「たぁくんおはよー! って、あれ、あれれれれ?」

 というおねーちゃんが、今までの普段とはなぜか違う風に不機嫌に眉根をつり上げ。

「辰馬、起こしに来てあげたわよ……って……っきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」

 西方の姫君は巨大ゴキブリでも目にしたかのような絶叫を発した。

「ぁ……おはようございます、牢城先生、エーリカさま」

 二人のライバル相手にのんきに応じる瑞穗に、辰馬はこりゃ今日は休憩どころじゃねーよなぁ、と嘆息する。兵学だなんだより、結局の所こちらの方がよほどに難しい。

………………
以上でした、それでは!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

3 4 5 6 7 8 9

月別アーカイブ

記事を検索