投稿記事

ゲーム発売の記事 (18)

遠蛮亭 2023/06/18 06:54

23-06-18.くろてん再掲2幕2章7話+「聖鍵を求めて」広告イラスト着色ラフ!

おはようございます!

【黒き翼の大天使~日輪宮の齋姫】
DLsite
https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ01064650.html

FANZA
https://www.dmm.co.jp/dc/doujin/-/detail/=/cid=d_277954/

宜しくお願いします!

そしてこちらは広輪さまによる「聖鍵を求めて」広告用イラスト、健全verの着彩ラフです。普通の宣伝に使用する用。瑞穂っぱいがアーシェおかーさんに比べて3㎝差という設定の割にだいぶ小さいかな……という気もしますが、これ以上大きくすると下半身が隠れてバランス悪いですよね、ということを今朝広輪さまへのお返事で書きました。おっぱいが本体とはいえ大きくし過ぎると畸乳になってしまいますからね。アーシェおかーさんは本来メインではないからそこのところ、制約がないのです。
後日エロverも上がってくる予定ですので、そちらもよろしくお願いします!

それでは、今日もくろてん再掲、こちらもよろしくお願いいたします!

………………
黒き翼の大天使.2幕2章7話.邪教

「つーわけで。今日のクエストはガキのお守りのおまけつきだ」

 辰馬がうんざりしつつ言うと、大輔たちも実にイヤそうな顔をする。博愛精神と献身性の瑞穗はともかくとして一番の当事者である雫がなんとも複雑そうに苦笑いしているし、エーリカはそもそも辰馬にたてつく相手、というだけで瀬名に対して敵愾心が凄まじい。この、元来の新羅一行に加えて北嶺院文《ほくれいいん・あや》、磐座穣《いわくら・みのり》、晦日美咲《つごもり・みさき》の三人が新規で加入しており、三人それぞれに大公家の若い……というか幼い……当主に視線を投げる。穣ははっきりいってどうでもいいとばかりにほとんど無視だが、そうは行かないのは同じく三大公家の一角、北嶺院の娘である文と小日向家の侍従長である美咲である。一応同格、ということにはなっているものの、覇城家の家格は他の二家を圧倒的に凌ぐ。文や美咲から見れば対等でも、瀬名から見れば彼女たちは塵芥《ちりあくた》でしかなく、そしてそれを裏付けるだけの権力を持つだけにうっかり反抗的なことを言うわけにも行かない。

 そして三大公家の二家代表を黙らせたという実績に、瀬名は満足げに鼻を鳴らして椅子にふんぞり返る。辰馬は特別だが基本まだ男嫌いの抜けていない文はカッとして腰を浮かしかけたが、瀬名が冷たく冷徹な視線を向けると悔しげに座り直した。

「だからさー、そーやって偉ぶるのやめろや、ばかたれ」

 ばしーんと。辰馬の平手が隣に座す瀬名の後頭部を張る。大した力を込めたようにも見えない一撃はしかし鞭のようなしなりでもって瀬名を痛打し、瀬名は顔面から学食のテーブルに突っ伏した。

「……痛いですね! そうやってすぐ暴力を振るうから、蛮民は……!」
「おまえさ、大概自分を棚上げするのやめよーな?」
「なにがです? 話をすりかえないでもらえますか?」

 いや、すり替えてねーんだが……辰馬はそう言いたかったが、相手の瞳が何処までも本気だったので諦めた。覇城瀬名という少年の中ではまったくもって一切の罪悪感も悪気もないらしい。

 権力者になる人間がそれだと、困るんだけどな……。

 いちおう、歴史好き。辰馬は無知な権力者が暴君《ぼうくん》暗君《あんくん》昏君《こんくん》となって国を傾ける話をそれはもういくらでも読んできた。瀬名の希望がどうなのか知らないが、そんなことはお構いなく彼は政治の枢要《すうよう》に参画する立場に身を置くことになるはずであり、そのときになにをやっても自分は間違ってない、などという人間では困る。

 とはいえ、おれが教育してやるのもなー……とことん嫌われてるし……。

 辰馬はそこまで考えて、盛大にため息を吐いた。もう考えるだけで疲れる。最初からこのガキとの接点がなければ困ることもなかったのだが、強○的に接点を作られて雫を盗るぞ、と脅迫されている以上は無視することも出来ない。

「こーいうときはまあ、蓮っさんだな」

 考えつくのは義理の叔父。もとアカツキ王宮の宰補だった蓮純《はすみ》なら、このクソバカ自己中ばかたれガキをどうにかしてくれるかもしれないと、他力本願だがそう思う。コネを使うのだって実力のうちじゃボケぇ! と、なかばやけくそ気味に内心で息巻いた。

「そんじゃ、行くか」

 辰馬はそう言って一気にメロンソーダを呷り、立ち上がる。

「まあ待って下さいよ。ボクはあなたのように野蛮には動けませんので」
「いーから立てや! ホントしばくぞお前!」
「だから、そういうところが蛮民なんですよ、あなたは。新羅家に突然の負債をかけることになってもいいんですよ、ボクとしては?」
「……ッ、ホントに最悪だな、お前」
「使える権利を存分に使う、当然でしょう? あなたがたのような賎民には、できもしないことですが」

 パァン!

 そこで瀬名の頬が激しく張られる。辰馬ではない。平手をかましたのは雫だった。

「瀬名くん……そーいうのは駄目だって言ったじゃん。人の痛みがわかんない子は、あたしは嫌いかなー……」
「ぁ、ぅ……も、もちろん冗談ですよ! ボクがそんな、権力を濫用《らんよう》するゴミ政治家のような真似をするはずが……」
「おー、しず姉に対してはやったら素直な、お前。ずっとその調子で頼むわ」
「……黙ってくださいよ、新羅辰馬!」
「いや、黙ってもいーんだが、お前の人生の先行き考えるとなー……ちょっと心配にもなるし……」
「知ったことじゃないでしょう!」
「瀬名くん?」
「ぅ……はい……」


・・
・・・

 というわけで。

 久しぶりにギルド「緋想院蓮華堂《ひそういんれんげどう》」。

「たのもー!」

 いつもの挨拶で派手にドアを開け放つ辰馬。太宰でもラジオが置いてある場所は珍しいわけだが、もはや蒼月館にはあちこちにテレビ(しかも、一足飛びにカラーテレビ!)が置かれている時代である。ラジオ放送ごとき驚くにも値しない。

「やあ、辰馬くん。しばらくぶりだ」

 乳白色の蓬髪《ほうはつ》に白面、切れ長の瞳、ネクタイを緩めやや着崩した焦げ茶のスーツ姿という、いつもの姿で辰馬を出迎えたのは十六夜蓮純《いざよい・はすみ》。普段なら受付嬢兼看板娘(もう32歳だってのにな(笑)=辰馬談)であるルーチェ・ユスティニア・十六夜が応対に出るはずだが、今日は珍しく夫の出番だった。

「あー、蓮っさん? おばさんは?」
「買い物に行っているよ。ついでにエステとか……」
「エステえぇ!?」

 素っ頓狂な声が出た。新羅辰馬の血筋でもあるユスティニア家の血統に、エステほど似合わないというか、不要なものはない。ルーチェだって正月にちょっと顔を合わしたときからして、まだ見た感じ20代の若さである。エステとかどう考えても、必要ない。

「女性はいつだって美しくありたいものだからね。だが、そのせいで二人の時間がなかなかとれず……ルーチェさんの自由を奪いたくはないが、さりとて二人の時間も失いたくない。わたしはどうすればいいのか……」
「いや……おれに言われても知らんが……」

 瀬名の政教育をおねがいしたい所だったが、魔王殺しの勇者のひとり、十六夜蓮純はまさかのグロッキー状態でとても人に教えを垂れられる状態になかった。

「まあ、元気出せ。つーことで、仕事は?」
「あぁ、うん。いくつかあるよ……少し、待ってくれ」

 フラフラした足取りで、奥の資料室に入っていく蓮純。なんらかの精神疾患を抱えた人間に特有のふらつき具合であり、見ていて実に危なっかしい。十六夜蓮純という男は愛妻が過ぎて、ルーチェがいないと馬鹿みたいにぽんこつだった。

「あの、新羅さん? 蓮っさんてあんな人でしたっけ?」
「言うな。おれも叔父貴の悪口を言いたくない」
「そんなことより。とりあえず、ジュースくらい出ないんですか、この店は?」
「出ねーよ。水ならそこに水道がある。テキトーに飲め」
「水道水なんか飲めると思うんですか? ボクは最低でも蒸留させた水でないと……」
「だからさー、そーいう特権意識捨てろって」
「特権帰属が特権意識を放棄すること自体問題でしょう!」
「開き直んな!」
「そこの太いの。外で氷菓でも買ってきて下さい。ボクのぶんと、雫さんのぶん。おつりはあげます」

 200弊硬貨(2000円札相当)を放られた出水は「はっ、了解でゴザル!」とプライドのかけらもなく、喜んで買い物に出かけた。太いの、とか言われて平気なんかお前はといいたいが、本人が気にしていないのでなんとも言えない。

「……待たせました。それで、今日依頼したい仕事ですが……」

 蓮純がいくつかのファイルをかかえて戻ってくる。その悪役めいてはいるが端麗な美貌は妻という飼い主に捨てられた飼い犬のようであり、悲愴で見るに堪えない。誰がといって辰馬にとってこの叔父は世界で一番尊敬する人間のひとりであり、こんな憔悴したサマを見たくなかった。

「ん……邪教密儀《じゃきょうみつぎ》組織の根絶、か。うし、これにする」
「結構な危険度だが……まあ、ヒノミヤの神月五十六を倒した辰馬くんなら大丈夫か……。とはいえ、今回相手は基本的に普通の人間だ、倒せるかい?」
「まあ、たぶん? 大丈夫じゃねーかな……うん」

 相手が人間となると途端に鋭鋒が鈍る……というか人間相手に戦うとその心の醜さに触れて気分が悪くなる辰馬だが、これ以上叔父を心配もさせられん。とにかくファイルをとって花押《かおう》(サイン)を記し、依頼を受ける。


・・
・・・

「あれ、辰馬?」
「ありゃ、おばさん」

 蓮華堂を出たところで、ルーチェに出くわした。なにやらチャラけた感じの雰囲気悪い男二人と一緒なのがそこはかとなくいやな感じだったが、まずそのことを責めるのもなんだ。

「蓮っさんが泣いてるから。さっさと帰ってやんな」
「わかってるわよー。あの人ほんとに、あたしがいないと駄目よね~♪ それじゃ、志村さん、鮭延さん?」
「……はい、どうもです、奥さん♪ それではまた?」

 イラッ、ときた。亭主がほとんど鬱になるほど悲しんでいるときに、この叔母はなにやってんだという気になる。

「おいおばさん、そいつらは?」
「えー? 蓮純から聞いてない? エステティックサロンのスタッフさん」
「知るかよ! あんたなにやってんだばかたれ!」
「? なに怒ってるのよ、辰馬」
「なんもかんもアンタ……今蓮っさんが……!」
「あのひとはちゃーんとわかってくれてるの。辰馬がどうこう言う必要ないわ」

 本当かよと頭が痛くなる。しかし話が成立するような状態でもなく、辰馬としては諦めるほかない。とりあえず浮気だけはしてないで欲しいもんだと思いつつ、叔母と別れてクエスト資料に目を通す。

「ふむ……密儀が行われてるのは間違いないとして、場所やらメンバーは謎、と。磐座、頼めるか?」
「別にいいですけど。わたしを都合のいい情報収集機とでも思ってません?」
「……あとでなんかおごる」
「では、水籠庵《すいろうあん》のあんみつで」

 いきなり高級品の要求が来た。水籠庵はアカツキ、ヒノミヤの境、山道の入り口にあるアカツキ屈指の名店で、創業200年、お値段の方も歴史に比例して高い。

「まあ、いーや。頼んだ」
「はい。では」

 穣は口訣を呟き、「見る目聞く耳」を発動させる。毎日祝詞を上げているおかげで、彼女らに神讃という手順は不要。すぐさま周囲半径40キロメートルの全ての情報が穣の脳内にダイレクトに飛び込み、常人なら発狂もののこの情報を穣はすべて完璧により分け、選別し、優先順位をつけて整理し一つのデータベースとして完成させる。ヒノミヤの天才軍師としての能力は未だ、いっさいの衰えを知らなかった。

「だいたい、わかりましたが……どうもルーチェさん? 彼女、騙されているようですね」
「あぁー……やっぱか。それで、あの馬鹿叔母と密儀団が繋がってるって?」
「はい。間違いなく……。あぁ、それとまだ肉体関係には及んでいないようです。そこはご安心を」
「……ん、安心した」

 本当に、安心した。もし不義密通なんてことがあったら、蓮純が自殺する。

「そんじゃ、叔父さんと、ついでにおばさんのためにも。クソの密儀団をつぶしに行くとすっか!」

 辰馬はそう言って気勢を上げる。一同いつものように辰馬のカリスマに引っ張られる形で一緒に声を上げたが、一人だけ、覇城瀬名は冷めた表情で彼らを眺めていた。

………………
以上でした、それでは!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

遠蛮亭 2023/06/17 17:26

23-06-17.FANZAさんでも「日輪宮」販売開始しました!

本日16時から、FANZAさんでも「日輪宮」の販売が開始されました! 

【黒き翼の大天使~日輪宮の齋姫】

https://www.dmm.co.jp/dc/doujin/-/detail/=/cid=d_277954/

DLsiteさんに比べ500円とお安くなっておりますので、よろしければぜひ!

ついでに攻略記事みたいなのを書いておくと、瑞穂さんには大火炎陣、火炎砲と抗火炎陣、火炎砲を持たせる。愚者の嘘1と2両方取る。これで開幕砲撃が発動、それによって奇策スキル極光流星乱舞が(瑞穂さんがリーダーでないと使えませんが)使用可能となるので毎ターン発動させる、これだけでだいぶ安定します。火炎陣、火炎砲の威力を伸ばすために取れるなら次元斬撃、カブト割。

歌恋は専守防衛と必殺耐性、反撃倍加を持たせて自陣左上に置けば遠隔攻撃以外の攻撃をすべて処理してくれます。矢沢老はカブト割、必殺増加、致命必殺に十字攻撃と集約攻撃を持たせると単体攻撃力がえらいことになるので序盤は頼れるアタッカーになります。中盤以降イベイド持ちの敵になかなか当たらなくなりますが。

晦日さんは矢沢の上位互換。範囲攻撃が全域なので集約は持たせず広範囲を殴らせた方が強いです。側面攻撃も保有しているのでイベイド持ちの敵にもダメージを走らせることが可能。

みのりんは瑞穂さんの上位。とにかく愚者の嘘2と3あわせて5の威力が強烈で、これを持たせることで敵のスキル構成は半壊します。みのりんが仲間になったら瑞穂さんは愚者の嘘を外して攻撃スキルを盛ること推奨。

・娼館イベントは幼児、青年、中年、老人の4種。瑞穂さんの経験により3段階ずつあります。

以上でした、それでは!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

遠蛮亭 2023/06/16 06:26

23-06-16.くろてん再掲2幕2章5話+FANZAさんで「日輪宮」販売申請しました!

おはようございます!

【黒き翼の大天使~日輪宮の齋姫】

https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ01064650.html

よろしくお願いします!

さておき、昨日は体調悪くてほとんど1日中寝てました。頑張ってゲーム制作する予定だったのですが起きていられず……。夕方の5時に寝て起きたのが3時です。

そして起きましたらFANZAさんから「日輪宮」をウチでも販売しませんか、という申し出。凌○激しかったりスカトロありだったりでFANZAさんでの販売は手控えしていたのですが、申し出があったとなれば渡りに船、ということで今朝販売登録申請させていただきました。DLsiteさんでは900円でしたが、反省してこちらでは500円。

起きてる時間がほとんどなかったのでほかに昨日やったことはありません、とりあえず販路が2つになる、ということは助かるかもしれないです。勿論売れればの話で、今までのFANZAさんでの販売実績を鑑みるに大して売れないかなとも思ってますが。

それでは、今日もくろてん再掲、よろしくお願いいたします!

………………
黒き翼の大天使.2幕2章5話.お嫁さん

「瀬名くんも残念だったねー。まあ、うちのたぁくんに喧嘩売っちゃあいけないわ、うん」

 やたら「たぁくん」ということばを誇らしげに言ってのける雫に、瀬名はタックル。もちろんテイクダウンを狙うわけではなく、腰に抱きつき胸に頭をすりつける。ボロ負けした以上恥も外聞もない、この情けない姿をむしろ存分に利して、雫の気を引く作戦であった。

「こらこらー、そーいうのはちょっと、おねーちゃん困るな~」

 雫は軽くいなして身をもぎ離そうとするも、瀬名は握力に関しては凄まじいものがあり、剣聖・牢城雫といえども一度捕まると簡単には逃れられない。

「雫さん……新羅はひどいんですよ。ボクのような子供を相手に、容赦なく殴打して……あんなにしなくてもいいじゃないですか!」
「んー、でも瀬名くんもたぁくんの腕、折る気満々だったし?」

 雫の目はごまかせない。瀬名が隙あらば辰馬の腕だろうが脚だろうが、捻り伸ばして破砕するつもりだったことは完全に見抜かれている。瀬名は「ち……」と内心、舌打ちしつつ、しかし雫相手である。猫を被ってどうにか甘えようと画策した。

「たぁくんの前で他の子と抱き合ってるとあの子、嫉妬はげしーからねー。瀬名くん、ちょっと離れてね♪」

 脚を軸に、腰を軽く回転。その体裁きだけで、がっちりしがみついていた瀬名が吹き飛ばされる。身体運用の初歩だけでこれだけのことをやるのだから、瀬名や、そして辰馬でさえも雫には到底及ばない。

「さて。これで誤解……つーか誤解でもなかったわけだが……は解けたとして。おれ、帰っていーんかな?」
「いいに決まってるよー。そもそも風紀の専権が酷かっただけで、たぁくんホントなら悪くないし」
「いや、悪いだろ……まああれだな、しばらく病院に見舞いに行くか……」
「そんな必要ないと思うけどなー。あの子たち絶対、反省してないよ?」
「それでもだ」

 決然とそう言う辰馬の赤目には確然たる意思の光がある。これは梃子でも動かない。

「んじゃ、あたしもついて行くわ。まあ一応、護衛として?」
「いらんと思うが……まぁ、頼む」


・・
・・・

 そして、それから約1週間、辰馬は連日、病院の学友たちを訪ねた。大概の相手は恐怖に怯えて卑屈に詫びの言葉を入れるのだが、困るのは家族が同道している場合だ。父兄のかたがたにとって辰馬は可愛い家族の未来を無残に刈り取ったそれこそ悪魔であり、憎悪と嫌悪の対象。どれだけ酷い言葉を浴びせられたかについては、思い出したくもない。混ざり物とか、所詮悪魔の血とか、新羅って家は確か裏切り者の凌河帝《りょうがてい》の臣下でしたっけね、とかとにかく酷いことをいわれたが、思い出したくない。さすがに泣きたくなったが、隣に雫がいるので虚勢を張って元気ぶる。そんな辰馬を、雫は「よーし、よーし?」と撫でた。

「なんだよ鬱陶しい。やめろや」
「んー。ごめんねー。でも、よしよし?」
「ぁう……だから、子供扱いすんなって……」
「うんうん。たぁくんは子供じゃないよね~。そりゃもういつもベッドで泣かされてるあたしはよくわかってるけど」
「そーゆうことを道ばたで言うな! あと無理矢理乗っかってくるのいつもそっちだからな!」
「ん~、そだっけ?」
「そだっけ、じゃねーわ。なんでおれが鬼畜のベッドやくざみたいな扱いなんだよ」
「まぁ、ノってくるとたぁくん、こっちが許してっていってもやめないし」
「あー! あぁぁぁぁぁぁぁぁぁー! うるせー! 聞こえねえ!」
「うんうん。元気になった?」
「……ん、まあ……あんがとさん」

 やりようはともかく、慰めてくれた姉に辰馬はしおらしく感謝の言葉を述べる。雫はそのまま辰馬の頭を抱え込み、平気な顔で太宰の町並みを練り歩いた。恥ずかしいのは辰馬の方だが、雫がまったく恥ずかしがらないというより姉弟仲良しを人に見せたくて仕方ないタイプなので、姉に頭の上がらない弟としてはどうしようもない。

「よし。今日はおねーちゃんが食事作ろう!」
「やめとけ。刀と包丁の区別もつかんよーなしず姉が料理とか、恐ろしすぎる」
「なにいってんの。あたしだってね、こっそり修行してんだよ?」

 まあ実のところ、新羅邸には万能メイド(メイドと呼ぶと本人怒り、あくまで侍従長と呼ぶ必要ありだが)の晦日美咲《つごもり・みさき》がおり、家事って必要? レベルだった雫とか、どんくさくて家事とか危険すぎる瑞穗とか、家事もなにも、わたしお姫様なんだけど、というエーリカとかが最近、こぞって彼女に料理を学んでいることを辰馬は知らない。だがまあたぶん、晦日に聞いてんだろーなー、程度には察するが。

「そんじゃ一応、お願いするか……あんまり無理してヘンなモン作るなよ?」
「あのねぇ、あたしをなんだと思ってんの? 料理なんてコツを掴めば楽勝よ!」
「そーかなー……」

 焼くだけのバーベキューとは訳が違うのだが、そのへん、わかっているのやら。とはいえそこらの店に突っ込んで食材を買い込んでいく手際に関しては、確かに熟練していた。

「なに作んの?」
「肉じゃがと、あと何品がかな。たぁくん肉じゃが好きだもんね?」
「まあ、好きだな」
「…………ふへぇ~?」
「あ?」
「もー一回。もーいっかい『好きだな』って!」
「言うかよばかたれ。あと、好きなのは肉じゃがでしず姉じゃねーから。勘違いしないでくれますか?」
「またまたぁ~」
「またまたー、じゃねーわ。なんでそんな嬉しそうなのアンタ」
「いやー、こーやって二人でお買い物って、新婚さんみたいだなって」
「……アホらし」

 と、小さく呟く辰馬の白面が、やたらと紅いのは夕日の照り返しとは間違いなく違う。

 ……いらんこと想像しちまった、いかんな。

 頭を振って、妄想を振り払う。とりあえず最近読んだ歴史書……「東西戦争顛末史記」の記述を思い出して邪念を払うが、そーいえばご先祖さま(伽耶聖《かや・ひじり》)って敗北して囚われたあと、凌河帝《りょうがてい》を人質にひどい凌○をうけたとか……という件を思い出して全然冷静になれない。ついでに肉親のことで興奮してしまった自分に自己嫌悪。

「お、雫ちゃんとたっちゃん、いよいよ結婚かい!?」

 ずっと昔からなじみの、肉屋の親父がそう冷やかす。

「えへへー、そうなんですよぉ」
「違うわばかたれぇ! おやっさんも、わけわかんねーこと言ってんな!」
「ははは、お似合いじゃないか。式には呼んでくれよー?」
「呼ぶかボケ! 式なんかしねぇ!」
「いや……結婚式とか指輪とか、大事だぜぇ、たっちゃん?」
「だから! なんでおれがしず姉と結婚する前提なんだよ!?」
「そらもう、似合うから?」
「く……」

 そう言われるとそれ以上の反論が出ない。どれだけセッ○ス(一応の伏せ字)を繰り返してもどこまでもウブな辰馬は、まさか結婚がどーこーとか言われると思わずひたすらに狼狽《うろた》え、周章狼狽《しゅうしょうろうばい》した。頭の中は千々に乱れ、四分五裂というか爆裂四散である。

「いかん。知り合いの多い場所は冷やかされていかん。一等市街区に行こう」
「んー、いいけど」

 というわけで普段の2等市街区から、豪壮華麗なる1等市街区へ。普段辰馬たちが足を踏み入れる機会などない上流階級の居住区。道ばたでは冗談抜きで「ごきげんよう」とか「ごめんあそばせ」とかの言葉が飛び交い、口の悪さに定評の辰馬はここに足を踏み入れた瞬間に頭痛を感じた。

「あら、素敵な奥様と綺麗な旦那様。本日はなにをお求めですか?」
「うあああああああああああああああああっ!」

 こちらに来てもやはりというか当然というか、ナチュラルにそう言われて、辰馬は頭の皮と頭蓋をひっぺがして脳を掻きむしりたいほどの居心地の悪さに見舞われる。対するに雫はもうホントにこにこだが。

「へへー、やっぱり夫婦に見えちゃいます~? まいったなぁー、やはは」
「まいってんなしず姉。さっさと済ませてさっさと帰るぞ。こんなとこ長居してたらおれのアイデンティティにかかわる……」


・・
・・・

 そして買い物も無事、済ませて新羅邸。三大公家の一、小日向ゆか様の居住地として、学生寮隣にむやみやたらに大きく造営された大屋敷に、辰馬たちは帰宅する。

「よっし。それじゃ早速、お料理と行きますか!」
「ホント大丈夫か? 肉じゃがくらいならおれが手伝うけど……」
「お黙りなさい!」
「ぉう?」
「台所は女の戦場! 男が土足で入ることまかり成らん!」
「ぅ、うん、そーか……んじゃ、ゆかと遊んでるわ」
「うん。出来たらすぐに呼ぶからねー?」

 そしてだいたい1時間と少し。
 雫が振る舞った料理は素晴らしい味だったのだが、惜しむらくは素晴らしすぎて雫の手でないことが簡単にばれた。

「あのさ……しず姉? 怒らないから正直に言えな? これ、晦日にやってもらってるよな?」
「……う、一人で完璧に作れる筈だったんだよ? 途中までは大丈夫だったし……」
「あー、調子に乗ってやらかしたパターンか……まあ、別に責めるつもりないし。うん、嘘ついたのはよくないけど、まあいいじゃねーかな」
「うええ~ん、たぁくんごめんなさいぃっ! こんなんじゃお嫁さんになれないぃ~っ!」

「お嫁さん」の一言にズギャン、と反応する新羅邸女性陣。それはもう、全員がそのポジションを狙っているといって過言でなく、瑞穗もエーリカもサティアも文も穣も、夕食の味なと忘れて目を見開いた。

 ちなみに美咲とゆかは何処吹く風で主従仲良く、平然と食事を続けるが。

 その晩、辰馬は雫と瑞穗とエーリカの強襲をうけ、いつもの倍以上の激しい逆レに疲労困憊させられることなった。ちなみにサティアと文、穣は部屋の入り口まで来て鉢合わせし、何食わぬ顔で戻っていったが、鉢合わせしなかったら辰馬はさらなる苦難を味わうことなったかも知れない。

「あー、今日も朝日が黄色いわ」

 翌朝、朝の運動で表に出た辰馬は、思わずそんなことを口走るのだった。

………………

以上でした、それでは!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

遠蛮亭 2023/06/13 06:52

23-06-13.くろてん再掲2幕2章2話

おはようございます!

【黒き翼の大天使~日輪宮の齋姫】

https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ01064650.html

宜しくお願いいたします!

昨日はあまりゲーム制作進みませんでした。シナリオ部分はほとんど手付かず、スキルとステートをいくつか追加して調整という程度。瑞穂さんとか重要キャラ以外のスキルは5つとか6つとかその程度しかないんですが、それくらいを作るのがなかなかに大変です。夕食摂って6時半には寝てしまったので作業が進まなかったのでした。今日はその分頑張ります。

それでは、今日もくろてん再掲。こちらもよろしくお願いいたします!

………………
黒き翼の大天使.2幕2章2話.暴力事件

 駆け足で2月から3月が過ぎ、4月。爽やかな薫風《くんぷう》が暖かく、冬の極寒でささくれがちだった人の心も浮き立つ日和《ひより》。3月の末頃から世の大人たちは花見と称しての酒盛り大会を敢行し、そういうのが大好きというか生きがいである祖父に引きずられて無理矢理強○参加させられる辰馬《たつま》は、案の定というか日常レベルにおける脆弱を存分に発揮、酒の臭いにあてられてとりあえず美少年のくせにゲロを吐くという絵面を晒したが、まあそれはさておき桜もたいがい散って、4月になった。

 神楽坂瑞穗《かぐらざか・みずほ》は当然というかあたりまえのように昇級試験に合格、新学期から二年生ではなく、三年生となる。過去に飛び級制度が存在したころにも存在しなかったほどの、完璧な正解率をたたき出したらしい。瑞穗のもとからの聡明もあるが、恐るべきは乙女の盲愛。

「でもクラスは一緒じゃないんですよねー……はぁ……せっかく同じ学年になれたのに……」
「まーなぁ、おれらは基本、劣等生だし。瑞穗は最優秀クラスのA組だし」
「辰馬さまが劣等生なはずないじゃないですか!」

 そう言ってくれるのは嬉しいが、辰馬は劣等生である。地頭は非常にいいとして、史学以外の学問に身を入れないため総合での成績が落ちているのは間違いない。それでも穣《みのり》に獲られるまで学年トップを守れていたのは、実技……つまりクエストの成功率でごまかしていたに過ぎない。


・・
・・・

 学食にて。4月9日の時点でまだ、本格授業は始まっていないのだが。それでも美味くて量の多いメシを求めて学生は大挙してここに押し寄せる。それを捌いてのける学食のおばちゃんたちの手並みが神がかっているわけだが、まあおばちゃんの凄腕ははっきりいって死ぬほどどうでもいい。

「あんたさー、辰馬に依存しすぎ。そんなにべたべたしたいわけ?」

 今日も芋ジャージ姿で思いで深い素うどんを食すエーリカが、西洋人とは思えない箸使いを見せてちゅるりと面をすすりつつ、箸先を瑞穗につきつけ半眼で睨めつける。口にしないものの、やはりそこには嫉妬という感情が渦巻いていた。お姫様でありながらメンタルが一番「普通の少女」に近いエーリカは、瑞穗や雫のようにたぁくん好き好き~と堂々言うことが出来ないので正直、うらやましい。

 まーね、わたしだって辰馬が好きなことでは負けてないんだけど。「護る」力に欠けては人に負けないし、必要とされてないなんて事ない……筈、よね?

 少々自信なく尻すぼみになるあたりが、エーリカの心の弱いところ。そんなあたりにまったく気づかずに、瑞穗は元気よく頷いてのけた。

「当然です! わたしはいつだって辰馬さまと一緒に居たいし、なんだって辰馬さまと一緒に経験したいんです!」
「あー……そう……」

 恥ずかしげなんかかけらもナシでそう宣う瑞穗。ヒノミヤで純粋培養されてきた瑞穗にとって、羞恥心というものはあまりない。男に裸を見られれば本能的羞恥を感じるのは当然として、そこがなぜ恥ずかしかったりするのかはよくわからないとか、そのレベルなのである。神月五十六一派による凌○で男というものへの恐怖感と忌避感を植え付けられはしたが、辰馬はそういう相手ではない(特に瑞穗にとって重要なことに、「男に見えない」という容姿的に)。そういうわけで大好きな辰馬に対しての瑞穗は、全力投球ストレート剛速球での一本勝負である。本当に、ヒノミヤ事変期のころとは性格が別人。

 そんなわけでエーリカとしては頭を抱える。辰馬が瑞穗を愛でることに関しては可哀想な出自への憐憫であろうと思って最終的には敵ではないと思っていた……その割りに、三人で辰馬を襲った最初の夜、瑞穗にサキュバスコスとかさせて辱めを与えたりもしたが……エーリカだが、この容姿に積極性が加わると雫に劣らない強力ライバルだ。自分に絶対的な武器がないことを自覚しているエーリカとしては、瑞穗の献身性や雫の包容力がうらやましい……というかはっきり言うなら妬ましい。許されるものなら瑞穗や雫を物理的に抹殺したいくらいだが、さすがにそれを実行するほど彼女は人間として終わっていない。かわりに、とりあえずイラついたので、学食のテーブル状にだぷん、とこれ見よがしなバカでかい柔肉をぎゅーと摘まんだ。

「ひぅ!? え、エーリカさま、痛いですよ?」
「うっさいなー。そりゃ、こんな武器があればねー……あたしだって97あるんだけど、コレと比べちゃあなー……この卑怯者!」
「へ? えぇ? な、なにがですか? いくら盾の乙女さまでも、今のは名誉毀損ですよ?」
「なに? めーよきそんとか、わたしと法知識で張り合えるつもり? 普通の勉強と軍学に関してはともかく、政経と法曹学に関してはわたしの独壇場なんだけど」

 挑発的に片眉つりあげ、ぐにぐにと瑞穗の柔乳を揉み……というよりつねり上げるエーリカ。なんのかんのでお姫様、今は貧乏暮らしに甘んじているが、もともと欲しいものが手に入らないなんて事はなく。そのせいで辰馬は絶対に自分のモノだという思い込みがあり。その邪魔者である瑞穗や雫への感情が理不尽なほどに黒いものとして噴き出していた。普段のエーリカはそのへんをうまく自分の中で昇華させて嫉妬心を隠しておけたのだが、なぜか今日に限って、であった。

 その極上に綺麗なさらさらの金髪を、誰かが後ろから遠慮なくすぱーんとはたく。

「ったいなぁ~! 誰よ!」
「おれだよ馬鹿。なにやってんだこんなとこでチチモミとか」
「んー……とりあえずデカすぎてムカつくから?」
「理由にならんわ。あとお前のも大概デカいからな」
「え? そう? そっかぁ~、えへへ……」
「褒めてねーわ、ばかたれ。にやけんな」
「え? でもたつま、おっきいの好きだよね?」
「なんか、その質問にどー答えればおれの人格は守られるんだ……?」

 冷や汗滝汗脂汗の辰馬。そこに

「なんのお話ですか?」

 そう、やってきたのは貧乳世界代表、晦日美咲《つごもり・みさき》。どんなに反らせようがまったく全然、これっぽっちも膨らみを見せない胸板を惜しげもなく晒し、とりあえず学食三大名物のひとつ、鯖の味噌煮定食をトレーに抱えた美咲は、きょとんとした顔でこちらを見る。

「なんでもない」

 不自然に目をそらす辰馬。「?」首を傾げる美咲。

「ちょうどいいわ、美咲も聞いときなさい。辰馬が巨乳と貧乳、どっちが好きか」
「だから! やめろやそーいうの!」

 辰馬はわたわたと腕を振ってエーリカの言葉をなんとかかき消そうとするが、無駄すぎる。そして、特別辰馬のことは別段全然なんとも思っていない美咲が、ギラリとツリ目がちの赤紫な相貌を光らせた。

「へぇ……ところで、巨乳好きの男性と巨乳の女性は頭が悪いという統計がありますが」

 ものすごいハードパンチが飛んできた。辰馬はその言葉の恐怖にふるえあがり、エーリカは瞬時に頭を沸騰させてがたんと椅子から立ち上がり、そもそも「巨乳」の意味がわからない巨乳さん、瑞穗は「?」という顔で首を傾げる。

「美咲。あんた、喧嘩売ってる?」
「いえ、そんなつもりは毛頭。わたしは俗説のひとつを提示したまでです」

 エーリカは美咲の前に立って、ほとんど襟首を掴まんばかりの勢い。対する美咲はどこまでも涼しい顔で、しかし貧乳の威信を賭けた強い瞳でエーリカを見つめ返す。

「喧嘩とかやめとけよー。女同士の殴りあいとか、見苦しーことこのうえないんだから」
「わたしにその意思はありませんが……エーリカ王女の態度次第ですね」
「ふん、まあ、持たざるものがなにほざいたところでね……結局は大きい方が勝つのよ」
「それはどうでしょう?」
「だから殺気立つなって……」
「黙って(黙ってください)」
「……えぇ……そんなムキになるこっちゃねーだろ、胸のサイズなんか……」

 ざわ!

 辰馬が不用意に言うなり、周囲の男たちの視線が殺気を帯びる。それはもう、普通に息してるだけで美少女が寄ってくるなんてまず、辰馬ぐらいしかいないのである。それが生意気にも日和ったことをほざいたとなれば、「殺すぞ?」という集団意識が簡単に形成されるのだった。

「オレは晦日さん派!」
「俺はヴェスローディアさま! やっばお姫様だし!」

 騒動に発展する。辰馬は瑞穗の手をひいてこっそり逃げようとしたが、辰馬の卓越した運動神経をもってしても瑞穗の運痴ぶりは覆せない。よたよた~、のろのろ~とした動きはもうホントどーしようというレベルで動きを邪魔し、「おい、こいつ逃げようとしてるぞ!」と、見つけられてしまう。

「あーもう! つーかそもそも、おめぇらは関係ねーだろぉが! しばくぞ!」
「ふ、フン……暴力を振るってみろよ、牢城先生が泣くぞ?」
「あ? なに……」

 あ、そーいえば……右の頬を打たれたら、左の頬を差し出しなさい……とかなんとか。

 そう思った瞬間、辰馬の威勢が急速に萎《しぼ》んだ。そして暴徒化した男子たちは、「あの」新羅辰馬をブチのめせる大チャンスに猛然と湧く。欣喜雀躍《きんきじゃくやく》とはまさしくこのこと。

「ぅ……らぁ!」
「……っ」

 どきゃっ!

 いつも自分のことを頼ってくる男子連中が、まさか本当に殴ってくるとは思わなかったが。かなり遠慮なく殴られた。まあ蒼月館の学生だけに素人のテレフォンパンチだったり、肩や腰の回転が乗っていない腕だけのパンチだったりすることはないが、とはいえ辰馬も辰馬でダメージをうまく逃がしている。派手な音はしたものの、とりあえず大して痛くはない。痛いのは心のほうで、人間というものがどけだけ身勝手で自分の都合だけで行動するか、それを見せつけられた気分に吐き気がした。

「へ、へへ……どーだぁ新羅ぃっ! へへ、そのかわいー顔、二度と見れないくらいボッコボコにしてやるよ、ひゃはは、泣いて謝れ!」
「ちょ、あなた、辰馬さまになにするんですか!? やめてくださいっ!」
「うへ……うるせーよ、てめぇもメチャクチャにしてやるぁ! そんなデカい乳で誘うみたいに歩いてんのが悪いんですよぉ~、姫様ァ!」

 ぶちりと。
 辰馬の中でふっとい筋がブチ切れる。
 頭の中が沸騰して、真っ白に染まった。いかんいかん、駄目だやめろという声と、こんな奴らやっちまえよという声がせめぎ合い、一瞬で後者が前者を駆逐する。

……

…………

………………

 時間にして数十秒。それが辰馬が意識を手放していた時間。
 その時間で、辰馬はあたりにいた男子生徒全員を、ほぼ無差別に血祭りに上げた。手加減など一切なく、顔面を殴られた相手はほとんど頭蓋骨を陥没させる勢いで顔をひしゃげさせ、血まみれになっているし、腹を蹴られた相手はおそらく、内蔵を破裂させてしまっている。腕や足が不自然な方向に曲がっているものも一人や二人でなく、一人たりと呻吟《しんぎん》の声を上げる余力もなく完膚なきまでにたたきのめされていた。そこかしこ血しぶきと折れた歯が凄惨に飛び散り、動くものはない。あれだけエキサイトしていたエーリカと美咲でさえ、ここしばらくのつきあいで辰馬が初めて見せた容赦のなさ過ぎる暴力性に青ざめて震え上がり、反目することを忘れる。そして真っ先に回復した学食のおばちゃんが、ぎゃーーーーーーーーーーーー! と金切り声を上げた。

 そして瑞穗にしがみつかれながらようやく、正気に戻った辰馬は食堂を満たす惨状と血臭に自分のやってしまったことを思い出し、膝を突いて盛大に吐瀉《としゃ》する。

 誰ひとり辰馬を慰める言葉を持たない。辰馬は涙とゲロに美貌を汚しながら、ひたすら自責の言葉を呟き続けた。

 そこにかけつける学生会の林崎夕姫と、風紀教諭と、風紀教諭の補佐でまだ三年目の新任体育教諭……つまり雫。

「たぁくん……これ……」
「あー……やっぱおれ、魔王かもしれん……どーしようもねーわ、最低だ……」

 かくて新羅辰馬は、新学期早々、学園に拘留されることになった。

………………

以上でした、それでは!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

遠蛮亭 2023/06/12 08:04

23-06-12.くろてん再掲2幕2章1話+お絵かき(源初音)

おはようございます!

まずこれ。
【黒き翼の大天使~日輪宮の齋姫】

https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ01064650.html

宜しくお願いいたします!

で、今朝のお絵描き。

今日も初音。一番上がもと絵で2番目がそこにテーブルのっけたもの、一番下が1280×960に調整したものです。珍しく左向き……といっても右向きで描いたものを左右反転させただけですが。ゲーム用とはいえ最近初音ばっかり描いてるので、たまに別キャラも描こうかなーと思います。

それではくろてん再掲、こちらもよろしくお願いいたします!

………………
黒き翼の大天使.2幕2章1話.受験勉強の齋姫

 2月。
 世間的に一番寒い時期であり、この国ではあまり祭りや行事のある時期でもない。はっきりいって薄暗くて陰気な季節であり、超寒がりの神楽坂瑞穗《かぐらざか・みずほ》などはニットセーターにはんてんを羽織ってもこもこに着ぶくれしている今日この頃。

「辰馬さま辰馬さま! 蒼月館で飛び級が認められることになるそうですよ?」

 蒼月館のわたり廊下にて。制服の上からセーターを2枚重ね着した瑞穗が、なにやら妙に嬉しそうにはしゃぎながらそう言った。こいつってもともとはこーやって明るく振る舞えるやつだったんだなー、と、もう何度も繰り返しの感慨をおぼえつつ、辰馬はうんうんと頷く。

 にしても、目立つわなぁ……。

 瑞穗は超がつくほどの有名人だ。なにせアカツキにおける半独立国家だったヒノミヤの斎姫。その盛名と権威は皇帝そのひとにも匹敵するし、当然顔も売れている。辰馬の知り合いで有名人と言えば剣聖・牢城雫《ろうじょう・しずく》だったわけだが、この半年でそのあたりは大きく塗り替えられた。ともかくそういうわけで瑞穗は目立つ。顔と名前が子供からおばーちゃんまでのレベルで知れているうえ、性格もよくて胸が121㎝の弩級サイズ。これはもうわたし目立ちますからよろしく、と宣言しているに等しい。

 そしてまあ、瑞穗が間違いなく一番近しく交遊する辰馬に、やっかみの視線が最近、ぶつかってくることがまあ少なくない。11月に父・相模との告別を済ませて吹っ切れた瑞穗は気性からして明るく元気で人当たりのいい、本当に理想的な「嫁にしたい」タイプの少女であり、さらにそこはかとなくいぢめてオーラを放つ魔性。それ以前の影のあるおとなしい娘だった瑞穗には手控えしていた連中がもう、「これは俺たちにもチャンスあるんじゃ?」と勘違いして瑞穗に突撃することも増えているのである。辰馬は沈魚落雁《ちんぎょらくがん》……以下略の美少年とはいえ所詮は男。男の劣情が向く対象ではない……上杉慎太郎というよくわからん例外もいるが……のでやはり「邪魔」と断ぜられる。で、瑞穗が辰馬に好意的に振る舞ってそのかわいさが際立てば際立つほど、辰馬を睨む男どもの視線が痛いこと痛いこと。

 まあ、そーいうのはしず姉で慣れてんだけど。

「んで、飛び級がどーしたよ?」
「飛び級! つまり、わたしが昇級すれば辰馬さまと一緒の学年になれるんですよ! これってすごくすごく、素敵なことじゃないですか!?」

 つまりはそういうことで、あくまでも瑞穗の思考は辰馬を中心に回っている。これを理解すればどう逆立ちしてもちょっかいの出しようなどないとわかりそうなものだが、世の少年たちは神楽坂瑞穗という少女を諦めきれないあまりに新羅辰馬が神楽坂瑞穗を騙して洗脳して誑かしていいように自分に従わせている、とかそんなふうな風評を立てる。実に迷惑な風評被害だった。

「でもさ、確か飛び級ってすげー難しいはずだぞ。昔は飛び級制度があったのに挑戦者全員落選するから結局、この制度自体廃止になったとかだし」
「大丈夫です、勉強なら大の得意ですから! いざとなれば2年には天才の磐座さんもいますし!」
「あぁ……」

 ほとんどバケモノじみた乳肉をえいやっとばかり反り返らせて胸を張る瑞穗に、辰馬はそーいえば、と思い出す。神楽坂瑞穗という少女は転入早々に1年主席の月護孔雀《つきもり・くじゃく》を追い落としてトップをかっさらった才媛だった。あまり積極的に勉強しているところをみない……というかだいたい、普段は晦日美咲《つごもり・みさき》と一緒に辰馬の正妻(9才)、小日向《こひなた》ゆかの遊び相手をやっているのだが、いつ勉強しているのやら。

 そう聞くと瑞穗はほへ? という顔をして

「授業を聞けばわかるものじゃないんですか? え? あれ、わたし、変なことを言いました?」
「……いや、いい。うん……天才かよ……」

 ちょっとだけ妬ましさを覚える辰馬だった。瑞穗のレベルともなると予習復習は必要ないらしい。もともとの素養としてヒノミヤの指導者になるべく高い水準での教養を叩き込まれているのもあって、蒼月館という、この国の高等学府のなかでもかなりレベルの高い学校の勉強でも瑞穗には全然足りないらしい。

「それにしても、なんでいきなり飛び級制度の復活とか……ほかにやることあんだろーに……」
「いいじゃないですか! わたし、頑張って昇級します!」
「あー、うん。頑張れ」

 と、瑞穗がへたくそスキップ(ステップすると足が絡む)しながらウキウキと去って行くと、待っていたとばかり3人ばかりの男子が辰馬を囲む。辰馬はふはぁ~~~っ……と深い深いため息をついた。

「新羅。あまり姫さまになれなれしくしないで貰おうか」
「勇者の息子だかなんだかしらねーけどな、お前、魔族の混ざり物だろうが!」
「神聖にして不可侵の姫さまに相応しくないんだよ!」

 久しぶりに「混ざり物」と言われて辰馬の柳眉がぴくりと跳ねる。しかしそこはまあ、これまで数多の修羅場をくぐって精神修養もおそらくたぶんなんとはなしにやってきた辰馬。内心でぶち殺すぞテメェ、と怒鳴りつけつつも、表面では穏やかに流す。

「あー、そうだな。気ぃつけるわ」
「おお。それでいいんだよ……ヘラヘラしやがって、顔が女じゃなかったら張り倒してやっ……ぶぁ!?」

 気ぃつけるわ、そう言った次の瞬間、相手の放った不用心な一言にブチ切れた辰馬は、遠慮なしにそいつ(辰馬を「混ざり物」と呼んだやつ)のアゴ下に掌底を打ち上げた。

「やっぱだめだ。聖人ぶるとか無理。おまえら、喧嘩売るなら買ってやんぞ。久しぶりに新羅江南流の冴えってモンを見せちゃるわ」
「ひ……! こ、この野蛮人!」
「だから魔族混ざりは! 力がすべてだと思いやがって!」
「だいたい男のくせに盈力《えいりょく》とかワケのわからん力使いやがって、男なら男らしくもっとひっそり弱々しく物陰で縮こまってろよ!」
「だから! その男=弱者思想やめろやみっともねぇ!」

 イラついた辰馬がドン、と前足を踏み込む。それにビクリと身をすくませる、三人の男たち。実に情けないが、アルティミシアの男というのは一般にこういうものだ。男性より女性の用が圧倒的に霊的素養に恵まれているせいで女尊男卑だし、そんななかで自分達のありようをしっかと確立している男は少ない。これまで朝比奈大輔《あさひな・だいすけ》、上杉慎太郎《うえすぎ・しんたろう》、出水秀規《いずみ・ひでのり》といった「自分に自信のある」男子が辰馬の周囲にはいたためにこのあたりの実情を表現する機会がなかったが、この世界において大概の男子は女子の前で卑屈である。

 だからまあ、辰馬としてもそんな連中の相手をまともにやりたくはないわけだが。向こうも向こうで「自分に絶大な自信がある」辰馬を目の敵にしているから困る。そのくせ難事《なんじ》があると結局は辰馬を頼り、リーダーとか大将と祭りあげて矢面に立たせるのだから、本当にどうにかしてほしいが。

 三人はしばし逡巡したが、ついに新羅辰馬という大物狩り《ジャイアントキリング》に挑戦する踏ん切りをつけたらしい。それぞれにもごもごと詠唱を始める。

 もちろん、彼らは神とのバイパスをつなぐことなど出来ない。一般人レベルが接続できるのは地・水・火・風の下級精霊か、よはど才能に恵まれているとして上位精霊《エーテル》ぐらいまでであり、そんな自然界に普通に偏在する力をどれだけかきあつめたところで新羅辰馬という存在に毛ほどの傷をつけることも出来ない。見た目に同じでも神焔《しんえん》とか魔風《まふう》といった上位の力と、精霊術に過ぎない人理魔術のそれとでは隔絶の差がある。世の中にはその下級の精霊力を極限まで研ぎ澄ませて辰馬すら殺しうる「天壌無窮《てんじょうむきゅう》」の極地まで達した人間……辰馬の祖父である牛雄《うしお》がそうである……もいるが、まず学生がそんな突き抜けた境地に達することはないから、有り体に言って辰馬としては弱いものいじめをやっている気分になる。

 まあ、なぁ。一応正当防衛だし……。

 と、特別神讃《しんさん》を言祝ぐまでもなく無詠唱で軽く力を放つ……その寸前で、腕を掴んでひねられた。

「こーら。弱いモノ虐めはだめだぞ、たぁくん♪」

 牢城雫《ろうじょう・しずく》は一応武術の達人でもある辰馬の腕を簡単にひねりあげ、筋や骨はいっさい傷つけることなく痛みだけを与えてくる。それをニコニコと笑いながらやるからこのお姉ちゃんは恐ろしい。

「しず姉……難癖つけてきたのこいつらなんだけど?」
「右の頬を打たれたら、左の頬を差し出しなさい、ってね。なんかすっごい昔の聖者さまの言葉。だからまぁ、たぁくんもすぐ殴り合いで解決するんじゃなくて、お話でわかりあう努力をするといーよ」
「わかりあう……いや、無理」

 根本のところで主義も思想も違いすぎる。どう頑張ってもわかり合える未来が見えないし、そもそもこんな連中とわかり合いたくもない。

 そして。辰馬と雫が仲むつまじく話し込んでいるのを見て、また三人ががやがやと不穏な気配を醸し出す。なにやら「姫さまがいるのに牢城先生まで」とか、他にも「ヴェスローディアのあの貧乏姫もそうらしい」とか、「最近ほかにも……」とか、まあ実のところ全部事実なので反論に困るところではあるが。きわめつけで「本命は9才の子供らしいぞ」とか言われると怒りより先に首を吊りたくなる。

「だからどーだよ、うるせーわお前ら」
「ひ、開き直るなこの淫魔! やっぱりお前は悪魔の……」

「きみたち」

 そこで雫の大きくくりっとした瞳が、す、と細められる。

 それだけで場の空気が数度下がった、そう錯覚するほどの迫力。牢城雫という少女……成人規定年齢が14才のこの世界で23才はかなりの行き遅れだが、雫の場合ハーフ・アールヴという出自ゆえに学生たちよりさらに幼く見えるくらいだからまあ、とりあえず少女と言って問題あるまい……は自分のことをどんなに馬鹿にされても平気だが、愛する弟分が心底傷つく言葉を投げかけられて黙っていられるような性格ではない。いつもの可愛い「雫ちゃん先生」が見せるド迫力に、三人の不貞学生は恐怖に震え、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

「ふー。やれやれ、あーいうの困るよな……って、しず姉?」
「うん……ごめんねー、まさかあーいうこと言う子がいるなんて……なんか最近、たぁくんみんなから嫌われてる?」
「いや……まあ……んー、大丈夫だろ、たぶん」

 そう虚勢を張る辰馬の頭を、雫はぐいと腕を伸ばして抱きすくめる。男にしては小柄と言っても、164㎝の辰馬と144㎝の雫では20㎝の高低差があるのだが、そんなもん知らんとばかり魔術的手際で辰馬の頭は雫の胸元に抱え込まれてしまっていた。

「おねーちゃんの前で意地張らなくていーし。つらかったら言うんだよー、たぁくん? おねーちゃんがピンチの時にたぁくんが助けてくれるのと同じで、たぁくんがつらいときは絶対、なにがあってもあたしが助けてあげるから」
「あー……うん。あんがと、しず姉」

 なんか、ちょっと涙腺にきた、とは言わない。そういうのは惰弱だと思うので必死に隠すのが新羅辰馬という少年のありようだった。


・・
・・・

「磐座さん! 辰馬さまを押し退けて2年の主席を奪った学識を見込んで、お願いがあります!」

 蒼月館敷地内、学生寮前、新羅邸内。

 磐座穣《いわくら・みのり》は学校の勉強などより遙かに重要なヒノミヤの運営方針策定に関して知恵を巡らしていたのだが、そこに瑞穗がやってきた。

「見ての通り、わたしは忙しいんですが。そこのところは貴方もご存じのはず」
「そこをなんとか! わたしはどうしても昇級試験に合格しなくてはならないんです!」
「昇級試験……あぁ、どうせ新羅と一緒に卒業したいとか、貴方らしい幼稚な理由で……」
「そうですが……幼稚、でしょうか? 好きなかたと一緒にいたいというのは?」

 ずいぶん平然と「好き」という言葉を使う。いろいろあって順番が逆になったり前後したりした辰馬と瑞穗の関係だけに、かえって互いへの思いは確固たるものになっているのかも知れない。穣は軽くため息をつくと、ヒノミヤ関連の書類を見やすい形に整頓した。

「わざわざ一から説明はしません。必要があれば瑞穗さんから質問を。わたしは書類仕事を続けていますから、必要なことだけ聞いて理解したらお引き取りを。瑞穗さんの頭脳レベルならいちいちひとつひとつ教えるよりそちらが効率的だと思いますが、どうですか?」
「はい! よろしくお願いします!」

 これが犬なら盛大にしっぽを振っているところなのだろうなと、苦笑しかけて穣は表情を引き締める。ここにいるのはあくまで新羅辰馬監視のため。憎い新羅や新羅の女たちに気を許すわけにいかない……そう、穣は思っているのだが、彼女が辰馬に間違いなく惹かれているのはもう、新羅邸の皆が理解しているところである。そもそも神月五十六との関係は……認めはしないが……洗脳に近いものに過ぎなかったわけで、穣にとって初恋は辰馬だといっても過言ではない。ないのだが、とにかくそのあたりに関して磐座穣は素直でない。

 さておき、ヒノミヤが誇る二大頭脳による勉強会は、3月頭の受験前日まで、連日深夜に及んだ。

 そして運命の受験当日。

 生まれて初めて受験勉強というものを体験した瑞穗の顔色は、披露でやや辛そうに見える。だがやるだけのことはやったという充足感にも満ちていた。

 ひとまず今日のところは春休み中の二年生組に見送られ、瑞穗は新羅邸の門をくぐる。

「それでは、行って参ります!」

 出征の覚悟で、瑞穗は蒼月館試験会場へと向かった。

………………

以上でした、それでは!

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

« 1 2 3 4

月別アーカイブ

記事を検索