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日輪宮の齋王の記事 (21)

遠蛮亭 2022/11/17 13:48

22-11-17.出産プラグイン紹介動画!

こんにちわです!

ようやくいろいろと進み始めましたゲーム制作、それでも3月に間に合うかどうか不明ですが、今日はまず出産システムが形になったのでその紹介動画。

動画では連続出産してますが、実際ゲーム内では出産用アイテム「堕淫の妖種」がそうそう手に入らない(ショップで買うとして1つ20000弊(G))のと瑞穂さんの体力も削れていくので連続出産は無理です。あとモンスターの画像表示座標がもうちょっと中央寄せしたほうがいいとか、台詞のバリエーションも増やすべきかなぁというのがありますが、ひとまずこれで大枠は完成。

次にやるべきことはモンスターの戦力調整。強くなりすぎてはいけないけれど弱すぎるとゲーム的に出産させる旨味がないということで、ある程度強く設定するべきかとも思うところ。段階3までくらいは雑魚でいいですが、そこから上はやはりある程度強力な個体にするべきかもです。

シナリオも、1章は従前どおり使えますが2章から少し変更、晦日さんを2章冒頭から登場させます。SLGシステムのゲームが停止してしまうエラーの原因もわかったことですし、今度こそマップ上での陣取りができるはず。SLG画面と通常シーンを自由自在に往来するやりかたがなかなか難しく、途中でプラグイン投げ出して通常戦闘、という可能性もまだ少しはありますが。そもそも「くろてん」の先行アナザーとして数か月で完成を目指した「日輪宮」で手持ちの全機能を使おうという考えが間違ってるのかもしれません。まだ使い方をマスターしてるわけじゃないですからね。

※BGM素材は「ビタースウィートエンタテインメント」さまの「Samurai Classics Best」、「YuliAudioCraft」さまの「和風音楽素材集」、モンスター画像は「ふわふわにゃんこ」さまの「ダークファンタジーモンスターイラスト素材集」、「はらびょ こねこ」さまの「MonstersFV_Collection」、氏家まさら様の「汎用モンスター素材+無料素材」「ドラゴン素材(5種)」を使わせていただきました。

それでは、以上でした!

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遠蛮亭 2022/11/17 05:55

22-11-17.くろてん3幕4章9話.ArtofWar

おはようございます!

昨日はエネミーグラフィックをひたすら、サイズ変更して顔グラ256×256と166×166に加工してというのをやりました。ツクールデフォ素材の他に「ふわふわにゃんこ」さま、「はらびょ こねこ」さま、「素材屋『氏』」さま、「ミラーイメージ」さま、あとreadmeがないのでクレジットが不詳ですが「ファンタジーキャラクター」さまのグラフィックを使わせていただいています。使わないモンスターのグラフィックは全部、フォルダから削除して80体でさっぱり。邪魔になりますからね。

モンスターの名前どうしようかな…と思うところがあります。オークは并封、スライムは馬服あるいは水虎、というふうに東洋風の名前に置き換えるつもりでいましたが、モンスター80種(瑞穂さんが触手系10種および魔族系10種、美咲が機械系10種、みのりんが獣系10種、寧々さんが鬼系10種、蒼依が水棲10種、那琴が不死系10種、櫻香が竜系10種)全部東洋系の名前にするのは大変でして。幸い、くろてん及び日輪宮の世界観は文明開化後なので西洋のモンスター名を使っても違和感はないのですよねと。無理矢理、牽強付会で名付けて行ってもおかしなことになるのでこの辺どうしようかなと思っています。

以下晦日さんのイベント仮組絵。

これが最初のイベントで娼館イベントにも流用。晦日さんマゾなので…というか密偵少女という設定上SМ担当かなということでこのシチュエーションです。

こちらはゴーレム姦。なんかうまく描けませんでしたが巨大なチンポでおなかが膨らんでる感じです。こっちは出産イベに流用。

晦日さん屈服イベント。これは去年の11月の絵なので今とはかなり絵柄違いますが。ともかくこれらをもとに、広輪さまに作画していただきます。

それでは今日もくろてん行かせていただきます! 新羅辰馬ファミリー、ようやく合流。

…………………
黒き翼の大天使.3幕4章9話.ArtOfWar

 磐座穣、晦日美咲の参入により形勢を五分に戻した北嶺院文のアカツキ遠征軍だが、穣と文はまだ合流できていない。

 穣・美咲隊と文隊の間に敵本隊が盤踞している状態で、これを除かなければどうしようもないのだが敵大将にして先鋒・魔狼ガルムは穣や文の挑発にも乗らず、じりじりと持久戦を仕掛けてくる。地味な戦術だが、遠国はるばるやってきて補給線の細い文にとってこれが一番つらい。多少の補給物資なら穣の……アウズフムラの側にあるのだが、それを通す道を完全に遮断されており、南北から挟撃の形をとっていながら穣たちはむしろ苦境を強いられていた。

「こう動けば相手は……つ……さすがに少し、つらいですね……」
 地形図に駒をさし、自他の動きをシミュレートする穣だが、おなかの子が暴れてなかなか、本来の思考がまとまらない。腹を蹴るのは元気な証拠、とは思うものの、今ばかりはお淑やかにして欲しい。

「大丈夫ですか、磐座さん?」
「ええ……大丈夫です。そんなに心配しないで平気ですよ?」
 美咲の心配に、微笑んで返す。美咲は美咲で初子を抱えた穣を過剰に心配していて、その気遣いはありがたいが正直なところ過保護すぎだ。これは小日向ゆかという少女の保護者である立場がさせるのかもしれないが、とにかく身重の穣を甘やかせようとしてくるので困る。今はゆっくりしている場合ではないのだ。

 ふと気づいて。

「……晦日さん、右翼の指揮は?」
 聞いてみる。美咲には激戦区になる右翼の指揮をお願いしていたはず、それが今本営にいて穣の心配などしているということは……

「インガエウさんにお願いしています。左翼のハゲネさんの指揮も見事ですから、簡単に破られることはありませんよ」
「なら、いいんですが。あまり軽々に持ち場を離れるのは困りますよ、軍紀の面から言っても」
「は、はい……」
 いきなり説教モードに入る穣に、しゅんとなる美咲。基本的に万能でなんでもできる美咲なのだが、こと穣相手だとなんだか小さく見える。相性的にそうなのだろうが、美咲が穣の妹のような雰囲気になるのだった。

「まあ、長々とお説教する時間も惜しいですからね。すぐ右翼に戻って、魚鱗の陣形で突撃、敵陣に穴を開けてください、そのできた穴に、わたしが本陣で乗り入れます!」
「……はい!」
 美咲は威に打たれて敬礼、返答すると即時自陣に立ち戻っていく。

 磐座穣には、希世の将器・新羅辰馬とも明智の軍師・神楽坂瑞穗とも違う点がある。それは彼女が軍師でありながらにして指揮官でもある、ということだ。作戦立案から現場の指揮統率までを、彼女は一人でこなす。ヒノミヤという巨大組織の、政略に関しては長兄・創に任せていたが軍略面においてはほぼ穣が独掌、将軍として次兄・遷がいたものの過保護な兄はむしろ穣の戦略頭脳の前に邪魔であり、ほとんどすべてを穣が決して実行してきた。それはすべて神月五十六のためだったのだが、今、自分が誰のため、なんのために作戦を立て、指揮杖を振るうのかと考えると頭がもやもやする。

 ……まあ、今更あいつのことを認めないとか、そういうわけでもありませんが。というかさっさとこちらに来なさいというんです、この子だって待ってるんですから。

 考えるといらいらしてきた。胸はぽかぽかと暖かくなるのだが、頭はイライラと不機嫌になる。……これってわたしがツンデレだからですか? と誰にともなく考えて、穣はやや膨らみが目立ちはじめたおなかをなでる。

「あなたは悪い男にだまされては駄目ですからね!」
 と、新羅辰馬のことを「自分をだました悪い男」で断じる。と同時に指揮杖変わりの宝杖・万象自在<ケラウノス>を取った。

 ……この杖……。

 万象自在は当然ながら、ヒノミヤのもと大神官、いまはアカツキの囚人神月五十六から拝領したものだ。穣が14歳の結婚規定年齢に達し、自ら乞うて五十六の愛妾となり身を捧げた、そのとき臥所の寝物語にねだったのである。自分の力、「見る目聞く耳」は情報を集める能力ただそれだけ、それだけでは五十六さまのお役に立てないので力を与えてはくださいませんかと。

 五十六はこのあと、薬物と快楽で穣を籠絡し、性処理や汚れ仕事の管理など、自分の都合の良い存在へと穣を変えたわけだが、穣が可愛くなかったわけではないらしい。その証拠にヒノミヤが管理する「神話級」の遺産の中でも最強級の万象自在を、惜しみなく穣に与えている。

 この宝杖の権能は一般には「断罪の神雷」とされているが、本領はそこにはない。使用者の意のままに現実を変質・変容させ、望むままの世界を現出させるところにこそ、本領がある。ある意味女神グロリア・ファル・イーリスや魔王オディナ、わずかに格は落ちるが魔軍5将星の一角・混元聖母、そしてなにより魔王継嗣新羅辰馬らの操る「盈力」にもにた創世の力を持つというわけだ。あいにくと穣は万象自在の本来の力を、存分に引き出したことがないわけだが。
 
……いつまでもこれを使っているのも、未練かも知れませんね……。

神月五十六への想いは愛ではなかったと今なら分かる。しかし間違いなく思慕であり、憧憬であったわけだから、切り棄てるのは難しい。辰馬が居るから五十六はもういい、などと簡単に割り切ることは、穣にはできない。

宝杖を握りしめ、折ろうとして、そしてため息一つ。

 ……まあ、わたしの力で折れませんけどね、もともと。

 わずか瞑目して、意識を切り替える。男のことでうだうだ考える時間は終わりだ。ひとまず目の前の敵を討ち果たす。

 花火が上がった。信号弾。美咲が敵の先陣に穴を開けたらしい。それならすぐに続かねば。穣は居住まいをただし、陣幕から将士たちの前に、姿を現す。輿に乗り、8人の壮士がそれを担ぐ。万象自在を指揮杖にして、かざした。

「出撃! 左翼が開けた穴に突撃、戦果を拡大します!」

 猛然と。奔流のごとく穣率いる本陣中翼が進む。穣の用兵は単純と言えば単純明快、「常に敵の弱勢に自分の強勢を当てる」これだけである。新羅辰馬なら「敵の左手側に回れ」というやり方で、殆ど同根。ただそれを直感でやる辰馬と、理知でやる穣とではやはりだいぶ違う。軍隊の反射速度という点なら辰馬が優れるだろうが、確実着実、正確を期すなら穣になる。

 しかもここ数日の対陣中、穣は美咲を間諜に放って敵の陣容を見定めている。誰がどんな利と理で動くかを見極めている彼女にとって、調略を仕掛けない手はない。

 敵陣に向け、使者を走らせる。対陣中どころか戦陣のまっただ中で行う、寝返り工作。それぞれに金をさしだし女をあてがい土地を約束し、適切な条件を提示された魔族の指揮官はまず一人二人が寝返り、一人二人が寝返ると雪崩を打って一気に寝返る。

「磐座さんがやったみたいね。厷さん、抜剣突撃隊、突撃! 私も続きます!」
 北の均衡が破れたのをみてとり、北嶺院文もまたこれを好機とみた。厷武人に切り込み隊長を任せ、自らもその後塵に続く。

「ち……なにをやっている! なにが起こっているんだ!?」
 魔軍指揮官・魔狼ガルムは周章狼狽する味方の中、直接統括する人狼隊こそは堅守したが、全軍の崩壊はとめられない。瞳を怒らせ、歯噛みして悔しがる。美貌の魔狼もかたなしであった。

「こうなれば敵の指揮官を仕留める! 北と南に……」
「西方から敵影!」
「なにィ!? 数は!?」
「数……多くはありません、3000、いや、2000!」
「……なら西方を突き破って脱出する! 続け!」

「えらい混戦になってんな……」
 ヴェントウェルペン夜襲戦からあの町に1000の守備兵を残し、2300を強行軍させて駆けつけた新羅辰馬は少々高めの丘に布陣、差し出された双眼鏡をのぞくまでもなく、シンタが言い当てる。

「北から磐座が敵の弱点に突撃、そのまま傷口を広げてそこに南方から会長が呼応突撃、って形勢みたいっス。あと、魔族なのにこっちに寝返ってる部隊がいくつか」
「……おまえ、相変わらず目、いいな……。おれだって結構目は良いはずなんだが」
「まあほら、盗賊なんてモンやってますから」
「そーいうもんか……じゃ、こっちに逃げてくる奴を相手しますかね……まずは砲撃。サティア、フィー、アトロファ、頼んだ!」
「「「はぁい!」」」
 陣前に並ぶ女神と聖女。敗残の魔狼たちは麗しの美女たちを蹂躙して一矢報いようとするが、その鼻先に光剣が爆発し、閃光が薙ぎ払い、妖光が命を吸い上げる。初手で腰砕けになった敵陣、なお数万を残す相手に辰馬は1000で突撃命令、正面を避け、いったん迂回して側面突撃を加えて叩き崩し、怯んだ相手にシンタの1000が一斉射撃。そちらを叩こうとすればまた辰馬の1000が横から殴り、そちらに対応すればシンタが撃つ。それを繰り返すうち、魔軍の兵はたちまち先細りになった。指揮官ガルムはこんなところで死にたくはないと単身、敵中突破して逃走、残りはほとんど全滅するという有様を呈す。

「お久しぶりです、辰馬さま」
「お、おぅ……ぅげぇぇぇ~っぷ……ぇぐ……久しぶり、晦日……」
 戦後、ヴェントウェルペンに続いて歴史に残るレベルの寡兵による大兵殲滅を決めた辰馬は、今回も相変わらず泣きながら紙袋にゲロを吐いていた。

「だから、いい加減に心を強く持つでゴザルよ、主様! 指揮官がブレたら兵が困るでゴザろう!?」
 出水が叱咤する。辰馬とて頭ではその通りと分かっているのである。問題は心が受け付けないので困っている。

「わかってるって……うぇぷ……、わかってっけど……割り切れるもんじゃねーんだってこれが……うげえぇぇぇぇぇぇぇぇ~っ!」
「た、辰馬さま、大丈夫ですか!?」
 泣きながら激しくえずく辰馬に、美咲は慌てて駆け寄り背中をさする。すると出水は美咲にも舌鋒を向けた。

「晦日ぃ! そんなふーに甘やかす必要、ないでゴザル! これは主様が乗り越えるべきこと!」
「鬼教官かよ、デブオタ……」
「まあ、間違ったことは言ってない、な……」
 出水の剣幕に、シンタと大輔も鼻白む。戦場にあって大輔は辰馬の副将、シンタは遊撃の将としての役割を担うが、出水にはそれがない。あまり将帥向きの才能がないのに加え、性格的にも協調性がないので将いる者、としては的確でないという辰馬の判断。それを恨みに思っているわけでもないが、自分を外したならそれに見合う活躍を見せて欲しいというのは出水の中にある。出水にとって新羅辰馬は絶対のスーパーヒーローでなくてはならず、女々しく泣きながらゲロ吐いているような弱さを見せられると腹が立ってしまうのだ。

「まったく、惰弱なところを見せないで欲しいでゴザルよ! 拙者はちょっと散歩してくるでゴザル! なんだか悪役にされそうな風向きでゴザルからな!」
「出水……あんまし遠く行くなよ、敵の残党、まだいるかも、しんねーし……ぇぷ……」
「了解でゴザルよ!」
 ズシン、ズシンと自重に任せて去って行く出水。シンタと大輔は顔を見合わせ、どちらともなくため息をつく。
「あれもまぁ、辰馬サンへの期待値が高すぎるってコトなんかね……」
「だな。アイツが悪いわけでもないし……まあ、新羅さんへの暴言と言うだけで許しがたいが」

「辰馬さま、気が楽になるお薬です、どうぞ」
「……ぁ~、うん……んく……」
「お疲れさまです……って、大丈夫ですか、新羅? 真っ青ですけど」
「おー、磐座……赤ちゃんは? おれと、お前の子……」

 ズボリゥッ、と瑞穂、雫、エーリカの臓腑がえぐられる。誰より辰馬に近しくしているはずのこの三人が懐妊せず、やや隔意を置いていた穣が最初に懐妊したのだからそれは悔しくもある。ここで悔しいねたましいと泣きわめくような狭量さは三人にないとはいえ、瑞穂は詠嘆して、雫はやははと笑い、エーリカは頭をかいて、それぞれに気を紛らわした。

「いますよ、無事です」
「はー……あんまり大きくなってねーな、おなか。こんなんで大丈夫か?」
「まだ3ヶ月ってところですから。これからですよ」
「あ、そう……男か女かって分かってんの?」
「女の子、だそうです。男の子が良かったですか、新羅としては?」
「どっちでも。どっちでも可愛いモンは可愛いわ。そかー、女の子か……」
「それで、名前ですが」
「すせり」
「へ?」
「ここに来るまで考えてたんだわ。女の子なら須勢理か此葉、男なら八雲か武尊」
「へ、へぇ……。新羅にしては、ちゃんと考えてるじゃないですか……」
 穣は少し戸惑ったような、驚きを隠せない表情を浮かべる。彼女自身の他に誰も知らないことではあるが、穣が「ヒノミヤの時期教主」として創案した名前が須勢理(すせり)だった。

「で、でも、すせりはちょっとできすぎの名前ですね。それじゃ、このはで……」
 こうして、のちの赤竜帝国第一皇女新羅此葉の姓名が決まった。のち十数年後、エーリカとの政争を避けた穣は此葉を連れてヒノミヤに戻るが、そこで此葉は覇城瀬名と結婚、ヒノミヤ三代目教主として生まれた子供の名前は、穣が没をつけた名前「すせり」であった。

………………

以上でした、それでは!

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遠蛮亭 2022/11/14 07:24

22-11-14.お絵描き2枚と「日輪宮の齋王」システム再考

おはようございます!

まずこちら。

上の絵は瑞穂さん触手出産シーン用の仮組絵、下のはエンディング用、飽きられて捨てられたふたり……なのですが、ここにきてゲームの構成を変更することになり、上は使えますが下の方は広輪さまバージョンを待たずしてお蔵入りということになりました。ですが勿体ないのでここに。

構成変更というのはどういうことかと言いますと、まず広輪さまの状況的に3月までにCG枚数26枚は厳しい、ということです。なのでゲームの規模を長船言継vs神月五十六の対決まで描かず、中ボスである磐座穣を撃破、凌○して心をヘシ折り、言継が旗を掲げるところまでで区切ります。これによりCG枚数は19枚に縮小、

内訳としては

1.タイトル
2.瑞穂-悪ガキにフェラ
3.瑞穂-ボコボコ殴打
4.瑞穂-敗北土下座
5.瑞穂-足抱え背側位
6.瑞穂-騎乗位輪○
7.瑞穂-触手凌○
8.瑞穂-練り歩き
9.瑞穂-後背位輪○
10.瑞穂-蠅神
11.瑞穂-敗北宣言
12.穣-凌○
13.穣-馬姦
14.穣-屈服チン媚び土下座
15.美咲-緊縛SМ凌○
16.美咲-超巨根ゴーレム串刺し
17.美咲-ボテ腹フェラ奴○
18.3人娘苗床落ち
19.磔刑の3人娘

以上になります。出産、娼館も固有のCGではなく使い回しになりますが、ともかく最低限の体裁を整えてあとはテキストでなんとか……なればいいのですが。

システム面についても昨日少し考え、

・まずSLGプラグインを使用すること。現在マップコンストラクションを弄るとエラーが出るので使っていませんが、これはもうじき不具合修正も完了するでしょうからそれを存分に駆使。地形をうまく使いたいところです。例えば言継の秋津から瑞穂さんの奥津城まで、直線なら2マスの距離だが山岳路で敵が高所、迂回すると4マスだけれども全部平地で地形のペナルティなし、というように。

・タクティカルコンバットについては現状の用法からそこまで変更することはないはずですが、まあTPポイントをあまり多く持たせない、500ポイントぐらいでカンストとして、超強力なスキル……高値のカブト割や次元斬撃、愚者の嘘、神魔体躯などはコスパを悪くして1度に3つぐらいしか取れないようにする、ということにする予定。特に神魔体躯95(ダメージ95%カット)はTPポイント400とか取ってしまっても問題ないかと。
とはいえカブト80と次元75を両方持たせないと爽快な破壊力、というのが実現しづらいので、攻撃力アップ系のスキルは多少コスト軽くするべきかもしれません。新しく、レベル上昇によってTPポイントを変更させることが可能になったので、低レベルのうちはカブトと次元を両立出来ないがレベルが上がれば、ということは可能です。メニュー画面に飛ぶ都度にパッシブは取り直せるのでそこも安心。

・娼館と出産の2つはイラストが流用するしかないので難しいんですが、出産属性を変更します。瑞穂さんは「触手」、穣は「獣」、美咲は「機械」の種族を出産。広輪さまの負担を増やさないように出産は1キャラにつき1種としました。先述しましたが、イラストが足りない以上はとにかくテキストでどれだけ人心を掴めるか、ということになるかと思います。

・ほったらかしにしていましたが、錬金システムも盛り込むべきだろうなぁと思います。辞書プラグインでアイテムの画像を表示可能になったので、うまく使えばゲームを盛り上げる小道具になるはず。

だいたい、以上のような感じです。少々スケールを小さくすることになりましたが、今後とも「遠蛮亭」をよろしくお願いいたします。

それでは、以上でした。

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遠蛮亭 2022/11/13 06:57

22-11-13.くろてん3幕4章6話.刺客

おはようございます!

どうしたことか昨日も夕方からダウン、昼の間しか作業できませんでした。最近寝てると左足のかかとが異常に痛むのはなんなのかわかりませんが。ともあれ、シナリオの概要はすでに完成しているとはいえやっぱりゲームの形で完成させないと駄目なわけで、早々に固めないといけないのですがまたシナリオを瑞穂さんの心が折れているか折れずに不屈のままかで分岐させようか…などと考えていたりします。今作に望むところはミニゲームなので話の規模は小さく小さくするべき、おはなしもテンポよくパパっと五十六を倒してエンディングまで行くのが良いのですが、なかなかテンポよくというのが苦手です…。あと、娼館イベントではイラストを使わず、テキストのみにすることにしました。そのぶん本筋のシナリオ上でイラストを使います。

それでは昨日のお絵描き。

晦日美咲さん。表情差分の素案として16種表情を描いて、広輪さまに提出したうちの1枚です。これをもとにしてゲーム用立ち絵の表情が仕上がる予定ですが、まだ上がってないようです。でも今日明日のうちには穣ともども完成すると思うので待ちましょう。

こっちはあいミスのアナちゃん。1次創作でないキャラを描いたのは3か月とか2か月とか、かなり久しぶりでした。

それでは、今日もくろてん行きます!

………………
黒き翼の大天使.3幕4章6話.刺客

 新羅辰馬たちが半月ほど根を張った町も、一枚岩ではない。

 魔族と通じている人間も、いた。彼らにしてみればわずか数千の辰馬たちを頼むより魔族に靡いて穏便に暮らせた方が良い。これを寄らば大樹の陰というかどうか分からないが、少なくとも魔族の側をより頼もしいと見る一派があったことは確かであり、彼らは辰馬たちの情報を逐一、魔族の将領に注進していた。

 この地方の魔将は消極的であったことはすでに述べた。しかしさすがに、魔神ローゲもそこまで鈍くはない。新羅辰馬を倒し、エーリカ・リスティ・ヴェスローディアに敗北宣言をさせるため、信頼する腹心、女巨人アンカルドゥザともと神族の娘シグンを派遣、アンカルドゥザは着任するや大兵をまとめて一挙辰馬たちの町を揉み潰そうとするが、それをシグンが制して町人の手で辰馬たちの寝首をかかせることを提案する。

 というわけで、明日は兵をまとめてハウェルペンに出立、と、酒かっ喰らってグースカ寝入っている辰馬たち、その酒場の隅で剣呑な刃が鈍く光る。

 刺客は若い女だった。目立つ容姿はしていないし、残忍な暗殺行為が似合う雰囲気もまとっていない、あくまでただの一般人A。しかし家族を殺す、婚約者を殺す、あるいは町を破壊すると脅されて、弱小勢力の辰馬たちに希望を見いだせなかった彼女が魔軍への間諜の役を果たしたのは無理からぬこと。まさか暗殺任務まで命ぜられるとは思っていなかっただろうが、やらねばシグンは確実に自分を殺すだろうと思えばやるしかなかった。

 雫とエーリカに押しつぶされるようにして、床に押し倒されなにやら苦悶の表情で寝入る辰馬。そこまで歩を進めて女は辰馬のあまりに可憐な容姿にほんの少しだけ動揺するが、しかしすぐに気を引き締める。この少年を殺せば、すくなくとも自分たちとこの町だけは生き延びられるのだと。

 凶刃を振り上げて、

 下ろすことはできなかった。首から下の身体の動きが完全に停止している。麻痺したとか石化したとか、そういうものとはたぐいが違う。いうなれば部分的に、時間の流れをせき止められたかのような感覚。

「貴方が、間諜でしたか……」
 神楽坂瑞穗はそう言って、狸寝入りから起き上がる。トキジクの力。あるいは時空を歪め、あるいは未来からの可能性を召喚する、それらすさまじい権能を使いこなす瑞穂にとって、ごく限られた範囲の時間を加速、減速、停止させる、それらは息をするほどにたやすい。

「魔族の将領から頼まれたのですね。逆らえばこの町を滅ぼすといわれた、違いますか?」
 静かだが、有無を言わせぬ誰何。瑞穂の迫力に圧され、逆に女はキレてみせる。かろうじて動く首だけを激しく上下させ、ヒステリックにまなじりをつり上げ、大声で怒鳴った。
「……だったら何よ! あなたたちがわたしたちを救ってくれるというの!?」
「はい。救います。わたしたちと辰馬さまにお任せください」
 強い言葉にも、瑞穂は怯まない。かつての臆病だったヒノミヤの首座は、この2年で精神的に大きく成長している。相手の言葉を真っ向で受け止め、優しく、しかし力強く応じた。

「……任せられるわけ、ないでしょう! 少しでも逆らえば殺される! あなたたちにそれを止める力は、ないッ!」

「んー……なんとかすっから静かにしてくれ。飲み過ぎで頭いてーんだわ」
 三番目の声は二人の足下、雫とエーリカの下から聞こえた。二日酔いに顔をしかめて、そんな表情すらなお美しい新羅辰馬は、太平楽に寝こけている姉貴分とこの国の女王をぞんざいに蹴りどかすと、ややふらついた足取りで立ち上がる。

「辰馬さま!? 起きて、らっしゃったのですか?」
「いや、今起きた……まあ、ウチの所帯が小さくて頼りないのはわかるけど。こっから出て行く前になんとでもするから、まー安心してくれ」
「安心するには! あなたを殺さないことにはどうにもならないのよ! 私が戻らないとブラギが、婚約者が殺される!」
「じゃ、戻っていーや。……いいよな、瑞穂?」
「はい。辰馬さま殺害には成功、ただし周囲の騒動により首を取ることはできなかった……これで、しばらくの時間稼ぎにはなるかと思います。その間に魔軍を蹴散らしましょう」
 辰馬と瑞穂は一瞬、視線を交わし。共通の見解として彼女を敵陣営に帰すことを決する。そうしなければまず彼女の婚約者は確実に殺されるだろうし、連絡がない=任務失敗だとして払暁を待たずにこの町を屠(ころ)しに大軍がくるかも知れない。時間稼ぎのためにも帰らせるのが最善だった。

 とはいえ。

「ほ……本気? あなたたちが倒した数万の比じゃないのよ、アンカルドゥザが率いるのは数十万! どう戦っても勝ち目は……」
「大丈夫。ウチの軍師は優秀なんでな」
「はい。わたしの大将さまも最高ですから」
 さすがに気がとがめるのか歯切れの悪くなる女に、辰馬と瑞穂は自信満々、そう言ってのける。二人の間には絶対の信頼と、揺るぎのない自信があった。

………………
「ってなわけで。出立前にここの魔将、倒していくぞ!」
 明けて翌朝。辰馬は自分の子飼いたちを前にして、そう気勢を上げる。

「敵将は女巨人アンカルドゥザと、もと神族の娘シグン。アンカルドゥザは智慧足りない猛将のようですが、シグンには知略がありそうです。間を使うに際して裏切られないよう配偶者を人質にとる方法といい」
 瑞穂が説明すると、シンタが手を上げる。ヘラリと笑って、

「相手が女ならアレっすよ、辰馬サンがちょっと誘惑すれば一発なんじゃねースか?」
「お前まじめに考えろな。しばくぞばかたれ」
「いや、案外本気なんスけど……いやー、アレか、辰馬サン男としちゃあ魅力ナシだから……」
「あ゛!?」
「ちょ、新羅さん、イキらないでくださいよ、シンタのつまらん挑発でしょう?」
 辰馬がガタッ! と立ち上がったのに、隣に座っていた大輔が狼狽え気味でたしなめる。新羅辰馬という少年は「男らしくない」という言葉には過敏だった。

「よし、やっちゃる。女巨人ともと神族? OK、おれが堕としてくりゃあいーんだろーが!」
 いきりにいきりたってそのまま的陣営の町に単身、乗り込みそうな辰馬の後頭部を、雫の鞘とエーリカの盾がはたく。

「ぶぁっ!? ……って、なにすんだよ!?」
「たぁくんさー、夕べ寝てるあたしのこと、蹴ったよね~? なにやってくれてんのかなぁ?」
「ぁ……ごめん……」
 かわいくすごむ雫に、小さくうなだれる辰馬。さらにエーリカが

「大体あたしたち置いて他の女を落しに行くとか、許すわけねーでしょーが! あんた女遊びも大概にしなさいよ!」
 女王だてらにガラの悪い口調で言うと

「そんな話はしてねぇし女遊びした覚えもねーわ!」
 復調して言い返すものの、女性陣がなにやらジト目で自分を睨んでくるのに圧されて口ごもる。

「ごほん。辰馬さまの女遊びについては後日追求するとして」
「するんかよ」
「します。……さておき、ここは離間を使って両虎共食といきましょう」
 瑞穂の言う離間、と両虎共食、の二言に、反応できたのは辰馬一人。ほかの連中は頭の上に「?」マークを浮かべているが、辰馬は瞬時に至当に理解した。

「あぁ、トップが二人居るならやりやすいか」
「はい。先ほどの女性はシグンに属しているはずですから、町長に言ってアンカルドゥザへのパイプを作りましょう……そして辰馬さまはしばらく、死んだものとして扱います。ベッドへ」
「は……? いや、死んだって話にしとけばいいわけで……」
「他の間諜が入ってきて辰馬さまが生きているとバレたらだいなしでしょう? だから死んだと装って貰います。牢城先生、エーリカさま、連行!」
「はーい……くすん、たぁくんが死んじゃったよぉ~……」
「惜しいやつを亡くしたわ~……」
「おまえら、ノリノリで何言ってんだばかたれぇ!」

………………
 その前夜、ハウェルペン。

 緑の野を青い軍装の兵士たちが突き進む。魔軍の防衛戦もなんのその、統制のとれた規律ある用兵は個体としての強弱を逆転させ、集団としての強さで圧倒する。アカツキ皇国少将・大公家公女・北嶺院文の変幻自在の用兵は敵を翻弄し味方を鼓舞し、効果的に敵を切り崩していった。6万の兵と1万の駿馬、3万挺の新式ライフルという、数はともかく質において皇国の最精鋭と言って良い彼らは、文という戦乙女の指揮を獲て次々に橋頭堡を奪い、要害を破壊し、魔軍兵たちを打ち倒す。

「新羅くんがこちらに向かっているはず、と読んだのだけど……タイミングを間違えたかしら?」
「あいつにかまけている場合ではない、将軍。最初の突撃と前進は奏功したが、敵も盛り返す。突撃隊出陣の許可を」
 小首をかしげて眼鏡を直す文に向かい、やや苛立ち含みの声を上げるのは厷武人。厷は大陸有数の剣士として、肌感覚で今の優勢が絶対的なものではないことを理解していた。魔軍は確かに統制で人間に劣るが、大物が数体、前進してくれば「統率と集団線の優位」はたやすく崩される。魔族は個としての力がそれほどに大きいのだ。

 果たして、陣前に一人の貴族的な軍装の優男。

 それが月を仰ぐや、鼻は尖り牙が伸び、体躯は倍ほどにもふくれ上がって全身に獣毛が生える。

 人狼。

「我が名はガルム、冥府の番の魔狼なり!」

 そう吼えるなり、奔った。

 颶風。

 そう言うほかはない。およそ人の目にとまらぬほどのスピードで駆け、手足を振るうごとにアカツキの精兵たちの手足が千切れ、首が飛ぶ、ガルムの一騎当千に狼狽したアカツキ軍がわずかに陣を緩めるや、後方の魔軍が一気にガルムに続き、これまでの退勢を盛り返すべくして押し返す。乱戦となり、乱戦なれば人間より肉体で、魔力で圧倒する魔族が負けるはずもない。一方的になった。

「抜剣突撃隊、突撃!」
 最終的壊滅の寸前で投入された突撃隊……厷武人が自ら選抜した剣の達人320名による遊撃剣士隊……の奮戦により壊滅は免れたものの、勝負は敗北だった。それもたったひとり、人狼ガルムのために敗れたと言って良い。

 救いとしてはガルムの側にも余裕はなかったことだ。本来この場を指揮するべき銀狼フェンリルは魔王クズノハの弟であるとある少年の鍛錬に付き合わされて現在、瀕死の状態にあり、ガルムは前線司令官でありながらフェンリルが果たすべき方面軍司令官の役目も果たさねばならず、うかつな行動がとれない。むやみな追撃などもってのほかであり、そのためにアカツキ皇国軍は命脈を保ちえた。

 この膠着を打破したのは魔軍の後背、あまりにも神出鬼没で陣が崩されるまで誰一人として認知できなかったが、数千人単位の小規模団体がすさまじい勢いで後方を叩く。これが作戦立案=磐座穣、実戦指揮=晦日美咲による解放地下組織アウズフムラの突撃部隊であると知れたときには10万を超えていた魔軍の戦闘力は半壊させられており、かくて磐座穣の作戦力のすさまじさと晦日美咲の統率力は天下に知れ渡ることになった。

「好機逸すべからず! 全軍前進!」
 文もここを先途と突撃命令を下し、ハウェルペンの戦線は次のフェイズへと移る。

………………
以上でした、それでは!

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遠蛮亭 2022/11/12 06:43

22-11-12.くろてん+晦日美咲さん立ち絵進捗版

おはようございます!

昨日はしっかりゲーム作るはずでしたが、夕方前からまぶたが重くなって5時ごろにダウン、目が覚めると朝の2時でした……。眠かろうがなんだろうが、起きて作業ができないとだめなんですが。なので昨日はシナリオもシステムの方もまったく進みませんでした。昼の間にイベント仮組絵とか描きはしましたが。

それで、昨日は広輪さまからまた進捗。晦日美咲さん立ち絵です!

まだ塗りが完成していませんが、このイメージで完成までお願いします、とお願いしたので素体はすぐに完成するはず。あとは表情差分ですが、こちらも表情案をお送りしたのでそれほど時間はかからないかと思います。表情まで完成したらそこからはいよいよ、イベント絵。

では、今日も以下くろてん行きます!

………………
黒き翼の大天使.3幕4章5話.前夜

「まずはテレビ局を取りましょう」
 クーベルシュルトの軍師・マウリッツは明日の天気でも占うような気軽さで、そういった。

「テレビ局?」
 辰馬が問い返す。マウリッツが地図上に指し示した場所は、この町から遙かに遠い。ヴェスローディア南東の、エッダ、ラース・イラとの国境にほど近い中都市ハウェルペン、そこにテレビ局があるという。辰馬はしばらく沈思黙考した。テレビを組み込んだ戦略を辰馬の頭は知らなかったが、すぐに「情報戦略の一環」と理解するとあとは速かった。

「世界中のテレビで中継するか、おれらの戦ってるとこ」
「え? オレらテレビ出るんスか?」
 と、身を乗り出すミーハーはシンタと出水。

「ちょ、主様、いきなりは困るでゴザルよ! 少々ダイエットを……」
「お前ハッシュポテト食いながらなにいってんだデブ! 3つめ!」
「いいでゴザろうがこのくらい! ギターへし折るでゴザルぞ、この赤ザルァ!」
 嬉しそうにそわそわしていたかと思うと速攻で喧嘩腰になってしまう、いつものパターン。出水の頭上ではシエルが「ヒデちゃんやっちゃえ! 赤ザルなんか生き埋めよ!」などと物騒なことをそそのかし、シンタも危うく雷刃ダガーを抜き掛かる。

「……大輔、どーにかしろ」
 辰馬は昼の野良仕事で仲裁する体力がすでにない。大輔に審判役を任せると、大輔は重々しく頷き立ち上がる。

「はい。あーもう、お前ら静かにしろ。新羅さんが鬱陶しそうな顔してるだろーが。殴るぞ」
「へ、優等生が。良い子ちゃんやってんじゃねーぞ、喧嘩屋!」
「そうでゴザルぞ、バガボンドが!」
 口を揃えてこんどは大輔を攻撃するシンタと出水。良識派を自認する大輔だがもとは喧嘩屋。これを容認するはずもなく、たやすくブチ切れた。

「……わかった、つまり殴っていいんだな」
「え、ちょ、ま……待て待て!」
「ぼ、暴力反対でゴザルよぉっ!?」
「うるさい黙れ!」

 ガン、ゴス、ドフッ!
 唱和のカミナリ父親のごとき、力強いげんこつが落ちた。

「……静かにさせました」
「おう……、あいつら頭蓋割れてねーか?」
「大丈夫ですよ。バカは頑丈が自慢です」
「そか。ならいーや……、そんで話戻すけど。魔軍の一角を蹴散らした、その事実を世界中に発信すれば効果は大だな。となるとクーベルシュルトにいたシーリーンとマフディーにも協力願いたいところだが……今更戻るわけにもいかんか……」
「と、仰られることを見越して。ここにPVを作ってきました」
 やや落胆気味の辰馬に、マウリッツはニヤリ笑って記録用の封石を取り出す。ビデオなどまだ存在しない文明レベルであるから、記憶媒体は封印魔術石……封石に画像を封じるしかない。

「PV?」
「はーい、はいはい! あたし分かる! ってゆーかしょっちゅーそれ撮られてたから! プロモーションビデオ! でしょ!?」
 さすがはもとグラドル。PVと言われてもピンとこない辰馬たちの中で、エーリカだけはハイハイと元気に跳ねて知っていることを主張。およそ女王の態度ではない。

「はい、その通りですエーリカ女王。この封石には魔神マフディーの敗北宣言が収められてあります。まあ、こちらがお願いして負けを演じて貰っただけですが」
 魔徒と魔神でありながら人間に協力してくれるというあたりからして、あの二人は話が分かる。魔族だからと言ってすべてが悪意と敵意の存在ではない、ということだ。

「あー、うん。おれもあのオッサンに勝ったわけじゃねーしなぁ」
 懐かしげに、辰馬。ああいう父性的なおっさんには辰馬は憧れるところだ。自分もかくありたいと思うわけだが、そういうふうにはなれそうもない。どちらかというと周りのみんなが辰馬の未熟さや不完全性を見て助けてくれる、というのが新羅辰馬の人徳の源泉なので、老成した大人になってしまうと魅力半減である。

「つか辰馬サンあのとき本気出してなかったんじゃないですか? 本気だったらガキになってねーでしょ、辰馬サンが」
「まぁなぁ。あんとき万全だったらしず姉のつまらん計略にもかからんかったんだが」
 シンタの言葉に辰馬は頷いた。いくら強大な魔神の力とはいえ、本来の魔王の力を発揮していたなら辰馬を変容させることはできなかったはず。辰馬が雫やエーリカの身を案じ、焦りに焦った結果としてあの煙にやられたわけだが、その責任の一端を担った雫に辰馬は冷たいジト目を向ける。

「やははー……ごめんなさい」
「ホント次は敵に荷担とかやめろよー、しず姉。シーリーンとマフディーがむやみに人を殺すタイプでなかったからともかく、そーじゃなかったら未覚醒のガキなおれなんてあっさり殺されんだから……ってなに、瑞穂?」
 辰馬がくどくどと雫への文句を言い募ろうとするところ、瑞穂が辰馬に抱きついた。なぜだか、椅子の辰馬の腕なり肩にしがみつくなら分かるが腰にしがみついてくるのが、この少女の本質的な部分が清楚清純清冽な聖女でありながら淫乱淫蕩な淫魔でもあることを如実に示す。股間を扼されて危うく声を上げかけた辰馬ではあるが、かろうじて堪える。こんなところで逆レ○プされてはたまったものではない。

「牢城先生とばっかりお話しするの、ズルいです」
 そういう瑞穂の瞳は妖しく濡れていた。たぶんビールで酔っ払っている。でなければここでこんな行動にも出まい。

「そーなんですよぉ、辰馬さまはいつもしず姉しず姉って! あーなーたーの、初めての女はだれですかー!?」
「うあああ! なにいってんだお前!」
 辰馬はどうにか瑞穂を黙らせようとするも、後の祭り。

「辰馬サン、恥ずかしがることないッスよ? どーせみんな知ってますもん」
「そうでゴザルよ。むしろなんのかんので尻に敷かれっぱなしの情けなさが問題でゴザル」
「あー……新羅さん、ドンマイです」
「うるせーわばかたれぇ! くそ、泣く……」
 実際、半泣きになりつつ喚く辰馬に、瑞穂はスリスリとほおずりして

「うふふ~、とゆーわけで、辰馬さまの特別はこのわらひれしゅ……はれ、わたひでひゅ……はれれ?」

 ろれつが回らなくなって、すぐにすうすうと寝息を立て始める瑞穂。辰馬の腰をまくらにして妙な姿勢で眠り出す。

「あらら、このくらいのビールで酔っ払っちゃった? 瑞穂って弱いのねー」
 と、瑞穂をひっぺがすのはエーリカ。

「あれ、この子どーやって……あり? ホント解けないんだけど、この腕!?」
「……神術使ったな。逃がさんとか拘束するとか、それ系の」
「はぁー、あたしの神力じゃ瑞穂に太刀打ちできないからなぁ~。ま、これはこれで。乳袋が腰に押しつけられてて嬉しいでしょ?」
 乳袋、という言葉に関してえらく苦々しげなエーリカ。97と自分が絶大な自信を持っている部位だけに、圧倒的に凌がれている(121)ことが許せないらしい。

「そーいう、乳が本体みたいな言い方やめろ。かわいそーだろーが」
「フン。あんたそんなこと言ったって巨乳好きでしょ……ってこともないか、牢城先生大好きだし。シスコンだし」
「ちょ、待てコラ、誰がシスコンだよ!?」
 過去何度も自問自答して、結局自分はシスコンと認めるほかなくなっている辰馬だがそれはそれ、ひとからシスコン言われると腹も立つ。不機嫌にエーリカを睨むと
「あんたよ。ほかに誰も居ないでしょー?」
 念押しするように言われた。この期に及んで否定したがる辰馬に、あきれているようでもある。
 そこに瑞穂も目を覚まし、半覚醒の瞳で
「そうですよ、辰馬さま! 不名誉な二つ名がお嫌でしたら、わたしたちにもしっかりとご寵愛を……」
「あーもう、しなだれかかんな、抱きつくな! いつもあんだけやっててなんで文句いわれてんだよ、おれ」
 抱きつきしがみつきしてくる二人に、辰馬はため息するほかない。

 それを見ていたマウリッツは
「はは、艶福家ですな、うらやましい」
 と、からから笑った。

「あーもう……人前で聖女と女王がこんな抱きついて……ま、いーや。そんで、テレビ局を奪還して全世界放送で敵の士気を挫く&人類側の連携紐帯を呼びかける、と」
「そうなります。そしてもう一カ所、ハウェルペンには精神病院という名の牢獄がありまして」
「病院?」
「はい、魔軍の支配に反抗したものの諸事情で処刑するのが難しいものたちがここに収容されています。であれば彼らを解放して手勢に加えてはいかがかと」
「うん、まあ……兵力は1兵でも欲しいけど……無理強いしたくはねーんだよなぁ。おれについてきたいって人間以外の命を背負って、責任は持てん」
 実のところ、新羅辰馬という人間の人柄に触れて彼について行こうと思う以外の選択肢が浮かぶ人間などそうはいない。それほど強烈な求心力を持ちながら、辰馬は自分のカリスマというものに対する自覚がまったくといっていいほどに希薄だった。実のところ自分が募兵した3300人についてすら、辰馬はなぜ彼らが自分のためにこうも尽くしてくれるのか分かっていない。それは辰馬が尽くされる以上に与えているからなのだが、その自覚がない。

「彼らに問うてみればよろしい。魔軍の支配か、それとも貴方に従うかと。答えは自明かと思いますよ?」
「そーだなぁ……うん。希望者は帰農なりなんなり望み通りにするとして。そんならいーか」
「たつま、あんたはもうじきこの国の王になるんだから! 臣民民草にビシッと言っちゃっていーんだからね!」
 横からとんでもないことを言い出すエーリカ。もちろん辰馬には王になる野望はあるが、それはヴェスローディア国王になる予定ではない。

「ならねーよ! いきなりなにいってんだお前!?」
「あははー、照れちゃって。なるもならねーも、あんたとあたしが結婚すればそーなるじゃーん?」
「だぁら、結婚しねーし」

 辰馬があたりまえのことのように突っぱねるとエーリカは一瞬、きょとんとし。次の瞬間キッと睨んできた。

「あによ、あたしのなにが不満なわけ?」
 抱きついたままくだを巻く。エーリカも結構な重さの盾をぶんまわす「盾姫」であり、細見にかかわらず格好な怪力である。それが剣呑な力を込めてくるので辰馬の肩はみしりと軋んだ。

「不満も何も、まだ学生だっての。軍学校入ったばっかで、ひとの世話とか見れるか」
「晦日さんとゆかちゃんは?」
「あいつらはおしかけ家族だからなぁ。とくにゆかは一人で放り出すわけいかんだろ。晦日は何でもできるから心配ないかもしれんが」
「ふーん!」
 辰馬の返答が気にくわなかったようで、エーリカは辰馬の頭を一発、強くはたくと足音を怒らせてバーカウンターに戻り、ビールを呷る。水代わりの度の薄い酒とはいえ、あれだけ飲めば酔いもする。

「辰馬さま、大丈夫ですか?」
「おう。どってこたぁねー……って、いー加減腰にしがみつくのやめてくんねーかな……」
「?」
 ほとんど股間にすりつくような格好の瑞穂が顔を上げて、きょとんと無邪気な顔をする。しかしこの無垢に瞳にだまされてはいけない、彼女が経験数4桁に近い、下手をすれば聖女アトロファにも劣らない淫乱娘であることを。

「いや、「へ?」って顔されてもこっちが困るんだが。とにかく離れろって……」
「はぁい……残念です」
「残念がるな……で、すぐにでも出兵?」
 なんとか気を取り直して、辰馬はマウリッツに聞く。マウリッツはにこやかに人の良い笑顔を浮かべ、

「そうですね。事態は刻一刻です。ここで油を売っている時間はありますまい」
 存外に手厳しい一言を繰り出した。

………………
以上でした、それでは!

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