童貞同盟は如何にして瓦解したか 第六話
翌日、ミナトからもらった情報は、結局タケルだけに教えた。
ショウはまだ登校できない状況だとのメッセージが届いたからだ。
『ネットで注文した服がまだ届いてないからどこにも出られない』なんて嘆きと一緒に。
食事は精液だけで事足りるとしてもずっと閉じこもってるのは気が塞ぐもんな。
放課後、タケルと一緒に教わった住所に向かう。
「何っ? って事は、俺もお前もミナトくんに負けてたのか?」
「そうらしい。兄貴より弟のほうが先に大人になっちまってたとはね」
自転車を走らせる事20分。
大きなバイパスから路地に入った川沿いの小さなアパート。周囲は竹やぶに囲まれていて見通しは効かない。
教えてもらわないと辿り着けそうにない場所。目印も無いから地図なし初見で到達するのは難しいだろうな。
アパートにある集合ポストのほとんどがガムテープで封印されていて使用中なのは二部屋ぶんだけ。
元々は単身でこの街に来た船員さんや工場作業員さんたちが住んでいたようだ。
ただ、古いけれどボロっちくなくちゃんと手入れはされていて、今でも十分生活できる雰囲気を保っている。
「この部屋らしい」
部屋番号の横には『Men’s Alliance(メンズ アライアンス)』とのプレートが。
教えてもらっていた暗証番号を押すとロックが解錠する装置がドアにある。
俺はミナトに教わった通りの番号を入力してロックを外し、一呼吸、覚悟を決めてからドアをそっと開けた。
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