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発情の記事 (3)

五月雨時雨 2024/07/08 19:39

無慈悲で残酷な実験の中哀れな狼は淫らな解放をねだる

斜め上へと引き延ばされ、地下室の天井から伸びた鎖の先にある金属製の枷を手首に嵌められた腕は、どんなに力を込めても持ち上げさせられた状態から離れられはしない。
地下室の床に取り付けられている金具から伸びた短い鎖の先にある手首の物と同じ枷を足首にも嵌められた足は、肩幅に開かされた形から抜け出したくても抜け出せない。
裸体で×字を作った体勢の維持を金属の拘束によって強いられた青年はもう、何処にも逃げられはしない。両手両足の指と爪を幾ら頑張らせても傷一つ付かない頑丈な縛めを施されありとあらゆる行動を封じられた哀れな青年はもはや、座ることも禁じられた裸体を絶えず嬲る残酷な光が生み出す恥辱にただただ苦悶を味わわされるしか無い。
白銀の体毛の上で情けなく体積を増し真っ赤に充血した乳首を震わせながらもがいても、四肢の動きを大きく制限する金属に甲高い音を立てさせながら身悶え硬く勃起した男根をみっともなく踊らせつつ暴れても、理不尽な状況は覆らない。
そんな立場に追いやられ尊厳と理性を丹念に打ちのめされた青年は、自分から自由を奪って去って行った無慈悲な白衣の男達が部屋に帰還する様子を目にしても、激しく燃え上がらせていた怒りを思い出すことも出来はしない。
望まぬ発情を無から掻き立てられ、火照りに火照らされた己の肉体を慰めることも叶わない生殺しの地獄に放置された無様な狼の青年に取れる行動は、誇りを捨てて一生懸命に慈悲の快楽をねだる屈服色のおねだりだけなのだ。

「おっ、おねがい、しますぅっ! 頭、変になる……助けて、イかせてぇぇ……っ!!」

天井に繋がれた腕を支えにして上半身を必死にくねらせ、床に接続された足を支えにして疼きに疼いている張り詰めた男根を自己主張させる腰振りを迷い無く繰り返しながら、狼の青年が射精という解放を希求する。
元の姿に戻せという要求を口にすることもせず、人権を無視した扱いへの憤りを抱くこともせず、欲に思考を支配された青年は透明な蜜をだらしなく滴らせ続けている男根を踊らせながら、自身の汗を吸った体毛を振り乱しての懇願を叫んでいる。
だが、残酷な男達は狼の青年が寄せる悲痛で惨めな願いの様を見聞きしても一切の慈悲を覚えない。月光をその身に浴びると、肉体を人間のそれから人と獣が混ざり合った獣人と形容される物へと変化させる。普通の人間とは全く違う特性を有する青年を研究対象として捕らえた機関に属する男達は、その変身の解除を不可能にさせる月光の性質を再現した青白い照明とその照明に混ぜた絶え間無い発情を獣人に強要する光線の威力が計画通りに機能している事実に充足を募らせるばかりで、誰一人として助けの手を差し伸べようとはしない。
むしろ男達は、順調に正気が失われつつある狼の青年に愉悦の笑みを浮かべながら、逃れられぬ裸体を苛む責めを一層容赦の無い物へと引き上げていく。実験体として用いる以上、性格や性質は従順であればある程良い。眼前で苦しむ青年を同じ人間として認識していない男達は、発情しきった滑稽な狼の裸体をより苛烈な生殺しで責め立てる展開をさも当然のように生み出し、まだ完全な陥落には至っていない青年を自分達に都合の良い思考を持つ存在へとなるよう促していく。
無論、その追撃に抗う手段など青年には無い。疲弊した脳でも理解出来るくらいに強まった天井の光に気付いても、青年は人ならざる尖った口を小刻みに震わせながら絶望することしか出来ない。
加速した発情に狼の肉体をいたぶられ始めた青年は、人間としての自覚を削ぎ落とすかのように増幅していく獣の欲望にこれまでの自分が押し潰されていく感覚に戦慄させられながら、意識して行っていた先程の物よりも熱烈で愉快な腰振りを披露しつつ、射精をねだる絶叫を放つだけの存在なのだ。

「あぁっ、んっ、ひぁぁぁぁっ!! イぎだい! イぎだいよぉぉっ!! イがぜで! もうゆりゅじでぇぇぇっ!!」

見開いた目から大粒の涙を零し、鳴き叫んでいる口から唾液を溢れさせ、上下左右に忙しなく跳ね回っている男根から休み無く分泌している淫蜜を周囲に撒き散らしながら絶頂を理性と本能の両方で欲する狼の青年。淫らな崩壊の末路を早くも確信させる悶絶を次々と提供する実験材料に貶められた狼の青年。そんな青年の思いを悠然とした態度で聞き流しながら、白衣の男達は本物の獣のような咆哮を発している元人間の狼を取り囲み、新たな知見を得る為の観察に意識を淡々と傾けていくのだった。

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五月雨時雨 2024/06/17 19:48

蝕まれた男達は爛れた欲望に仲良く溺れる

むせ返る程に凝縮された濃厚な香りが、薄暗い小屋の中に充満している。
入浴に使えるような水場を見付けられなかったが故に蓄積した数日分の雄の体臭と、それを滾らせている張本人にすら制御が不可能となった淫らな火照り由来の体臭が混ざり合った三人分の香りが、遠い昔に元の持ち主に放棄され隙間風がそこかしこから吹き込んでいるはずの古びた小屋の内部を埋め尽くしている。
その脳を直接蝕むような淫臭を独占しながら、男は生唾を飲み込みつつ覚悟を決めた。男同士などと言ってはいられない。あの迷宮に仕掛けられていた罠の影響を受けなかったのが人間族である自分だけな以上、自分がこの事態を収める他無い。
獣人達から理性を淫蕩に奪い、肉欲に対する衝動を異常なまでに肥大化させる。そんな悪趣味な罠によって精神と肉体に限界を超えた発情をもたらされた仲間達を救えるのは、自分しかいない。
そんな判断の下に三人の前で装備と衣服を脱ぎ捨てた人間族の男は、欲望に耐えきれず小屋に入るとほぼ同時に裸体を迷い無く晒していた仲間達の視線を浴びつつ、小屋内を照らす明かりの魔術の出力を強めながら問いかけた。

「三人共……これが欲しいかい?」

それは、もしかしたら最後の一線を超えずに済むかも知れないという淡い希望を交えて紡がれた問いだった。三人の自制心がまだ機能しているかも知れないからという、最終確認を意味する質問だった。
しかし、男の言葉に対して身体中を駆け巡る渇望を満たす快楽を欲するだけの獣に堕ちた三人は迷い無く肯定を返した。それも、普段の凜々しさや頼もしさは欠片も感じさせない無様な態度をなりふり構わずに示しながらだ。

「欲しいっ! チ○ポ欲しいぃっ!」
「舐めたい……自分の扱きながら、お前の舐めたいぃ……っ!」
「これが、○○さんの……! おっきい、ひゅごいぃ……あぁ、欲しすぎて、もっともっと疼いちゃうぅ……っ!!」

何時も気高く沈着冷静な虎獣人の戦士が、男根を請う叫びを情けなく放つ。口が悪く斜に構えた発言が目立つ狼獣人の盗賊が、だらしなく垂らした舌を揺らめかせつつ腰を振る。礼儀正しくどんな命に対しても敬意を払う猫獣人の神官が、その敬意を込めた視線を眼前の男根に注ぎつつ他の二人よりも小ぶりな男根の硬度を一生懸命に引き上げていく。
汚れた床に手足を付けた四つん這いの体勢を三人仲良く並んで取りながら、仲間であるはずの男に全身で媚びる。求められればすぐに舌を用いた奉仕を男根に加えられるよう準備を整えながら、許可をねだる視線を潤んだ瞳で寄せている。
意に染まぬ形で掻き立てられた己の本能に囚われている三人の獣人を見下ろしながら、さっきまで狼狽の感情を大きく抱いていた男はそれを上回る興奮を加虐心と合わせて滾らせつつ、かつて仲間だった三匹の肉奴○に嬉々として命令を下した。

「じゃあ、三人で仲良くご奉仕しなさい。一番上手にご奉仕出来た良い子に、最初のおチ○チンを入れてあげる。その入れてる間、他の二人は気持ち良くなりたいのを我慢しながらお手伝いをしてもらうからね? 欲しいなら、他の二人に負けないよう頑張るんだよ?」

言い終わると同時に、獣人達が男根に唇を寄せ舌を熱烈に這わせ始める。共に旅をした仲間に見せる物とは到底思えない不細工な表情を披露しながら、虎と狼と猫は自身の顔面が唾液と淫蜜で汚れることも構わずに己の男根の脈動を加速させつつ褒美欲しさに奉仕を捧げていく。
その何もかもをさらけ出した惨めな奉仕が男根に生み出す甘い愉悦を満喫しながら、三匹の飼い主に君臨した男は自らも罠の影響に蝕まれているという事実に全く気付けぬまま、人間族である自分に引き起こされた攻撃性の増幅という変化を肉奴○達を愉快に追い詰め弄ぶ淫猥で意地悪な責めとして表わしていくのだった。

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五月雨時雨 2024/06/15 19:22

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