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2020年 09月の記事 (32)

官能物語 2020/09/02 14:00

母の浮気/60

 肉棒をいじりながら、考えるのは、久司の母のことである。彼女がどのように自分を導いてくれるのか、童貞の自分を思うさま、翻弄してくれるところを妄想していると、すぐに達しそうになった。良太は、ベッドに腰かけるようにして、ズボンをおろした半裸の状態で、肉棒をこすり続けた。そうして、もう少しでイキそうだというそのときに、

「良太、入るよ」

 という声とほとんど同時に、ドアが開いて、あっ、と思う間もなく、良太は下半身丸出しで、オナニーしているところを実の母親に見られるという、男性にとっては、「あるあるネタ」と言えば言える状況にめでたく遭遇することになった。息子のあられない姿を見た母は、お盆を手にしていた。何かおやつでも持ってきてくれたのである。良太が、

「出て行ってくれよ」

 と言う前に、彼女は、

「ご、ごめんね!」

 と言って、ドアを閉めた。良太は、肉棒を握る手を、ゆるめた。萎えるというのは、まさにこのような状況のことを言うのであろうと、知りたくもない事実を一つ知って賢くなった少年は、先ほどまで猛り立っていた肉棒がへにゃりと力を失うのを感じながら、とりあえず下半身をズボンにおさめて、ベッドに横になった。

 いっぺんに色んなことが起きた日である。自ら選択したこととはいえ、休日だったのに、まったく休めなかった良太は、そのまま眠りについた。

「良太……良太……」

 コンコンと、ドアにノックの音がしたときには、すでに夜であるようだった。電気を点けていない部屋の中は、闇に閉ざされている。

 良太は、むくりと体を起こした。そうして、声に応じて、外に出ると、母がすまなさそうな顔をしている。ご飯時なのに米を炊くのを忘れでもしたのだろうかと、思った良太は、

「さっきはごめんね、良太。今度から、ちゃんとノックして、少ししてから部屋には入るから。怒らないで」

 と母が言ってくるので、寝ぼけた頭は、さきほどの自らの痴態を、鮮明に思い出した。

「怒ってないよ。メシは?」
「良太が好きな、ハンバーグにしたから」
「オヤジは?」
「もう帰ってるわよ」

 母と二人きりでないことをありがたく思った良太は、トイレに行ってから、食卓に加わった。父に、お帰りの挨拶をして、夕食を取り、がつがつと旺盛な食欲を披露してから、シャワーを浴びた。そのあと、部屋で学校の宿題などしていると、スマホがメッセージの着信を告げた。

「今日は本当にありがとう。おかげさまで気が楽になりました。お約束の件ですが、再来週の土曜日ではどうでしょうか」

 久司の母からのものだった。

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官能物語 2020/09/01 14:00

母の浮気/59

 良太はしばらくの間、ベンチに座って、ぼーっとしていた。久司の母は本気なのだろうか。それとも、いたいけな童貞少年をからかっているだけなのだろうか。もしも後者だとしたら、ひどいことこの上ないけれど、前者だとしたら、心の準備が整っていない。いや、自慰を覚えてから十分に準備してきたと言えば言えるのだけれど、やはり、いざとなると、なかなか勇気がいるものである。そのいざがいつ来るか分からないが、彼女によると、そう遠くない未来ということになるだろう。

 童貞卒業――

 それは、いずれは自分に訪れるであろうと、訪れなければならないと思っていたイベントであるけれど、まだまだ先のことだと思っていた。この点で、自分よりもそれを先に成し遂げた久司のことを、良太は尊敬した。尊敬せざるを得ない。自分よりも年下なのに。その尊敬すべきことが、近い将来に自分に訪れるということになると、どうもうまく実感ができなかった。しかも、相手が申し分ないということも、その感覚を助長した。

 良太は、スタイルのいい美人で優しげな人妻に導かれているところを想像した。さきほど久司の初めてを奪った我が母のようにしてくれるのだろうか。良太は、秘唇を自ら割り開いて誘ってくる裸の彼女に挿入している図を妄想して、いっそう肉棒を硬くした。いっそ公園内のトイレでもヌいてしまおうかと考えたが、さすがにそこまで破廉恥な真似はできず、とりあえず、気をそらせようとしたが、できる話でもなかった。

――もう、そろそろいいか。

 良太は、公園のベンチから立ち上がった。コロコロと転がってきたボールを、追ってきた子どもに、ポンと蹴り返してやったあと、家路を取ることにした。もしかしたら、まだ久司がいるかもしれないと思って不安になったけれど、なにゆえ自分の家に帰るのに遠慮しなければいけないんだとも思って、そのまま足を家に向け続けた。

「あっ、良ちゃん」

 すると、曲がり角に来て、家までもう少しというところで、久司と鉢合わせた。

「よ、よおっ」

 良太が、慌てた声を出すと、向こうも、驚いたようで、しかも、当の良太の母親と初体験を済ませてきたばかりだからだろう、どこかおどおどとしていた。

「ど、どこ行くの?」
「いや、今から帰るところだよ。お前こそ、どこ行くんだ?」
「ぼくも帰るところ」
「そうか……うちで、ゲームでもやってくか?」
「えっ、あ、い、いやっ、今日はいいよ。宿題もあるし」
「そっか、じゃあ、またな」
「う、うん、また」

 そう言うと、久司は足早に去って行った。
 その背を、さっき彼の母親の背を見送っていたときのように見たあとに、良太は、家に戻った。

「遅かったじゃないの」

 母が明るい声をかけてきた。いつもながら、夫以外の男と交わったあとだというのに悪びれた風は一片もない。本当にこの人はどういう神経をしているのかとちょっと疑いたくもなるけれど、まあ、そういう人なのだろうと思うほかない。良太は当たり障りの無い応答すると、自室に戻って、オナニーを始めた。

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