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官能小説の記事 (47)

官能物語 2021/06/23 10:00

美少女のいる生活/3

 貴久は、少し間を取った。それでも相手が二の句を継がなかったので、仕方なく、

「美咲ちゃんを預かるってどういうことだよ」

 と訊いた。訊きながらも考えられることがあって、それは彼女の、しばらく父親のもとから離れていたいという希望によるものではないかというものだった。父と娘で暮らしてきたのに、いきなり第三者を家族に迎えようとする身勝手に対して、口をきかないなんていうなまぬるいものではない、より強力なカウンターを行おうと彼女は考えたのである。それで誰の所に行こうか考えたときに、父の友人であり、多少の親交がある貴久に白羽の矢を立てた。

――いや、無理があるな……。

 家出をしたいなら、祖父母の家や友人の家が妥当なところだろう。親戚でもなければ、多少の親交があるとは言え昵懇とも言えない中年男のもとに来ることの意味が分からない。それに、そもそも論として、家を出たいなら出ればいいだろう。というのも、こっちで大学生活を送るということは、当然にこっちで一人暮らしをするわけだから、早めに入居できるところを探して家を出ればいい。

「『お父さんが勝手なことをするなら、わたしも勝手なことをさせてもらうわ。わたし、貴久おじさんのところに押しかけて、押しかけ女房になるから』っていうことなんだ」

 友人の言葉に、貴久はぽかんとした。全然自分の想像と違っていたのである。ところで、押しかけ女房ってなんだったっけと貴久は思った。

「つまりだ……美咲はお前のことを慕っているんだよ」
「慕ってる?」
「ああ。昔からな。だからこれまでカレシの一人もいない」
「そう言えば、会うたびに、『カレシいません』って報告してくれてたな。てっきり、お前が作らせないのかと思ってた」
「そんなことできるわけないだろ」
「今となってはよっぽど無理だろうな」
「それで、お前と一緒に暮らしたいんだそうだ。もちろん、お前が了承してくれればだけどな。それを頼みに今日こうしてここに呼んだんだよ」
「うーん……悪いけど、まだよく意味が分からんな」

 本当は、「よく」どころかまるきり分からなかった。親友の娘が自分のことが好きで同棲したがっているということなのだろうけれど、そんなことをすんなりと信じるには、貴久は人生経験を積みすぎてきたと言える。

「……お前、もしかして、美咲ちゃんを厄介払いしようとしているんじゃないだろうな」

 貴久は何の気なしに、ふと考えたことを言った。

「新しい女と結婚するから美咲ちゃんが邪魔になったとか」

 すると、友人は獰猛な目で見返してきた。

「いくらお前でも言っていいことと悪いことがあるぞ」

 どうやらそういうことでもないらしい。
 貴久は、素直に謝った。

「それにしても、全然意味が分からないな。あの美咲ちゃんが、おれのことが好き?」
「そうだよ。お前のお嫁さんになることが、娘の昔からの夢らしい」
「ふうん」
「ふうんって……お前、真面目に受け取ってないだろ」
「お前が真面目に受け取りすぎなんじゃないか?」
「どういうことだよ」
「こう言ったらなんだけど、美咲ちゃんには別の狙いがあって、そういう話をでっち上げているんじゃないかってことさ」
「別の狙いって何だ」
「そんなのおれが知るわけないだろ。でも、そうでなければ、あの年頃の子が、おれみたいなおっさんを好きになるってどういうことだよ」
「そんなもん、おれが知りたいよ。でも、そういうことだってあるだろ。おれがいい例だ」

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官能物語 2021/06/22 10:00

美少女のいる生活/2

「に、妊娠しているのか、その子?」
「そうなんだよ」
「そ、それは、おめでとう」
「それ自体はおめでたいんだけどな」
「お前、やることだけやって、実はその子と結婚したくないなんて言ったら、友だちとしてぶっとばすぞ」
「おいおい、おれの年でそんなことするわけないだろ。もちろん、付き合い始めるときも結婚を前提にって思ってたし、彼女にもそう伝えておいたさ」
「彼女が結婚したくないとか?」
「いや、プロポーズしたら、泣いて喜んでくれたよ」

だとしたら、もう分からない。当事者の同意があって、相手の親にも了承を得ているのであれば、まさか、友人側の親が反対しているというわけでもないだろうから、何も問題は無いはずである。にも関わらず、友人のこの浮かない雰囲気は何だろうか。

「問題は、美咲(みさき)のことなんだ」
「あっ! ……美咲ちゃんか」
「ああ」
「怒ってるのか?」
「いや、怒ってはいないな」
「そうか」
「激怒している」
「おいおい……あれ、確か、今年受験だったよな」
「合格したよ。こっちの大学だ」
「そうか……」

 友人には娘が一人いる。その母親は彼女がごく小さいときに亡くなって、それから友人は男手一つで彼女を育ててきたのだった。貴久も何度か面識がある。

「まあ、難しい年頃だからな。新しい母親だって言われて、6歳くらいしか年の違わない女を連れてきた上、子どもまではらんでいるってことになれば、そりゃショックだろうな。事前ににそれとなく、匂わせることはしなかったのか?」
「今年は受験だったからな、受験が終わって大学が決まってから、話すつもりだったんだ。ていうか、もしもおれがもう一度結婚することがあっても、美咲が大学に入学した後のことだと思っていたんだ。それなのに……まあ、出会いっていうのは、運命だよな」
「街角で偶然ぶつかったみたいな言い方するなよ。お前は、出会いを求める場に自分から行ったんだろうが」
「でも、それで、23の娘と出会えるってわけじゃないだろう」
「24じゃないのか?」
「いや、出会った時は23だったんだ。で、彼女の誕生日を祝った日に、おれたちは初めて結ばれたんだ」
「悪いけど、おっさんのラブストーリーなんて全く興味が無いから、美咲ちゃんの話を続けてくれないか」
「ああ、で、美咲は、結婚自体には別に反対はしてないんだ、彼女とも仲良くなったらしいしな。ただ、おれのことは、『どうしてきちんと説明してくれなかったの。わたしが反対するとでも思ってた? いきなり話される身にもなってよ。お父さんのこと嫌いになった。当分話したくない』って言って、その通りのことをもう1ヶ月実践しているんだよ」
「1ヶ月?」
「ああ、家事はしてくれるし、毎朝毎晩メシは作ってくれる、弁当も。でも、一言も口をきいてない」
「徹底してるなあ。間違ってないよ、お前の育て方は」
「この場合は、嬉しくないよ」
「それで、おれに美咲ちゃんのことを説得しろとでも言うのか。お父さんのことを許してやれって。自信無いぞ、おれ」
「説得はしなくていい」
「じゃあ、何だよ。もったいぶるなよ」
「もったいぶってはいないけど、ちょっと言いにくいことなんだよ」
「お前なあ、いい年してうら若い女の子をはらませて、一人娘に嫌われているなんてことを告白したあとに、何を言いにくいことがあるんだよ。さっさと言えよ」
「分かった。じゃあ、おまえに頼みがある」
「おお」
「娘を預かってほしい」

 貴久は、今度は奇声を上げなかった。
 意味が分からなかったからである。

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官能物語 2021/06/21 17:00

美少女のいる生活/あらすじ

「今日からお世話になります、よろしくお願いします、貴久おじさん!」
 不惑の40歳を迎える貴久は、妻無し子無し独身生活を、謳歌しているとまではいかないがそれなりに楽しんでいた。そんな一人の生活に闖入してきたのは、親友の娘だった。この春大学生になったばかりの彼女を成り行きから迎え入れることになった貴久は、色々と生活の変化を経験することになる。

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官能物語 2021/06/17 10:00

主婦の秘めごと ~義父と家族風呂に入って~/24

 夫ではない、しかも夫の父親の子種を体内に受けたあなたは、しかし、満たされた気持ちになります。そのような気持になってしまうことの背徳感を、あなたは十分に味わいます。このままずっとこうしていたい、義父に抱かれていたいと思ったあなたですが、

「さ、そろそろ、部屋にお帰り」

 母親に戻らなければいけない時間がやってきます。義父は、あなたの体をゆっくりと横たえるようにすると、あなたのナカから肉棒を抜きます。そのときの喪失感に胸を痛くしたあなたは、よっぽど帰りたくありませんでしたが、そうも言っていられないことも分かっています。帰らなければいけないと認めた限りは、あなたは、そそくさとみづくろいをします。それでも、なお立ち去りがたい思いを抱いたあなたに、

「さ、お帰り」

 と義父が、背中を押すような言葉をかけます。

 あなたは、義父に軽く一礼してから、部屋を出て、子どもの元へと戻ります。子どもは、すやすやと寝息を立てています。その隣に身を横たえたあなたは、母親として相当に恥ずかしいことをしたという気持ちと共に、女としてはその本性に従ったのみであって、それほど恥ずかしいとも思っていないようです。むしろ、次の機会が欲しくてたまりません。明日、夫が来ることになっていますが、来なければいいのにとさえ思ってしまいます。そうすれば、また夜、義父に抱かれることができるのに……。そんな気持ちを抱きながら、あなたは眠りにつきます。

「ママー、起きてよ!」

 あなたは、子どもの声で目を覚まします。
 すっかりと朝日は昇っており、部屋の中は柔らかな光に満ちています。寝過ごしてしまったと思ったあなたは、子どもに対応した後に起き上がると、台所から包丁の音が聞こえます。

「おはよう、よく眠れたかい」

 台所に行くと、義父が笑顔で迎えてくれます。どうやら、朝食を作ってくれているようです。そんなことはわたしがやりますからと恐縮したあなたですが、

「いつも作っているから大丈夫だよ。顔を洗っておいで」

 そう言われて、起き抜けの顔をそのまま義父にさらしていることに気がつきます。

 あなたは洗面台へと行きます。そうして、朝日のもとで義父を見たとき、改めて、義父に好感を抱いたことを認めます。昨夜、義父と交わったのは、決して雰囲気に流されてしてしまったわけではないということです。あなたは今まさに、自分の体が義父を欲しがっていることを悟ります。夫が来るのはきっと今日の夕方でしょう。それまでの間に、どうにかして、もう一度義父と交わることはできないでしょうか。あなたは、鏡を見ながら、そんな淫らなことを考えるのでした。

  (了)

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官能物語 2021/06/16 10:00

主婦の秘めごと ~義父と家族風呂に入って~/23

 少しの間、あなたは、義父の上で、呼吸を整えています。呼吸を整えるという行為が、次の快楽に対して準備を行っているようで、あなたは恥ずかしくなります。どうやら、恥ずかしいという気持ちを感じられるほどには、性感が醒めてきたようです。しかし、次の瞬間、あなたは義父の手があなたの尻肉をぐっとつかむようにするのを感じると、体に再び火が入ったかのような心持ちになります。

「好きに動いてごらん」

 義父が優しく言います。騎乗位のときと同じく自分から動くように言われたあなたは、座位の状態での動き方など全く分からないながらも、やっぱりこれも騎乗位のときと同じように、自分が感じるように動いてみます。それで義父も感じてくれるのかどうかは分かりませんが、好きに動けと言われたからには、そうするほかありません。

 あなたは、ぎこちなく腰を動かします。すると、動きはぎこちなくても、快感はスムーズに伝わってきて、頭のてっぺんに性感の電流が走ります。

「はあっ、ああっ……」

 あなたは、喘ぎ声を落とします。さっきイッたばかりだというのに、また快感に喘いでいるとは、どれだけ溜まっていたのかと思わないでもありませんが、そのような気持ちはやはりすぐにどこかへと行ってしまいます。

「すごく気持ちいいよ、上手だね」

 義父から、褒め言葉がかかります。あなたは嬉しくなります。この頃、誰からも褒められたことなどないのです。子どもを褒め、旦那はよいしょしてやらないといけないあなたは、久しぶりに褒められる立場になって、褒めてくれた義父のことを一層好ましく思うようになります。

 それにしてもこの座位という体位の何という気持ちよさでしょうか。正常位だとどうしても「されている」という風に感じますし、騎乗位はこちらが動かなくてはならないので、こちらが「している」と感じてしまいますが、座位だと二人でセックスに参加しているという気持ちになることができます。

 座位はあなたのお気に入りの体位になりました。これからもこの体位でセックスしたいと思ったあなたですが、夫とはかなうべくもありません。せっかく、お気に入りができたというのに、その体位でできないなんてとがっかりしたあなたですが、

ーーまた、お義父さんと……。

 すればいいのではないかと思います。そのとき、いっそう激しい性感が体の中心部から湧き起こるようになって、あなたはまた絶頂の予感を得ます。次の瞬間、

「おおっ、出すよ」

 義父の切羽詰まったような声を聞いて、直後に、どくどくどくっ、と義父の肉棒が爆発して、お腹の中が温まるのを感じたあなたは、

ーーああっ、イクッ!

 ガクガクと体を震わせて、義父の背をしっかりと抱きながら、クライマックスに達します。

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