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ソフィの記事 (13)

猫虎屋 2023/04/06 00:44

生存戦略

冒険家とは、文字通り、危険を冒して仕事をする人々のことである。
その依頼には様々なものがあるが、失敗の果てに待つものは、死。というものも決して少なくはない。
例えクエストの成功率が9割であったとしても、裏を返せば1割の確率で失敗するということで、それを10回も繰り返せばいつかは失敗に遭遇する。
あるいは100の戦場で勝ち続けた百戦錬磨の将であったとしても、たった一度の些細な過ちのために命を落とすということもある。
ゆえに、失敗を避けるようにするに越したことはないが、いつかはその時が来るものだと考えて予め備えておくほうが現実的である。

犯罪者を相手にするような依頼が失敗してしまうと、 "ならず者" に捕らえられてしまうという結果が待っていることも多い。若い女性冒険家の場合、その先に待っているのは性的な辱めである。
しかし裏を返せば、美人であれば男性冒険家よりも生還率が高くなるのではないだろうか。従来はそう考えられてきた。
だがギルドの調査した統計の数字が、決してそうではないことを裏付けていた。凌○の末に奴○として売られるのであればまだいい方で、実際にはその前に命を奪われることが多い。そのような場合の生還率は、一般に想像するよりかなり低い。それが絶世の美女と呼ばれるような場合でも、だ。

なぜ彼らにとって性処理道具としての"利用価値"が残されているはずの女性たちが、死に至らしめられるのだろうか。
犯罪学を研究している学者は、二つのパターンを見出した。

1つ目は激しく抵抗した場合。
死にものぐるいで抵抗し、手に負えないと判断された場合はあっさり処断されてしまう。しかしこれはあまりケースとしては多くない。

2つ目は、凌○の末に、ならず者たちの加虐性が強く刺激されて、致命的な傷を負わせてしまうようなケースだ。実際に起きるのはこのパターンが非常に多いことがわかった。
どうすればこの惨劇を避けることができるのだろう。

研究の末はじき出されたのが、囚われた者の人格が否定され、道具として扱われるようになった場合に、そうなりやすいという傾向だった。
凌○の果てに精神が壊れ、全てに絶望したような反応を見せたとき、ならず者達にボロ雑巾のように扱われ、引き裂かれてしまう。

そのため、ひとたび囚われてしまったなら、過剰な抵抗を避けつつも、決して絶望することなく明るく振舞い続ける。常に会話の糸口を見つけて、彼らの神経を逆撫でしない程度に積極的に話しかけ、対等の関係を築くように心がける。
それが最も生存率の高いルートであることが明らかになってきた。

たとえどんなに性的な辱めを受けようとも、望まぬ子を孕もうとも、命さえあればまたやり直すことができる。
なによりも生き抜くこと。それが冒険家にとって一番大切なことであった。

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猫虎屋 2023/03/08 00:54

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猫虎屋 2023/02/08 00:28

王女とバスタオル杯

ソフィ王女のファンになったのは、帝国との大規模戦闘で氷の国の代表として凛々しく指揮を執る姿を見たときだった。
一介の一兵卒に過ぎない自分には、近づくことすら許されない。まさに高嶺の花。

だが彼女は見た目に反して自由を好む人で、王女という枠に囚われずに冒険家としてもソロで活動していた。
なんとかお近づきになる機会はないかと探っていたが、肝心なところで尻込みしてしまって、一緒にパーティを組んだことすらない。もちろん向こうはこちらのことなど認識すらしていないだろう。
そんなこんなで悶々としているうちに、びっくりする情報が飛び込んできた。
ソフィ王女がバスタオル杯に出るというのだ。

彼女は本当にこの大会の趣旨を理解しているのだろうか?
賞金こそ高額なれど、負ければ容赦なく犯されるという厳しいペナルティが課される試合である。お金に困っているわけでもないソフィが出るなんて、なにかの間違いかと思った。
だが確かに試合名簿にはソフィの名が記されており、出ることは確実である。
彼女が他の男に犯されるなんて。なんとか阻止したかったが、自分にはどうにもできない。唯一できるとしたら、○す側に回ることだけだった。

大会は全員5試合ずつ行われ、1度敗北するたびに1回犯される。
つまりは最大で5回犯される可能性があるということで、その役目を担う"ボールボーイ"は5人ずつ選出される。
ボールボーイの志願はオークション形式で入札が行われ、金額が高いほど順番が先になるという仕組みだ。
もし5人目になってしまったら、対象プレイヤーが全敗しない限りはその順番が回ってくることはない。

一兵卒の安月給にはなかなかに厳しい15万Gという大金を出したのだが、結局順位は3位だった。ソフィの順列1位落札額は80万Gだというのだから到底手の届かない金額である。
だが他の選手を見ると、中には200万だの300万だので争った例もあるらしく、とりあえず3位に食い込めただけでも幸運と言うしかない。あとは3敗してくれるのを願うしかない。


ソフィは1戦目で勝利したが、2戦目と3戦目は敗北。その時は自分はあえて席を外していた。そして4戦目で辛勝し、5戦目を迎える。勝つか負けるか。ソフィのファンなのに、彼女の敗北を願うという歪んだ構造に皮肉を感じたが、背は腹に変えられない。これで負けてくれないとお預けどころか15万払い損である。

「ゲームセット!敗者、ソフィ・R・ファルク!」
高らかに笛が鳴らされ、敗者が決まる。その瞬間、全身に血が沸き起こるの感じた。
この時のためにずっと我慢してきたのだ。この瞬間のために。

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猫虎屋 2023/01/20 22:08

新体操(1)

新体操は音楽に合わせてさまざまな踊りや技を披露する新しい体操のかたちである。
茶熊学園の新体操部には、ソフィ、エクセリア、ノアの3人が所属している。

新体操は、バレエやフィギュアスケートと同じジャンルであるにも関わらず、この世界では未だプロスポーツとして認められていない。バレエやフィギュアの大会では多くのチケットが売り捌かれるのに、新体操はそのような公演ができるほどの人気も競技人口もまだいないのが実体であった。
そこで新体操協会は、よりエンターテイメント性の高い新たなルールを取り入れることになる。
それは男女の愛をテーマとしており、音楽に合わせてペアが濃密に交わる。いわゆるセックスダンスである。試験的に開催されたこの競技はたちまち大人気となり、新体操界にも新たな旋風を巻き起こすことになった。

茶熊学園の新体操部もこの波に乗らないわけにはいかず、次の大会に出場することになったが、問題は男子部員が一人もいないことだ。
そこで急遽助っ人として呼ばれることになり、一ヶ月後に控えた新体操大会に出場することになってしまった。あくまで正式な部員ではなく、大会が終わるまでの一時的な約束である。
三人の女の子と共演できるなんて、約得だ、くらいに考えていたのだが、現実はそんなに甘いものではなかった。むしろあまりの練習の厳しさに、面を食らう。

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    ひつぎん* ID01529399
    ソフィ様と…☺️ノアとエクセリアの続編も楽しみにしています!

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猫虎屋 2022/12/01 04:02

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