きょだいむすめしみゅれーたVer.1.0をOculusQuest2で動かしてみた(ゲーム配布あり)
どうもです。いや、お久しぶりでしょうか(°▽°)。少し期間が空いてしまいましたが近況の報告をしたいと思います。
さて、今回はタイトル通りOculusQuest2用のゲームをビルドしたお話です。一番最初にapkファイルを置いておきます。下記のファイルをインストールした後、SideQuestを通してインストールしてください。注意点としてはゲームの起動には20秒ほどかかるのと、キャリブレーションができていないのでゲームを起動したらOculus側で一旦『正面のリセット』を行ってください。詳細というわけではありませんが手順は記事後半に記してあります。
(まさかのリリースです)
GTS_Simulator_VR.zip (101.37MB)
ダウンロード…ところで「いや待てよ、お前きょだいむすめしみゅれーたはどうしたんだ」…って顔をしている事でしょう。申し訳ありません。最近まとまった時間が取れなくて製作は中々進んでいません。動画でも書いたのですが、タイトルまで作ったところで製作は一旦中断しています。
(フォントとかフレーム素材とか調達するのって結構大変…)
というのも、最近家に帰ってからの時間がめっぽう無くなってしまいましてね…(Oculus買ったからという訳ではないぞ)。チマチマ作っているとどうしても非効率になってしまうのです。そんなわけでまとまった時間が取れる7月後半までは別の事をしようって思いたったのが先月の中ごろでした。そしてそこで思い付いたのが今回のOculusゲームになります。
遡ること二ヶ月前__。実は4月の初めにVRHMDの乗り換えを行いました。今まではOculusRiftを使っていたのですがそろそろボロっちくなったということで昨年発売したOculusQuest2を買うことにしたんです。スペックと値段と噂を聞いてほぼ即買いでした。
(ちなみに誕生日プレゼント)
まぁ今更紹介するまでもないでしょうがこのOculusQuest2はスタンドアロンで遊べるVRゲーム機で、つまるところPCがなくてもそのまま遊べるのが売りのVRゲーム機になります。とはいえSoCの性能は当然スマホクラスなのでQuest2単体の性能は決して高くはありません。例えばQuest版のバーチャルキャストはPC版に比べて描写の制約があるなど、モバイルでも動くように工夫が凝らされています。また同じOculusでもPC版のゲームがQuestで遊べなかったりします(まぁVRっつっても根はAndroidだからね)。
ただOculusQuestにはそこを補う機能がありまして。それがOculusLinkと呼ばれるものです。OculusLinkはPCとOculusをUSB3.0で繋ぐことによりPCのVRゲームをQuestでも遊べるようにするオプション機能です。つまり、OculusQuest2はスタンドアロン型のVRHMDでありながらもケーブル接続をすることによって『ガジェット型VRHMD』にもなるというゲーム機というわけです。おまけに実は4月の終わりからは更に進化したOculusAirLinkと呼ばれるものも追加されて、既にPCとOculusは無線で繋がっており…いわば夢のケーブルレスVRHMDと化しているのが現状なのです!もちろんセンサーも不要!母艦の後ろに何本もケーブルをぶっさしていた時代は終わったわけですね。しかもそれがたったの4万円じゃないですか。こりゃ買って損はないですねw。
まぁ興奮気味に書いてしまいましたが、とにかくすごいって事ですw。ただOculusとPCを無線ということは当然遅延関係を気にすることでしょう。正直に言えば遅延は0.1秒前後発生しています(120FPSだと10フレーム前後かな?)。個人的な感想で言うと、OculusAirLinkに接続した状態でワイヤレスイヤホンをつけたら違和感があってゲームはできません(Aptxが解禁?されたらわからないけど)。しかし本体側のステレオミニプラグで接続していれば音ゲーじゃない限り十分遊べるものでした(H3VR程度の発砲音なら全く問題なし)。ちなみにPCとOculusは現状『200Mbps』で接続できるので(でしかできないので)、別段10GEのLAN環境などを構築する必要はなく、ルーターも11acならばOculusQuest2が内蔵しているアンテナ分(2本)があれば十分そうです。ただしルーターの置き場所は重要で、Oculus公式によれば同じ部屋で高さ1mの場所に置くのが最適みたいですね(部屋がルーターから遠い場所にある人は部屋にAPを設置するのがいいと思います)。
__話を戻します。
去年チラッとYoutubeの方でVRゲームの動画をあげたのですが、実は今回のゲームはそれをOculusQuest版に移植したものになります。
https://youtu.be/dCSPfKy8_Ms
そうです、つまり今回のゲームは『きょだいむすめしみゅれーたーVer1』のVR版になります。まぁそんなに早くゲームを作れないしね。というか、そもそも正直に言えばここまでトントン拍子に上手くいくとは思っておらず、リリースの予定も完全にありませんでした。
移植にあたっては二つのハードルがありました。一つは『Unity側のバージョンアップ』で、GTSしみゅれーたはUnity2019.3fで作っていましたが、Questのゲームを作るには2019.4f以上にする必要がありました。こういうのってなるべくバージョンアップってしたくないんですよね(動作しなくなるから)。最初はUnity2021でやってみたんですが…案の定エラー祭りでしたw。次はUnity2020…これもダメ(Editor関係が全部ダメになっちゃうみたいです)。で、最後に2019.4fでやったら上手くいったというわけです。まぁビルド項目を出るようにしたというだけですかね。そんなこんなでバージョン問題はクリアしました。
二つ目はGTSしみゅれーたが『OculusQuest2』の性能で動くかどうかの問題でした。あれだけのオブジェクトがあるのだから無理だろうなー…と思っていましたが思いのほか動いてしまいました(マジかよ…。)。むろんビルを一斉に爆破すると重くなりますが、通常時なら70フレーム前後は出ている気はしますね(正確に測ってはいません)。ちなみにQuest2の最低フレームレート数は72Hzです。今回のゲームはまだ移植しただけなので最適化はしていません。なので改良次第では十分快適に遊べるレベルまで持っていけるかもしれませんね。ということで、案外コチラも大丈夫でした。
…と、こんな具合に二つの課題は思いのほか簡単にクリアしてしまいまして。構えていたよりもあっけなかったです。実は最後にリリースの問題もあったですが、そこもSideQuestを使用すれば問題ありませんでした。
まぁこんな感じに上手く出来た(?)ので今回記事にしたという訳です。上記で書いたように、現状は移植しただけでなので未完成な部分が多いです。例えばキャリブレーションができていなかったり、コントローラーも不十分という事が挙げられますね。万年雰囲気ゲーで終わってるのですが…まぁ赦してください。そんなわけで今後の改良については暇と反応を見て行うつもりです。
さて、簡単にインストール方法について紹介しておこうと思います。現在OculusQuest2にゲームを入れる方法は三種類ほどありますが、配布のしやすさを考慮して今回は『SideQuest』というものを使ってインストール行います。SideQuestはOculus公式のものではありませんが、世の中に出回っているサードパーティ製のアプリを入れるには最も適した(?)導入方法と言えるものです。
なぜSideQuestを使用するのかというと、Oculus公式ストアは個人開発者にはハードルが高いことが理由だったりします。確かに最近は審査が緩くなったOculus公式のAppLabというものも出たのですが、それでも審査のハードルはまだ結構高そうです(あと時間もかかるみたい)。他にもデリケートな問題なのですが、こういうゲームだとレーティングの問題も発生する気がしまして…。そんなわけでこれらを考慮した結果、SideQuestが一番だと判断したわけです。ただ非公式なのでインストールは自己責任という事になります。自分のQuestで試しているので大丈夫だとは思いますが、突然Oculusが文鎮化する可能性はゼロではないという事を踏まえてインストールしてください。(←ここ重要)
それでは手順を書いておきたいと思います。まぁ詳しくは下記のネット記事をご覧ください。ここでは書くのはあくまでチェックリストだと思ってください。
(参考元:https://newgadget3mai.com/archives/post-12115.html)
前提・ハード面で用意するもの
Oculus Quest2
PC(android版も出たみたいですがこちらは割愛します)
USB AtoCケーブル
①SideQuestをPCへインストール
②Oculus開発者団体の登録をする
→Oculusで開発者モードを選択できるようにするために必要
③Oculus ADB Drivers 2.0をPCにインストール
→PCでOculusを認識させるためのドライバ
④スマホのOculusアプリから開発者モードを選択
⑤PCとQuestをUSBケーブルで接続
⑥用意したApkファイルをSideQuestにD&Dする
⑦OculusQuestのアプリ一覧から「提供元不明アプリ」を選択する
⑧GiantessGame_2021を選択する
⑨起動まで少し時間がかかるので画面が暗くても20秒ほど気長に待ちましょう
⑩Oculus側で「正面のリセット」を行う。
→キャリブレーションだと思ってください。
⑪アプリ終了は通常のOculusと同じです。
操作説明
移動:左コントローラースティック
巨大:左Yボタン
縮小:左Xボタン
方向転換:右スティック
武器オンオフ:右B
こんな感じでしょうか。未実装な部分は以下の通りです。
「カメラの描写距離の不具合」
→1/1サイズに近づくにつれて近くにあるものが描写されなくなってしまいます。これはスクリプトを作ってないだけなので早めに修正します。
「ライブ映像の切り替え」
→PC版ではライブ映像を取得することは簡単なのですがQuest版ではアプリから確認できるのはどうしてもストリーミング映像になってしまいます。ここの差し替えができるのかは正直わかりません。もう少し調べてみます。ちなみにPC版のリリースはもう少しお待ちください。というのもUnityのプラットフォーム切り替えが凄くめんどくさくてですね…。Quest版がある程度進んでからリリースしたいと思います。
「コントローラー系」
→ジャンプとか射撃武器や物を投げるアクションとか追加してみたいですね。暇があれば追加します。
以上、簡単な説明でした。
最後にこのゲームのネーミングについて。GTSとか巨大娘っていうのはココで書いている分にはいいんですが、一般向けになればどうしてもアウトな気がするんですよね。実際このゲームって純粋に爽快系のゲームとしてもできそうな気がするので今後は名前を変えようかと思っています。…やっぱりアレかな?デモリション・マン(トイレに貝殻があったり車がシュークリームになるやつ)が好きなんでデモリション(demolition:解体)とかにしようかなぁとw。まぁ一般向けに出すかはわからないんですけどね。
それでは今回はこの辺で。