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畜えちの記事 (14)

シロフミ 2020/08/06 22:51

犬のお世話・その4

「たっだいまー。シロー、ちゃんと大人しくお留守番してた?」
「ぉうんっ!!」
 可愛らしい振袖をはためかせたマキが玄関をくぐるなり、庭に伏せていた白い毛むくじゃらの塊はがばあっと跳ね起きて、鎖を引きちぎらんばかりの勢いで飛びついてゆきます。
「わぉおおーーんっ!! わふ、わうっ、わおんっ!!」
「きゃ……ちょっと、こら、シローっ!?」
 相変わらず元気なシローにマキも笑顔になりながら、姿勢を低くしてシローを抱きしめました。
「……もぉ。シローってばさびしがり屋なんだから」
「わぉんっ。わんわんわぉんっ!!」
 いつもより強くぶんぶんと尻尾を振りたてて、二日ぶりの再会を喜ぶシローはマキのほっぺに鼻先をこすりつけ、ぺろぺろと舐め回します。
「あんっ……こらぁシロー、くすぐったぁいっ」
 マキの家の恒例の帰省は、大晦日からお正月にかけて、電車で1時間ほどのおじいちゃんの家に戻るだけのささやなかものですが、それでもシローを一緒に連れて行くことはできません。
 毎年おとなしくマキのお家でお留守番をすることになっているシローなのですが、今年はちょこっと事情が違いました。大好きなマキと離れ離れになるのを嫌がったシローが、出かける直前まで暴れにあばれて、ぜんぜん言うことを聞かなかったのです。
 マキのお父さんもお母さんも、毎年のことなのにどうして今年になっていきなりシローがわがままになったのかと首を捻るばかりでした。
「ごめんね……おいてきぼりにして。寂しかったよね、シロー」
「わおん……くぅんっ」
 ただひとり、その理由を理解していたマキはシローの首に回した手にぐっと力を込めて、ふかふかの毛皮に顔をうずめます。
 白くてもこもこの冬毛に生え変わったシローの身体は、たっぷりお陽さまの匂いがして、顔を近づけているだけでとろんと眠くなってしまうほどでした。間近でシローの息遣いを感じているうちに、マキの胸もとくんと高鳴ります。
「シロー、あったかい……」
「くうぅん……」
 シローもうっとりと目を細めて、マキの首筋にぐりぐりと自分の首を押し付けます。シローもこの二日間、マキに会いたいと思い続けてくれていたのです。言葉は通じなくても、マキにはちゃんとわかりました。
 目を少し潤ませて、シローが『もう行かないで?』『いっしょにいようね』と訴えかけてきます。
「シロー……」
 そんなシローの仕草に、マキは切なくてたまらなくなってしまいました。マキはシローの前にひざまづいて、そっと首を上向けると、シローの唇に自分の唇をちょんと触れさせました。
「んちゅ、んむっ……れるっ……っふ……」
 すぐに伸ばした舌が絡まりあい、ふたりはちゅくちゅくと濡れた音を立て始めます。
 『ただいま』と『おかえりなさい』。
 そして『さびしかったよ』『いっしょだよ?』。
 言葉などなくても、なによりも雄弁に『だいすき』を伝え合うためのふたりのキスは、マキとシローの間にある種族の壁を取り払って、しっかりと心を繋ぎ合わせてゆきます。
 泡立ち、どろぉっと粘ついて喉に絡むシローの唾液を、こくりこくりと飲み込んで、マキはせいいっぱい、置いてきぼりにしてしまったシローに『ごめんなさい』を伝えました。
 けれど、マキはすぐにシローが怒ってはいないことに気付くのです。
 シローはただ、大好きなマキがお家からいなくなってしまったことを心配し、寂しさでいっぱいになりながらも、いっしょうけんめいマキのお家を守ってくれていたのでした。
「シロー……っ、んむっ、んちゅうぅっ……」
「わふ、わぅっ」
 温かいもので胸がいっぱいになり、マキは我を忘れてシローとのキスに没頭します。いつしかふたりのキスは、『だいすき』と『あいしてる』を伝え合うものに変わってゆくのでした。
 パパにもママにもナイショのふたりの関係。けれどいまや、マキとシローの心を繋ぐ絆は何よりも堅く強固で、決して離れないものになっているのでした。
「ふぁあ……っ♪」
 情熱的なシローのキスに、いつしかマキの脚からは力が抜け、甘くじぃんと溶け痺れた腰がとすん、と芝生の上に落ちてしまいます。
 ぶるっと震えた背筋をぞくぞくと切なさが這いのぼり、乱れた着物の裾の奥、防寒用のタイツの下に穿いた下着の内側にも、じわあっと甘い疼きが溜まっていきます。
 けれど、ぺしゃんと芝生の上に座り込んでしまったマキの上に覆いかぶさるように、シローは大きな身体をぴったりと寄せ、上向くマキの顔をぺちゃぺちゃと舐め回してゆきます。敏感な耳やほんのり色づいた首筋もいっぱいいっぱい舐められてしまい、マキの頭はどんどんふにゃふにゃになってしまいました。
「もぉ、……お着物汚したら、お母さんに怒られちゃうよっ……」
 シローの前脚に伸しかかられ、ほとんど芝生の上に倒れこみそうになりながら、マキはシローの首に回した腕に力を込めて、やめるように言います。
 けれどシローは器用に首を捻って、マキの胸元、襟の合わせ目にぐりぐりと鼻先を押し込んできます。
 濡れた鼻と、はあはあと伸びた唾液まみれの舌が、着物の下に滑り込み、れろんっ、れるぅっとマキの首筋と鎖骨を這い回るたび、まだブラも付けていないマキのちいさなふくらみは下着に擦れ、その先端をぴんと尖らせてゆくのです。
「馬鹿ぁ……ぉ、帯、解けちゃうっ、じゃないっ……。シロー、め!! ダメ!! ……ね? ぬ、脱がしたら、ダメだってば……あ、あたし、これ一人じゃ着れないんだから……っ」
 昨日の初詣に続いて、もう一度お祖母ちゃんにねだって着せてもらった振袖ですが、着慣れない上にこうまでシローにのしかかられては思うように身動きが取れません。マキが身をよじるたびに襟が崩れ、帯が緩み、裾が大きく乱れてしまいます。
 けれどシローはマキの抵抗がないものと勘違いし、いよいよ大胆に頭を下ろすと、マキの脚に鼻先を押し付けました。大きく割り拡げられた膝の間、めくれた裾の奥に頭を突っ込んで、べちゃべちゃの舌がタイツの上からマキの大事なところをまさぐり始めます。
 あっという間に白いタイツはぬるぬるのくちゃくちゃに湿って透け、マキの肌色をのぞかせます。シローの熱い吐息は、着物の奥にこもって、敏感な内腿をくすぐりました。
「ふぁ……っ、しろー、やぁ、着物、汚れちゃう……あとでおかあさんたちも帰ってくるのに、……シロー、あたしが着替えるの、手伝えないでしょっ……?」
「わぉんっ!!」
「わ、わぉんじゃないってばぁ……もぉーっ!!」
 ぎゅっ、と訴えるように胸元の毛皮を握りしめたマキにも、なぜか自信たっぷりに答えて、シローはさらにぐいっと顔をマキの脚の間に突っ込んできました。とうとう裾が大きく開き、同時に限界になった帯がするりと解けてしまいます。
「ぁ……っ、ばか、シロー、だめ、だめ!! こんな、お外で……っ」
 ぽかぽかと頭を叩くマキにも、シローはまったくいうことをききません。するりと開いた着物の合わせ目から、まだまだぺたんこの胸までも大きくあらわになって、マキはすっかり『召し上がれ』状態になってしまいました。
 着物というものは、いざというときにはひどく無防備なものなのです。
 腰の帯だけが辛うじて前を止め、おヘソとおなかを隠してこそいますが、タイツの下半身もほとんど隠れず、仰向けの胸にいたってはすっかり丸見え。柔らかなプリンのように揺れ、先端をほんのりとピンク色に色づかせています。
 誰かに見られてしまうかもしれない、おうちの庭のまんなかでこんなことになって、マキのほっぺも唇も、とろんと甘く蕩け、肌もうっすらと蜂蜜を混ぜたミルク色に上気していました。
「ふぁあ……ぅっ」
 巧みにうごめくシローの舌先が、タイツの合わせ目を擦るようにマキの大事なところを舐め上げます。マキは飛び上がりそうになるのをぎゅうっと目を閉じて耐えました。
 タイツと下着越しにも感じる器用な長い舌が、マキのあそこの敏感な突起を擦り、びりびりと鋭い快感を何度も打ち込んできます。マキは思わず悲鳴を上げそうになってしまいました。
 誰かに聞かれるわけにはいきませんので、マキはあわてて両手でじぶんの口を塞ぎますが、ぽかぽかと自分を叩いていたマキの両手が止まったので、シローはそれを『いいよ』の合図だと受け止めてしまいました。ますます夢中になって舌を動かしだすシローに、マキは気が気ではありません。
「や、ぁ、だめ、だめぇ……シローっ、こ、こんなとこ、で……み、見られちゃうっ……よぉ……っ」
 マキとシローがいる庭は、玄関の門を覗きこめばすぐに見えてしまうような場所なのです。植木が陰を作ってはいますが、たとえば郵便配達や新聞屋さんがやってくれば、あっという間に見えてしまうような場所なのでした。
 せめて少しでも庭の奥へ、と這いずろうとするマキですが、シローに女の子のいちばん敏感な場所をくちゅくちゅを音を立てるほど舐め続けられていては、それも思うようになりません。
「んぅっ……ふっ……ぁあうっ……だめ、ぇ……っ」
 着物の奥に篭ったマキのおんなのこの匂いに、シローはますます発情しています。すでにおなかの鞘から抜け出したおちんちんが、赤黒く色づき、びくびくと尖って膨らみ、シローの脚の間でぶるんぶるんと揺れていました。
 顔をそむけようとしても、身体の向きの関係で嫌でも目に入ってしまうそのいやらしいカタチに、マキもだめ、だめと思いながらも、自分の身体がいうことをきかなくなっていくのがわかりました。
「ぁ、…んぅ…っ、ふぁ、あぁあっ……」
 タイツ越しのもどかしい刺激は、けれどかえってマキのおなかの中を熱く煮えたたせ、くつくつと沸騰する切ない疼きがいつもよりもとろとろにおなかの奥深くを蕩かせてゆきます。
 べちゃあ、とタイツの股間に広がる染みは、けっしてシローの唾液だけが原因ではありません。小さな白い布地の内側では、もう秘密の場所はくちゅりと大きくほころびて、甘い蜜を次から次に溢れさせているのです。マキの身体は、もうすっかりシローを受け入れる準備を整えていました。
「っ………」
 これまでえっちをするたび、何度も繰り返されてきたシローの愛撫が、マキをますます昂ぶらせてゆきます。
 マキ自身もまだ気付いていないうちに、いつしかなにも知らなかったはずの無垢な乙女はすっかり大好きな相手を愛することのできる『おんなのこ』にされてしまっているのでした。
 可愛い顔を真っ赤にし、大好きなで、大事で、特別な相手にだけ見せる『おんなのこ』の表情で、マキはシローを見上げます。薄く開いた唇からは桜色の舌と、溢れんばかりの唾液が覗き、準備万端でシローを求めていました。
 じわ、と涙の滲む目で、マキはシローを見上げます。
 激しく高鳴る胸の鼓動は、一秒でも早くシローの『およめさん』になりたい、という思いを加速させ、マキの頭を熱っぽく支配してゆきました。
 マキは、俯いたままぽつりとつぶやきました。
「シロー……の、ばかぁ……っ」
「わぅ?」
「ばかぁ!! シローのばかぁ!!」
 マキの様子がおかしいのできょとんとしたところを、いきなり大声で叫ばれて、シローは耳を丸めて飛びあがります。
 それでもマキは、着崩れた着物を直すでもなく、芝生に座り込んだままぽろぽろと涙をこぼしながらシローをきっと睨むと、ぶんぶんと頭を振って言葉を続けるのでした。
「シローがいけないんだからね!? シローが、そんなんだから、……あたし、こんなふうになっちゃうんだよ?! お、おじいちゃんのところにいるときも、みんなとお話してる時も、シローのことしか、考えられなくってっ……!!
 今日だってそうなんだから!! あたしひとりで先に帰ってきたのだって、そうなんだからねっ!! し、シローに会いたかったからなんだよ!?」
 ごく、と口の中にあふれそうになった唾液を飲みこんで。マキはくしゃり、と表情を崩しました。泣きながら笑って、シローをじっと、じっと見つめ、あふれる思いを言葉へと変えてゆきます。
「さ、さいしょは、シローが、ひとりで、およめさんいなくて、さびしそうだったから!! ちょ、ちょっとだけ、手伝ってあげるつもりだったのに……なのに、っ、なのに!! ……あたしを、こんなにしちゃったの、全部シローのせいなんだからねっ……!!
 シローのこと、だいすきで、だいすきで、ヘンになっちゃいそうなのに……そ、それなのに、こ、こんなにされたら、も、もうシローとっ、……ぇ、えっちすることしか、考えられなくなっちゃうんだからぁっ!!」
 感情を爆発させながら、マキはシローの身体に飛びつきます。ちょうどさっきの逆の格好でした。
 けれど、あまりに事態が突然すぎて一体何のことか解らないシローには、ただおろおろと足踏みをし、目を白黒させるばかりです。困惑のシローに、マキはいつまでも泣きながらぎゅうぎゅうと抱きつくのでした。




 洗ったばかりの毛布を敷いた縁側、窓を開けた廊下の上に、うつ伏せになって膝をつき、お尻を上げ。マキはぎゅっと頼りない毛布を握りしめて、シローを呼びます。
「ん……いいよ?」
 いくぶん緊張しているマキとは対照的に、すっかりあたまに血を登らせたシローはマキの背中にがばっと飛び乗り、はあはあと息を荒げながらがちがちに膨らんだおちんちんをマキのおしりに押し付けてきます。
 丸く黒い大きな目は、すっかり濡れてマキを求めていました。
「……シロー、……っ」
 足首に下した濡れたタイツとパンツを絡め、下半身をさらけ出したまま、マキは切なく声を震わせます。
 服の上からのもどかしい刺激で延々と焦らされ、もはや限界のマキは、もう何も考えられずにシローの身体を受け入れようとしていました。シローが求めるとおりの四つん這いで、お尻を高く上げる獣の格好。恥ずかしさと、よく分からない恐怖感で、マキの心臓はばくばくと震えています。
「…………っ、」
「わおんっ……!!」
 けれど、そんなマキがためらうひまもなく。手の支えも必要なしに、びく、びくと震えるシローの固く尖って膨らんだおちんちんが、づぷん、とマキのあそこの中に沈んでゆきます。
 マキとはじめてえっちをしてから半年以上が過ぎて、シローはもうすっかりマキとのえっちの仕方を覚えているのでした。驚くほどスムースに、シローはマキの身体と、奥深くまで繋がってゆきます。
「ぁ、あっ、あ、あっ」
 あっという間に、硬く張り詰めたおちんちんがマキのおなかを貫いてゆきます。マキが知っているシローの肉の格好そのままに、柔らかく狭い『おんなのこ』の孔がくり抜かれてゆくようでした。
「あぁ、あっ、あぅ、シロー、すごいっ、ぉ、おちんちん、っは、入って、きてるよぉ……っ!!」
 必死に縁側にしがみ付くマキを押し潰さんばかりの勢いで、大きな身体を圧し掛からせ、そのままぐりぐりと体重を乗せて、深々とシローが腰を打ち付けてきます。
 尖ったおちんちんの先端がおなかの深いところを突き上げ、ごりっ、ごりっと貫く感覚が、マキの子宮をえぐるのでした。
「あ、あっ、あ。シロー、っ、あ、ぁ♪ あぁっ♪」
 そうして、いったん奥深くまでマキを貫いてから、シローは猛然と腰を振り始めました。その激しさと言ったら、押し込まれるときはマキの身体がべたんと床に押し潰され、引き抜かれるときは小さな腰がふっと浮かびあがるくらいです。
「っ、っ~~……ッ!! ふぁ、シロー、や、ぁんっ、お、おなか、おなかヘンになっちゃう……っ!!」
 肉の竿の途中の、膨らんだ部分が柔らかな襞を押し分け、天井の気持ちイイところを出入りの度にぞるるっ、ぞるるるぅ、となぞり擦り、マキの手足はそのたびにぴぃんと硬直します。
 さらには硬く熱いおちんちんがおしっこの孔を裏側から圧迫し、マキはあそこからはぴゅう、ぴゅううぅっと潮が吹き上げて、毛布をぴちゃぴちゃとと濡らしてゆくのでした。
「シローっ、しろーの熱いの、いっぱい出てるっ、でてるよぉ……!!」
 挿入と同時に、勢いよく射精をはじめたシローのおちんちんは、たちまちマキの狭い女の子の孔にどくどくと精液を注ぎ込み、赤ちゃんのもとでいっぱいにしていきました。
 すっかり敏感になった身体の内側全体で、シローのほとばしらせる白くどろどろの分身を受け止めるたび、マキの身体に言葉にできない悦びが湧き上がってゆきます。
「んぐ、っふ、ふぅぅぅあうっ♪ ……ん、むぐぅっ……ぅ」
 たまらず毛布を噛み締めて声を押し殺すマキですが、シローは容赦なく腰を動かし続けました。
 できたてほかほかのお餅に埋まった杵のように、しっかり絡み付いて離さないマキの腰が、シローの激しい前後運動にあわせて上下し、跳ね回ります。マキの『おんなのこ』は、ちょうどシローが腰を動かすのとは反対の動作を返していました。シローがおちんちんを引き抜くときはきゅっ♪ と締め付けて絡みつき、押し込む時にはひだひだを寄せ合ってぐにゅっと押し返すのです。
 ぬぶっ、ぢゅぷっ、といやらしい音を響かせて、マキもこの半年で覚えたシローとのえっちの仕方を、存分に披露します。
「わおぅ、わぉおんっ!!」
 マキを組み敷いたシローが、高く吠えます。
 づぷん、と深く沈みこんんだおちんちんの先端が、膨らんで降り始めた子宮の入り口をぐいっと押しあげ、そこに激しく白いマグマをぶつけます。
 一秒単位でびくびくと膨らみ、びゅるびゅると赤ちゃんのもとを吐き出すシローのおちんちんは、マキをすっかり虜にしてしまいました。
「んぅ、あ、シロー、しろおっ……シロー、すごい、よぉっ……!!」
 マキがうわずった声で名前を呼ぶと、シローも興奮した吼え声をあげます。誰よりも深くシローと繋がったマキには、シローが気持ちいいと叫んでいるのがはっきり聞こえました。
 そう、マキはシローのお嫁さんなのですから、いまはどんな女の子よりも一番、マキがシローを気持ちよくさせてあげることができるのです。
「シロー、だいすきっ、だいすきだよぉっ……♪」
「わっぉおんっ!!」
 興奮とともに大きく、ボールのように膨らんだシローのおちんちんの根本が、深くマキのあそこの中にねじ込まれます。シローのおちんちんのなかで一番敏感な場所であり、同時にマキのおなかをみっちりと埋め尽くし、無茶苦茶にかき混ぜてしまうそれが、しっかりとふたりを繋ぎ合せます。
 まるで、こうなるために産まれてきたように。
 シローとマキの身体は、一部の隙間もなく噛み合うのでした。シローのおちんちんの格好そのままに、狭くぬめるおんなのこの孔を身体の奥の奥まで深ぁくくりぬかれ、マキはぬぷぬぷと前後するシローのおちんちんに征服されてしまいます。
「あ、あぅ、シローっ、シローのっ、出てる、いっぱい出てるっ……おなか、シローでいっぱいにされちゃう……っ」
「わおぅ、わんっ、わんわんわぅんっ!!」
 背中にぴったりと押し付けられるふかふかの毛皮、耳元で響くシローの荒く熱い吐息。なにもかもが、マキの心を熱く激しく躍らせてゆきました。
 マキのおなかのなかを、ありったけ塗りつぶしてしまおうとせんばかりに、際限なく注ぎ込まれるシローの赤ちゃんのもとが、びくびくと元気に跳ね回り、マキの身体の奥へと注ぎ込まれてゆきます。
 火山が噴火するように熱く煮えたぎった射精をうけとめるたび、波のように打ち寄せる『おんなのこ』の悦びが、マキを侵略していきました。
「ぁ、あっ、あ。あーっ、ぅあ、んぁぅ、ぁっ、あぁあああァ……ッ!!」
 本当なら、これはいけないことなのだと。
 シローは犬で、マキは人間で。だから決して許されないことなのだと。そう思っていたはずのマキの心が、粉々に砕けてどこかに消えてゆきます。
 ただひたすらに、シローを愛し、大切に思い、大好きだと伝えたい。それだけがいまのマキの偽らざる気持ちでした。
「シローっ そんなにいっぱいしたら、できちゃう、……あかちゃん、シローとあたしの……、あかちゃんっ、できちゃうよぉっ!!!」
 イヌとヒトとでは、赤ちゃんができない。そんなのはマキだってずっと前から知っています。でも、それでも、それでも、マキは心の底からそれを望んでいました。

 シローの、赤ちゃんを産んであげたい。

 誰よりもシローを大好きでいることを、はっきりとカタチにして示すために。こうやって、シローとの関係を秘密にしなくても良くなるように。
 シローと自分が、どれだけお互いのことを大好きなのか。それを世界中のみんなに教えてあげるために。
「ぁああ、ぁあ、ぅあ、ふぁああぅぁ……ッ!?」
 それに応えてくれたのでしょうか。
 びゅる!! びゅる!! とひときわ激しく、マグマの噴火のように、シローのおちんちんが爆発します。おなかの奥に直接叩き付けられるシローの熱いほとばしりに、マキはシローが懸命に、生命の素を絞り出してくれていることに、マキはなによりも深い歓びを感じました。
(シロー、あ、あたしが、ちゃ、ちゃんとっ、ぁ…赤ちゃん、産めるようにして、くれてるっ……♪)
 だから。
 あとは、マキが頑張る番でした。
 マキは、女の子が大好きな相手を気持ちよくさせてあげることのできる、身体の全部を、ありったけ、残さず余さずに使って、シローを天よりも高くまで気持ちよくさせなければなりません。
 シローの赤ちゃんのもとが、ちゃんと、自分のおなかの中の『タマゴ』にまで届くように。
 ……保健体育で習った、えっちのあとの“ジュセイ”と“チャクショウ”がちゃんと起きてくれるように、マキはからだじゅうをつかって、シローのおちんちんから赤ちゃんのもとを搾り取ります。
「あ、あぅ、あ、あっ♪ ぅあ♪ ふぁ、ふぁぁあぅぅあっ……!!!」
 びりびりと胸の奥で弾ける赤い実の衝撃。シローのおちんちんの根本の瘤が、すっかり皮の内側に隠れてしまったマキの敏感な突起を、おなかの裏側からごりごりと擦ります。
 まるで小さなマキのおなかを破裂させようとしているようでした。
 シローが逞しい四肢を踏ん張らせ、腰を動かすたび、マキのしなやかな両手足はぶるぶると震え毛布の上に沈んでしまいます。
 繊細で敏感な快楽神経の詰まった柔らかな孔を、まるで石臼のようにしつこくなんどもなんども丹念にすり潰され、マキは数えることもできないくらい、繰り返し快楽の頂の上に押し上げられます。
 際限のない快感は、マキのあたまをすっかりからっぽにし、言葉や思考、余計な不安や怖さ、『おんなのこ』としてシローと愛し合うために不必要なものを奪ってゆくのでした。
「ふあ、あぅ、あ、あ、ふあぁああ!!!」
 激しく迸るシローの赤ちゃんのもとが、マキの子宮を打ち据えるたび、マキの足元には透明な蜜がぱちゃぱちゃとこぼれます。痙攣してひしゃげた小さな穴からなんどもなんども潮を噴き上げ、小さな体をわななかせて、マキはシローを受け止めました。
「ぁ、ぅ、ぁ……~~~ッッ!!」
 なにもかもシローのものにされてしまうことへの、途方もない悦びは、まるで自分が薄れてどこかに消えてしまうかのようなものでした。
 終わることのないシローとの行為に、いつしかマキの意識はふかいふかい闇の中に落ちていきました。


 ……どれくらい経ったのでしょう。
 十年、あるいは百年――マキには本当にそんな長い間眠っていたように思えましたが、実際にはほんの数十秒、あるいは数分のことであったようです。
 マキは縁側に突っ伏したまま、動けなくなっている自分に気付きました。
「んぅ……?」
 じわっ、とおなかの奥に残る熱が、闇の中から浮かびあがったマキの身体を震わせます。
 ゆっくりと冷めてゆく熱と共に、マキの意識がぼんやりとカタチを取り戻していきます。
 いちどはどろどろに溶けた身体がもういちどもとの形にもどってゆくのを感じながら、のしかかっていたシローの重みが消えたことに、マキは気付きました。
「シロー……?」
 いっしゅん、いままでのことも、なにもかも、全部全部夢かと思ってしまったマキですが、そうではありません。マキの腰の下に敷かれた毛布は、マキが吹き付けた蜜でべちゃべちゃに汚れ、内腿から膝に糸を引いています。
 収まりきらなかったシローの赤ちゃんのもとも一緒にこぼれ、毛布はまるで水溜りに浸したような有様でした。
「んぁ……っ♪」
 そして、おなかのうちがわをちりちりと焦がすような、鈍い痛みにも似た感覚に、マキはぶるりと背中を震わせます。
 そして――マキはいまなお、シローのおちんちんが深々と自分の身体の中に突き刺さっていることを感じました。
「……シロー、?」
「わおんっ!!」
 そうです。シローはどこかにいってしまったわけではありません。力を失っていたマキから離れて、シローはマキの背中を覆っていた前脚を離し、マキの身体から降りて、首を反対側に向けていたのです。
「あ……」
 マキはふいに強い不安を覚えます。身体こそしっかり繋がったままでしたが、心の奥にぽっかりと穴があいてしまったようでした。
 あんなにぴったり身体を寄せ合って、マキをぎゅうっと抱きしめていてくれたシローが、マキに興味を失ってしまったように――離れていこうとしています。一生懸命、だいすき、だいすき、と伝えあったはずのシローとの間に、前触れもなく大きな壁が築かれてしまったかのようでした。
「シロー、……っ」
 せっかく繋がっていたシローとの心が、離れてしまった。一つに溶け合っていた心が離れ、言葉や、習慣や、何もかもが違うイヌとヒトに、戻ってしまった。そのことを悟り、マキの胸がきゅんと切なく痛みます。
 じわ、と涙が浮かび、急速に全身から熱が失われていくようでした。
(や……ぁ……っ)
 あんなにも、あんなにもマキは懸命にシローのことを想い、切なさで胸をいっぱいにして、大好きだと伝えていたのに。
 それは、シローには届いていなかったのでしょうか?
 そう、マキが思った時でした。
「わおん!!」
「え、?」
 マキは、自分がとんでもない早とちりをしていたことに気付くのです。
 シローはそのままぐるん、と身体の向きを変え、マキの身体におちんちんを根本まで突き入れたまま、マキにお尻を向けたのです。そしてそのまま、あろうことか縁側を飛び下りて、庭のほうに身体を進めだしました。
「っあぅあぁあッッ!?」
 マキのあそこが、深々とえぐりこまれたシローのおちんちんにかき回され、前触れもなくぐるんっとねじられ、柔らかな襞が容赦なくかき混ぜられてしまいます。
 まだシローのおちんちんは硬く張り詰めたまま、少しも衰えることなどなく、深々とマキのおなかの中を貫いたままでした。それどころか、太く膨らんだ根元までがマキのおなかの中に挿入されているため、シローがたっぷり放った赤ちゃんの素は、マキのおなかの中をぱんぱんに膨らませています。
 その上でなお、一番敏感な場所で、しっかりと身体を繋げたまま。シローは、マキのおなかの中で、おちんちんをグルンとねじり、ドリルのように回転させたのでした。
「ぁあぁあああああぅうぁっ!?」
 さっきまでの交わりで何度も何度も達してしまったマキが、その途方もない衝撃に耐えられるわけがありません。まるで天地が逆転したかのように、ぞるるるっ、と歪に変形したシローのおちんちんで、おなかの中を穿るようにの捻られて、マキは悲鳴を上げてしまいます。
「ぁ、っふっ、あぅ…っ!? や、だ、だめ……ッ」
 さっきまでベッドに押し付けられていた腰が、今度はシローに力強く引っ張られ、上下に激しく揺さぶられます。
「ぁぅ、あっ、かはっ……ぁっ、あ、あッ!?」
 身体が内側からひっくり返って、おなかのなかのものが残らず掻き出されてしまうかのよう。シローと繋がったまま、ベッドの上を引きずられそうになって、マキの頭は真っ白になってしまいます。
「だめ、ッ、シロー!? い、ひぁ、ぁ。、な、なに…これっ!? うぁ、ぁ、だっだめッ、だめ!! 引っ張っちゃだめぇ……っ!!!?」
 マキはたまらず背中を捻り、シローの腰をつかもうと手をのばします。
 しかし、シローはマキの言うことなどまったく聞かず、しっかりとおちんちんをマキのおなかに食い込ませたまま、毛布に四肢をふかぶかと食い込ませて力強く床を踏みしめます。
 狭いおなかの中で大きく膨らんだままのおちんちんを、そのまま引き抜かれそうになり、マキはのけ反りました。同時に、マキのあそこは反射的にきゅううっっ、と今日一番の締め付けを見せます。
 それに大きく息を荒げ、シローは繋がりあったふたりの結合部分から、さらにどぱぁっと、大量すぎるくらい大量に、マキの中に赤ちゃんのもとを注ぎ始めました。
「……な、なに、これ……っ…ふぁあああぅ!?」
 これまでの射精なんか、とても比べ物になりません。マキのおなかの奥で熱い濁流が溢れ、たちまちそれがおヘソのほうへとせり上がってゆきます。
「やぁ、あそこ、裂けちゃうぅ……し、しろーのおちんちん、な、なかで、ひっかかってッ……るん……ひぅぅううぅっ!? やぁ、だめ、だめ、シローっ!! だ、出さないでッ、もう出さないでよぉっ……ぉ、おなか、ヘンになっちゃうっ!?」
 シローとのえっちでも経験したことのない、初めての感覚に、マキはすっかり混乱し――我を失っていました。
 けれど。これが、ドッキングと呼ばれる、シローの本当のえっちの方法なのです。
 大好きなパートナーがちゃんと妊娠できるように、シローは大きく膨らんだおちんちんを女の子の身体の奥深くまで押し込んで、ありったけの赤ちゃんのもとをマキの胎内に注ぎ込んでゆくのです。
 つまり――これはシローが、マキの想いに。
 いっぱいの『だいすき』に。答えようとする証しなのでした。
「お、おなか……っ、ば、爆発しちゃうよぉ……っ!! ……あ、やっ、……だ、ダメぇっ!!! もうだめ、もう入らないぃ……っ!!」
 これまで、マキはシローのおちんちんを根本の瘤まで身体の中に迎え入れたことはあっても、そのまま繋がりつづけることはなく、えっちが終わればシローとちゃんと離れることにしていました。
 マキの知っているえっちの方法というのは、保健体育の授業や、えっちな本で知った、おんなのこのおなかの中におとこのこがおちんちんを入れて、激しく動かして前後させ、射精する――そういうものです。
 ですから、まさかシローがマキの上から離れた後こそが、ほんとうの本番であるなどということは、まったく知らなかったのです。
「あ、あぅ、あぐ、あぁう、あふ、あ!!」
 毛布の上にうつ伏せになったまま、おなかをシローのおちんちんで深々と貫かれ、マキは全身に鳥肌を浮かべたまま、まったく身動きが取れませんでした。
 びくびくと震え、根元の瘤をぱんぱんに膨らませたシローのおちんちんは、いつものように抜けてしまうことなく、小さなおなかの中にあきれるほど大きく膨張し、しっかりと繋がり合って、マキを逃しません。
 マキの小さくすぼまったお尻の孔も、ぱくぱくと小さく膨らんでは透明な粘液をこぼし、シローのおちんちんの形に内側から押し潰されていきます。
「わぉおおおおおおん……っ!!」
 シローはうっとりと目を細めながら、そんなマキの胎内に赤ちゃんのもとを注ぎつづけました。焼けるように熱いシローの精液が、もう入る場所などないはずの狭い孔の奥、びゅーっ、びゅーっとマキのおなかの一番奥に浴びせ掛けられます。
 どく、どく、どぷ、どぷ。
「ぁあう、あっ、あ……ぁ」
 マキの胎内は、シローが吐きだし続ける赤ちゃんのもとでたぷたぷと揺れ、細いおなかはふっくらと膨らみ始めていました。まるで本当に、一足先にシローの赤ちゃんを妊娠してしまったかのようです。
 いつしかマキは、身動きのできない身体を見下ろすように、うっとりとその感覚を楽しんでいました。シローはマキの願いに答えるため、シローのやりかたで、マキを最後まで気持ちよくさせようとしていてくれたのです。
 シローが呆れるくらいに吐き出し続ける赤ちゃんのもと詰まってゆくにつれ、普段は意識することもないような、赤ちゃんのための揺り篭――子宮のカタチがはっきりとおなかのなかに感じられました。
 シローの旺盛な生命の分身は、今この瞬間にもマキの熱く疼く子宮を満たし、その奥の未熟な卵を隙間なく包囲し、おなかのなかを徹底的に蹂躙しているのです。
「んぅうううぁああっ!?」
 がくん、と揺さぶられたマキのあそこから、ぷしゅぅと激しく熱い液体が吹き出しました。身体中が、おなかの内側から裏返ってしまいそうです。
「わおんっ!!」
 シローが再度脚を踏ん張って、前進を再開します。けれどマキとシローは相変わらずしっかり繋がりあったままですから、マキはそのまま引きずられていくしかありません。がくがくと痙攣する手足は言うことをきかず、マキはもう毛布を掴んで抵抗することもできませんでした。
 ぬるぬるぐちゃぐちゃになった毛布の上をぐりぐりと引きずられながら、びくん、びくんとシローが脚を踏ん張るたびに、マキはまるで獣のように、甘い甘い声を上げるだけででした。
「ぁふぁああああ、ぁふ、ああぅあ、ぁああ!?」
 どくどくどくっ、とまるで心臓が動いてきたように、マキのおなかの奥が脈動します。
 特濃の赤ちゃんミルクは凄まじい勢いで、まるでいつだったか、マキがシローにおっぱいを飲ませてあげなかったことの仕返しのようでした。おっぱいが出ないなら、マキを妊娠させて、ちゃんとおっぱいが出るようにしてあげようというかのようです。
「あ、あ、あぁ、だめ、しろー、もうだめ、、あ、あたし……ッ」
 マキを繋げたまま遮二無二前進するシローに引っ張られ、ついにマキは縁側から半分ほど、身体を引きずりおろされてしまいます。
 毛布の上にべちゃり、と腰を沈ませたマキは、もう何も考えられません。ただただ、おなかを膨らませるシローの赤ちゃんのもとだけが、どろどろと凝って固まり、マキを塗り潰していきます。
「ぁあああああああぅあぁあああ!?」
 シローがさらに前に一歩、脚を踏ん張らせました。
 さらにすさまじい勢いで赤ちゃんミルクがどくどくと注ぎこまれ、とうとう限界を迎えたマキの身体から溢れ出します。がっちり繋がり合っていたシローとマキの接合部分から、じわじわと白く、行き場をなくしたどろどろの液があふれていきます。
(あ、あぁ、あっ、あっ)
「――――――――――ッッ!?」
 同時に、ごぽりっと音を立て、沼地から無理やり脚を引き抜くみたいに、シローのおちんちんが、マキの柔孔からとうとう抜けだします。
 がっちり絡み合っていた接合部分が外れ、まるでおなかの中身をもぎ取られるような衝撃に、マキは悲鳴を上げて毛布にしがみ付きました。
 ひっくり返ったあそこは、シローのおちんちんのカタチのままぱっくりと開き、ごぴゅるるっ、とおなかの中にたまった白い塊を勢いよく吹き出します。
 それはまるで、一足早く赤ちゃんが生まれてきたかのようでした。
「あ……ぅ……」
 マキは何度も何度も身体を痙攣させ、未体験の衝撃に身体を震わせ続けました。こんどこそおなかに突き刺さっていた熱い肉の塊から解放され、ぐったりと疲れ切ってもう一度意識を失ってしまいます。
 小さな身体からは力が抜け、強張っていた手足からはゆっくりと緊張が抜けてゆきます。
 その、最後の一瞬。
 マキは、はっきりと感じたのです。女の子が生命をはぐくみ、育てるいちばん大切な場所。そこに殺到するシローの分身が、マキのおなかの作り出した『タマゴ』の場所まで届く、その瞬間と。
 ぷちり、とタマゴに突き刺さったシローの赤ちゃんのもとが、なによりもしっかりと結びつくのを。
(シロー……っ♪)
 くるりと暗転する視界の中、ゆっくりと眠りの中に沈んでゆくそんなマキの側に、シローはくるりと顔を寄せ、どろどろに汚れた顔を舌でぺろぺろと綺麗にしてあげようとします。
 まだまだおちんちんは大きく膨らんでいましたが、そこには荒々しい獣の欲望は少しもありません。むしろ、愛する相手を思いやるような優しげなしぐさでした。
「わおんっ」
 まるで『がんばったね』と言わんばかりのその様子は、目をとじたマキにも確かに伝わっていたことでしょう。
 どこか嬉しそうに目を細め、シローはマキの頬をいつまでもいとおしげに舐めるのでした。



 ◆ ◆ ◆



 ごうん、ごうん、と洗濯機の音を聞きながら、マキはほうっと息を吐きます。暖かいお湯が、疲れきった身体を包み込み、伸ばした手足をじんわりとほぐしていきます。
 お風呂の天井からぽたりと雫が落ちて、湯船の水面を揺らしました。
「もぉ……あんなにいっぱい出すんだもん……びっくりしちゃうよ?」
 シローのおちんちんが深く刺さっていたおなかをそっと撫でて、マキはシローに言いました。本当に壊れてしまうかもしれない、と思っていたはずなのに、マキのそこはだいぶ平静を取り戻しています。もちろん、まだ涙が出るくらいじんじんと痛かったのですが――
「……ねえ、シロー?」
「……わぅ」
 頭からお湯を浴びたシローは、けれどどこか神妙に、マキの側におとなしくちょこんと座っていました。
「ホントに……死んじゃうかと思ったんだから……」
「くぅん……」
 ごめんなさい、と頭を下げているシローは、いたずらを叱られているときとそっくりで、大きな身体なのにやっぱり子供みたいに見えました。
「…はあ。シローってば」
 マキは、そっとお湯から上がると、洗い場のシローにそっと抱きついて囁きます。
 濡れた毛皮がぺとりと肌にくっつくのはあまり気持ちよくはありませんが、シローの体温を直接感じられて、マキは胸が熱くなるのがわかりました。
「シローは、……お嫁さんできたら、どこかにいっちゃう?」
「あぉん?」
 よくわからない、と首を振ってみせるシロー。察しの悪いパートナーの鈍感さにちょっと文句を言いたくなりながらも、マキはそのまま先を続けることにします。
「だから、……あたしじゃなくて、ちゃんとした犬のお嫁さんができたら、あたしのことなんか、シローは忘れちゃう?」
 今年のおじいちゃんの家への帰省は、シローのことを話すためでもあったのです。マキのお父さんとお母さんは、おじいちゃんの家で――シローのお嫁さんの話を始めたのでした。
 マキのお父さんは、春には転勤っすることが決まっており、マキもいっしょに遠くの学校に転校することになっています。そこにはシローを飼っておけるような庭がなくて、だからシローは一緒にいけないということでした。ですから、おじいちゃんの家へ行く途中の車の中で、パパとママは、『やっぱり、シローにもわかるのかな?』と、どこかさびしそうに言っていました。
「シロー。どう思う?」
 もし本当にお父さんたちがその気になったら、今すぐにでもシローとお別れをしなければならないことを、マキは知っていました。
 ぎゅっと、小さな身体をぴったりとくっつけて。マキはシローにもう一度、囁きかけます。
 もちろん、シローの答えは、決まっていました。
「わんっ、わぅ、わおんっ!!」
「あは……ありがと、シロー」
 力強く吼えるシローに、マキの頬をひとすじ、涙がこぼれました。

 ――どんなことがあっても、ずっと、いっしょ。

 シローはためらうことなく、そう答えてくれたのです。
 ぺしゃんと洗い場の床に腰を下ろしたまま、マキは切ない胸の高鳴りのまま、シローをぎゅうっと抱きしめました。
 そして、ゆっくり、話し出します。
「あのね、シロー。……あたし、本当に、シローのあかちゃん……おなかに、いるかもしれないんだ……」
 今月、マキちゃんの『お月さま』はとうとうやってきませんでした。
 これはマキも知らないことですが、たとえ犬と人間であっても、ちゃんと精子と卵子は受精しますし、受精卵は子宮内膜に着床することもできるのです。
 そして、その間はもちろん、生理も止まることになります。
 だから、マキのおなかの中には、今この瞬間、確かにシローの赤ちゃんがいると言ってもいいでしょう。ふたりの赤ちゃんのタマゴを育てるため、マキの子宮はいまもうっすらと熱を保ちながら、いっしょうけんめい頑張っていました。
「だからね、シロー……」
 ひとならば十月十日。
 だったら――この、マキのおなかの中にひっそりと息づいた生命は、いったい、いつ産まれてくるのでしょうか。
「シロー、ずっといっしょだよ……」
「わぉんっ!!」
 そっと小さなおなかを撫でながら、マキはシローとキスを交わしました。
 いつかかならず、シローの赤ちゃんを産んであげる、と。そうかたく心に誓いながら。



 (了)

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シロフミ 2020/08/06 22:50

犬のお世話・その3

 ぽふ、と枕に頭を預け、マキはぼんやりと天井を見つめます。お母さんには寝てなくちゃダメと言われましたが、お昼にぐっすり寝てしまったせいか、ぜんぜん眠れそうにありませんでした。
 かち、こち、と、壁の時計の針の音がやけにおおきく聞こえます。傾き始めたお日様が、カーテンの隙間からすこしだけ差し込んで、きらきらと絨毯を照らしています。足元で小さく唸るストーブは、部屋の中を暑すぎるくらい暖めていました。
「はぁ……」
 ぼうっとする頭を軽く振って、マキは何度も繰り返し溜息をつきます。
 このところ続いている微熱のため、マキはもう3日も学校を休んでいました。昨日はクラスメイトも心配してお見舞いに来てくれています。
 普通の風邪とは違って、喉も痛くなければ咳もくしゃみもでません。けれど、なんだか頭が重くて、立っているとくらくらとめまいがして、ちょっと気持ち悪くなることもあります。
 お昼ごはんも半分くらいしか食べられず、昨日の夜は我慢できなくて、少しもどしてしまったくらいです。
「わるい病気なのかなぁ……」
 漠然とした不安を伴う重苦しい気分と、ぐるぐると微動を続けるおなかのキモチ悪さに、マキは枕に顔をうずめてつぶやきます。このぶんだと明日も学校に行けそうにはありませんでした。
 いつもは慣れているはずの、一人きりのお留守番も、心細くて仕方がありません。自分の部屋でベッドに横になっていだけなのに、まるで世界中から自分だけが取り残されてしまったようで、マキの胸は自然に締め付けられるように痛くなります。
「…………」
 まるで、自分の身体が自分のものではなくなってしまったかのよう。ひょっとしたらこのまま悪くなって死んじゃうのかもしれない、とマキの想像は悪いほうへと傾いてゆくばかりです。
 うっすらと汗のこもったパジャマがどこかキモチ悪く、火照ったほっぺたが気になります。ごしごしとパジャマの袖で顔を擦って、マキはもう一度ころん、と寝返りをうちました。
 うつ伏せになっていても仰向けになっていてもなんだか身体が重くて、おなかが苦しくて、横を向いているのが一番楽なのです。
「はぁ……」
 いっそ眠ってしまえばいいのかもしれませんが、何度目を閉じても眠気はやってきてくれません。ずっと眠ってばかりなのですから、仕方のないことでもありました。
 時計を見れば2時半を少し過ぎたところ。もう1時間近くも、マキは溜息と共に長い長いひとりきりの時間を過ごしていたのでした。
「あー、もぉっ……」
 だんだん嫌な気持ちが高まってきて、マキは半分苛立ちながら、邪魔なお布団を跳ね除けます。
 ゆっくりベッドの上で身を起こすと、やはり頭の奥がジンジンと熱く痺れているようです。我慢しようと思えば、できないことはないのがどうにももどかしく、いつまで経っても治る様子のないだるさが、マキをますます苛立たせるのです。
「……のど、かわいたな」
 つぶやいて、マキは上着を羽織り、ベッドから降りました。
 本当はあまり何かを飲みたいとも思えなかったのですが、このままえんえんとベッドの上で寝返りをうっているよりは、だいぶマシに思えました。
 ひんやりとした階段を降り、廊下に出たマキは、向かったダイニングキッチンの冷蔵庫から牛乳をだして、マグカップに半分ほど注ぎました。
「――ふぅ」
 レンジで暖めた牛乳を、3回くらいに分けてゆっくりと飲みます。
 ほんのり暖かい牛乳は、重いおなかの中にふわっと広がって、キモチ悪さをすこしだけ和らげてくれます。やっぱりおなかが空いていたのでしょうか。飲み終える頃にはおかげでいくらか、頭の奥がすっきりしたようでした。
 かたん、と流しにマグカップを戻し、マキはぼんやりとダイニングの椅子に腰掛けます。
 脚がだるく、ぼんやりとした気分。
 けれど、やっぱり眠る気にはなれません。
 立ち上がったマキは、ぺたぺたとスリッパを引きずりながら廊下をもどって、庭に続く窓を開けます。
「シロー?」
 声をかけると、小屋の前で地面を掘っていた白くて丸い毛皮の塊が、ぴくんと耳を跳ねさせます。マキを見つけたシローは、わぉんっ! と吠えるとまっすぐにマキのほうへと駆け出してきます。
 どーんっ、窓から脚を乗り出して、マキに毛むくじゃらの大きな身体がぶつかります。
 ねえどうしたの。どうしたの? どうして遊びに来てくれなかったの? と言わんばかに、シローはべろべろとマキの顔を舐め回します。マキの具合が悪くなってから、シローとは会えていませんでしたから、シローもすっかり大喜びでした。
「わぉんっ!!」
 はっはっ、と舌を出しながら息も荒く。首輪につながれた鎖を引きちぎらんばかりに、シローは庭を跳ね回ってマキを呼びます。尻尾は根元から千切れてしまいそうに激しく振られ、つぶらな瞳はらんらんと輝いていました。 一年三百六十五日、遊びたい盛りのシローは、こんなに寒い今日もうらやましいくらい気いっぱいの風の子のようです。
「……いいなぁ、シローは元気で」
「ぉうん?」
 泥まみれの前足で飛びついても、マキがいつものように「もぉーっ!」と怒ったりしないので、シローはいくらか戸惑ったようでした。わふ。わふ? としきりに首をかしげながらぐるぐるとマキの前を行き来し、わんわんとマキを元気付けるように吠えました。
「……もぉ」
 のーてんきなシローに苦笑いしながら、マキは庭へ降りて、シローの側にそっとしゃがみ込みます。風はひやりと冷たかったのですが、シローの毛皮はすっかりふかふかの冬毛に生え変わっていて、近づくだけでふんわりと枯れ草の匂いがしました。
 マキがぎゅっとシローの身体を抱きしめると、シローもマキの身体に首を擦り付け、ふんふんと鼻を鳴らしてきます。熱い鼻息がマキのほっぺたをくすぐりました。ちくちくとするおヒゲの感触がむず痒くて、マキは目を細めます。
「もぉ……ありがとね、心配してくれて」
「わぉんっ!!」
 マキが首の後ろをよしよしと撫でてあげると、シローはうれしそうに尻尾を振りました。気持ちよさそうに目を細めて、もっと、もっととねだるように一生懸命に頭を押し付けてきます。
「……んぅっ……ちょっと、シロー……?」
「わふ、わふ、うぅぅ……ぐるふるぅ……」
 最初のうちはマキにじゃれついていただけのシローでしたが、やがて姿勢を低くし、ぐいっと鼻先をしゃがみ込んだマキの脚の間に押し込んできます。
 パジャマのズボンの奥へ、ぐいぐいと何かを確かめるように、シローはしきりに顔を押し付けてきます。
「ひゃん!? し、シローっ……なにやってるのっ……?」
 もぉ、やめなさい、と言いかけて。
 マキはシローの脚の間に、いつのまにか赤黒いおちんちんがひょこっと顔を覗かせているのを、見つけてしまい、思わず顔を赤くしてしまいます。
「し、シロー、どうしたのっ。そ、そんな……こんなところで……っ」
 まったく予想外のことに、マキはうろたえてしまいます。
 シローは普段、あの大きくて長いおちんちんをおなかのなかにきちんとしまっているのですが、シローが何かの関係で興奮してくると、だんだん大きく硬くなって、外にはみ出してくるのです。
「……シロー……?」
 びくびくと震えているシローのおちんちんは、表面をてらてらと光らせて、尖った先端をまっすぐに前に伸ばしています。まだ中途半端な大きさの膨らみのせいで、見えるのはほんの先っぽの部分だけでしたが、シローは間違いなく、マキの身体からえっちな成分を嗅ぎ取っているようでした。
(……やだ、シロー……っ)
 まだまだ小さな膨らみでしかありませんが、シローが興奮し始めているのは確かなようです。マキはほっぺたを押さえた手が、熱くなるのを感じてしまいます。
 おちんちんを大きくしたシローは、ますます息を荒くしながらマキの側に身体をすり寄せてきます。大きな毛むくじゃらの身体に『ぐいっ』とのしかかられて、マキは思わずその場にごろんとしりもちをついてしまいました。
「きゃうっ!?」
 すてん、と浮いたマキの腰、サンダルを履いた脚の間にシローが鼻先を潜り込ませてきます。
(や、ちょ……し、シローってば……っ)
 お外でこんなことをされて、もし誰かに見られてしまったら――
 とくん、と大きく揺れるマキの胸は、しかしますます言葉にできない熱い気持ちに満たされてゆきます。
 その一方で、シローはまるでなにかにとりつかれたみたいに、何度も何度も丹念にマキの足の付け根で鼻を動かします。いったい何を確認しているというのでしょうか。
 けれど、いつしか熱いシローの鼻息は、マキの内腿をしっとりと湿らせてゆきます。
「ぁぅ……」
 きゅう、とマキのおなかの奥が、甘く疼いて痺れてゆきます。身体の奥に篭ってい熱がじんわりと溶け出すように、マキの脚は閉じる力を失っているのでした。
 いつしかマキの胸も、とく、とくと激しく高鳴り出していました。頭は変わらず熱にぼうっとして、うまくものが考えられません。
 わけもなく。
 心に溢れた寂しさと、心細さ。それから逃げるように、マキはぎゅっと、シローの首に腕をまわしていました。
「……ね。シロー、……あたしの部屋まで…来て?」
「うぅ。…ぅわおんっ!!」
 マキのせいいっぱいのお願いに、答えるように。いつもよりも、さらに元気な大きな返事。シローはマキを励ますように、ぎゅうっと身体を寄せてきます。
 ん。と傍にある暖かなシローの匂いをたっぷり吸いこんで。
 マキはそっと、シローの首輪に繋がる鎖を外しました。


 ◆ ◆ ◆


「こら、シロー、まだ脚、きれいにしてないのにっ……暴れちゃだめだってばぁっ……んぅっ」
 マキの部屋に飛び込むなり、シローはベッドの上に座ったマキに飛びつきます。
 ふかふかのシーツの上にぺたんと腰を下ろし、シローは愛情たっぷりに、マキの唇をぺちゃぺちゃと舐め回します。マキも小さく口を開けて、シローの舌にそっと自分の舌を触れさせました。
「んっ……んぅ、っ……」
 映画の俳優さんがするような、たっぷり濃厚なキスとともに、シローの味がマキの口の中に溢れ、喉の奥まで流れ落ちてゆきます。
 シローの毛皮に顔をうずめて深呼吸をすれば、胸に広がる枯れ草の匂い。マキはこの匂いが、何よりも大好きなのでした。
 マキは夢中になって唇を開き、シローとキスを繰り返しました。ふんふんと荒いシローの息が首筋へと吹きかけられ、切ないほどに胸の奥がきゅんと締め付けられます。
 粘り気の多いシローの唾液を、マキはいっしょうけんめい飲み込んでゆきます。おなかの奥に滑り込むシローの味が、マキの身体を内側から熱くしてゆくようでした。
「ぁおおんっ」
 大好きな相手とのキス。それは、女の子の心を素敵に幸せにしてくれるものです。けれど、マキを背中に乗せられる大きな身体に飛びつかれては、さすがにマキもこらえ切れません。
 大きなシローの身体に押し倒されるように、マキはベッドの上に横になりました。ぎしっとベッドが音を立てて、二人分の体重を受け止めます。
「こらぁ……パジャマ、破けちゃうっ……待ちなさいってばぁ……」
 シローはパジャマのボタンの隙間に鼻を突っ込んで、うっすらと汗の浮かんだマキの胸元にまで舌を伸ばします。シローの熱い吐息が肌をくすぐるたび、マキのうなじがひくんと震えました。
 さすがに破かれてはたまらないので、マキもパジャマのボタンを外そうとするのですが、シローにぐいぐいと圧し掛かられていて思うようにうまくいきません。
「ぁおんっ!!」
 もどかしく首に絡まりつく布地を、うっとうしいとばかりにぶるぶると首を震わせ、シローはぐいっとパジャマの隙間に顔を突っ込みました。ぷちんとボタンが千切れ、シローはマキのパジャマに耳まで首を突っ込みます。
 つんと上を向いて尖ったマキの胸の先端を、熱く長い舌がぺちゃぺちゃと舐め回し、鼻先のヒゲがくすぐってゆきます。
「ふぁ……ぁうんっ…」
 マキは思わず声を上げてしまいました。
 大好きなマキと一緒にいることで安心しているのか、シローは時折こんなふうに、赤ちゃんのようにマキにミルクをねだるのでした。
 とは言っても、シローは中身はともかくも、身体はもうすっかり大人なのですから、その大きな口や舌でミルクをねだられれば、マキはたまったものではありません。
 やわらかい胸のふくらみをぺちゃぺちゃと舐め回され、つんと尖った先端を甘く噛まれ、ついばまれて、マキの頭の中はあっという間にとろとろにトロけていってしまいます。
「ぁ……やぁ……シロー……ぺろぺろ、しちゃ…ダメぇ……っ」
 たっぷり泡立った唾液にまみれたマキの胸は、うすくミルクのように色づいて、まるで豆乳プリンのようにふるふると震えます。器用にうごくシローの大きな舌が、ふくらみを押し潰し、揉むようにしてなんどもなんども舐め続けるので、ぷくりと膨らんだ先端はびっくりするくらい敏感になってしまいます。
 こうされると、マキはいつもくちゅくちゅになるまで、脚の間の大事なところを濡らし、下着を湿らせてしまうのでした。
「ばかぁ……シロー、そんなしたって、おっぱいなんか出ないよぉ……っ」
 荒い息をこぼしながら、マキはたまらずにシローの首に腕を絡め、強く力を込めました。
 かぁっと熱くうねった快感が、じわりと胸の奥からせり上がってゆくようです。まるで深く深く、底の見えない井戸の奥に沈んでいくみたいでした。そうやって、マキの身体が深く深く潜っていけばいくほど、手も足もどろどろに溶けてしまい、どこまでが自分なのかわからなくなってしまうのです。
 これは、あそこを弄られたり、おちんちんで身体の奥を突き上げられたりするのとはまた違う、素敵なキモチなのでした。
「っ、シローっ、もぉっ、それ、だめぇ……ぺろぺろって、するの、やめてぇ……っ」
 ぞくぞくと背中を走る甘い電流に、マキは切ない息の間からシローに呼びかけます。
 でも、シローは絶対にやめてはくれないのです。
 言うことを聞かないわがまなな、やんちゃざかりと言うだけではなくて。マキが気持ちよくなるのをわかっているので、シローは大好きなマキが、口ではそう言っていても、本当は嫌がっていないのを知っているのでした。
「わぉんっ!!」
「きゃ…っ」
 ぐりぐりと突っ込んだ鼻先で、とうとう、シローはマキのパジャマのボタンを全部外してしまいます。
 左右に広がったパジャマの間から、シローの唾液でどろどろになったマキの胸があらわになります。まるでスプーンにつつかれて柔らかく震えるプリンのような、可愛らしい女の子のふくらみの中央で、すっかりピンク色になってつんと尖った先端が、天井をさしてちいさくヒクンと震えています。
 甘く蕩けるような表情を浮かべ、脚を小さくもじつかせて。マキはまるで、そのまま、ぱくりとかぶりつきたくなるほどに愛くるしい恰好にされてしまっていました。
「んゅ……、しろー、ぉ……っ」
 切ない胸のなかから声を絞り出し、マキが見上げると。シローのおちんちんは、すでに庭にいたときの倍近くまでも、身体の外にせり出してきています。
 白いふかふかの冬毛の間から、にょっきりと顔を出したおちんちんは、シローが腰を震わせるたびにぷるんぷるんと揺れていました。赤く黒く色のついた肉色の、まるで茹でたてのソーセージのようにほわほわと湯気すら立ちのぼらせるおちんちんは、すっかり硬くなって、シローのおなかの上にびくっと反り返っています。
 それがとてもとてもいらやしいカタチをしているものですから、マキはもうなんにも考えられなくなってしまいます。
(ぁぅ……シロー、いやらしー、よぉ……)
 そう。このおちんちんで、シローはいつも、いつもいつも、マキのおなかの中を徹底的にぐちゅぐちゅっとかき回し、苛め抜いて、挙句にたっぷりと特濃の赤ちゃんミルクを注ごうとするのです。
 充血して膨らんだシローのおちんちんの先端は、マキを夢中にさせてしまう複雑な形に尖ってはぴゅる、ぴゅるぅっと先走りを吹き上げては、ベッドのシーツに染みを作っていました。
 このままえっちしたい、そう訴えているシローのまんまるな瞳でしたが、マキは少し、別のことを考えていました。
「んぅ……シロー、ちょっとだけ……待ってくれる?」
 なぜだか、今日はそうするべきだと。マキは思いました。
 マキはそっと唇を湿らせると、仰向けになって身体の向きを変え、シローのおなかの下に潜り込みます。目の前にはぶるんぶるんと震える熱い肉の塊。シローのおちんちんは、その根元に大きな袋をずっしりと二つぶら下げていました。
(ふわぁ。……っ)
 マキはますます顔を赤くしながら、おそるおそる、つん、とその重い袋をつついてみます。
 この中に、シローの赤ちゃんの素がいっぱい詰まっているのです。白くてどろどろと凝った赤ちゃんの素は、シローに似て元気いっぱいで、マキのおなかの中でもところ構わずに暴れまわるのです。
 まるで爆発するくらい勢いよく、おちんちんの先端から噴き出す、シローの精液を思い出してしまい、マキはくちゅっといやらしい音をさせながら、パジャマの脚をもじつかせてしまいます。
「ん……っ」
 きゅん、とおなかの奥が疼くのを感じながら、マキはシローのおちんちんを握って、そっとその先端をくわえました。
 ついさっきまでシローのおなかの中にしまわれていた、洗っていないままのシローのおちんちんは、粘液のこもったむっとした匂いをさせています。けれどマキは嫌がらずに大きく口を開いて、喉の奥まで太くて硬い肉の塊を飲み込んでゆきます。
「ん……ふ……ちゅぷ、れるっ……んうぅ……」
 シローを気持ちよくさせてあげるのは、『お嫁さん』であるマキのすべきことでした。一生懸命くちゅくちゅと口と舌を使ってあげると、いつもよりも早く、シローのおちんちんは大きくなってゆくようです。
 あっという間にいっぱいまで口を開けてもくわえきれないほどに太く長くなった肉の塊が、マキの唇の奥へとじゅぶじゅぶと音を立てて出入りします。
 そうしているだけでもマキの口の中がキモチいいのか、シローはぶんぶんと尻尾を振り立てて体重を乗せてくるのでした。
「んくぅ……っぷぁっ。……まっひぇ、ひろーっ……っ、ぉ、おも、ほもいっ…へばぁ…!!」
 息が詰まりそうになりながら、マキは口の中をシローの肉の塊に塞がれてしまいます。いつしかその大きな身体の下敷きになるように、マキの上半身はシローの腰の下に押し潰されていました。
「んむ、ぷはあっ!! し、シローっ、ちょっと、待ってっ……ふぁんっ!?」
 一方、遠慮なくマキのパジャマの上から脚の付け根に鼻を突っ込んだシローが、ぐりぐりとマキの内腿に顔を押し付けてきます。よだれでべたべたの長くて熱い舌が、ぺちゃぺちゃとマキのあそこをねぶり始めました。
「うぁ、や、く、くすぐったいよぅ……だ、だめ、シロー、パジャマっ……ぱんつもっ、ひぅ……よ、汚れちゃうっ……」
 ダメと思いながらも、マキの腰はじゅんっと熱く痺れ、ぴりぴりと響く切ない感覚に飲み込まれてしまいます。腰から下がとろとろとトロけて、くたりと力が抜けてゆくようでした。
 ふにゃふにゃと頼りなくなったマキの脚を押し広げて、シローはますます脚の奥深くに顔を突っ込んできます。

 ちゅぷ、じゅるっ、ぺちゃっ、じゅるるっ、じゅぅう……

「ぁ、あ、はうぅ……」
 形ばかりの抵抗もあっという間に溶け崩れて、マキはシローの成すがままに大事なところを舐められるばかりです。シローのぬるぬるしたよだれはピンクの布地をすっかり透け透けに湿らせ、パジャマの上からでも、マキのあそこの形をいやらしいカタチをしっかりと見せてしまっています。
 股布の上からあそこの隙間に鼻先がぐうっと押し付けられ、シローのヒゲのざらざらとした感触がマキの腰を震わせました。
 パジャマのしたで、すっかりじゅくじゅくになったマキのぱんつの股布は、濡れ透けてマキの『おんなのこ』にぴったり張り付いています。
 いまや、布地の上からでもぷくりと花開き、ほころび始めたマキの小さなスリットの形をうかがうことができました。それは単に、シローのよだれだけが原因ではもちろんありません。
 さくら色に充血したマキの大切なところがきゅんきゅんとすぼまるたびに、その内側からぷくりと熱い蜜が、塊のようになってパジャマを湿らせてゆきます、
「わおんっ!! わん、わふっ、わぉんっ!!」
「……ん、ぅ……っ」
 こんなふうにされたらもうマキも我慢できません。マキは大きく息を吐くと、そっと腰を浮かせるとパジャマのズボンに手をかけました。
 一気に足元までおろした下着とパジャマのズボンの下から、可愛いたて筋がのぞきます。つるつるぷにぷにの綺麗な一本線のはずのそこは、すでシローのいたずらと、マキが一生懸命おちんちんをくわえていたせいで、くちゅくちゅと蜜にまみれてすっかりほぐれいて、ほわりと湯気を立てるほど熱く潤んでいました。
 下着のお股のところにつぅっと透明な蜜が何本も糸を作って垂らしてしまうくらい、シローに負けず劣らずにマキも興奮しているのでした。
「んっ……」
 マキがそっと指をのばしてそこを広げると、子供っぽくおまたに食い込んでいた細いすじはくちゅりと甘い音を立てて割れ、その内側の薄桃色の花片を覗かせます。
 やんちゃざかりのシローのお相手をつとめているうちに、わがまま盛りのおちんちんによってすっかりオトナにされたマキのそこは、もう痛みを感じることもなく、根元までシローの大きなおちんちんを飲み込むことができるのでした。
「わふぅっ!!」
 マキの様子を見るなりシローはぐいっとマキの太腿の間に顔を押し込みました。はふはふと熱い息をこぼし、長い舌でぺちゃぺちゃとマキのあそこを舐め回します。
 いよいよ大胆に、シローはマキの『おんなのこ』を舐め回します。
 熱く長い舌が敏感な入り口を的確にとらえ、どろどろの唾液を送り込んでくるたび、マキはふわぁっと腰が浮かび上がるような気持ちよさに頭が真っ白になるのをこらえなければなりませんでした。
「ぁう、や、シローっ……だめえぇ……」
 まるで指のように巧みに動くシローの舌は、狭いマキのあそこの中にまで入り込み、くちゅくちゅと柔らかな襞を掻き分けてはその内側を丹念にこねてゆきます。
「ぁ、あっ、や、やぁあっ!?」
 パートナーの熱烈な愛撫に、マキは仰向けのまま膝をがくがくと震わせてしまいます。引けた腰を追いかけるようにシローはさらにぐいっと顔を突き出して、はあはあと荒い息を上げながらマキのそこに粘つく舌を前後させました。
 ちくちくとシローの鼻先の髭が内腿を擦り、濡れた鼻がつんつんと敏感な突起を突っつきます。
「ふぁあああっ……!?」
 シローの舌は、マキが自分の指でするよりもとっても上手で、素敵なのでした。自分でしているときはどうしても、本当に気持ちよい時の波が来ると、怖いような、いけないような気がして手を止めてしまうのですが――シローはそんなことは全くお構いなしに、マキのそこをくちゅくちゅと舌で弄り続けるのです。
 こんな時だけ意地悪なシローはマキがどれだけやめて欲しいとお願いしてもやめてくれませんから、マキはなすすべなくなんどもなんども頭を真っ白にして、内腿をがくがくと震わせ、ぷじゅっ、と激しく蜜を吹き上げてはベッドを汚してしまうのでした。
「や、やぁあ……き、きちゃううっ」
 シローの毛皮をぐっと握り締め、マキの声が高くか細く絞られます。そのほっぺたに、ぶるんぶるんと揺れるシローのおちんちんが押し付けられました。
「んぅっ……ふぁ、っちゅ、んむぅっ……」
 胸の奥がきゅんと締め付けられ、高鳴りはますます激しく、切なくたかぶります。マキも夢中になって、目の前に張り出したシローのおちんちんをくわえるのでした。
 ゆで上げたばかりのソーセージのように熱く、びくびくと滾る大きな肉の塊は、マキが唇を近づけ、舌を絡めて舐め上げるたびに、その先端からぴゅぴゅっと粘つく先走りを飛ばします。
 それを一生懸命喉の奥で受け止めてごくっと飲み込むたびに、マキは背筋が痺れるような甘い幸福感に満たされるのでした。
(んぅ……シローの、おちんちん、おいしいっ……)
 口の中を大きな肉の竿がぞるるるっ、と擦り出入りするたび、マキはなんだかおなかの一番奥までシローに貫かれているような気分になってしまいます。
 シローのおちんちんを『おんなのこ』の奥まで受け止める時とはまた違う、胸の奥がかぁっと燃えるような、不思議な気持ちよさなのでした。
「ふぁ……っ!? っ、んんぅっ…♪」
 とどめのひと舐めによって、じゅわあっと、ほころびた柔孔から、下着の上にたっぷりと蜜を吹き出してしまいながら、マキは背中を弓みたいに反り返らせます。
 まるでオモラシをしてしまったように、脚の間、シーツのおしりにまで、熱い感触が広がってゆきます。
 シローのおちんちんも、唇の中ですっかり準備を整え、すでにびくびくと白い液を吐き出していました。
「ん、れるぅ……」
 そっとマキがシローのおちんちんを離します。ずるう、と引き抜かれるシローのおちんちんは、白くどろどろとした先走りをたっぷりとこぼしていました。
 マキの喉には苦くてしょっぱいシローの味がまだ残っていて、おなかでは無理矢理飲まされた赤ちゃんのもとがたぽたぽと揺れているようです。
 マキの小さなくちびるで、すっかり大きくたくましくされたシローのおちんちんは、完全に『オス』の形を取り戻し、その表面にも大きな血管を浮かばせて、今にもどかんと噴火してしまいそうなくらいに膨らんでいます。
 目の前でびくんびくんと震えるシローのおちんちんが、マキのおなかの上にぴゅぴゅっと飛沫を飛ばしました。
「あふ……」
 いっぽう、シローの舌にすっかり骨抜きにされてしまったマキは、そのままずるずるとベッドの上に倒れ込んでしまっていました。なんどもなんどもいじられた『おんなのこ』はすっかり充血してほぐれ、可憐な花のように美しく広がって、とろとろの内側を覗かせています。
「しろー……っ」
 甘く蕩けた声で、マキはシローに呼びかけます。
 おなかの奥がきゅうとうずきます。いつもの何倍も、シローのおちんちんをおなかの奥まで感じたいと、マキの身体が訴えています。もう我慢ができそうにありませんでした。
 シローの長い舌にたっぷり舐められた大切なところは、ふっくらと充血して綺麗な桜色をのぞかせて、とろとろと蜜を溢れさせています。
 おなかの奥にもじゅっと火傷しそうなほどに熱が篭って、きゅうきゅうと切なく疼いていました。
「シロー、いっぱい、いっぱいえっち、して……」
 このままシローを受け入れることを決意したマキは、いったんシローから離れて、ベッドの上に腰掛けます。背中にはお布団を丸めて押し込み、背もたれのようにしてシローを迎えるように、大きく脚を左右に広げます。
 シローとのえっち専用に姿を変えたベッドに柔らかく横たわったマキは、シローをそっと迎え入れました。
「わおぅんっ!!」 
 マキがシローを受け止める体勢になるやいなや、まっていましたとばかりシローははぁはぁと舌を出して熱い息をこぼし、マキのおなかの上にのしかかってきます。
 ベッドに腰掛けたマキに覆いかぶさるようになって、シローは後ろ脚でたちあがり、前脚をマキの肩にのせて体重を預けてきます。
 シローの首筋にマキの顔が埋まりました。マキの鼻先を、ふわりとおひさまの匂い、枯れ草の匂いがかすめます。なんだかまるで、マキはシローにやさしく抱きしめられているかのようでした。
 ハダカの胸の先端にシローの毛皮が擦れ、マキの顔をぺちゃぺちゃとシローの舌が舐め回します。大好きなシローのキスを顔じゅうに浴びて、マキはたまらなく切なくなってしまいました。
「んぅ、シローっ……だいすき……」
 シローの大きな身体を受け入れるように、マキは精一杯広げた脚で腰を持ち上げて、シローのおなかに抱きつきます。ふっくらとした白いおヘソの上に、ぶるぶると震えるシローのおちんちんが押し付けられました。
 元気一杯に脈打つ大きな肉の塊は、びくびくと激しく暴れていて、そのままおなかを突き破られてしまいそうです。間断なく先走りをこぼすシローのおちんちんは、たちまちのうちにマキのおなかをぬるぬるのぐちゃぐちゃに変えてしまいました。
「ふあぁ、おなかダメぇ……おヘソ、ぐりぐりしちゃ……っ、おなか、きゅうってなるよぉ……」
 シローも気持ちよくなってきたのでしょう。すべすべのマキのおなかにおちんちんをこすり付け始めます。脚の付け根でとろとろと蜜をこぼすマキの大事なところに、シローの太くたくましいおちんちんが熱烈なキスを繰り返します。
「だめ、シローっ、……イジワルしないでよぉ……っ」
 まるでこのままふわぁっと腰が浮いて、空の上まで登ってしまいそうでした。気持ちいいのと、どうなってしまうのか解らない不安な気持ちが入り混じって、きゅう、と胸の奥が締め付けられるようなせつなさに、マキはたまらずシローに抱きついていました。ふかふかの毛皮に顔を埋めて、おなかの上で奥で熱く脈動している灼熱の塊をしっかりと感じ取ろうとします。
 けれど。マキが一番望んでいるのは、それではありませんでした。
 じらされ続けてたまらない、女の子の内側のいやらしいお肉が、シローのたくましいおちんちんを欲しがっているのです。
「わぉおおんっ!!」
 シローが大きく吠えると、後ろ足をぐっと折り曲げ、マキの脚を広げるように腰を沈めてきます。にゅるんっ、とマキの内腿を滑ったあつい肉の塊が、ぬかるむマキのあそこの入り口に滑り込んでゆきます。
「ふあ、あぁ、ぅ、あぁ、あっ」
(っあ、っ、シローの、はいってくる……っ♪)
 狭く細い、ピンクに色付くおんなのこの孔は、まあるく口を開いて逞しいシローのおちんちんを飲み込んでゆきます。マキはその瞬間をはっきりと感じました。おなかの中がぐうっと引き伸ばされて、だいすきなシローのおちんちんのカタチに、ぐうっとくり貫かれてゆくのです。
 ず、ぐっ、にゅぶっ、ぬるぅっ……
「っ、し、シローのおちんちん……びくびくゆってる……っ♪」
「わおんっ!!」
「うぁ、っ、あっあ、っあっ!! あぁーっ!!」
 こんなに気持ちのいいえっちは、はじめてかもしれません。
 身体の内側から胸の奥がぐうぅっと押し上げられ、肺の中から息が絞り出されます。おヘソの裏側を突き上げる衝撃と共に、シローのおちんちんを、根元までゆっくりと身体の中に受け入れながら――マキは何度も甘い声を上げました。
 力強く身体を押し付けてくるシローの首にそっと手を絡めて、きつくしがみ付き――マキはしっかりと愛しいパートナーにぴったりと身体を寄せます。荒々しく腰を振り立てるシローの邪魔にならないように、脚を広げてぐっと腰をくっつけ、女の子のだいじなところの、一番深い場所でシローのおちんちんを受け止めます。
 向かい合った唇が自然と触れ合い、シローの息遣いがはっきりと伝わります。くっつけ合わせた胸のドキドキまで聞こえるような、ぎゅっと抱き締めあったこの姿勢――もし男の人とするのであれば「正常位」と呼ばれる、この格好こそが、愛し合う恋人同士のえっちにいちばんふさわしいとされているのをマキは知っていました。
 本当の本当に大好きな相手と、どこまでも深く繋がるための格好で、マキはシローに自分の『だいすき』を、いっぱいっぱい伝えるのです。
「わおっ、わおんっ、わふっ……ぐるるぅ……」
「シローっ、……しろぉ、だいすき……っ」

 ぐちゅっ、ぐじゅっ、じゅっ、じゅっ、

 シローが四本の脚を力強く地面に踏ん張らせ、ねじつけるように体重を乗せて腰を叩きつけるたび、マキのおなかの中で、シローのおちんちんがぐんぐんと力強く膨らんでゆきます。
 シローの興奮と共に、なおも太く長く伸びたシローのおちんちんは、ついにマキの身体の一番奥まで届いてしまいます。
「ぁっ、あ、あーっ、あっ♪ あ、はぁっ……♪」
 ごつっ、と身体の一番奥が突き上げられるたび、マキがかはぁっ、と息を吐き出して身体を震わせます。
 おなかの奥では狭い孔の内側で柔らかなひだひだがくきゅうっとよじり合わされ、たっぷりの蜜をまぶされたシローのおちんちんは、根元からきゅきゅきゅううっ、と絞り上げられるのです。
 こんなに気持ちよくされては、シローだってたまったものではありません。おちんちんはさらに逞しく太く、長く伸びながらマキのおなかの奥へ奥へと入り込んでゆきます。
 マキの身体をまっぷたつに引き裂かんばかりに大きくなったおちんちんが、シローのたくましい腰使いによって激しく前後します。
 敏感になった柔らかい孔をじゅぶじゅぶとかき混ぜられて、マキはなんどもなんどもイってしまいそうになりながら、気絶しそうになるのを我慢するので必死でした。
「しろぉ……んぷっ、ちゅ、んう、むっ……んぅうっ!!」
 ぐちゅぐちゅと押し込まれる長い舌が、さっきのおちんちんのようにマキの喉まで入り込んできます。泡だって粘つく唾液を絡めた舌は、おちんちんとは違うやり方でマキの唇を一杯にしてゆきます。
 おなかの奥と唇をすっかりシローで満たされてしまい、マキは何度も何度も背筋をくねらせ、跳ねさせました。
「やっ、ぁ、あう。ぁ、ぁあぅ!?」
「わおっ、わおんっ!!」
 折り重なった柔らかなひだひだがきゅうっと収縮して、シローのおちんちんを締め付けるのですが、それにも構わずにシローはますます激しく腰を振るのでした。
 おなかの内側、細くよじれたおんなのこのやわらかな孔の、いちばんマキが感じる天井のところを、ぞるるっ、と擦り上げられるたびに。マキの頭は真っ白になり、ますますきつくシローのおちんちんを締め付けます。
 マキの身体の一番奥で、充血した子宮の入り口が、興奮にぽこりと盛り上がってシローのおちんちんの先端と熱烈にぶつかり合います。
 赤ちゃんのできる大切な場所を、優しく情熱的にノックされるたび、マキのおなかにはずんっ、とピンク色の電流が飛び散るのでした。マキの小さな孔ははぴゅうっと激しく潮を吹いて、シローのおなかまでをどろどろにしてゆきます。
「あはぅ……ぁあう、あっ、あ、あ…っ♪」
 ぐちゃぐちゃになったシーツの上で、マキのおなかがぐりぐりっとシローの腰に押し潰されます。いつしかシローのおちんちんの根元には大きな瘤が膨らみ出していました。
 ここから先だって、マキはもうすっかりやりかたを覚えています。
 まるで石臼をひくように丸く腰を動かして、シローの太く膨らんだ根元の瘤まで、マキはおなかの中に押し込んでゆきます。
「ぁ、あっあ、あぅ、あーっ♪」
 ごりぃっ、と小さな身体を引き裂かんばかりの深く深くにまで、シローのおちんちんがはまり込みます。おなかの中にがっちりと食い込んだ熱い瘤の感触で、マキはシローがもう限界だというのをはっきりと知りました。
「っ……シロー、いいよ……っ、い、いっぱい、出して……」
「わぁおおんっ!!」
 マキの大切な場所を深々と貫いたシローは、そのままぶるぶると腰を震わせ、脚踏みを開始しました。マキをベッドの上に叩きつけんばかりに、ぐいぐいと絨毯を踏みしめ、一歩ごとに熱く煮えたぎる赤ちゃんのもとになるミルクを注ぎ込みます。
 マキは、おなかのなかに、びゅる! びゅるる! と激しく吹き上げられるシローの生命を感じました。
「んんぅっ……!!」
 腰の奥でじんじんとひりつくように熱く膨らんだ、大切な場所――女の子のからだに備わった、新しい生命を育てるための神秘の揺り篭が、シローの生命の証をたっぷりと受けとめていきます。
 激しく射精をしながらも、シローは腰を振り続けるのをやめません。おなかのなかをシローの熱いものでいっぱいにされながら、マキはベッドの上で揺すられてしまいます。腰が持ち上がるたびにじんわりとシローの赤ちゃんのもとがおなかの奥の奥まで広がってゆくようでした。
 シローがびゅるびゅると赤ちゃんのもとを吹き上げるのに合わせて、マキの可愛いお尻の孔がぱくっと開いてはきゅうっとすぼまります。
 マキのトロトロになったあそこが、シローの射精にあわせてきつくきつくシローのおちんちんを締めつけているのです。
 シローをもっともっと、身体の中に感じたい――
 これまでに感じたことのない深い欲望が、マキの小さな身体をますます大胆に押し開かせていました。
「シローっ……っ、あ、あたし、っ、あたし……っ!!」
 胸に熱いものがいっぱいに溢れ、こみ上げてくるどろどろとした何かに塞き止められて、マキは声を出すことがでませんでした。じわりと視界がぼやけ、マキはぎゅうっとシローを抱きしめます。
(あたし、あ、あたし、シローの……っ、しろー、のっ…!!)
 おなかの奥にじわぁっと広がってゆく、赤ちゃんのもと。元気でワガママで、わんぱくなお父さんにそっくりの――小さなこどもたち。
 普段は意識することもないような、赤ちゃんのための揺り篭――子宮のカタチを、マキははっきりとおなかのなかに感じていました。
 シローの旺盛な生命の分身は、今この瞬間にもマキの生まれたばかりの卵を隙間なく包囲し、おなかのなかを徹底的に蹂躙しているのです。
「わぉおおおおおおん……っ!!」
 シローはうっとりと目を細めながら、そんなマキの胎内に赤ちゃんのもとを注ぎつづけました。焼けるように熱いシローの精液が、びゅーっ、びゅーっとマキのおなかの一番奥に浴びせ掛けられます。
 どく、どく、どぷ、どぷ。
「ぁあう、あっ、あ……ぁ」
 マキのおなかの中は、シローが吐きだし続ける赤ちゃんのもとでたぷたぷと揺れ、細いおなかはふっくらと膨らみ始めていました。まるで本当に、一足先に妊娠してしまったかのようです。
 小さくすぼまったお尻の孔も、ぱくぱくと小さく膨らんでは透明な粘液をこぼし、シローのおちんちんの形に内側から押し潰されていきます。
「わぉんっ!! わふ、わふ、わぉおおんっ!!」
「だいすき、しろーっ、だいすきだよぉ……っ」
 がくっがくっと壊されてしまいそうに揺さぶられながら、マキは愛しいパートナーの逞しい胸にしがみつき、力いっぱい抱きしめます。
 こんなにも一生懸命、マキの一番大好きなやりかたで愛してくれるシローが。おなかが破裂してしまいそうなくらいに赤ちゃんのもとを注ぎ込んでくれるシローが。マキのことを思ってたくさんさくさん頑張ってくれているシローが、愛しくてたまりませんでした。
「しろぉーっ……!!!」
(しろーの、シローのあかちゃんっ……シローとあたしのあかちゃん、ぜったいに、ぜったいに、産んであげるからね……っ)
 言葉にならない声を、マキは何度も何度も、心の中で叫んでいました。
 ふわぁ、と腰が浮かび上がり、マキの身体から重みが消えてゆきます。
 おなかのなかの一番奥――どうしようもないほどに敏感になった生命の揺り篭の内側の粘膜に。
 しっかりと、シローの赤ちゃんの素と結びついた、『おんなのこのタマゴ』が包まれてゆくのを感じながら、マキはとうとう気を失ってしまうのでした。



 (了)

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シロフミ 2020/08/06 22:49

犬のお世話・その2

「シロー、もぉ、ダメだってばぁ……っ!!」
 ふんわりとタイルの部屋を満たすまっしろな湯気。
 ボディソープの泡と、シャンプーの甘い香りに包まれたお風呂場の中を、さらに甘いマキの声が反響します。
「まだ、シローのシャンプー、終わってないんだよ……? あんっ、おとなしくしなさいよ、もうっ……」
「わおんっ!!」
 泡のついたしっぽをぶるぶると振って、シローは元気に答えます。せっかく一緒のお風呂での洗いっこなのに、シローは自分のシャンプーそっちのけで、すっかりマキにえっちないたずらをするのに夢中なのでした。
 それもそのはず、何も身につけず、しゅわしゅわの泡に包まれたマキのからだは、まるでクリームを塗ったショートケーキのようです。ちょこんと尖ったさくら色の胸のさきっぽや、お湯につかってほこほこと湯気をたてるあそこは、そのままぱくりと食べてしまいたくなるくらい可愛らしいものでした。
「はう……シローっ、やめ、……くすぐったいってばぁ……こらぁっ!!」
 ほんの少しだけふくらみ始めたマキの胸はとても敏感です。ぐりぐりと顔を寄せてきたシローが顔をうずめるたび、耳の先やひげがちくちくよ胸のさきっぽを刺激してしまうのでした。
 小さく震えるプリンのような胸をシローに舐められて、マキは思わず声を上げてしまいます。
「あぅ……やぁっ…シロー、ぺろぺろしちゃ、やだぁ……♪」
 マキはぼうっとなる頭で椅子の上で身体をよじって、シローを引き離そうとします。けれどシローはすっかり夢中になって、ふわふわのシャボンのクリームに包まれたマキの胸を大きな舌で舐め回すのでした。
「んぅ……ちょっとはいうこと聞きなさいよぉ……わかってるの、シローってばっ」
「わふっ!! ぉんおんっ!!」
 たまらずマキがぽかりと殴る真似をすると、シローは慌ててマキの側を離れ、『ごめんなさい……』というように目を潤ませます。その変わり身の早さにマキはすっかり呆れて溜息をつきました。
「もぉっ、ホントに調子いいんだから……」
 気を取り直して、マキはシャワーを片手においでおいでとシローをと手招きします。
 小さく吼えたシローは、こんどこそおとなしくマキの前に擦り寄ってきました。小柄なマキなら背中に乗れてしまいそうに大きな白い身体が、マキのおなかに押しつけられます。
「シロー、いいわね? おとなしくしててよ?」
 ほかほかと暖かいシローの毛皮に、マキはそっとシャワーを向けました。
 ぱしゃぱしゃと流れ落ちてゆく水流が、真っ白なシローの毛皮からたっぷりの泡を流してゆきます。けれどせっかく綺麗にしあげているのに、シローは小さくぶるぶると身体を振りながらお湯を嫌がって、濡れた鼻をぐりぐりとマキのおなかに押しつけてきます。
「ちょっとぉ……こら、シロー、ど、どこ潜りこんでるのぉっ……!!」
 マキの脚の間に“ぐいっ”と顔を突っ込んで、シローはシャワーから逃げようとします。お風呂の洗い椅子の上で、無防備に剥き出しになっている脚の付け根に、シローの鼻先が押し付けられました。ふんふんと荒い鼻息がマキの敏感な場所をくすぐります。
 まるでゆで卵みたいにつるつるむきだしの、ほんのり色づいた可愛らしい『おんなのこ』。大好きなマキの“そこ”を目の前に、やんちゃざかりのシローにじっとしていろと言うほうが無茶な話でした。シローは舌をのばして、マキのあそこを舐めはじめてしまいます。
「んぅ、ぁあ……や、……そ、そんなトコ、舐めちゃ、ダメだってばぁ……っ」
 まだくいっと食い込んだままのたて筋を見せるぷにぷにのあそこを、シローの長い舌がべちゃべちゃと往復します。ピンク色の舌は驚くほど器用に細い筋をくいっとこじ開けてマキの狭い隙間に入りこみ、大切なところの入り口部分のひだひだをちろちろと擦るのでした。
 シローにいたずらをされたマキのお股は、たちまちむずむずといやらしいえっちな音を響かせてしまいました。
「ふぁああぅ!? あ、や、ぁぅ……っ」
 ぞくん、と背中を走りぬけた甘い電流に、マキはたまらずシローの頭を膝でぐいっと抱え込んでしまいます。いつの間にか膨らんださくら色の花びらが、マキの足の付け根でほころびはじめていました。
 そうしている間にもシローの舌は動き続けます。
 いつもはおとなしく閉じている合わせ目の内側、こりこりと硬く尖ったところやくちゅくちゅと蕩けた柔らかいお肉を、シローの唾液でべちゃべたちゃになった舌が何度も何度もなぞっていきます。
「ぁ、や……ぁ、ぁっ」
 マキはじっとしていることもできず、ぎゅっとシローの背中に抱きついていました。シローが丹念にそこを舐め回すたび、桃色の電流が腰を走り、ふわふわと身体が宙に浮きそうになるのです。
「ぁ……ふぁ、んぅ……ぁあっ…ぁ♪」
 シローの粘つく唾液が糸を引いて、すっかり白くどろどろになった頃には、マキの脚の付け根からもじんわりと甘い蜜があふれ出していました。細く開いたマキの『おんなのこ』からも、こぷり、と蜜の塊がお風呂のタイルの上にあふれ落ちてきます。
 頭がぼうっとして、えっちなこと以外が何も考えられなくなってゆきます。それはとてもとても、どんなことにも比べようもないくらいに気持ちのいいことなのですが、なぜでしょう。マキはシローにされるがままになるのが、どこか怖いようにも思えるのです。
 そう――こんなことをしていたら、自分が自分ではなくなってしまいそうに、マキには思えてならないのでした。
「だめ、シロー、だめ……ぇ」
 力の入らない手で、かぼそい抵抗を繰り返すマキ。でも、すっかり膨らんでほころびた『おんなのこ』の花びらをちゅぷちゅぷと舐め回されていては、そんなものはなんの役にも立ちません。
 ちゅるん、とシローの舌がうねり、マキの『おんなのこ』の端にある尖った場所が、熱い唾液に舐めとられてしまいました。
「ぁ、ひゃ、あぁああんっ!?」
 強烈な一撃をまともに受け止め、マキはとたんに大きな悲鳴をあげ、身体をふにゃふにゃにして倒れこんでしまいます。
「わおんっ!」
「ぅう……シローぉ……っ」
 ねだるようなシローの声に、マキはとうとう観念し、渋々応じてあげることにしました。
 けれど実は、マキももうさっきから胸がドキドキして、きゅうっと切なくてたまらないのは、シローには絶対に秘密なのでした。
「し、シローが、い、いけないんだからね……っ」
 こくり、と口の中に溜まった唾を飲み込んで、マキはそっと洗い椅子の上で座る位置をずらして、脚を広げてゆきます。できるだけシローの舌が奥のほうまで届くように、お尻のほうから伸ばした指でやわらかいピンク色のお肉をそっと押し広げます。それだけで、じゅんっと甘い蜜が吹き出してタイルの上にぴゅぴゅっ、と飛びました。
 もう一方の手でシローの頭を抱き寄せるようにして、マキはシローの耳の後にそっとくちびるを押しつけます。
「シロー、……ちゃんと、やさしくしてよ? 約束、だからね……?」
「おうんっ!!」
 了解、とばかりにお風呂場の中に吠え声を響かせて、シローはマキのあそこにぐうっと鼻を押し付け、一心不乱にぺちゃぺちゃと舐め始めます。身体が自由になったことで、今度は入り口だけではなく、長く器用な舌はもっと奥の方まで滑り込んでくるのでした。
 太くて熱い舌がマキのあそこの入り口につぷりと入り、泡だったシローの唾液を塗りこんでいきます。
「ぁ、ぅ、あ……ふぁぁ…」
 自分の指で触るのとはまったくちがう感覚に、マキはたまらずぎゅっとシローの首を押さえつけてしまいます。
 浴室に響くはぁはぁと荒い息は、シローのものかマキのものかももうはっきりとは分かりません。ぼうっと熱くなる頭の奥で、びりびりと痺れるような甘い感じがどんどん拡がってゆきます。オシッコをずっとずうっと我慢している時のような、むずむずした感じが、もっと鋭くなってマキのお腹をえぐっているかのようです。
「っ、シローっ、ダメ、そこ、ちゅくちゅくしちゃっ……ぁ、お、おなかの、奥、ヘンになって……や、やぁ……ふわって、ふわってなるよぉっ……!!」
 さっきも舐められたいちばん敏感な突起を、シローは巧みに舌で舐め擦り続けます。マキが自分でしているときは途中で怖くなってやめてしまうのですが、シローはもちろん、途中で舌を緩めたりはしてくれません。ぺちゃぺちゃと往復する舌先が、マキをどこまでも追いつめてゆくのです。
「っ、あぁ、や、ふあ、んぁ、んっぁ、あっ、シロー、しろぉお!!」
 シローの唾液とマキの蜜が混ざり合って、タイルの上にこぽこぽと白い泡をこぼしていました。ちくり、ちくり、とまるで痛いほどに鋭い快感が、マキをぞくぞくと震わせます。
 切なさと、愛おしさと、自分がどこかに飛んでいってしまいそうなたまらない感覚に、思わずマキの腰が引けます。けれど、シローはそれを察してぐいっと顔を前に突き出し、舌をれろんっと伸ばしました。
 きゅん、と収縮した敏感なあそこの入り口を、熱い舌でちゅるんと舐め上げられて、マキの腰が浮かび、細い背中が弓のように仰け反ります。
「ふわぁあああああ!?」
 きゅん、と最後のひとこすりを敏感な場所に『ぷちゅっ』と打ちこまれたマキは、とうとうそのまま身体をはねさせてイってしまいました。ぎゅうっとシローの背中にしがみつくように抱きつき、小さな孔からぷしゅぅと透明な潮を何度も飛び散らせます。
 その間にも、シローは顔に飛んだ飛沫を払うように顔を振り、マキの内腿に鼻先を擦りつけました。
「ぅく……ぁは……ぅ……」
 まるでジェットコースター。がく、がくと腰を抜かし、マキはくてりと脱力したまま、シローに寄りかかってしまいました。
 力の抜けた手足ではまっすぐ身体を起こしていることもできず、マキはとろん、とした表情のまま洗い椅子からずりおちて、ぺしゃんとタイルの上に座り込んでしまうのでした。
 いっぽう、そんなマキの様子は気にも留めず、放心状態のマキの脚の間に顔を突っ込んで、シローはふんふんと鼻息荒く匂いを嗅いでいます。それはまるで、マキが十分に準備できているかを確認しているようでした。
「シロー……?」
 シローの眼はぎらぎらと輝いて、こぼれる息はまるで蒸気のように熱いのです。まだまだ全然満足できておらず、すっかり興奮したままのシローに、マキはまたおなかの奥がかぁっと熱くなるのを感じました。
(や、やだ……)
 たったいま、キモチ良くなったばかりなのに、どんどんと熱くなるお股の奥では、『おんなのこ』の一番敏感な場所が、やわらかいひだひだをきゅうきゅうとよじり合わせています。細く狭いその小さな孔のずうっと奥では、ふっくらと整えられた、赤ちゃんを育てるための揺り篭がじんじんと疼いていました。
 シローに心ゆくまでたっぷり舐められて、マキの身体はすっかりシローに夢中になってしまっていました。
 また、シローのあの大きくて太いおちんちんで、おなかの奥をごりごりっとして、どろどろの赤ちゃんの素をいっぱい、いっぱい注いで欲しい……マキの身体は、そう訴えています。
(だ、だめなんだからっ。シローとえっちするのは、本当はいけないことなんだから……し、シローがおとなしくしてないから、いつも、しかたなくしてあげてるだけなんだもん……)
 シローのシャンプーをしている時にまで、こんなことを考えてしまうなんて……。自分がどんどんえっちな子になってしまっているような気がして、マキはぶんぶんと頭を振って、そのキモチを打ち消そうとします。
「わおんっ!!」
 けれど、
 このままではおさまりがつかないであろうシローは、マキにねだるように尻尾を振って何度も吠え続けていました。自分がマキをキモチ良くしてあげたのだから、マキも同じようにして欲しい、と言っているのです。
(うー……っ)
 シローの期待に溢れた表情を見ていると、マキは眼をそらせなくなってしまいました。なんだかんだ言ってもやっぱりマキはシローには甘いのでした。それに、確かに、自分ばっかりキモチよくしてもらうのは、やっぱり不公平な気もします。
「わ、わかったってば……し、シローのも、してあげる……ね?」
 真っ赤な顔のまま、胸のドキドキを押し隠しながら、マキはまだだるい身体を床のタイルの上に動かし、寝そべるようにしてシローの脚の間に潜りこみました。
 いまやすっかり露になって、濡れた毛皮の間からせりだした大きな肉の塊。力強く、大きく、硬くなり、びくびく跳ね回るシローのおちんちんが、マキのすぐ目の前でぷるんぷるんと震えています。
「わぁ……っ」
 マキは、顔を覆いたくなるのをこらえて、できるだけそっとシローのおちんちんを握りました。
 熱く脈打つ、赤黒いそれは、マキの左右の手のひらを使って包んでもまだまだぜんぜん余るほどに大きくなっています。杭のように鋭い先端からは、ぴゅぴゅっと透明な先走りがこぼれています。さっきしっかり洗っておいたので、いまはシローの匂いではなく、ボディソープの匂いがしました。
「……っ、…うわぁ……」
 こんなふうにしっかり、明るい中で目にするのは初めてかもしれません。こんなに大きくてなものが、えっちしている時はマキのあそこの中に入ってしまうのです。そう考えるとなんだかとても不思議な気分でした。
 よく見れば、とってもいやらしいかたちをしているようにも思えます。
 マキはほっぺを真っ赤にしながらシローの後ろ脚の下に顔を寄せると、大きく口を開いてシローのおちんちんにキスをしました。そのまま尖ったさきっぽをくわえ、舌と唇をつかってちゅるちゅると吸い上げます。
「んぅ……シローの、たくさん出てる……」
 濃くてとろとろとした先走りが、喉に広がってゆきます。あまり美味しいとは思えませんが、不思議ととてもえっちな味にも思えました。
 そうやってシローの味を感じられるのがなんだか嬉しくて、マキは舌をちゅくちゅくと動かし、精一杯大きく口を開けてシローのおちんちんを口に含みます。まるで大きなアイスキャンデーか、焼きたてのフランクフルトを頬張っているようです。
 もちろん、噛みついてしまうわけにはいきませんから、できるだけ歯を立てないように、唇をきゅっとすぼめてぺろぺろと舐め、ちゅうっと吸い上げます。そのまま唾を飲むようにごくっと喉を鳴らすと、シローが小さく腰を震わせて吠えました。
「わぉ…ぅうぅんっ!!」
「はむ……らひゅ…、っぷ……んむっ…」
(……シローも、気持ちイイのかな……)
 こんなふうに、シローのおちんちんをしっかり舐めてあげるのは、マキも初めてでした。舌先でぺろぺろっとしてあげたくらいのことはありましたが、まるであそこに入るように、口の中におちんちんを飲み込んだことは、マキにもありません。
(んぅ……っ)
 またひとつ、シローとする“はじめて”の経験に、マキはいつしかこらえようもないほどの愛おしさで胸をいっぱいにしていました。
 マキの小さな口のなかへ、赤黒い肉の塊がゆっくりと、けれど力強く出入りします。ぐちゅぐちゅと泡だったマキの唾液とシローの先走りが、べちゃべちゃとマキの胸を汚してゆきます。
 れぷ、れぷっとマキの舌が一生懸命にシローのおちんちんを舐めるたび、びくびくと脈打つ肉の塊が熱く、大きくなってゆくようでした。
「んぅ、…はむっ……ちゅぷ……んゅ……っ」
 いつの間にか、マキは夢中になってシローのおちんちんを舐め回していました。このなかに、シローの赤ちゃんの素がたっぷり詰まっているのだ、と思うと、ますますマキの頭の中はどろどろになってゆくようです。
 柔らかいほっぺたの内側の粘膜が、ぎんぎんにそそりたったシローのおちんちんを包み、ねっとりと絡みついて吸い付きます。びくびくと痙攣するシローのおちんちんは、びゅびゅっ、びゅっと粘液を吹き上げました。ごく、と喉を鳴らすたびにおなかに流れ落ちてゆくシローの味が、マキを内側からいっぱいにしていきます。
(ふあ……なんか…、これ……気持ち、いいかも……っ)
 敏感なくちびるやほっぺたの内側を、シローでいっぱいにされているうち、またマキの頭はどんどんぼうっと熱くなっていきます。けれど、さっきよりは穏やかで、怖い感じもありません。これならずっとしていても大丈夫そうでした。
(……さ、サオリちゃんとかも、お兄さんと……こ、こんなコト、してるのかな……?)
 クラスの中でも、何人かの女の子は男の子とお付き合いをはじめていて、おませな子の中にはもう“はじめて”の経験をした子もいるのを、マキは女の子同士の秘密として知っています。
 でも、マキにとってはどんなに素敵なアイドルや、憧れの上級生や、かっこいい大人の男のひと――あるいは素敵なお姉さんよりも、シローのふかふかの毛皮に顔をうずめて、抱き締めあう瞬間の方がずっとずっと、何倍も何十倍も素晴らしく思えるのでした。
 シローのおちんちんは、こうやってマキをキモチ良くすることにかけては本当にほんとうにすごい力をもっているのですから。
「んむ…れるぅ……ひ、ひろぉ……おひんひん、ひもちいい…?」
「わぅ…っ」
 マキがおちんちんをくわえたまま尋ねると、シローは目を細めて、小刻みに腰を振るわせて小さく吠えます。とってもキモチ良さそうなシローの表情に、マキの胸の奥もなんだかほわぁっと暖かくなるのでした。
 このまま、お口の中に赤ちゃんの素を出してもらうのも、いいかも……なんて、マキが思い始めた時でした。
「うぅ、わお、ぁおおおおんっ!!」
「んぅっ!?」
 いきなり前触れもなく、シローが暴れだしたのです。
 とうとうガマンのできなくなったシローが、マキの口の中へぐいっと激しく腰を突き落とします。
 マキの喉の奥まで無理矢理に『ずるぅっ!!』とねじ込まれた肉杭の先端が、どぷっと激しく先走りをほとばしらせます。
「っ、っぶ、えほっ、ごほっ!!!」
 さっきまでの優しげな感覚はどこへやら、喉の奥に直接、熱く煮え滾った赤ちゃんの素を注ぎ込まれ、マキはたまらず咳き込んでしまいました。
 吐き出したシローのおちんちんがぶるんと震え、さらにびゅ、びゅるっ、びゅるるるぅっ!! とマキの顔めがけて激しく射精します。とても目も開けていられず、ぎゅっと顔を背けたマキの首に、胸に、真っ白などろどろが糸を引きながらぶつけられてゆきます。
(うぁ……やだ、……熱いっ……)
 えほっと咳きをするマキの唇からも、どろぉっと泡立った白いど赤ちゃんの素が垂れ落ちました。
「………っ!!」
 いきなりの乱暴に及んだシローを思い切りはねのけ、お風呂場の端へ突き飛ばします。
「うわぅ!? ふうぅ。っ、ぐるるるるぅ……」
 シローもいきなりのことに驚いて、ふだんはまるで見せないほどに怖い顔をし、興奮気味に尻尾を逆立てて、牙を覗かせながらタイルの上をはね回ります。
「っ……」
 けほけほと咳きこみながら、マキは顔をしかめ、涙目になってきっ、とシローを睨みます。
「うく…けほっ……ううぅ……し、シローっ!! もおっ!! ……えうぅ……ら、乱暴にしちゃだめって約束したのにぃ!!」
 咳きこむマキは、涙を滲ませてどろどろになった唇をぬぐいました。手のひらにべったりと飛び散ったシローの赤ちゃんの素が、胸までこぼれてゆきます。せっかくシローのキモチいいようにしてあげようと思っていたのに、ぜんぶがぜんぶ台無しでした。
「ぅう……喉いたい……もぉ、せっかくお風呂はいったのに、また汚しちゃって……」
 じろり、と睨む先では、シローは相変わらずはぁはぁと息を荒げて、マキを見ていました。足の間ではまだ大きなおちんちんがぶるんぶるんと震え、ぴゅぴゅうっ、と精液をとぎれとぎれに吹き上げています。
 まるっきり反省の色の見えないシローに、マキの心にかあっと熱い憤りがこみ上げてきました。
「し、シローのばかぁ!! もう、もう知らないんだからっ!!」
 とうとうマキはふんっ、と顔を背けてその場を立ち上がります。
 いくらマキでも、いくら大好きなシローでも、こんなに乱暴にされては、もう限界です。
 マキにはこれ以上、シローの好きなようにさせてあげるつもりはありませんでした。
「シローのばか!! もう、もぉ!! そ、そんなんじゃ、ホントに嫌われちゃうんだからね? 女の子はね、乱暴な男の子なんかだいっ嫌いなんだから!! あたしも、あんなことするシローなんか嫌いっ!!」
 大声でそう怒鳴ると、ようやくシローは自分がしでかしたことに気づいたようでした。大きな身体をたちまち丸め、尻尾を足の間に垂れ下がらせて、きゃうん、と吠えてお風呂の隅に縮こまります。
「きゃう……くうぅん……」
 いつものまんまる目で、シローは頭をうなだれます。シャワーでびしょ濡れの毛皮のせいか、そんなシローにはさっきまでの猛々しさなどどこにも見当たらず、さらに情けなく見えてしまいます。
 いつもならマキも少し言い過ぎたかも、と思ったことでしょう。
 けれど、すっかり血が頭の上ったマキは、もうそれを可哀そうだとは思えませんでした。
 お風呂場の反対側まで歩いたマキは、まだいがいがする喉に顔をしかめてシャワーを手にとり、お湯を調整し始めます。
「シローなんか、だいっ嫌いっ!!」
 どろどろになった指をシャワーで乱暴に流すと、マキはぶるぶると頭を振り、もう一度きっとシローを睨みます。
 そうしてマキは、お風呂の隅で小さくなるシローを放ったまま、大きな音をたててドアを閉め、お風呂から出てゆくのでした。


 ◆ ◆ ◆


「…………」
 ごろん、とベッドの上で寝返りを打ち、マキはぶすっとした表情のまま、ちらりと部屋のドアに視線を向けます。
 閉じたままのドアに変わった様子はなく、そこをノックする音も聞こえてきません。乾いていない湿った髪の毛を振りながら、枕にぎゅうっと顔を押しつけます。
(…………うぅーー……っ)
 まるでシローのように唸りながら、マキは胸の中にわだかまるもやもやした気持ちを持て余していました。
 くちびると鼻の奥には、まだつぅん、と痛みがあり、さっき乱暴にされたシローの感触が生々しく残っています。同時に喉の奥に絡まるような、どくどくと脈打つ熱いシローの赤ちゃんの素の残り味も、一緒に感じることができました。
 あんなにも乱暴に、シローにされたことはありませんでした。それで少し驚いてしまい、怖かった、というのもあります。
 でも。そんなことはマキだってわかっていたことのはずでした。
「しろーのばか……」
 押し付けた枕のなかに、つぶやいた言葉が沈んでゆきます。
 ちょっと目元に滲む涙は、マキにもよく理由はわかりませんでした。たぶん今、自分はとても可愛くない顔をしているだろう、とマキは思います。
 シローのことは、好きです。マキは胸を張って、そう言えます。
 でも、あんな風に――シローに好きなようにされていると、時々、どうしてもマキは不安になってしまうのです。本当は『いけないこと』であるはずのシローとのえっちが、どんなことよりも素晴しいもののように思えて、それは別に、嫌なことではないはずなのに、なぜだか、わけもなくマキの胸をきゅうっと締め付けるのでした。
(なんで、あんなこと……しちゃったんだろ……)
 とく、とく、と小さな胸が高鳴ります。
 それは、シローに言いたいことでもあり、大好きなはずのシローを拒絶してしまった、マキが自分自身に言いたいことでもありました。
 マキが小さい頃から一緒だった、シロー。
 ずっとずっと、一緒に暮らしてきたシロー。
 だから、シローのことは大切で、誰よりも大好きで。ああして、お父さんにもお母さんにも内緒で、えっちをするようになってからは、もっとシローのことは大事になっていたはずでした。
 マキは、知らずそっと、自分のおなかを撫でながら、俯きます。
「うぅぅ。……っ」
 何度も何度も思い悩みながら、マキはやがてがばっ、とベッドの上に起き上がりました。それからさらに何度もちらちらとドアを見て、やっぱり誰も来ないことに何度も何度も落ち込んで。
 そうして、マキは時計を確認し、ゆっくりベッドから降り、階段を下りていったのでした。
 

 ◆ ◆ ◆


「……シロー、まだ、いる?」
 マキがそおっとお風呂のドアを開けると、すっかりぬるくなってしまった湿った空気が、ぶわっと隙間から溢れてきます。
 恐る恐る覗いた向こうでは。相変わらず毛皮をびしょ濡れにしたまま、シローがうなだれて、所在なげにうずくまっていました。
「シロー?」
 もう一度、マキが声をかけると。
 シローはぴくん! と耳をそばだてます。でも、立ち上がるでもなく、飛び掛かってくるでもなく、シローは変わらず、じっとお風呂場の隅にうずくまったままでした。『伏せ!』の命令をされているわけでもないのに、そこから動こうとしないシローに、マキはきゅっと胸を締め付けられました。
「……ごめんね……怒って、るよね。シロー」
 小さく言葉を押し出して、マキはそっとドアをくぐります。
 下着はもう脱いでいましたが、なんとなく恥ずかしくてまだ、上にシャツだけは着たままでした。お風呂場に入って、シローのそばにそっと歩いていきます。
「ごめんね。あたし、シローに嫌なこと、言っちゃった。……ごめんね」
 マキは。
 そっとシローのおでこに頭を寄せ、こつん、とそこを触れ合わせます。くぅん、とシローが小さく鳴いたので、マキはすこしだけほっとしました。
 シローの身体は、マキがびっくりするくらい、熱くなっていました。あのもこもこの身体の中に、シローはいったいどれくらい、猛烈な衝動を蓄えていたのでしょう。そのことにようやく思い至り、マキはぎゅっと口を引き結びます。
「……あのね。……でも、シローだって、良くないとこ、あったよ? その、や、やさしくして、って、いったのに、あんなに乱暴にされたら……やっぱり、嫌だよ?」
「ぅおん?」
「…うん。……嫌。でも、……あのね、あたしは、シローに気持ち良くなって、欲しかったの。でも、でもね?」
 そっと、まるで湯気を立てそうなほど熱くなっているシローのおなかの毛皮を撫で、マキはそっと唇を噛みます。言葉よりもはっきりと。こんなにもシローはマキに訴えかけてきてくれていたのに。それに気付いてあげられなかったのは、マキのほうだったのかもしれません。
「……馬鹿なの、あたしもだったね。あたしが、あたしだけが、シローのこと、気持ち良くしてあげてるんじゃ、なかったのにね。……シローだって、自分で、キモチ良く、なりたかった、のにね。……それで怒るななんて、やめちゃうなんて。……いじわる……だった、よね、あたし……っ」
 ひく、と小さな嗚咽を喉の奥に飲み込んで。
 マキは、せいいっぱいの言葉を、たどたどしくも、懸命に、シローに伝えようとしていました。
「っ、シロー。その……っ」
 涙に揺れる目で。じっと、マキは、ぎゅっとシローの身体を抱き締めます。俯いた顔を耳まで真っ赤にして。マキは、今にも途切れそうになる言葉を、そっと唇から押し出します。
「し、シローが、シローがね? き、キモチ良く、なれるように……。……し、しても……いい、よ……?」
 そう言って、マキはとうとう黙ってしまいました。
 頭から煙が、ぼんと噴き出すほどに心の中もいっぱいになり、もうそれ以上、なにも出来なくなってしまったのです。
 動かなくなったマキのほっぺたを、けれどシローはぺろん、と優しく舐めてくれました。
「んぅ……っ」
 ぞるるる、と舐められた頬に、はあはあと熱いシローの息がかかります。
「わう?」
 いいの? と問いかけるシローに、マキは、小さくこくん、とうなづいて――シローのたくましい身体に、そっと身をゆだねました。


 ◆ ◆ ◆


「……こ、こう? シロー?」
 言葉のないふたりは、なんどもなんども身体に触れ合いながら、お互いの意思を伝え合います。シローがいちばんキモチ良くなれる方法で、基地盤キモチ良くなれる恰好で。
 マキは、シローを迎え入れる姿勢をとります。
「わお、わおんっ!!」
 強く吠えるシローの声にこたえながら、マキはお風呂場のマットの上に、膝をついてうずくまります。
「っひゃ!? ふぁ、あっ、し、シローっ、だめ……、そ、そんな、とこっ」
 そう――ちょうど、シローは四つんばいになったマキの身体の上に伸しかかるように、前脚を持ち上げているのでした。
 あれからずいぶん時間が経っているというのに、マキのお口の中でいっぱいキモチ良くなり、すっかり興奮したシローのおちんちんは相変わらずびくびくと力強く震え、すこしも衰えていませんでした。 いまにもマキのおなかの中におちんちんを入れたくて仕方がない、と昂るシローは、マキにのしかかるように身体の向きを変えて、白いお尻の上にぐいぐいととがったおちんちんを押しつけてきます。
「し、シローっ、……や、こんなカッコ。……っ、恥ずかしい、よぉ……っ」
 まるで、シローに征服されてしまうよう。
 お互いに顔も見えないこの姿勢は、理科の時間に習った、動物の“交尾”の格好です。わかってはいても、いざしてみるとその恥ずかしさはこれまでの比ではありませんでした。
 激しく高鳴る胸の鼓動が、マキの心をきゅうっと締め付けます。
 怖いような、恐ろしいような、でも、シローと本当の意味で一緒になれるような、言葉にできない複雑な気持ちが、マキの小さな胸の中をぐるぐると渦巻いて、途方もなく大きく膨らんでゆきます。
「シロー…っ」
 マキはせめて振り返ってシローの顔を見させてもらおうとしましたが、しっかり体重を伸しかけてくるシローに阻まれてそれもうまくいかず、反対にシローの両足にぐいっとタイルの上に押さえつけられてしまいます。
 同時、シローの熱いおちんちんが、ぬるるんっ、とマキの脚の間におしつけられました。
「ふぁあ!?」
 びく、びく、と震える熱い感触が、マキの脚の付け根を滑ってゆきます。マキの足の付け根と、閉じた太腿の間にできる逆三角形の隙間に、シローのおちんちんがぬるっぬるんっと往復します。
 ほころんだあそこの上をかすめて通り越し、その先端がおヘソの上まで届くシローのおちんちんが激しく動き、マキのあそこにもじゅわぁっと蜜がにじんでゆきました。
 心の中にはまだ燻っていた、シローへのわだかまりが、もっと別の強い感情に塗り替えられてゆきます。
 マキの耳元、すぐ後ろに、覆いかぶさるようにしてくるシローの熱い吐息が聞こえました。
「んぅ……っふ……ばかぁ……シロー、知らない、からっ……」
 マキのおなかのに当てられて、ぺちんぺちんと揺れる、真っ赤に色付いたなおちんちん。
 ネットの検索エンジンで写真を調べたことのある、男の人のものとはまるで違うそれは、けれどマキを、すっかり夢中にさせてしまう素敵なカタチをしているのでした。
「で、でもシロー、やっぱり、こんなカッコ……っ、ひぁ!?」
 ぺろ、ぺろ、とシローの舌がマキの首筋を舐め上げます、そのくすぐったさに思わず首を竦め、マキは抵抗の意思を失ってしまいました。
 にゅる、ぬるんっ、と狭い脚の間を往復するたくましいシローのおちんちん。普段はお腹の中にしまわれているシローのおちんちんは、本当は発情期という時だけしか出てくることはないのだそうです。
 ですから――いまのシローは、マキとえっちしたい、と。はっきり言ってくれているのと同じでした。
(……シロー……っ)
 そう。シローはいま、マキの身体であんなにキモチ良くなって、本当にえっちをする時ではない時期に、我を忘れてしまうくらい夢中になって興奮しているのです。
 そう考えると、なんだかマキは胸の奥と頭の中がぐちゃぐちゃになって、言葉にできないような気分になるのでした。
「ぅあ……あぁぅ、……んぁっ……や、熱い……っ」
「わふ、わふぅ……わぉんっ!!」
 ぴゅるぴゅると先走りをこぼしながら、シローはマキのおなかにおちんちんをねじりつけます。柔らかいマキのおなかに、熱く滾るおちんちんの先端を押し付けて、シローはどんどん息を荒くしていました。それが伝わるように、マキの身体もどんどん熱くなってガマンができなくなってしまいます。
 いつしか、マキまでもはあはあ、と熱い息を繰り返して、シローと一つになる瞬間を待ちわびているのでした。
「わお、わぉおおんっ!!」
「っ、きゃぁああっ!?」
 答えるように激しく震えたシローのおちんちんが、またぶぴゅるっとマキのおなかの下で白くてどろどろした射精をします。
 びちゃびちゃとお風呂場のマットの上に、マキの白いおなかに、タイルの上に飛び散る、どろどろにして繋ぐ熱い赤ちゃんの素が、マキをいっそう切ない気持ちにさせました。
 ちく、ちく、と言葉にできない不思議な感覚が、おなかの奥で疼き続けています。
(シローの、ばか……っ)
 きゅうっと小さな胸が締めつけられるような、どうしようもない気分で、マキは胸が一杯でした。
 マットの上に飛び散ったシローの赤ちゃんの素を、そっと指でぬぐって、マキはそれを口に含みます。じわあ、と広がる、濃いどろどろとした感触。
(シローの味……っ)
 それを目をつぶり、こくんと飲み込んで、マキはゆっくり、シローのおちんちんを掴んで、開いた脚の奥、ぐいっと持ち上げた腰のあたりへと招いてゆきます。
「……シロー……っ」
 シローと同じように、四つん這いになって。いつもとは違い、シローのしたいように、シローがしやすいように、シローを迎え入れます。
 マキはそっとシローのおちんちんをくちゅくちゅと蜜を吹くあそこに添えてゆきます。焼ける鉄みたいに熱いシローのおちんちんは、お風呂の中でもまるで湯気を立てているようでした。
「ぅう…わぅっ!!」
 マキの指に導かれて、シローのおちんちんが、マキのあそこにほんの少し開いた小さな隙間を探り当て、狭く閉じあわされたひだひだの中に潜りこんでいきます。にゅる、にゅぷっ、と細い入り口をくぐって、大きくて太いシローの肉の塊がぐりぐりと押しこまれるのでした。
「んうぅううっ……!!」
 マキがたまらず息を吐き出してしまうと、いったんは嵌まり込みかけたシローのおちんちんが勢い良く反って抜け、ぶるんとよじれて震えます。
 あそこの入り口を激しく抉られ、マキはがくがくと腰を震わせ、シローを呼びました。
「し、シロー……やだ……もう、っ……」
 うまく『そこ』の入口を探り当てることができず、シローは何度もおちんちんを前後させます。マキの足の付け根と内腿の間にできた三角形の隙間を、堅く張り詰めた肉の杭がくちゅくちゅと前後します。
 シローのおちんちんはどんどんと硬さを増しながら、とろとろになったマキの脚の付け根を擦りました。おしっこの出口のそばを尖った肉の槍が擦るたび、マキはひぁ、と悲鳴をあげ、白い足の間からはぷちゅっと蜜が吹き出してお風呂のタイルに飛び散るのです。
「シローっ……、もう、いいよぉ……っ、はやくっ……」
 胸の奥にじりじりと熱いものがせり上がって、きつく締めつけられるようです。際限なく高まってしまうマキの胸のドキドキは、もう爆発しそうに激しく打ち鳴らされていました。
「いじわる、しないで……おちんちん、ちょうだぁ…いっ……」
 蕩けた頭で、甘い声で、おねだりをするマキのあそこが、シローのおちんちんに擦られます。
 剥き出しになっていた一番敏感な芽が、ぞるるるっとシローのおちんちんに押し潰されてこね回されます。脚の間をびりびりと走る甘い電流に、マキはびくんと仰け反ってしまいました。
「ぁ、あぅああ!?」
 そして、ちょうどタイミングよく、まるで見計らったかのように。今度こそシローは、マキの『おんなのこ』の入り口にくぷりっとおちんちんの先っぽを押しこんできました。
「ぁ、あ、ぁ……~~~……ッ!?」
 すぐに、細く狭いえっちなお肉をかきわけて、ずぅんっ! と、おなかの奥の方までシローのおちんちんがやってきます。
 シローのおちんちんが、マキのあそこの入り口を捕らえるやいなや、一気に奥まで突っ込んできたのです。一瞬でシローと身体の奥まで合体してしまい、マキはあまりの衝撃に言葉をうしなってぱくぱくと口を動かします。
(ぅあ……シロー、すごい…)
 ぐいっと体重を預けてくるシローを、マキは腕に力を込めて支えます。マキの小さな身体を押し潰さんばかりに激しく打ち付けられるシローの逞しい腰をぐっと受け入れて、はっ、はっ、と大きく息を吐いて、マキはシローのおちんちんを根元まで飲み込んでゆきます。
「んくぅぅ……っ!!」
 すでにたくましく根元をボールのように膨らませたシローのおちんちんが、ゴムのように引き伸ばされたマキのあそこにがっちりと嵌まり込みます。身体じゅうの全部をシローで貫かれたような、たとえようもないほどの充足感がマキの全身に拡がってゆきました。
「ぁ……ぅ……は……っ」
 強引なシローのリードに、苦しげに息を吐くマキ。
 けれどそれに応じて、マキのあそこは、狭くきつく寄せ合わさったひだひだでシローをきゅうきゅうと締めつけ、シローのおちんちんの中に詰まった熱く滾ったものを残らず搾り取ろうとしていました。
「わぉお、わぉんっ!!」
 シローは大きく吠えました。キモチいいよ、とマキに伝えてくれるように、逞しい前脚でマキをぐっと押さえつけます。
「ぁ、あ、あぁ!?」
 ずっとずっと待たされていたせいか、シローの動きはまるで歯止めのきかないほど、とても激しいものでした。
 シローが力強く腰を振るうたび、ごつんとおちんちんがマキの一番深いところにぶつかって、マキはがくがくっと激しく揺さぶられます。シローの下に押し潰されているのに、おなかがじんっと痺れて、まるで宙に浮いているみたいで、マキは頭のてっぺんまで突き抜ける衝撃になんどもなんども悲鳴を上げてしまいます。
「ぁ。あ、あっ、ああぅ、あぁあ!?」
 突き込まれるときだけではなく、ずるぅっ、とシローのおちんちんが抜けかけるとき、どういう具合かマキの『おんなのこ』の天井のところを硬ぁく尖った所がぞるるぅっ、と擦るのです。それがたまらなく気持ちよくて、マキは高い悲鳴を上げてしまいました。
「ぁあ、あふぁ、し、しろぉ……だめ、そ、それ、だめぇえ……っ!!」
 がくがくふるえる腕はとうとう身体を支えきれずに、マキはぺしゃんとお風呂の床タイルの上に突っ伏してしまいます。マキは小さな唇にぎゅうっと指を噛んで、勝手にこぼれてしまう声を押さえ込もうとしました。
「わふ、わふぅ!! ぁおおんんっ!!」
 けれど、シローは一向に容赦してくれません。マキを床に押しつけるようにのしかかってきます。マキを背中に乗せても歩けるような大きな身体の下敷きになって、マキは思うように身動きが取れません。
 だから、シローのおちんちんが、気絶しそうなほどキモチいいところを深ぁくえぐっても、マキはそれから少しも逃げることもできないのです。
 ほんのわずか、身体をよじって擦れる場所をずらすことすら、マキにはできませんでした。
「ぁああ、ぁああうぁあ?!」
 もう、声が出るのもガマンし切れません。ぱくぱくと開いたマキのくちからとろっとよだれがこぼれて、タイルに散ってゆきます。そうして悲鳴を上げれば上げるほど、ますますマキはともどもない快感の波のうねりに飲み込まれてしまうのでした。
 シローの身体に押し潰されて動けずに、きゅうきゅうとよじれる大切なところをじゅぶりじゅぶりとシローのおちんちんが出入りします。
 シローに、何から何まで、支配されて。
 自分はシローのものだ、と宣言されているようでした。
 何度もあたまのなかが真っ白になって、マキはぼうっとなりながら、自分がすっかりシローのものにされてしまったことを感じました。
「ぁ、あ、ぅ、お、ぁ……~~っ……!!」
「あぉおぉんんっ!!」
 まるで、なにかの証のように。
 激しい獣の交わりとともに、シローは何度も何度も、激しくマキのおなかの中に赤ちゃんの素をぶちまけました。白く熱く、どろどろと煮詰まった塊が、マキのおなかの一番奥の、大切な揺り篭の中まで流れこんでゆきます。
 シローは、そこがマキの赤ちゃんを育てる場所だと知っているのでした。だから、直接そこに届くように、マキのおなかの一番奥におちんちんを嵌め込んで、ありったけの赤ちゃんの素を流しこんでゆくのです。
(しろーので、おなかのなか……いっぱいにされてる……っ)
 シローのおちんちんがびくびくと震えては、何度となく赤ちゃんの素を吹き出します。
 マキは、ほとんど無意識のうちに、どうしても緩んでしまうくちびるから唾液をこぼし、真っ白になってゆく頭で身体をよじり、シローのくちびるにそっと口付けました。
 長い長いキスの間にも、おなかの奥深く撃ち込まれたシローの肉杭が、なんどもなんどもびくびくと蠢いて、自分の全部を真っ白くしてゆくのを、マキはいつまでも感じていました。


 ◆ ◆ ◆


 いつの間にか気を失っていたマキは、シローにぺろぺろと顔を舐められて目を覚ましました。
「んぅ……?」
 びくり、とおなかの中で熱いものが震えます。
 うつぶせに身体を丸めて、タイルの上に突っ伏したその上。シローはそんなマキの小さな身体のうえにのしかかったままです。
 自分がまだシローと繋がったままな事に気付いて、マキは真っ赤になって俯きました。
「し、シロー、あたし……寝ちゃってたの?」
 本当はキモチ良すぎて意識が飛んでしまったのですが、マキにはそんな事は分かりません。これまでシローとえっちした時よりもずっとずっと強烈で、怖くなるくらいキモチ良かったことは分かっていましたけれど。
 でも、いまのえっちは、いつものような素敵なものではありませんでした。マキは、自分が自分でなくなるようなあの感覚を思い出して、ぶるっと背中を震わせます。
「え、っと……何時だろ……?」
 思わず確認しようとするマキですが、シローに圧し掛かられてしまっては思うように動くこともできません。
「わおんっ!!」
 シローが吼えると、びりっとマキの背中に衝撃が走りました。
 なんと。あそこにがっちり食い込んだまま、びくりともしないシローのおちんちんが、いまも深ぁくつながったまま、マキのおなかのなかを占領しているのです。
「わふ?」
「あぅ!? わ、分かってるってば……で、でも、ぬ、抜けないのっ……」
 はっきりと脚の間に感じてしまうシローのおちんちんの感触に、マキはまた顔が熱くなるのがわかりました。それをごまかすようにごしごしと頬を擦って、困ったように眉を寄せます。
「だ、だいたい、シローのがおっきすぎるからいけないんだよ!! ……む、無理矢理入れちゃおうとするんだもんっ……」
 繋がったまま身体をひっくり返して、マキはぽかぽかとシローの顔を叩きます。
 でも、シローだってそうそう簡単におちんちんを納めることはできないのです。一度大きくなったシローのおちんちんは、何十分もそのままでした。それに、マキのあそこが狭くて窮屈で、あまりにもキモチ良すぎるのも問題でもあります。
「……は、はやく小さくしなさいよぉ!! お母さんたち、帰ってきちゃうっ!!」
「わんっ、わふ、わおんっ!!」
 シローがまた、マキのお尻に腰を擦り付けてきます。じんわりと広がる甘い感覚に、マキはまた「ふぁあ!?」と叫んでしまいました。どうやら、シローはまだまだ足りないようです。
「ああもう、シローっ!?」
「わぉんっ!!」
 マキとシローの声は、そうやっていつまでもお昼過ぎのお風呂場に響いてゆくのでした。



 (了)
 
 

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シロフミ 2020/08/06 22:48

犬のお世話・その1

「……あのねシロー、ホントはこんなのいけないのよ? ふつうのおんなのこは、シローとこんなこと、してくれないんだからね?」
「おぅんっ♪」
 元気良く吠えてこたえ、ぴこぴこと耳を揺らすふかふか毛皮の愛犬を見ながら、ふかふかのベッドの上に仰向けになって、マキは小さくため息をつきました。
「……はぁ……わかってるのかしら、ホントに……」
 調子のいい返事に少しあきれながらマキがつぶやくと、シローはベッドの上に足を乗せてきました。脱ぎ捨てた制服がとさりと絨毯の上に落ち、ふたり分の体重を乗せたベッドがぎしぎしと揺れます。
 するすると、足の付け根を覆っていた薄水色の最後の一枚を膝まで下ろし、とうとう生まれたままの格好になったマキは、待ちきれない様子のシローを呼び寄せました。
「……もぉ。……おいで、シロー」
「わぉんっ!!」
 シローはぶんぶんと尻尾を振りながら、がばっ、とマキの上にとびかかってきました。はあはあと荒い息をあげながら、大きな舌をべろんと出して、あらわになったマキのひらべったい胸を舐め回します。
 薄いパンケーキの上に、ちょこんと薄桃色のさくらんぼが乗ったような発育途上のマキの胸ですが、シローの舌は丹念に敏感なところを探り当て、ぺちゃぺちゃと生暖かい唾液を塗りたててゆくのです。
「あんっ……もぉ、シロー、そんな、いきなりっ。……く、くすぐったいってばぁ……っ」
 はじめは身をよじるようにして逃れようとしていたマキですが、シローがあまりにも熱心に舐めつづけるものですから、いつの間にかマキの声は甘いものに変わっていきます。
 人間のように器用な指がない代わりに、シローの舌はとても力強く、ぬるぬるとしていて、マキの身体はそれで舐められたところからまるでバターのようにとろけてしまうのです。
 柔らかくこねられた胸の膨らみの先端で、ちょこんと尖った先端がシローの鼻先にぷにゅんと押し潰され、マシュマロのようにカタチを変えています。
「ぁ、は……ぅ」
 ぴくん、とマキの眉が寄せられるのを見て、シローはさらにぐりぐりと濡れた鼻先を押しつけてきます。白い肌をふんふんと嗅ぎわけるシローの熱い吐息は、マキの身体にもしっかりと伝わり、マキはシーツをつかんではびくっと背中を反らして震えました。
「ふぁ……だめぇ……っ♪」
 マキにのしかかるように身体の位置を動かしたシローが、ぺろぺろとマキの顔を舐め始めました。シローの息遣いはどんどんと荒くなり、マキの耳元をくすぐります。
 言葉の上ではダメ、と言っても、本当はマキだってシローとのえっちが嫌いなわけではありません。だってもしそうだったら、こうやって生まれたままの姿でシローと抱き合うことだってないのです。
 大切なパートナーであるマキのことを一生懸命気持ちよくしようとしてくれるシローのキモチをしっかりと受けとめ、マキはシローの首にそっと手を回しました。
 そうしてそのまま、マキはシローと唇を交わします。
「んぅ……っ…っはむ、シロぉ……ちゅ…っく」
 ちょんちょんと生えたシローのヒゲが、キスを交わすマキのほっぺたをちくちくと刺激します。真っ赤になったマキの顔は、単に息が苦しいからではもちろんありません。
「んむ……は、ぷっ……」
 ふかふかの毛皮に包まれた逞しく大きな身体にぐっと身体を寄せて、マキはシローの唇に舌を差し込みました。シローは太く大きな舌を激しく動かしてはマキの口の中を犯し、マキは熱く唾液に塗れた尖った牙を、小さく可愛い舌で舐めてゆきます。ちゅぷ、ぺちゃ、と二人の唾液が混じり合い、いやらしい音を部屋の中いっぱいに響かせました。
 口の中いっぱいにひろがる大好きなシローの味。マキの頭の中が、ほわぁと幸せでいっぱいになり、胸の奥が甘く疼き、おなかの奥がじんと痺れてゆきます。
「っは……んくっ……ごくっ……」
 じゅる、と溢れるシローの唾液をこくこくと啜るように飲み込みながら、マキはシローと何度も何度も深いキスを交わしました。
「ふはぁ……」
 十分近くもそうしてから、ようやく離れた二人の間に、つぅ、とこぼれ落ちた唾液が糸を引いてゆきます。上気した頬と潤む唇から、マキの胸にいく筋も白い雫が垂れ下がり、ぽた、ぽた、と落ちてゆきます。
「んぅ……シローぉ……♪」
 大好きなシローとの素敵なキスですっかりふにゃふにゃになって、マキは切なく濡れた瞳でシローを見上げます。
 あったかいキモチでいっぱいになった身体を、マキはぎゅっとシローにすり寄せました。ふかふかの毛皮に身体をすり寄せ、ぬいぐるみにするようにぐりぐりと額を押し当てます。
 火照った身体は、おひさまの匂いのするシローの毛皮に包まれて、まるでこのまま天国まで上り詰めてしまいそうなくらいに幸せでした。
 このままずっとずっと、シローと一緒にくっついていられたら、どんなに素敵でしょうか。
 けれど。
 おんなのこのマキがそれで十分でも、おとこのこのシローの方は、もう辛抱たまらないと言わんばかりに、マキの下腹に固く強張った腰をぐいぐいと押しつけてくるのでした。シローは普段はおなかの中にしまっているおちんちんを、力強く身体の外に突き出して、小さく腰を振り立てています。
 ぷるんぷるんと震えるかたくおおきなおちんちんは、すっかり大きくなって、尖った先端からとろとろと透明な粘液をこぼしていました。
 おなかにぎゅっと押し付けられたそれを感じ、マキはかあ、と顔を赤くしてしまいます。
「……もぉ、シロー?」
 せっかくの素敵な気分を邪魔されて、ちょっと拗ねたようにマキが声を上げると。シローがおぅん、と高く吠えました。マキにはやく続きをしよう、とねだっているのです。
「……んもぅ……しょうがないなぁ」
 まったく聞き分けのないシローに、マキは観念して溜息をつきました。
 実は待ちきれない胸のドキドキをそっと抑えこみ、マキはベッドの上で身体をよじり、ずっしりと重いシローの身体の下で腰をゆっくり持ち上げてゆきます。
「ねえ。あんまり急いでばっかりだと、おんなのこに嫌われちゃうよ、シロー?」
 そう言い聞かせるマキですが、シローはすっかり夢中になって腰を振るばかりです。そんなことはいいから、はやくマキとえっちしたい、とせがんでいるのでした。ふだんはおとぼけなシローのつぶらな瞳が、今はぎらぎらと『おんなのこ』を求めてぎらぎらと濡れていました。
 びくんびくんと跳ねまわる赤黒いおちんちんを見せつけられていると、マキもだんだんえっちなキモチが高まってゆきます。
 なにしろ、シローのおちんちんはとても熱くて硬くて太くて、それだけでマキのおなかの中はいちばん奥までいっぱいになってしまうのです。いまはだいぶ慣れることができましたが、初めてのときはもう、本当に身体が引き裂かれてしまうのではないかと思ったくらいでした。
 はやくとろとろのおなかの中を掻き回して欲しい――たかぶるシローに促され、いつの間にかそう考えてしまうようになったマキは、ぎゅっとお股の間に熱い蜜が滲むのを感じます。
「……ほら、重いよシローってばぁ……ちょっと離れてってば……ね?」
 のしかかってくるシローを押しのけ、マキはぐっと腰をもち上げ、お尻の下に頭から抜き取った枕を押し込みます。
 ベッドの上に沈みこんでいた下半身がぐいっと持ち上げられました。マキはそのまま大きく脚を広げて、シローに自分の大切なところを見せてあげます。
 マキの『おんなのこ』はまだつるつるの幼い外見ですが、シローと抱き合っているうちにいつしかふっくらと膨らみ、縦に食い込む細い筋はわずかに左右に開いてほぐれ、とろっと濃い蜜を溢れさせて、内腿までがぬるぬるになっていました。
 大切な人にしか見せてはいけない、大事な場所はわずかにほころび、その内側にさくら色のえっちなお肉が覗いています。
 狭く重なったひだひだは、マキの息遣いにあわせてきゅぅとすぼまり、じゅんっ、と白っぽい蜜をあふれさせます。シローのことなんてぜんぜん馬鹿にできないほど、マキのとろとろの蜜はおしりの方までこぼれて、ぬらぬらとえっちに光っていました。
「ね、……シロー、わかる?」
 お尻が高い位置にあるので、背中を丸めるとすこし苦しい格好になります。けれどマキはいっしょうけんめい脚を広げて、シローのおなかを脚で挟むように擦りつけます。
 はしたない格好でパートナーを迎え入れようとするマキに応え、シローも大きく吠えました。
「あは……シローのおちんちん、びくびくゆってる……♪」
 おなかの上を擦れるシローのおちんちんから、まるで焼けた鉄のように、かぁっと熱い体温が感じられました。
 シローの大きくてたくましい太い肉の杭の付け根には、まるではちきれそうなくらいにたっぷりと中身を詰めこんで震える、おとこのこの袋がふたつ、ぷるぷると揺れています。
「はあ……っ」
 ぎゅっとシローを抱きしめ、マキはそっと息を吐きました。
 もうすぐこの大きなおちんちんでおなかの奥をとろとろのぐちゃぐちゃにされてしまう――そんなイケナイ想像をしたマキの脚の付け根で、ちくんと鋭い痛みのような痺れが走り、おしっこの孔がぷくり、と膨らみ、透明な蜜を吹き上げます。
 シローのおなかをべたべたに濡らすいやらしい自分の「おんなのこ」に、マキはますます赤くなってしまいました。
「ぁ、っ、しろぉ……っ」
 もう、マキも待ちきれません。ぎゅっと、シローの耳元にささやくように、マキは甘い声でシローを誘いました。
 シローは待ってましたとばかり、マキに深く圧し掛かります。ぐいっ、と力強く持ち上げられたシローのおちんちんが、枕で位置の調節をされたマキのあそこに押しつけられます。
「ぁ、あ、あっ」
 すっかりマキとえっちをする方法を心得たシローです。狙いたがわず、シローの硬く尖った先端は、マキの中心を捉え、やわらかなお肉の間に埋まってゆきます。
 ぶぢゅっ、と粘つく膜を破るように押しこまれたシローのおちんちん。それが外れてしまわないように、マキは腰を持ち上げてシローの下半身におなかを押しつけました。
 一番最初にシローに求められたときは、痛くて痛くて泣いてばかりでしたが、いまではマキもすっかり慣れて、シローがキモチ良く動けるような方法をを身につけているのです。
「わぉんっ!!」
 高らかに鳴いたシローは、マキの倍近い大きな身体を震わせ、思いきり体重を掛けて、張り出して反り返る肉の塊をマキの中に深々と押しこんでゆきます。
「ふぁ、ぁ、あぅ、あっ……ぁああっ!?」
 ぶちゅ、ぶちゅ、とみっちり重なった『おんなのこ』のナカをかき分けられる感覚に、繰り返しぞぞぞっ、とマキの背中を快感の痺れが走ります。
 硬くて大きなシローのおちんちんは、まるで小さなおなかを深々と引き裂くようにして力強くあそこの中に押し込まれてゆくのです。
 シローのおちんちんはとても素敵なカタチをしていて、マキの大事なところの奥の奥まで、キモチいいところをぜんぶ擦ってくれるのでした。
 一方、マキの『おんなのこ』だって決して負けていません。狭く重なり合ったやわらかなとろとろのお肉を使って、びくびくと張り詰めるシローのおちんちんを、きゅうきゅうと根元から締め付けます。
 とうとう、マキはシローのおちんちんの根元のすぐ上までを、おなかの中に迎え入れました。
「あはぁ……シロぉ…っ、すごい、よぉ……お、おなか……きゅうってなってるぅ…」
 シローはぐいぐいと腰を動かし、マキの具合を確かめると、すぐに激しく腰を振り始めます。
 マキの小さなおなかを突き破らんばかりの勢いで腰を打ちつけ、出し入れに合わせてぐるんと渦を描くように回します。
「ぁ、ふぁあああ!?」
 シローのおちんちんの根元が、ぐりぐりとマキの敏感な部分を押し潰し、まるで石臼のように激しくすりつぶされる感覚に、たちまちマキはなんども高い声を上げて、シローの背中にしがみ付きました。
 小さな手のひらに精一杯力を込めて、シローに振りまわされまいと、小さな腰をぎゅっとくねらせます。
「っあ、はふ、シローっ、…っす、すご、い、よぉ…!! っ、あ、あ、ぁあああぅ!?」
 隙間なくぴったりと重なり、くっつき、絡みあうように溶け合う肉が、たっぷりの蜜を伴って激しく動きます。強引なまでのシローに、おなかの深いところのいちばん敏感なところを突き上げられ、マキはたちまち頭の中を真白にしてイってしまいました。けれど、シローはそんなことはお構いなしに腰を振りつづけます。
「ぁ、あぅ、っ、しろぉ……や、ま、またイっちゃ…うっ!! ぁ、あっ、あああっ!? やぁ、シローぉ……っ」
「ぅあぉん!!」
 なにしろ、シローのおちんちんは、この世界で一番マキと相性のいい身体なのです。ほんのちょっとされただけでマキがめろめろになってしまうのも仕方のないことでしょう。
「ふあ……しろー、しろぉ……っ、あたし、とろとろになっちゃうよぅ……」
 マキがなんども声を上げているうち、シローのおちんちんの根元が次第に膨れ、ボールのように大きくなり始めました。シローもそろそろ限界のようです。
「っ……しろー、はやくぅ…っ♪」
 マキがせがむのに合わせて、ぐい、とシローはまるでテニスボールのように大きな瘤を、マキのおなかに押しこみました。一瞬、千切れてしまいそうに引き伸ばされたマキのあそこですが、すぐにゴムのように力強く弾力を見せ、ぐぷっ、と音をたててシローのおちんちんを根元まで飲み込みます。
 マキの狭いおなかの中でさらに大きく膨らんだシローのおちんちんの瘤が、マキとシローの結合部分をしっかりと繋ぎ止めます。
 身体も心もほんとうにひとつになるこの瞬間が、マキは大好きでした。
 はじめてえっちをした時は、これがもう痛くて痛くて痛すぎて、悲鳴をあげて泣きわめいてしまったマキですが――いまはこうして、しっかりシローを受け入れ、キモチ良くなれるのです。
 それが、マキには何よりも嬉しいのでした。シローのパートナーとして、きちんとシローを気持ち良くさせてあげることが。そうして、一緒に気持ち良くなれることが。
「シロー……っ、あぅ、あ、やぁ、ぎゅうぎゅう、ってゆってる…っ。しろーのおちんちん、びくびくしてるの、わかるよぉ……っ」
 これから、シローはたっぷりとマキの中に赤ちゃんの素になる精液を注ぎ込むのです。万が一のことがないように、マキはぐっとシローの腰に脚を押し付け、シローのおちんちんが抜け落ちてしまわないようにします。
 マキは意識して、きゅんと疼いたひだひだで、シローのおちんちんをきつく締め付けました。
「わぉおん!!」
 それが「とどめ」でした。びくん、と激しく震えたシローが脚をばたばたと踏み鳴らします。
「ふぁああああああ!?」
 同時に、おなかの中に感じた灼熱の感触にマキは甘い悲鳴を上げました。
 どろどろと煮え滾る半透明の粘液の塊が、びゅるるるぅとマキのおなかの中に吐き出されます。おなかの奥にどばあっ、と注がれる生命の素は、まるでゼリーのようにぷるぷると、マキのいちばん大切な場所を隅から隅まで埋め尽くしてゆくのです。
「っふ…ぁ、ぁあう…!!」
 狭い膣の中、折り重なったさくら色のひだひだの奥、どれだけ指を伸ばしても届かないようないちばん深いトコロに、シローの白くどろどろの精液がたっぷり注がれてゆきます。
 シローがありったけの元気を注ぎ込んだ、勢い良く跳ねまわる何億もの赤ちゃんの素は、とても濃くて熱いものでした。
「ふぁあ、……ぁあああ、あ、ぁっ……♪♪」
 しかも、シローが脚踏みをするたび、精液はポンプで汲み上げられるように送り込まれてくるのです。シローの身体で作られた赤ちゃんの素は、シローのおちんちんを絡め取った柔らかな孔を満たし、とうとう出口の方まで逆流を始めました。
 けれど、シローのおちんちんの根元に膨らんだ瘤は、マキの身体にしっかりとおちんちんを繋ぎ止めています。だからマキは、シローが止めどなく脈打たせる赤ちゃんの素を、残さず飲み込むしかないのです。
「わぉぉおおん!!」
 シローが大きく吠え、ぶるると身体を震わせます。いよいよシローも限界のようです。長い長い射精はクライマックスに移り、行く場所を失ったマキのおなかのなかに、さらに激しく赤ちゃんのもとをほとばしらせました。
「ぁ、あ、あっ、あーーッ!! …ふぁ、ふわぁっって、ふわぁってなゆよぉ……」
 外に溢れることもできず、シローの精液は熱を持ったマキのおなかの一番奥の、大事なところの入り口まで殺到します。子宮の緩んだ入り口をこじ開け、針一本が通るかどうかの狭い狭い赤ちゃんを育てる揺り篭を、シローの精液が蹂躙してゆきます。
「ぁ、きてう、きてるぅ……しろーの、あついの……いっぱぃ……」
 どぷどぷと注がれつづける、シローの精液の大津波。それを赤ちゃんの揺りかごでごくごくと飲み込みながら、マキはろれつの回らない舌でなんどもなんども声を上げました。
 閉じていたはずの目の前が真っ白になって、まぶたの裏にはぱちぱちと光が弾けるように散り――マキはとうとう気絶してしまうのでした。


 ◆ ◆ ◆


「ぁう……全然出てこない……」
 シローのおちんちんに擦られ、おおきな瘤をぐりぐりと掻き混ぜられ、すっかり赤くなってしまったあそこを指先でいじりながら、マキは小さく溜息をつきました。あきれるほどたっぷり吐き出されていたシローの精液が、またこぽりと噴き出してベッドの上に染みを作ります。
 もう嫌になるくらい、そうやってシローの精液をこぼし続けているマキのあそこですが、いったいどれくらい出されたものか、シローの精液はあとからあとからあふれて来るのです。
「んっ……」
 顔を赤くし、小さくいきんでは粘つく白い塊をシーツにくちゅりと産み落としながら、マキはまだじんじんと痺れる小さなおなかを、そっと両手で撫でました。
「もぉ……シロー、わかってるの? ……あんなにいっぱい出されちゃったら、ホントにシローの赤ちゃんできちゃうかもなんだよ?」
「わぅ?」
「もぅ……わぅじゃないよぉ」
 眉をとがらせたマキがいくら怖い顔をして言っても、シローはすっかりくつろいだ様子で、けだるげに尻尾を振るばかりでした。その様子にマキはほとほと困ってしまいます。
 入り口のほうに溜まっていた分はいくらかを掻き出すことができましたが、子宮の奥に流れこんだ精液の大半は、しっかりとマキのおなかのなかに残って、ぷるぷると震えているのです。たっぷりと注ぎこまれ、今なおじんわりと伝わってくるシローの体温が、マキのほっぺたを赤く染めていました。
「シローってば、聞いてるの!? ……ねえ、あたしホントにシローのお嫁さんになっちゃうんだよ?」
 ぷう、と頬をふくらませ、口を尖らせるマキ。
 もちろんマキだって、シローとの間には赤ちゃんができないことは知っています。けれど、あんなに情熱たっぷりに、優しく、激しく愛してくれるシローの赤ちゃんなら、ほんの少しだけ、産んであげてもいいかなと思えるのでした。
 シローとおなじような、真っ白な毛並みをした、愛くるしい赤ちゃんたち――そんなステキなこども達のママになれるなんて、とても素晴らしいことに違いありません。
「ねえ、シロー、……あたしに、赤ちゃんできたら……責任とってくれるの?」
 顔を赤くして、ぼそりとつぶやいたマキでしたが、シローはぴくんと耳を震わせると、いち早く顔を持ち上げました。
「おぅんっ!!」
「……もぉ」
 こんなときばかり、威勢良くも胸を張って『まかせとけ!』なんて格好つけて答えるシローに、マキは呆れながらぎゅっと抱きつきます。
 おひさまの匂いをたっぷり含んだ毛皮に顔を寄せて、ぺろぺろと顔を舐めてくるシローに優しくキスを返します。
「……大切にしてくれなきゃ、やだよ」
 シローの節操のないプロポーズに、マキはそうやって、小さく応えたのでした。



 (了)

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シロフミ 2020/08/06 22:47

およめさんごっこ

 ノクターンノベルズ掲載分より。


「もーー!! ダメだって言ってるでしょ!? あたし、宿題で忙しいんだからね!! それに、もう本当にダメなんだから!!」
 あそんで、あそんで、とせがむラッキーは、椅子の下で脚にじゃれ付いてくるラッキーに、とうとう我慢の限界に達した伊織は叫んでしまいました。
 ちょっとお間抜けな顔をした飼い犬のラッキーは、もう何年も前から伊織のうちで暮らしています。庭に居るよりも家の中にいるのが好きで、散歩よりも伊織とじゃれるのが大好きという、ちょっと変わった犬なのです。
「わぅ、わうわんっ!!」
 伊織が本気で叱っているのにも気づかずに、尻尾をぱたぱたと振って、ラッキーは伊織の前でべろんと舌を出し、おどけてみせます。ラッキーときたら、伊織よりもずっと大きな身体をしているのに、中身はまるで子供なのでした。
「もぅ……邪魔しないでってばぁ!!」
 大きな机に届くように高く調整した椅子のうえで、伊織はばたばたと脚を振って、ラッキーを追い払おうとします。
 けれどどうやらラッキーはそれを遊びのひとつだと思ったようで、黒いソックスの伊織の脚の先端に飛びついて、そうっと噛み付いてくるのでした。
「ひゃん!?」
 大きな口にぱくりと爪先をくわえられ、さらにはぬるっとした熱い舌で足の裏をぞるるっと舐められて、伊織は思わず叫んでしまいます。
「や、やめ……もう、ばかラッキー、やめなさいよぉっ!!」
 不思議なくすぐったさに顔をちょっと赤くして脚を引く伊織ですが、ラッキーの尖った歯が靴下のさきに引っかかって、思うようにいきません。それどころか、ラッキーはさらに舌を伸ばして、ぢゅるぢゅると爪先を舐めてくるのです。
「っ、ひぁあっ!?」
 さらに、ふかふかの背中の毛皮にふくらはぎをこすられて、伊織は飛び上がります。開いていたノートのページが、計算問題の途中の式ごとくしゃっと握り締められてしまいました。
 確かに、人間の手みたいに前脚を使うことができないラッキーが、伊織にじゃれ付くにはそうやって舌と口をつかったり、身体をこすり付けるしかありません。
 けれど、極度のくすぐったがりやの伊織には、それはとっても危険なことなのです。
「うぅぅ~~~……ッ!! もぉ、バカっ!! バカラッキー!! やめなさいってばっ!!」
「きゃうんっ!?」
 くすぐったさに耐えかねて、伊織はラッキーに当たるのにも構わず思いっきり足を振り回しました。そのうちの一発が見事に頭にぶつかって、ラッキーは目を白黒させながら机の下を飛び出します。
 情けない鳴き声を上げ、たちまち尻尾をお腹の下に入れ、部屋の隅まで避難して『伏せ』の格好をするラッキーを、伊織はぎろっと睨みました。
「ダメって言ってるのに、ほんっと言うこと聞かないのねあんたは!!」
「くぅうん……」
「あーもぉ……靴下べたべたになっちゃったじゃない……」
「わふ?」
「わふ、じゃないわよっ、バカラッキー!!」
 がぁーっ、と八重歯をむき出しにして怒る伊織に、ラッキーはぺたんと耳まで伏せ、ますます部屋の隅で小さくなります。イタズラ好きのクセに、やたらと弱気なのが、ラッキーのたくさんあるダメなところのひとつなのでした。
 大きな身体を縮こまらせ、毛玉のように丸くなって、ラッキーはおどおどとしながら、ちらりちらりと伊織のほうを窺います。ちょっと怒られたくらいですっかり怯えてしまっている情けなさに、伊織ははぁ、と大きな溜息をつきました。
「ったくもぉ、そんなだから女の子にモテないのよ……」
 ラッキーも、もう歳で言えば立派なオトナなのだそうです。伊織なんかよりも年上で、とっくに『およめさん』がいてもいいという話でした。
 けれど、ラッキーにはまるでそんな貫録も、余裕もありません。公園に散歩にいくときも、同じように飼い主に連れられて散歩をしているたくさんの女の子の犬とすれ違うのですが、ラッキーときたら、自分よりもずうっとちっちゃなポメラニアンの子にちょっと吠えられるだけでも、たちまち尻尾をおなかの下に入れて『降参』してしまうのでした。
 ごはんの食べ方もだらしないし、することといったら他愛もないいたずらばかり。庭ではいつもごろんと横になって、居眠りばかりしています。泥棒どころか知らない人が来るだけで吼えることなくすごすごと小屋に逃げ込み、雨なのでたまに部屋にあげてみれば、伊織のこともかんがえずあそんであそんでとじゃれ付いてきます。
 これじゃあ、本当に“お見合い”をしても、結婚できるかどうかわからないと、伊織の両親も嘆いているのでした。
「……ねえ、そんなに遊びたいの?」
 いい加減宿題をする気も失せてしまい、伊織はくるんと椅子を回して、部屋の隅のラッキーに声をかけます。
 すると、現金なラッキーはたちまちきらぁんと目を輝かせ、ぴょこんと飛び上がり、元気良く吼えながら伊織に“がばぁっ”と飛びついてくるのでした。
「わぉんっ、わぅわぅ、わぉんっ!!」
「わわっ……!? ちょ、ちょっとコラ、ラッキーっ……!!」
 まるで椅子ごと蹴り倒さんばかりの勢いで飛びつかれ、椅子がぐらりと傾きます。伊織よりもずっと大きな身体をしているラッキーが、思い切りジャンプして飛び付き、全体重をかけて寄りかかってくるのですから、伊織はバランスを取るので精一杯です。
 そんなこともお構いなしに、ラッキーは後ろ脚で立ち上がり、前脚を伊織の身体に押し付けて、ふかふかの首をぐりぐりと伊織の顔に押し付けてきます。大きく開いた口から涎と一緒に舌を出し、はあはあと荒い息まであげて。
 ずしんと重い身体にのしかかられた伊織はそのままぎゅむうと椅子の上、背もたれに押し付けられてしまいました。
「ちょ、っと、重い、苦しいってばぁ……」
「わぅ、ぅわぅんっ!!」
 大きな身体をなんとか押しのけようとする伊織ですが、すっかり一緒に遊んでくれると思ってしゃにむに突っ込んでくるラッキーの勢いといったらすさまじく、突き飛ばすどころかもがくので精一杯です。
 ラッキーのぬるぬるした舌がぺろぉんと伊織の顔を舐め回し、あっというまにお気に入りのシャツをどろどろにしてゆきます。
「もうっ!! ラッキー、やめな、さいっ……ってのにっ!!」
「あぉん?」
「だ、だから、ちょっとは落ち着いて……ひゃうっ!?」
 顔をねぶりまわすラッキーの頭を、伊織はありったけの力でつかんでぐいっと押し下げます。するとこんどは、ラッキーは椅子の上の伊織のスカートの中へと、ぐりぐりと顔をねじこんできました。
 飛び掛ってきたラッキーを退かせるために夢中になって、伊織は無防備にも大きく脚を広げてしまっていました。そこに、いきなりぐいっと突き込まれた鼻先が、大きくスカートを押し上げ、一番奥の下着を探り当てます。
 慌てて脚を閉じようとした伊織でしたが、それはかえってラッキーの頭を脚の間に押さえ込むのと同じことでした。
「や、ちょ、バカラッキーっ、どこ頭突っ込んで……んぅっ!?」
 もぞもぞと動く濡れた鼻先が敏感な太腿の内側を擦り、熱く荒い吐息が伊織の脚の付け根をくすぐります。顔を真っ赤にしてスカートの上からラッキーの顔を押さえようとする伊織でしたが、ラッキーは構わずぐりぐりと椅子の上にのし上げた鼻先を押し込んできます。
「わふ、わぉんっ……」
「やぅ……な、何してんの……っ、ダメ、だめだってばぁ……っ」
 ラッキーは一心不乱に、まるで何かを確かめるように伊織のスカートの中で匂いを嗅ぎ始めました。ラッキーのおヒゲがつんつんと内腿をくすぐる感触に、伊織の指から力が抜けてしまいます。
 さらにぐうっと伸ばされた鼻先が下着をぐいっと押し上げた瞬間、伊織の腰下を、甘いような、むず痒いような痺れが走り抜けました。
「ふぁぁっ!?」
 たちまち、伊織の全身から抗う力が抜けてしまいます。それを狙い澄ましたかのように、はふはふと息を荒げながら、ラッキーは大きな舌で伊織のあそこを、ぺろんと舐めました。
 伊織の縞模様のぱんつの奥に、そっと覆われた『おんなのこ』の匂い。ラッキーはその大元を探り当てたのでした。いつもだらしなく伸びている長い舌が、べろん、と伊織の下着の上から、大事なところをなぞり上げます。
 下着の上から染みこんでゆくべちゃべちゃと響く粘ついた水音にしたがって、伊織の頭はぼうっと蕩け始めてしまいました。
「う……ぁ」
 ぞくぞくと背中が震え、イケナイ感覚が伊織を支配してゆきます。
 ぜんたい、ラッキーはてんでだらしないペットなのですが、伊織にこの遊びをねだるのだけはとても得意なのでした。たっぷりと唾液にまみれた舌は、伊織のあそこをくちゅくちゅと割りほぐし、あっという間に女の子の敏感なところを探り当ててゆきます。
 ねえ、遊ぼうよ、とせがむラッキーに、伊織はぐっと歯をくいしばって、ほかほかぬるぬるの犬舌の誘惑に耐えようとします。
「ラッキー、もう、ダメだっていってるでしょ……っ!! こ、この前、いっぱい遊んであげたじゃないっ……」
「わう、わうわうわうっ!!」
 けれど、ラッキーは全然、“この前の”では遊び足りてはいないようでした。強く吠え立てる声は、もう待ちきれないことをはっきりと知らせるもので、伊織に遊ぼう遊ぼうとしつこくせがんできます。
(だ、だめ……こんなことしてる場合じゃないのにっ……。だって、今日、ホントに……っ)
 今日はこれから宿題もしなければいけませんし、見たいテレビドラマだってあるのです。けれど、ラッキーの舌にぱんつの奥まで濡れるほどに舐められて、甘く痺れたおなかがきゅうと疼きます。伊織の胸の奥では、いつしか熱く、とくんとくんと激しく鼓動が高鳴ってゆくのでした。
 ふぁ、と甘い声を上げた小さく開いた伊織の唇から、ちらりと八重歯が覗き、ラッキーを叱るためぎゅ、と握られていた拳が、ゆっくりとほどけ、伊織の指がブラウスのボタンへと伸びてゆきます。
「んんぅ……っ」
 とうとう誘惑に負け、ジュニアブラの上から伊織の指がそっと、敏感な胸の先端を擦ります。とたん、ぴりぴりと響く桃色の稲妻に、伊織の背中がぶるると震えました。その間にも、ラッキーのたっぷりと唾液にまみれた舌は、伊織のあそこをくちゅくちゅと割りほぐし、伊織も知らないキモチのいい場所を擦るのです。
「ふぁ……っっ」
 背中を震わせ、伊織は上げてしまいそうになった悲鳴を飲み込みます。
 ラッキーの強引な押しに、伊織はついに観念してしまうしかありませんでした。
「……もぉ、わかったわよぅ……っ」
 なおも吼え続けるラッキーを、そっと抱きかかえるようにして。伊織はそのふかふかの首筋に顔を埋め、そっとキスをしたのでした。





「ちょっとだけよ。ラッキー、いいわね!? ホントのホントにちょっとだけなんだからね……!?」
 椅子から下り、ぽすん、とベッドに腰掛けた伊織は、改めて興奮しっぱなしのラッキーに向かい、念入りに言い聞かせます。とは言え、ラッキーはもうすっかり頭に血を昇らせて、わうわうと吠えるばかり。伊織の声なんかまるで届いていないようでした。
「もう……」
 しょうがないと諦めて、伊織はラッキーを膝の上に招きます。もちろんラッキーは、膝の上にのっかるほど小さな身体をしていませんが、まずはそうやって、そっとラッキーの頭を抱き締めてあげたかったのです。
 ところがラッキーは伊織のそんな気持ちなんかまるで無視して、落ち着きなく腰を揺すって、伊織の肩に大きく前脚をかけ、飛びつくようにそのままどさり、と伊織をベッドの上に押し倒してしました。
「ぅん……っ」
 伊織がふたり飛び乗るよりもさらに重い二人分の体重を受け止めて、ベッドがぎし、と軋みます。せっかくの雰囲気作りまで邪魔されて、伊織はちょっと不満でしたが――いつも眠っている場所で、間近にラッキーの匂いを嗅いでいるうちに、頭の中が熱くなってゆくのを感じ、そんなイライラも遠のいてしまいます。
「わう、わぅんっ!!」
 ラッキーはベッドの上で跳ねながら、腰をかくかくと振っていました。その脚の間、毛むくじゃらのお腹の奥から、粘つく液にまみれたピンク色の塊がちょこんと顔を突き出していました。
 それはラッキーのおちんちんです。伊織がまだ小さかった頃。ママと一緒にラッキーをお風呂に入れてあげることが何度もありました。けれどそのときには、ラッキーの脚の間にはそんなものは見当たりませんでした。ですから伊織は、かなり長い間、ひょっとしてラッキーは女の子なんじゃないかと思っていたりしたのでした。
 もちろん今の伊織は、ラッキーのおちんちんが普段はおなかの中にしまわれていることも、それが必要な時にはにょきにょきと伸びてくることも、知っています。
「……あのね? 何度も言うけど、こんなの、他の女の子なんか、ぜったいしてくれないんだからね? ……ねえ、ラッキーってば、本当にわかってるの……?」
「あぉぉんっ、わおんっ!!」
「んもぅ……」
 返事だけは調子のいいラッキーです。伊織は溜息をついて、そっとラッキーの脚の間から顔を出しかけたおちんちんを、両手で握り締めました。
 ちょっと力を入れるだけで、ラッキーのおなかの奥からせり出すように、太くて熱くて、硬い肉の塊がずるんっと飛び出してきます。
 ぬるぬるとした液にくるまれた、小さな手のひらには余るほどのそれを、伊織は優しく手で包み込み、前後に擦り始めます。とたんラッキーは感極まったように大きく吠え始めました。
「わぉ、わぅんっ……」
「ひゃんッ!? ……ば、ばか、ラッキー、もぉ……じっとしてなさいよぉ!!」
「わう、わうわうわぅっ」
「ああもう、わかったからっ!!」
 にちゅ、にちゅ、と伊織の手が動くたび、ラッキーのおちんちんは太く、硬く、たくましくなってゆきます。ラッキーは気持ち良さそうに何度声を上げ、長い吠え声を繰り返します。
 はじめはまだまだ子供だったそこは、伊織の手によってあっというまに立派なオトナのおちんちんに姿を変えてゆきました。びくびくと脈打ち、先端に小さな突起を膨らませる、いやらしい形になってゆきます。
(……ま、また前よりおっきくなってる……?)
 手のひらでびくびくと震えるラッキーのおちんちんをしごいているうちに、伊織のおなかの奥もすこしずつ、じんわりと痺れてきます。自然、もぞもぞと動いてしまうスカートのお尻を気付かれないように、伊織はラッキーのおちんちんを触り続けました。
「ねえ、ラッキーってば、ちゃんとわかってよね? ふ、ふつうはさ、誰もラッキーにこんなことなんかしてくれないんだよ? あたしがラッキーの、『およめさん』の代わりになってあげてるだけなんだからね?」
 そうです。これは――本当なら、ちゃんとラッキーと、ラッキーの『およめさん』が、するべきことなのです。けれどお馬鹿で臆病なラッキーは、いつまで経ってもちゃんとしたオトナになれないから、伊織は、その代わりをしてあげているのです。
 伊織はこれを、『およめさんごっこ』と呼んでいました。
「そうよ、ただの、ごっこ遊びなんだから。おままごとといっしょなのよ? ……あたし、もうそんな幼稚園の子みたいなの、しないのに……ラッキーがどうしてもっていうから、してあげてるだけなんだからねっ」
 そんな風に言ってしまうのは、素直になれない照れ隠し。伊織だって本当はドキドキしてたまらないのでした。
 はっきりとは分かりませんが、自分がイケナイ事をしているのだという感覚は、伊織にもちゃんとありました。いつも終わるたびに、これで最後! と自分に言い聞かせています。でも、ラッキーがせがんでくるのを良いことに、ふたりの『およめさんごっこ』は、もう半年以上も続いているのでした。
 胸のドキドキを抑えながら、伊織はびくびくとせり出したラッキーのおちんちんを擦る手の動きをはやめます。ラッキーはぶるんぶるんとおちんちんを振り回しながら、腰を震わせました。
「くぅんっ……わふっ、わぅんっ」
「……ラッキー、気持ちいいの……?」
 眼を細めて答えるラッキーの尻尾は、ぱたぱたとリズム良く左右に触れています。自分でもよくわからない、熱くてどろどろとしたキモチが、胸の奥にかあっと拡がっていくのを伊織は感じていました。
 伊織がおとこのこのおちんちんの役割をはじめて知ったのは、3年生の時に、学校であったおとこのことおんなのこの身体のしくみについての授業でのことです。
 それまではなんとなくヘンな格好だな、と思っていただけのお父さんのおちんちんや、同じクラスの男の子たちのおちんちんが、赤ちゃんを作るためにあるのだと知った時の衝撃は、計り知れないものでした。
 それ以来、伊織は一度も、お父さんと一緒にお風呂に入っていません。
(……うわ…ぁ…)
 突然、ラッキーが大きく腰を跳ねさせました。同時に、伊織の手のひらによってどんどんと大きくなってきたラッキーのおちんちんの先端から、ぴゅぴゅっと透明な熱い液が飛び出します。伊織はつい、お父さんのおちんちんとどっちが大きいんだろう、なんてことまで考えてしまいました。
 伊織はどきどきしながらそおっと、両手でラッキーのおちんちんを包みました。ぎゅっと閉じた細い脚の間では、ラッキーに舐められていた女の子の大事なところがすっかり濡れほぐれ、オモラシしたようにぱんつがくちゅくちゅと音を立てています。
 『およめさんごっこ』は、みんなみんな、ラッキーのためにしてあげているはずのことなのに、いつのまにか伊織のほうまでだんだん妙な気持ちになっていくのを押さえられないのです。
「はあ、はっ、……んっ」
 次第に荒くなってきた息を、口の中の唾と一緒に飲み込んで、伊織は硬く反り返ったラッキーのおちんちんをじっと見つめました。
 伊織がいっしょうけんめい触ってあげたために、どんどん複雑でいやらしい格好になったラッキーのおちんちんは、とても複雑でいやらしい格好になって、今にもにゅるるうぅっと伊織の手の中を飛び出してしまいそうです。
 じいっと見ているうちに、伊織はふとこの前のことを思い出してしまいます。
(そ、そうだ……この前のアレ……)
 先週の事です。両親に連れられて親戚の家に言った時、いとこのおねえさんの部屋で、伊織はえっちな雑誌をみつけてしまったのでした。おねえさんも隠していたようなのですが、たまたま広げてしまった雑誌の中には、可愛い女の子と、素敵な男の子――もちろん普通の人間の男の子でしたが――が、裸になって抱き合っている絵がいっぱい載っていたのです。
(ど、どうしよう……“アレ”、やってみようかな……)
 そのなかで、女の子は男の子の大きくなったおちんちんをいっしょうけんめい口にくわえて、ぺろぺろと舐めている絵がたくさんありました。
 最初はとても汚い、と思った伊織でしたが、けれど、絵の中の女の子は、ものすごくえっちな顔で、一生懸命、情熱的に“それ”をしていました。そしてそれを受け入れている男の子も、すごく気持ちよさそうにしていました。伊織にはそれがとても印象にのこっていたのです。
 伊織は恐る恐る、ラッキーのおちんちんを眺めます。
「……………………」
 こうしてまじまじと『これ』見たことは、実はそんなにありません。
 不恰好なバナナのような、ソーセージのような、ピンク色の肉の塊は、まるで焼けた鉄のように熱くて硬いものでした。表面に一枚、薄いゴムを被った、陶器。そんな手触りの、血管の浮いたおちんちんは、先端からちょっとだけ尖ったものが突き出していて、そこからぴゅぴゅっとお汁を飛ばしています。
 そして、その根本には大きく膨らんだ瘤がありました。
 ラッキーのおちんちんは、伊織がえっちな本で知ったおとこのこのおちんちんとは、ぜんぜん違う格好をしています。それがどうしてなのかは、伊織には良くわかりません。
「ね、ねえラッキー、動かないでよ?」
 ラッキーに言い聞かせながら、伊織はそおっとベッドの上に寝転んで、ラッキーの身体の下にもぐりこんでいきます。
「んっ……」
 ラッキーの後ろ脚をくぐるようにして、おちんちんに顔を近付けると、いっそうむぅっと篭った匂いが鼻をかすめます。決していい匂いではありませんが、けれど伊織のドキドキをさらに激しくさせるものでした。
(そ、そうよね。ラッキーのこと、あたしがちゃんと面倒見てあげなきゃいけないんだもんね)
 ラッキーのお世話は、伊織の仕事です。
 それは伊織が、お父さんとお母さんに、駄々をこねて、まだほんのちっちゃい仔犬だったラッキーを飼うことを許してもらった時に、約束したことでした。家の中でも学校でも、あんまりいい子ではないこともある伊織ですが、その約束だけはすっとすっと、大切に守り続けてきました。
 だから、彼女も、恋人も、『およめさん』もできない弱虫ラッキーの、お世話は伊織がしてあげるしかないのです。
(そ、そうよ、これも『およめさんごっこ』なんだから……)
「よしっ……」
 意を決し、伊織はそおっと口を開いて、ラッキーのおちんちんをえいっとばかり、口に含みます。
「っぷぁ……っ!?」
 火傷しそうに熱い、ぬるぬるとした肉の塊が、たちまち伊織のくちびるを塞ぎました。思っていたよりもずっとずっと大きくて、太くて、とても硬い肉の杭が、あっというまに伊織の口をいっぱいにしてしまいます。
 ちっちゃな伊織のおくちでは、大きく『お』の形に広げてもまだ入りきらないほどに大きく太い、ラッキーのおちんちんが、たちまち伊織の喉の奥のほうまでをみっちりと塞いでしまったのでした。
(……っ、すごい、匂いっ……)
 びく、びく、と脈打つ肉の杭は、むうっとするほどの『オス』の匂いをたちこめさせていて、伊織はくらくらとしそうになる頭をどうにか保つので精一杯です。
 なにしろ、おくちで……しかも、イヌのおちんちんをくわえて、舐めるなんて、伊織にはこれまで一度も考えたこともない経験なのです。おねえさんのえっちな雑誌で読んだのとはまるで違って、苦しくて、辛くて、息を飲むのも、唾を飲むのも上手くいきません。おまけに臭くて、苦しょっぱいものが口の中に広がります。
 まさかこんなにも苦しいなんて、思ってもみませんでした。
(苦い……へ、ヘンな味……っ)
 なにしろ大きさも、太さも硬さも、お弁当のウインナーをくわえるのとはわけが違います。もちろん噛んでしまうわけにはいきませんし。なによりもこのすごい匂い。ちょっと吐きそうになってしまうのを我慢しながら、涙目になって、伊織はそれでも健気に、ラッキーのおちんちんを舐めはじめます。
「んっ、んちゅ、れるぅっ、んゅっ……」
 ほとんどラッキーのおちんちんで占領されてしまった、窮屈なお口の中で、伊織はすこしずつ舌を動かします。びゅるびゅるとラッキーのおちんちんからは苦い粘液が噴き出し、口の中いっぱいに流れ込み、伊織はおなかの奥にまでラッキーの味でいっぱいにされていきます。
「んちゅぷ、っ。んるぅ、れりゅっ……」
 そうしていくうちに、だんだん伊織にもやりかたがわかってきました。
 唇をすぼめてゆっくりと、アイスキャンディーを舐めるように、ラッキーの大きなおちんちんを吸い上げます。根元の方まで大きくくわえてから、ずるっと引きずり出すように顔を引いて――けれど舐めれば溶けてしまうアイスと違って、伊織が頑張れば頑張るほど、ラッキーのおちんちんはますます太く固くなるのでした。
 そしてラッキーも、ただおとなしくしていてはしてくれません。
 待ちきれないというように腰を落とし、おちんちんを前へ前へと突き出さんばかりに、ぐぐぅっと体重をかけてきました。ちょうど伊織のちいさな口の中に、おちんちんをぜんぶ押し込んでしまおうとするかのようです。
「っえぐ、ごほっ、んぶっ!?」
 それは伊織の掴んだコツなんてまるで無視するようなものでした。たまらず咽せそうになった伊織の唇から、っこぽっと白く泡立った唾液が溢れ落ちてゆきます。慌てて頭を引いて離れようとするのですが、ラッキーはそれよりも更に前に出て、伊織の喉を塞いでしまおうとします。その強引さといったら、まるで、おなかまで貫ぬこうとしているかのようでした。
 小さなおくちを奥の奥まで長くて太いおちんちんで、ぢゅぷっぢゅぷっとくり貫かれ、伊織の頭の中は真っ白になってしまいます。
「んぷっ、っぐ、んんぅうっ!?」
 ラッキーのおちんちんの先っぽからは、これまでよりも激しく断続的にぴゅぴゅっと先走りの液がほとばしり続けていました。ただでさえ苦しい喉の奥に、さらにたくさんのどろどろと注がれて、伊織は溺れてしまいそうになります。
「っ、ぷぁ、やめ、らっきぃっ……んぶぅ!?」
 暴れるラッキーを叱ろうとする伊織の口へ、さらにおちんちんが深くねじ込まれます。逆流しそうになる粘液を頑張って飲み込み、伊織は涙を滲ませながらいっしょうけんめいに唇を動かし、おくちのなか一杯のおちんちんを頬張ります。
 頬の内側がきゅうっとすぼまり、とがったおちんちんの反り返りにあわせて締め付け、喉奥が先端を包みこみます。
 ちゅぷ、ちゅぷ、と頭が前後するたび、ラッキーのおちんちんはびくびくと跳ねて、伊織の喉を奥の奥まで犯していきました。
「――ぅぅぅううぅぅぅぅッ。ふぅぅぅぅッッ!!」
 伊織が、動物のように唸るのと同時。ラッキーも似たような声で喉の奥で唸りながら、伊織の身体を押さえ込み、がくがくと腰を揺すり始めます。伊織のちいさなおくちは限界までまあるく押し広げられ、喉の奥の奥まで、ラッキーのおちんちんが押し込まれます。
 苦しさに悶える伊織の、ほんのりとさくら色に色づいた唇を、とろとろと泡立った唾液が汚していきます。
 ラッキーは伊織の小さな身体にぐりぐりと体重を乗せ、さらに伊織の顔にごりごりと腰を押し付けてきます。伊織のお口の中はもう一杯で、もうどれだけ頑張っても奥にはいらないのに、ラッキーはさらにおちんちんを伊織のおくちに押し込もうとしていました。
「っ、んぶっ……っっ!!」
 思うように息ができない苦しさに、伊織は思わず手を伸ばし、ラッキーのおちんちんの根元を握ってしまいます。その時、ぬるりっと滑った手のひらはラッキーのおちんちんの根本にある、ぷっくりと大きく膨らんだ瘤を掴みました。
 途端、

 びゅる、びゅるる、びゅるるるるぅ!!

 深く深く突っ込まれたラッキーのおちんちんが、爆発しました。喉の奥に焼けるように熱いどろどろとしたものが、どぱぁあっと放たれます。大慌てで口いっぱいにシチューを飲み込んだような感じに似ていました。
 糸を引くほどに粘ついてどろどろの白い半粘液を、たっぷりと吐き出しながら、ラッキーは伊織のくちのなかからおちんちんを引き抜いていきます。
「はぶっ、ぷあぁあ!?」
 ぞるるっ、ぢゅぽんっ、と伊織の口から引きずりだされたラッキーのおちんちんは、びくびくと震えながら伊織の顔になんどもどろどろとした、白く濁った精液を迸らせます。
 つるんとしたおでこに、自慢の髪、お気に入りのリボンまでを、勢い良く飛び散る白濁液がぐちゃぐちゃに汚し、まるで花嫁さんのケープのように糸を引いてゆきました。
「ぅあ、っ……っ」
(あ、熱い……ら、ラッキーの、どろどろしてる……)
 びくびくを反り返っては白い粘液を迸らせるおちんちんが脈打ち、なおも伊織の顔がどろどろにされてゆきます。口の中にのこったラッキーの味が、伊織のあたまを真っ白に塗りつぶしてゆくようでした。
「っ………」
 何度もむせ、飲み切れなかった精液をぽたぽたとベッドの上にこぼしながら、伊織は口を拭うことも忘れて、今の衝撃に呆然としていました。
 ようやくおさまったラッキーの射精の中、伊織はぼうっとする頭で、もういちど目の前の大きくふかふかの毛皮をした身体を見上げます。
(す、すごかった……いまのっ……)
 ぞくり、と伊織の背中が震え、濡れたパンツの中では、布地の上からでもはっきり分かるくらい、ぴんと尖った尖端が、ぬるぬるの蜜に包まれて擦れていました。
(ら、ラッキーのおちんちんで、おくちのなか、ぐちゃぐちゃにされちゃった……)
 ぼんやりと考えながら、伊織はどろどろに凝った口の中身を、飲み込んでしまおうとします。
 けれど、伊織のおくちにたっぷりと注がれたラッキーの精液は、なんど飲み込もうとしても、喉に絡みついてうまくいきませんでした。そっと指で触れてみると、伊織のくちびるはまるでおんなのこの大事なところのように敏感になっていて、ちょっと触るだけでびりびりと甘い電流を走らせるのです。
 こくり、と少しずつおなかの奥に流れ込むラッキーの味が、おなかの奥でじわじわと広がっていきます。喉の奥までしっかりと感じたラッキーのおちんちん――熱くうねる肉の塊の感触が、鮮烈に残っているのでした。
(どうしよ……これ、すごい、かも……っ)
 まだ、びくびくと形を保ってぶるんぶるんと震えている、ラッキーのおちんちんを見て、伊織はおもわずごくりと喉を鳴らしてしまいます。まさか『これ』がこんなにもすごいことだなんて、まるっきり想像していませんでした。
 どうやら、昨日まで食べることしか知らなかったはずの伊織のお口は、ラッキーのおちんちんで、すっかり『オトナ』にされてしまっていたようでした。
(あ……赤ちゃん、できちゃうかも……)
 あんなにいっぱい、お口の中に赤ちゃんのもとを出されてしまったのですから、その想像は決して間違ってはいないように、伊織には思えました。
 そう。こんなことは、本当の『およめさん』でもなければ、きっとしないことのはずです。
 いいえ。ラッキーの『およめさん』――ちゃんとした、犬の『およめさん』でも、今の伊織と同じことをしてあげることができるでしょうか?
(こんなの、してあげる、あたし、だけ……なんだから)
「…………」
 ぼんやりとそんなことを考えながら、ぺたん、と女の子座りでへたり込んだ伊織の腰の下。スカートに隠れた脚の付け根は、まるで電気マッサージにかかったみたいにじんじんと痺れていて、水玉のぱんつの股布にはたっぷりと恥かしい染みが広がっています。
 薄い布地の中で、すでにくちゅりと形をほぐれさせた伊織のあそこは、うねる襞の隙間に小さく丸い口を開けて、その奥にこぽりと甘い蜜を溜めていました。
 おちんちんをくわえて、舐めたりするなんて、はじめてそのことを知った時は、どうしてそんな事をしなきゃいけないのか、全然分かりませんでしたが……いまならはっきりとその意味がわかります。
 ラッキーのおちんちんを擦ったり、伊織のお股の大事なところを舐めたりするのと同じ。こうやって、たくさんたくさん触れ合うことで、『およめさん』になるための準備をするのです。
「ふわぁっ……」
 スカートの上からそっとおなかを押さえると、びりびりと甘い電流が伊織の背筋を走り抜けます。
 ちいさな一本の縦すじの、慎ましやかだった伊織のあそこは、半熟の目玉焼きにナイフを通したようにぷくりと開き、水飴のようにとろとろとした蜜をこぼし、ピンク色の花片をほころばせていました。
「わぉんっ……?」
 そんな伊織をまっすぐに見つめて、ラッキーは吠えます。伊織にはその意味がすぐに分かりました。
 もっと遊んでくれないの? と、ラッキーは続きをせがんでいるのです。『およめさん』のいないラッキーは、もっともっと可愛い伊織と遊びたいと、『およめさんごっこ』をしたいと、言っているのでした。
 ベッドの上に前脚をかけて、大きく舌を出し、はあはあと息を荒げて、ボタンのように黒くて丸い瞳が伊織をじっと見つめます。
「……わかったわよっ……。こ、これで最後だからねっ……?」
 いつものように、絶対に最後にはならない『これで最後』。でも今日は少しだけ、意味が違います。それが伝わるように念を押しながら、伊織はラッキーの目を覗きこみます。
「わう?」
「……もぉっ!!」
 ラッキーは相変わらず、お間抜けな顔をして小さく吠えるばかりでした。





 胸を突き破ってしまいそうに高鳴るドキドキを感じながら、そっと腰を浮かしてスカートに手を入れ、下着を下ろします。
 下着はもうすっかり酷いことになっていて、股間を覆っていた股布の部分には、水飴のようにとろとろとした蜜がたっぷり溢れていました。べちゃべちゃになった布地が敏感な下腹部から糸を引いてはがれ、くちゅうとシーツの上に染みを作ります。
 そおっとスカートを引き上げると、剥き出しになった下半身が、篭った熱をふわりと立ち込めさせました。すっかり熱くなった伊織のあそこは、外気に触れてすうすうとします。
「んっ……」
 とく、とくと高鳴る心臓の鼓動と共に、伊織のおなかの奥でも熱いうねりが押し寄せています。ベッドの上にもう一度、仰向けになって。赤くなる頬を擦り、そっと伊織は脚を広げていきました。
 白い脚の間にほころびた、薄いピンク色の可憐な花片の奥、やわらかなひだひだの間の小さな入り口には、ぷくりと小さな蜜の塊が溜まっているのが分かります。
「……ちゃ、ちゃんと……『およめさんごっこ』、してあげるから……おいで、ラッキー」
「わおんっ!!」
 お許しが出るや否や、ラッキーは喜び勇んでベッドの上に飛び乗り、ぐりぐりと伊織の上に覆いかぶさってきます。大きな身体に押しつぶされそうになって、伊織は『むぎゅう!?』と暴れました。
 そうです。ラッキーが好きないちばんの遊び――それがこの『およめさんごっこ』でした。伊織もこの遊びが、決して嫌いではないのです。いいえ。むしろ、伊織の方が本当は好きなくらい。
 でも、恥ずかしがり屋の伊織は、そのことに素直になれません。
「わふ、わふぅ、わおんっ」
「んぷっ……ちょ、ちょっと、落ち着いてってのにっ……」
 熱い吐息が伊織の顔に吹きかかり、たっぷりの唾液でぬめる舌がぺちゃぺちゃと伊織の顔を舐め上げます。ラッキーの匂いと味で頭がいっぱいになり、伊織は息をするのも難しいほどでした。
「んゅうぅっ……ぁ、っ、やぁ……ッ」
 まるで椅子におなかを乗り上げるように、ラッキーは下半身をぐりぐりと伊織のおなかに押し付けてきました。ラッキーの脚の間から大きく伸びて膨らんだ、ぬるぬるの肉の塊が伊織のシャツを汚して、染みを作ってしまいます。
 おなかに押し付けられるラッキーのおちんちんは、さっき伊織がくわえていたときよりもさらに硬く張り詰めて、根本の瘤をますます大きく膨らませ、びくびくと脈打っていました。
 それを感じ取ってしまうと、もう伊織もいてもたってもいられません。ラッキーのおちんちんのせいで、すっかり『女の子』にされてしまった身体がじんじんと熱く疼くのです。
「んぅ、あっ……んっっ……」
 伊織は脚を大きく開いて腰を持ち上げると、ラッキーのおちんちんの尖った先っぽを、ぐうっと脚の付け根にあてがいます。とたん、『おんなのこ』の奥からじゅわあっと濃い蜜の塊が吹き出してくるのです。
「わぅんっ!!」
「あ、あっああっ」
 すっかり柔らかくなった伊織のあそこに、づぷり、と大きく太い肉の杭が飲み込まれていきます。なんども繰り返した『およめさんごっこ』で、伊織の身体は、ちゃんとラッキーの相手をできるようになり、まるで本当にラッキーの『およめさん』であるかのように、大きく太いおちんちんをしっかりと受け入れられるようになっていました。
 ぬぷぬぷと音を立てながら、たわむラッキーのおちんちんは伊織の股を引き裂くように、深々と脚の間に突き立ってゆきます。
 それはまるで、肉の刃で白いケーキを切り分けて行くよう。新郎新婦の初めての共同作業とおなじように、二人は身体をしっかりと重ねてゆくのです。
「ぅあ、あっあっ、ぁあっ……ッ」
 おなかの奥にぬぷりと収まり、幾重にも折り重なった粘膜のひだひだをぞるるっと擦り上げる、硬く熱い塊の先端に、伊織は仰け反って声を上げました。腰の骨にずうんずうんと深く響きわたる刺激が、伊織の頭を再び真っ白に塗りつぶしていきます。
 その気持ちよさといったらもう、たまりません。ダメなところばかりのラッキーですが、伊織を悦ばせるのだけは、何よりも上手なのでした。
 口を大きく開けて、ぱくりぱくりと息をしながら、伊織は一生懸命あそこをくつろげて、ラッキーのおちんちんを受け容れていきます。
「っ、か、感謝、しなさいよねっ……!! ら、ラッキーに、いつまで経っても『およめさん』が、できないからっ……、し、しかたなく、あたしがかわって、あげてるんだからっ」
 ラッキーのおちんちんに小さなおなかを割り広げられ、身体を深く刺し貫かれ、伊織の口からはしぜんにそんな言葉が飛び出していきます。
 どうしても意地を張ってしまう、素直になれない自分の代わりに、切なくてたまらないキモチを伝えようとする小さな腕は、いっしょうけんめいラッキーの身体を抱きしめていました。
「っ、こんなこと、ば、バカラッキーの、『およめさん』の、っか、代わりなんかしてあげるの、あ、あたしだけなんだからねっ……!!」
 わけもなくあとからあとから溢れる涙をぬぐい、伊織はぎゅむぅ、とラッキーにおなかを押し付けました。さらに内腿を大きく広げ、ふかふかの毛皮を深く招き入れます。
 密着した下半身から、ラッキーのおちんちんを通じて、びくびくと脈打つ熱が感じ取れました。
 伊織はラッキーの腰に脚を絡めると、そのまま大きく足を広げ、背中を丸めるように腰を持ち上げて、ぐいぃっとおなかをラッキーのおなかに押し付けます。ぶるぶると震えるおちんちんの根元の瘤が、ぐりぐりと伊織の入り口にぶつかってきました。
「んぐぅっ……ぅあぁ、あっ、あ、ぁ、あッ……」
 いくら、太くて大きなラッキーのおちんちんにたっぷりかき回してもらっているとは言っても、オトナの男の人の拳骨くらいある大きな大きな瘤は、そう簡単に中に入ってはくれません。
 けれど、それを挿れてあげるのが、ラッキーの『およめさん』のつとめなのだということを、伊織は知っています。
「んぅ、んっ、んんッ!! んっ、ふ、んぁああああぅっ!!」
 ラッキーがぐりんと腰を突き出して体重を載せてくるのに合わせるように、伊織は全身を使って腰を打ち上げ、根元の瘤をあそこにねじつけます。ますます深くおなかの奥を突きあげる鋭い肉の先端が、一番奥の敏感なところをごつごつと突きあげて、伊織の頭はそのたびに真っ白になってゆきました。
「っは、っ、ふぅ、ぐ、っ、うぁああああ!!」
 ずん、ずん、ずんっ……ベッドを軋ませ、マットレスをこね上げ、打ち下ろされるラッキーの逞しい下半身。すっかり慣れた様子で、具合を確かめるように、ラッキーは腰を振り続けます。後ろ脚は力強く床に踏ん張って絨毯を掴み、深く突き出される肉の槍は、ちいさなパートナーの身体をこれでもかと串刺しにしてゆきました。
 ぐうッと押し上げられると同時、びりびりと灼熱の炎が下腹部を焦がしたように、伊織のそこが大きく引き伸ばされ、
「ぁああぁうあ!?」
 ぐぢゅん、と――
 とうとう、大きな大きな根元の瘤は、しっかり伊織の身体の中へと打ち込まれたのでした。

 ぷしゅ、しゅる、しゅううぅ……

 大きく左右に押し開かれ、ラッキーの身体に押し潰された伊織の脚の間に、しゅわぁあああ、と暖かいものが広がっていきます。
 大きな大きな瘤と、長く太く、膨らんだおちんちん。それを小さな伊織の身体が飲み込んでしまったのです。おなかを内側から圧迫されて、行き場をなくしてしまったおしっこが、伊織の脚の間から勝手にあふれ出してしまったのでした。小さな身体を奥の奥まで貫かれて、伊織は息をするので精一杯です。
「あぅ、はぁ……っ、はあ、はあっ……」
「わう、わぅっ、わうぅ!!」
「も、もう、ホントに、っ、ホントに、ラッキーってばぁっ……」
 ラッキーと“ひとつに”なった達成感に、伊織は顔を赤くして言います。鼓動は早鐘のように高鳴り、心のおくからせり上がってくる熱い何かが、胸をいっぱいにしてゆくようでした。
「っあ、っ、ら、ラッキーにっ、こ、こんなことしてあげるのっ……あくぅ、ぁ、あたしだけなんだから……っ!! っは、ほ、他の子になんか、ぜ、ぜったいに、ぜったいに、ぜったいぜったいにっ、ぃ、し、しちゃダメなんだからねっ!!」
「わぅっ……!!」
 叫ぶ伊織に答えるように、おなかの中にがっちりとはまり込んだおちんちんが、早速びゅるびゅると真っ白な精液を吹き上げます。どくどくとおなかの奥に吹き上がる熱いどろどろの感触に、たちまち伊織のおなかの中はきゅうんと甘く悲鳴を上げてしまいます。
 こつ、こつとラッキーのおちんちんの先端が、伊織のおなかの一番奥にぶつかるたび、伊織の頭を白い稲妻が走るようでした。
「ら、ラッキーの赤ちゃん、産んであげるの、あたしだけなんだからぁっ……!! ぜったいに、ぜったいにっ、あ、あたし以外の子と、えっちしちゃ、いけないんだからねっ……!!!」
 しっかりと繋がり、ひとつになって、興奮した伊織のそこが締め付けるままに、ラッキーはびゅる、びゅる、と激しい射精を繰り返します。そのたびに伊織のおなかはゆっくりと大きく膨らんでゆきました。
 ベッドの上でがくがく揺さぶられながら、伊織は夢中になってラッキーの身体にしがみつきます。
(あたし、本当にっ、ホントに、ラッキーの、『およめさん』に、されちゃってる…っ!!)
 そうです。これはごっこ遊びではありません『およめさんごっこ』ではなく、本当の。ラッキーの本当の『およめさん』になるための交わりなのです。
 先週、伊織は初めての『お客さん』を迎えて、めでたく一人前の女の子になったお祝いをしたばかりです。ママになる準備――おなかのなかに小さな生命を宿すための準備を整えた、女の子の身体。それをいま伊織は、ラッキーと重ねているのでした。
 だから、これはごっこ遊びではありません。
 本当の、本当に、ラッキーの『およめさん』になるための、行為なのです。
 おなかの中で、力強く噴き上がるラッキーの赤ちゃんのもとが、女の子のタマゴと結びつくのを夢見ながら。伊織はどくどくと噴き上がるラッキーのおちんちんを、しっかりとおなかの奥に繋ぎとめます。
(あたし、ら、ラッキーの、赤ちゃん、産むんだ……っ)
 恥ずかしくて、照れくさくて、言葉にしては絶対に伝えられない、胸の奥の本当のキモチ。
 いつも反対の事ばかり言ってしまう自分のキモチが、せめて少しでも伝わるように。伊織はぎゅうっとラッキーの背中に回した手に、力を込めて、ラッキーとしっかりとおなかをくっつけ合います。
 脈打つポンプのように、おなかの奥、赤ちゃんのできる場所に注ぎ込まれてゆく、どろどろの熱い“赤ちゃんの素”に、伊織は心も身体もラッキーと結びついてゆくのを感じます。
 ラッキーがたくましくそそり立たせたおちんちんから、終わりなく迸らせる、白い生命の塊。それはいまや伊織のおなかの中をたっぷりと満たし、なお際限なく注ぎ込まれてゆきます。女の子の出口は、大きな瘤にしっかりと繋がれて、伊織のおなかはぱんぱんに膨み、まるで今この瞬間にも、おなかの中に赤ちゃんを宿しているかのようでした。
「あぁ、あぅ、あっ、ラッキーっ、すごい、ぃ、あーっ、あぁっ、あ!!」
「わぅ、わぅぁっ、あぉんっ!!」
 興奮したラッキーが、長い舌でべろべろと伊織の顔じゅうを舐めまわします。伊織も大きく口を開けて、ラッキーの舌に自分の舌を絡ませ、一生懸命、なんどもキスをしました。
 ベッドを軋ませて続く二人の営みは、いつしかごっこ遊びから、本当の夫婦の交わりへと変わっていくのでした。



 (了)

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