有坂総一郎 2024/03/22 07:00

というわけで、作話立案段階でポシャる

まぁ、お察しの通りであるが、普墺戦争辺りを題材になんか書いてみようと思って、手を加えられるとすればオーストリア帝国の鉄道かなと思って、資料を揃えてみたんだよね。

当時の人物を考えても一流どころで一癖も二癖もある人物が揃っていて、キャラデザがとても楽だったしね。メッテルニヒ宰相、ビスマルク宰相、カヴール宰相。鉄道創業時の資本家や貴族、鉄道に関わる外国人勢力、オリエント急行、プルマン社、ワゴン・リ社。

なんだけれど、仮に転生者が何かやろうとしても、介入する余地がありそうで意外と少ないのだと気付かされる。

まして、普墺戦争を見据えた格好で鉄道建設をやると間違いなく帝国政府と目論見がモロかぶりして南部鉄道の史実同様に経営権取り上げられるオチしか見えてこない。

介入が少なそうなバイエルン方面やハンガリー方面にと思っても前者が路線長が短い上にバイエルン領邦鉄道のシマを荒らすことになるし、後者は田舎で産業に乏しく山岳線になるから利益が出ない。ハンガリー油田からの石油輸送というそれもあるが、そもそもその需要が時代的にそれほどない。

アドリア海方面にと思っても、山岳路線になる上に南部鉄道の例があるから魅力的じゃない。しかも、ハンガリーよりも辺境のド田舎で長距離輸送以外に利益が出る見込みがない。

セルビア・ルーマニア・ブルガリア・トルコ方面もどれもこれもアドリア海方面並に難易度が高いし、そもそもドナウ川の舟運で事足りる。

どこも旨味がない路線ばっかりで駄目っぽい。

かと言って、近郊路線の通勤需要かと言えば、時代的に考えてそんなものがあるわけがない。あったとしても路面電車や辻馬車で事足りる。

では、阪急、東急、小田急みたいに沿線開発しようかと思うけれども、そこら中が貴族の荘園だらけで開発の障害にしかならない。そもそも近郊路線の通勤需要を生み出せないのは庶民にカネがないからで、カネがないのに沿線開発そのものが出来る環境にない。

というわけで、日本的な鉄道会社経営論をぶっ込んでも失敗する未来しか見えてこない。

となると、結局、鉄道省・国鉄・JR方式で乗客・貨物長距離輸送及び富裕・中流層をターゲットにするほかに方法がないという鉄道経営の原点に立ち返るわけだ。

よって、転生者が関わるとすると鉄道ではなく、根本的な話として帝国の行政や外交などをメインとするべきなのだが、宮廷政治が色濃く残る時代と世界でそんな立ち回りを現代人が出来るわけがない。

つまり、転生者ボーナスが有効に機能するのは宮廷政治のイロハを知っている皇帝や宰相などその周辺でなければ駄目だということになる。

それってVictoriaのAARと何が違うん?って話になってしまう訳よね。

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