雛形や基本に沿うのって難しいモノだね
どんでん返しの話をまたしようと思う。
小説を書く上でどんでん返しを用意するには綿密なストーリー構成とそれに至るためのフラグ管理をしないといけない。
逆に言えば、企画立案の段階で、どういう意図のどんでん返しを用意するか明確にしていれば、それを演出するための段取りが可能になり、結果として効果的などんでん返しが出来るという寸法だ。
いや、そういう意味では「天才王子の赤字国家再生術〜そうだ、売国しよう〜」はそれを忠実にやってくれているとそう思うワケよね。文字通り、七転八起ではないけれども、どんでん返しが後に控える大きなどんでん返しのためのフラグでしかないんだからね。
小説の書き方の雛形である
◆起承転結
起=ストーリーの始まり
承=始まりから事件が起こるまで
転=ストーリーの山場(事件)が起こる
結=事件が解決してストーリーが集結する
◆序破急
序=導入部。日常をのんびりと描く
破=展開部。事件が起こる
急=結末部。素早い動きでストーリーが収束する
◆ハリウッド式三幕構成
第一幕=ストーリーの割合1。物語の発端・状況設定
第二幕=ストーリーの割合2。対立・葛藤
第三幕=ストーリーの割合1。結末・事件の解決
を忠実にやっているのもそのどんでん返しを効果的たらしめていると思う。巻によってどの型式になっているかは違うかも知れないが、まぁ、基本に忠実であるというのは間違いない。
さて、翻って、「このはと」であるが、改めて思うに真似が出来んなぁと。なんせ、世界の中の人の意志が作中世界を引っかき回している側面があるから、なかなかこの公式に当てはめるのが難しい。
なんせ、結末というところに至るわけじゃないからね。起承転結を例にしても起承は出来たとしても、転結まで行くことはない。そこは遙か彼方の出来事だからね。仮に出来たとしても起承転ぐらいまで・・・・・・。
仮想戦記って小説の書き方の基本に沿って書くのって相当に難しいんじゃないかと改めて思う次第だよ。