正確なステータス計測によって適切なクエストをご提案致します

#796
冒険者を目指す女の子が色々勘違いしちゃうお話
～第7話～

検査員「はいはい…手は自然な形で下におろして…足は閉じて…
その姿勢で…暫く立っていて下さい。」
(今日は運がいい…こんなアタリの娘の日に検査担当ジャンケンに勝利できたのは…
いつもより参加者が多かったしね…)

検査員は心の中で大きくガッツポーズをしながら仕事という名の勝利報酬を堪能していた…

検査員(確かこの子…エネちゃんだっけ…？外套で隠れてたけど想像以上にスタイルが良い子だな…将来はナイスバディが期待できそうだ…)
「あ…今度はそのまま後ろを向いてください」
(結構際どい下着が良いチョイス…お尻も少しはみ出している位が元気っぽさと少し背伸びしている感を醸し出してて、彼女にピッタリな下着チョイスだな…)

エネ「ねぇ？本当にこんなやり方でステータスが判るものなの…？」

検査員「ご安心ください。この改良型能力測定器に対象者を写すとですね…人体の構造から観測できる筋肉量から身体能力計測、マナの総量から魔法属性適正まで幅広く調べる事が出来ます。
これを知ることによって、この後の冒険者ジョブ選択時の材料としても利用できますね。
この後に簡単なテストを受けてもらいますが、それも計測機越しに測定することによってより正確なデータが得られます。」

エネ「ふ～ん…よく分からないけど、なんだかすごいアイテムなんだね…？」

検査員「ええ、このアイテムによって冒険者登録時の検査が劇的変化しました。
かなり効率も良くなりましたし、こんなに素晴らしい高級マジックアイテムを自費で導入してくれたギルドマスターには頭が上がりませんよ…」
(ホント…このアイテム導入後からあからさまに、積極的な冒険者勧誘やポジティブキャンペーンをしだしましたからね…
あ…そろそろ下着データの計測が終わったな…よし…設定で…表示を…オフに…
よしよし…ちゃんと綺麗に下着だけ…後は…)
「エネさん…もう一度正面を向いて頂きますか…？」

エネ「はいはい…」

透過機能が発動した状態での検査機越しの画面にはエネの生まれたままの姿がしっかりと映っていた…

検査員(いや～…こんな近くで全く意識されないで女の子の裸を観察できるなんて…役得だな…
給料安いし仕事きついけど天職だなこれは…)
「ありがとうございます、はい…これで基本的なステータスが測定されました。
中々高い身体能力をお持ちの様で…魔力適正も有るようですしこれは将来が期待できますよ？」

エネ「ホント！？やったー！やっぱり私って冒険者の才能が有ったのね♪
どうしよう何のジョブを選ぼうかしら…？」

検査員「後でステータスが確定したらジョブ選択をするのですが、エネさんの能力だったらどの職業も選択できると思いますよ？」

ジョブ選択にステータスによる可否は関係無いのだが、こうやって煽てている方が検査に疑問を持たずに素直に指示に従ってくれるので、検査員はこう言った話はどの冒険者にもしているのだが…

検査員「はい…これから次の測定の方に移りますね。
今の検査で判らなかった、RESとDEXの値を調べますので…こちらの台の上に…

エネ「え…？まだこの格好のままじゃないといけないの…服着ちゃダメ？」

検査員「申し訳ございません。検査機の精度の関係で重ね着されるとどうしても…
一応検査着をお貸しすることは出来るんですけど…」

そう言って検査員は部屋に備え付けられていたクローゼットからとても薄い生地で作られたワンピース状の衣服を見せる。

エネ「うわ…これは…」

検査員「これに着替えて頂く事も可能ですが…その場合には下着の方も脱いでいただく事になりますが…これを利用する方は殆ど居ないので…どうします？」

掲げている検査員がその服越しに透けて見える程薄い生地だった。そんなものに、それも下着を脱いだ状態でだと、何も隠すことが出来ないであろう…これだったら今のまま下着で居た方がましだ。
仕方なくその後の検査も下着姿で受けることになったエネであった…