令和三年　二月の妊婦さん　鬼の棲む蔵出し

ゲハ、ゲハッ、ゲハハハハハハーっ

経産婦になって子宮も孕み放題じゃないか

海よ、家族のだんらん中に胎がでかくなってどうするんじゃ？

産むしかないのぉ・・・

『ぐっ、く・・・』

「海どうしたんだ急に黙り込んで・・・」

『ミカンの食べ過ぎかな・・・お腹・・・』

「最近、海はお腹調子悪そうだからな」

「そうなのよパパ。よくうーん、うーんって苦しそうにしてるの・・・今度病院に連れて行こうかしら・・・ねぇ。海」

「だ、大丈夫だよ・・・ちょっと食べ過ぎてるし」

「そうだな・・・よくお腹苦しそうにしてるときの日なんかバクバクご飯食べるからな」

（赤ちゃんいるとなんかお腹が空くし・・・）

「海、本当につらくなったら言いなさい。産婦人科だけどいいお医者さんだって評判の所に連れて行くから」

「ああ、安産さんだっけ？」

そんなの必要ないよ・・・すぐそばに取り出すのうまい奴が来てるから・・・

ほれ息め、わしが受け止めてやるからの

ゲハ、ゲハッ、ゲハハハハハハー

産んじゃう・・・パパ、ママがいるのに・・・