妄想の繭 2024/04/09 00:30

バタフライアゲイン一周年!

一周年!

4/9という日付けはしばらく私の中で忘れられない日であると思います。
そう、当サークル処女作であるバタフライアゲインの発売日ですね。
もう1年経ちました。

先日行われたDLsiteアワード2023にて
運営様からアワード投票作品に寄せられたコメントを頂きました。
『バタフライアゲイン』はアワード受賞の対象外だったのですが、
投票してくださった皆様からとても温かなコメント頂き
ちょうどいい機会なので『バタフライアゲイン』を振り返っていきたいと思います。

今更!?発売してもう1年も経ったのに!?

という感じですが、現在新作を作るにあたって
当時どんな考えで制作していたのか忘れないようにする忘備録みたいなものですね。
長くなったので暇なときに読んでください。


なおネタバレに関しては一切の配慮をしないので
未プレイ、未クリアの方はご注意ください。


というわけで宣伝!

バタフライアゲイン【PC版】

バタフライアゲイン【スマホプレイ版】


大まかなストーリー構成

初めにこのゲームを作るときに決めていたことは
『とりあえず薬草を取りに行くくらいの短編を作ろう』
ということです。
大まかなストーリーラインを考えていった結果

⇒旅立つ      (娼館を抜け出す)
⇒目的地に到達する (メイリーの故郷へ到着)
⇒戻ってくる    (最終的に娼館へ戻る)
⇒また旅立つ    (エンディング)

といった感じで大筋は
マッドマックス 怒りのデス・ロードを参考にして作りました。
行って戻ってくる。非常にシンプルですね。


薬草ゲー要素

昨今の同人エロゲ市場は非常に作品が溢れています。
購入していただけたといって最後までプレイしてくれるとは限りません。

本作ような矮小な作品では途中で投げ出されたら最期、
ウインドウの×ボタンを押されたら恐らく二度と起動してくれないだろうと思い
それなら最初に起動してからノンストップで
エンディングまで駆け抜けてくれるように作りました。

途中で中断されることを一番恐れていたんですね。

売春要素

とりあえずロリ売春が好きなので性癖はそれでいこうと考えました。

しかし、エロゲにおける売春という行為は
あまりにプレイヤーに有利な要素しかありません。
プレイヤーはHなイベントも見れてお金も増えます。
通常のエロゲなら問題ありませんが、
売春特化の本作では単純作業と化してしまい、
マンネリ化を起こしかねませんのである程度行動を制限しなければなりません。

そのために売春を制限するという意味で、
敵を倒したら入手できるポイントと引き換えに売春を行えるようにしました。


じゃあなんで売春するのにそのポイントが必要なの?


⇒…………


戦闘要素

とにかく戦闘は1~2ターンで終わる様に!
プレイヤーは雑魚戦ごときに30秒以上かかるとダルさを感じてしまうぞ!
あ!もっと戦闘テンポを早くできるプラグインがあった!
とにかく早く!スピーディに!

……といった感じで戦闘要素を組み立てていきました。
エロのない戦闘はとにかくプレイヤーの邪魔でしかないので
ハイテンポを意識して作りました。
とにかく戦闘のわずらわしさという一番どうでもいい部分
プレイヤーの手を止めてしまうのはよくないと考えていたんですね。
しかし戦闘スピードが速すぎて何が起こってるか分からない
というご意見もあったので少々やりすぎたかと反省ですね……

装備でステータスアップやスキルを付け替えできるようにしたのも
こんな感じで自由にカスタイマイズできるのが好きなんですよね。
短編ながらも自由度という部分を意識しました。


じゃあなんで装備によってスキルが減ったり増えたりするの?


⇒…………



あまりに自由すぎて防御や逃げるコマンドまで削ってしまったので
詰み防止のために主人公の初期装備枠だけは固定にしようと決めました。


じゃあなんで初期装備は外せないの?


⇒…………





なんで売春するのにポイントが必要なの?
なんで装備によってスキルが減ったり増えたりするの?
なんで初期装備は外せないの?



⇒あれ?この三つって全部ひとつの理由に関連付けられないかな……?


といった感じでメタ的な理由を全て
作劇的な理由に落とし込んだ結果に出来上がった
のが
『バタフライアゲイン』のストーリーです。
Spread Parasite.

プレイヤーに対して「RPGなんだからそういうものなんだろう」
と思わせることで真相を隠すことができるので
「RPGでは当たり前」という概念は非常に便利ですね。

ストーリー部分が好評でとても嬉しいです。
これからも寿司屋のおすすめのプリン
ステーキ屋のおいしいサラダのような存在としてやっていきます。

絵師様

本当に素晴らしい絵師様に出会えたと思っています。
絵師様を探している時は妄想100%なのでそれはもう楽しい時間ですが
ロリ系でデフォルメチックな絵柄で女性上位シチュにも理解があって……
性癖で絞っていくと絵師様が結構限られてくるんですよね。

克曇満さんにお声がけしてOKを頂けたときはそれはもう嬉しかったです。

その後、なんとなくでイメージしたキャラクター像を書き連ねて送ったのですが
(歩行グラフィックは先にジェネレータで作ってました)


今見返しても、『なんかこう……こんな感じ……』みたいな
フワッとしたことしか書いてないですね。

私はキャラクターの造形をイメージするのすら苦手なので
薄ぼんやりとした造形しか想像できません。
そこで克曇満さんから送られてきたラフ案を見て

あ!そうそうこんな感じ!そこでやっと自分の中のイメージが固まりました。
頭の中を見透かされたかのような完璧なデザインでしたね。
克曇満さんがいなければ主人公のイメージすらあやふやな状態だったかと思われます。
本当に感謝です。


おまけの衣装案

余談ですが、克曇満さんはご自身でフリーの同人エロゲを作られたことがあるんですよね。


『KK』という作品なのですが、このゲーム結構凄いんですよね。
何が凄いって、このゲームとあるルートに行くと
(↓一応ネタバレ防止のため白反転)
ほぼ全てのNPCを逆レ&殺害できるんです。
全部ですよ全部。全部にその際のセリフを用意しているんです。

話は戻りますが『バタフライアゲイン』では開発当初、
売春行為はその客によって固定にしようと思っていました。
この客はメイリーの本番で~ この客はフーディエのフェラで~ みたいな感じですね。
中々違和感のある設定ですが、まあ短編だしこんなもんでもいいかな……と当初は考えていました。

しかし、『KK』プレイ後となると、
『KK』に比べてあまりに陳腐に感じられてしまうのではないか?
と考えるようになりました。
克曇満さんの絵に釣られてプレイする人ならなおさらです。

それではこの作品に対抗するにはどうすればいいか。
じゃあ『全客に対して全売春行為のセリフ差分を書こう』と決めました。
ぶっちゃけ細かな部分の差分なのでそこまでの労力ではないのですが
作ってるうちに後悔するレベルで気が滅入りましたね。
だってメイリーだけ初回と二回目以降での差分もあるんだもの……
思い付きでやるものではないですね。

フーディエ

『ぼくの考えた理想のエロゲ主人公』です。
性格や口調まで含めて私の性癖の120%みたいなものですね。
私はイケメンなロリが好きです。
正確には可愛い顔をしてるロリがイケメンな表情をするのが好きなんですね。
とりあえずもう……初っ端の主人公は性癖全開でいこう!と決めました。

私はかっこいいものが好きです。
「かっこいい」は全てにおいて優先されます。
これは理解されなくてもいいのですが
『娼婦』ってかっこいいですよね。
『メ○ガキ』もかっこいいですよね。

彼女の存在は私の中の『かっこいいもの』で構成されています。


悪い顔好き。

本作の評価はプレイヤーがフーディエを好きになってくれるかどうか
という点が大部分を占めていたので
大丈夫かな……プレイヤーさんに受け入れられるかしらウチの子……
みたいな娘の初登校の日を見守る母親のような気持ちになっていたのですが
頂いた感想を見ると終わってみればフーディエを好きになった、
というコメントを多くいただけたのでものすごく安心しました。

メイリー

デカパイ!とにかくデカパイ!
人はデカパイの魔力には抗えません。
人である以上デカパイを見た瞬間『うお……』となり
一瞬思考を停止します。

正直最初はロリだけでは購買欲を煽ることができないんじゃないかと考えていたんですよね。売れるにはやはりおっぱいかな……と。
そんなロリに興味がない人でも本作に惹かれるようにしたデカパイ枠です。
デカパイ感謝。

販売ページでもメイリーが映っているスクショが多めのはそういった理由なんですね。
ロリゲーに興味が無い人でもデカパイに釣られて販売ページを開いてくれるようにしたかったんです。

そんな始発点はデカパイであること以外なにも考えていなかったキャラクターでしたが
経験豊富なフーディエと対になる無知なメイリーというシチュ、
過去を振り返るフーディエに対して未来へと歩みを進めるメイリーというキャラ性
そして二人の掛け合いを作っていくにつれて
非常にいい主人公に育ってくれました。
大好きなキャラクターです。

理想のキャラクターを作っていったら
いつのまにか理想のカップルができていた
みたいな感じですね。

ルセリア

彼女には魔法にまつわるお話を締めるという役割がありました。
概ねこのゲームはフーディエとメイリーの二人のお話で完結しているのですが
その物語を外から見る役目がないと綺麗に締めることができないんですよね。
非常に大事な役割です。
ラストのシーンから逆算して作られたキャラクターですね。


物語の都合上Hシーンがなかったのですが
思ったより王女のHシーンの要望が多いな……?となったので
急遽ver1.10にてロイヤル見抜きイベントが追加されました。
出番を割を食っていたのでシーンを増やすことができてよかったですね。

振り返りおわり

というわけでなんとなくの振り返りでした。
『バタフライアゲイン』は発売当初はあまり目立つことのない立ち上がりでしたが
皆様のレビューや感想などから口コミでジワジワと販売本数を伸ばし、
現在ではPC版、スマホ版を合わせて3000本を超えるDL数となることができました。
想定以上の反響を頂き、感謝の気持ちで一杯です……
短編作品でありながらも自身にとって非常に思い入れの深い作品になることができました。

本作で得られた経験を活かし、次回作『ハルウリカードゲーマーズ』に繋げていきたいと思います。

本当にありがとうございました!

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克曇満[絵師様](@kdm_kkkk)

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