Someone Special~大切な人~Vol.2 柳楽湊介編(CV.二條ひらめ)のSS公開！

明けましておめでとうございます。

トラック1のフルバージョンの配信までにあと3日ですが、

お先に卯木様による書き下ろしSSを公開させていただきます！

「初めて君と会った日」

　俺は柳楽湊介。小さいながらもヘアサロンのオーナーをやっている。
　ありがたいことにそこそこ常連客もいる。俺はおしゃべりを楽しみながら、お客さんの髪をカットして、整える。たまに予約が重なって大変な時もあるけれど、悪くない仕事だ。
　その電話が鳴ったのは、客足がちょうど途絶えた時だった。

「はいはーい」
　
　床掃除をしていたアシスタントの子を手で制して、俺は自ら受話器を取る。

「お電話ありがとうございます。ヘアサロン『ウィンディーネ』です」
　
　すると、受話器の向こうから耳に馴染みのある声が響いてきた。

　彼女だ。

「あ、こんにちは。そろそろ電話かかってくるんじゃないかって思ってたよ」
　
　俺はフランクに彼女のに話しかける。お客さんとは一定の距離を保つようにしているけれど、彼女だけは別だ。

「……うん、カットとカラーね。りょーかい。仕事帰りだから、九時ぐらい？　予約入れとくよ。……その後、よかったら一緒に帰ろうか。店も閉める時間だし」

　彼女から了承の言葉をもらって、俺は電話を切る。
　心は少し浮かれていた。

（……そう言えば、もうすぐ三年か）

　俺は壁に掛かったカレンダーを見る。
　彼女と出会ったのはおおよそ三年前の今の季節だった。つまり、俺が店を開いた直後だ。

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