curasutaru. 2024/03/15 21:22

2-2話 捕らえられた少女たち

春沢高校が包囲されてから、数時間にして先ほどまで春沢高校にいた350人ほどの女子生徒の姿が消えた。

つい1時間ほど前までは、校舎の入り口から校門までの道に、腰縄でつながれた少女達が歩く姿が見えたが、今はそれもない。

高校の周りに停まっていたパトカーや軍用車も徐々に減りはじめている。

この春沢高校の強○送還は数時間後、全国のメディアで報道された。
奴○は志願者だけがなるという常識が打ち破られ、強○的に奴○にされる場合もあるという衝撃が世間を驚かせた。



ここは、春沢高校から車で1時間ほどのところにある調教センター。

時計の針が13時をまわったころ、調教センターの地下駐車場に2台のトラックが停車した。

中には2台合わせて100人ほどの女子生徒が乗っている。
連行に使用されたトラックは全部で7台だが、すべて同じ調教センターに向かったわけではなく、近辺のいくつかの調教センターに分散して少女を連行した。

トラックの荷台が開けられる。
後ろ手に拘束され、不安げな表情をした少女たちがこちらを見ている。
いずれも15歳〜18歳の女子高生だ。

男性職員が数珠繋ぎにされた少女たちを荷台から引き出していく。
引き出された少女たちは職員に引かれ、調教センターの建物内部へと連れていかれた。

ハルナとサクラも同じように引き出され、連行されていく。

これからなにをされるのか。
女子生徒たちは自分達を連行する職員にひどく怯えているようだった。

連れていかれたのは、長い廊下の両側にいくつもの檻がある収容施設だ。
まるで監獄のような施設に少女たちの恐怖はさらに煽られる。


女子生徒は2人1組でひとつの檻に収容されることになっていた。
1人用の檻だが、今回は大量の少女を収監することになるため、そう決まったのだ。

ハルナとサクラは腰縄を解かれ、両手を拘束していた手錠も外される。
教室で脱がされたスカートを履くことを許された。

スカートを履くと、両手を前に出すよう命令され、
両手を出すと前に手錠がかけられた。

職員が檻を開け、中に入るよう命じる。
重い足取りで中に入るとすぐに檻が施錠される。

男性職員がガチャンと檻をしめ、鍵をかける。

「しばらくはここでおとなしくしていろ。」
職員はそうとだけ言ってどこかへ行ってしまった。


2人はしばらく檻の入り口付近に立って、こわばった表情で外を見ていたが、疲れたのかベッドに腰をかけて、身を寄せ合う。

檻の中には1人用のベッドが一台しかなかった。
2人はこれからこの狭いベッドで寝ることになる。
トイレは檻の外から丸見えだ。

2人は身を寄せ合ったまま、しばらく口を開かなかった。

自分達が置かれた状況に絶望し、股縄をかけられ連行されたことに屈辱を感じ、なんの罪のない私たちを連行した者達に怒りを覚えた。
そして両手を繋ぐ冷たい金属の鎖を見て、恐怖を感じた。

サクラが無言で泣き始めた。
ぽろぽろと流れ出る涙を、拘束された両手で拭う。

ハルナ:
「大丈夫。大丈夫だよ、、。
 だれかが助けにきてくれるよ、、、。」

ハルナもかなり不安げな声で、サクラを励ます。
サクラはコクコクとうなずいた。

1時間くらいたち、落ち着いてきた2人は檻の中にあるものを再度確認する。
洋式トイレがひとつ、ベッドが一台、そして地面には水の張った深めの皿が一つ置かれている。

ハルナ:
「これ、飲み水だよね、、。」

サクラ:
「たぶん、、そうだね、。」

ハルナ:
「喉乾いちゃった。」

ハルナはそう言って地面に正座すると、直接その皿に口をつけて水を飲み始める。

サクラも隣に座り、ハルナと同じように水を飲み始める。

サクラ:
「本当に奴○みたいだねw」

サクラはハルナを少し元気づけようとしたのだろう。
変な冗談を言ってしまう。

ハルナ:
「うんw」

ハルナはなるべく明るく返事をするが、それ以上は何も返せなかった。
奴○になんてぜったいなりたくない。
知らない男に好きなように扱われるなんて、絶対嫌だ。
ハルナは思った。

収容施設では他の檻でも今日囚われたばかりの少女が、お互いに励まし合うような声がきこえていた。

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