[前編] ロリ巨乳サキュバスに超低速の寸止め騎乗位で搾り取られちゃう囚われ勇者の話

『異世界に勇者として転移したが、強過ぎるサキュバスとか魔女とかに屈服してイカされ続けた』の番外編です。
本編へのリンクはこちらになります↓
pixiv ノクターンノベルズ

 この番外編の舞台はサキュバスの魔王エリィが統率する城で、そこで暮らすサキュバス達と、囚われた人間の奴○たちの話です。
ちなみに、本編主人公のケンジが異世界転移してくる前の出来事です。


 荒れた土地に空高くそびえ立つ岩山。
その頂上にあるのは、サキュバスの魔王の城だ。
石造りの大きな城である。
 昼下がり、城の薄暗い廊下を歩いているのは、黒いミニワンピに身を包んだ小柄なサキュバス。
【ノア】という名のサキュバスだ。
彼女は、この城の雑兵である。
規格外に強く美しい魔王がサキュバス達を束ねる城の中で、あまり目立たない存在。
とは言え、その美しさは男たちを魅了するのに充分である。

 黒いロングストレートの艶のある髪の毛。
153センチの低い背に、細いカラダ。
そんなロリ感がありながらも胸は大きく、Fカップはある。
お尻は小さく引き締まっている。
大きな黒い瞳に控え目な高さの鼻。
唇はやや薄めだ。
その幼さが残る顔と小柄さが相まって、やはりロリ感がある。
美白とも色白とも言える肌であり、快活さは感じられない。
どことなく儚さを感じるロリ巨乳のサキュバスである。

 ノアは黒いミニワンピに身を包み、黒いヒールを履いた足で優雅に廊下を歩く。
城内は白い壁に豪華な内装であるが、薄暗く冷たい印象を受ける。
壁際には高級な置物や絵画がたくさん飾ってある。
しかし、絵画の内容についてはエロとグロの描写が目立っていた。
しかも女性が男を蹂躙する内容であり、城内の冷たい印象を引き立たせている。

 サキュバスに特有の黒い尻尾と黒い翼を揺らしながら真っ直ぐに目的地へ歩くノア。
彼女が向かっているのは奴○がいる部屋だ。
城の中から一度中庭に出て、扉を開けて再び建物の中に入った。
その部屋の中には、人間の男が6人いた。
6人で過ごすには小さな部屋であり、そんなところで全員が全裸にさせられている。
そのうちの5人は椅子に座りながらカードゲームをしており、残りの1人は部屋の隅で床に座り込んでいた。
彼は、この城に勇者として乗り込んだ【クレイズ】という名前の男だ。
短髪黒髪の好青年である。

(今日も来たか……)

 部屋の外に気配を感じていたクレイズ。
ノックもなしに開いたドアから入ってきたのは、もちろんノアだ。

「はい、食事の時間よ」

 ノアの可愛い声が、小さな部屋に静かに響いた。
現れたロリ巨乳サキュバスの姿を見て、カードゲームをしていた男たちは興奮気味である。
さらに、ノアに続いて2体のサキュバスが入って来た。
彼女達もまた、ノア以上に圧倒的な美貌をもつサキュバスである。
ノアよりも肉付きがよく、大人っぽい顔付きで、グラマラスなサキュバス達だ。

「お腹が空いたの」
「さぁ、カードゲームばっかりしてないで、精液をちょうだい♡」

 グラマラスな2体のサキュバスがノアより先に部屋の奥に入って行く。
ノアとは違い、本能が前面に出ている。

(サキュバス……! 男の精液を食糧とする生物……)

 彼女達をニラみつけるとともに、嫌悪感を示すクレイズ。
肉付きが良く、爆発的な胸と尻を強調する2体のサキュバスが、食糧を得るために全裸の男達に近づく。

「はい! 喜んで!」
「もう、いくらでも差し出します!」
「ぜひ私を選んでください……!」

 カードゲームを切り上げ、率先してサキュバスに駆け寄る5人の男達。
彼らはクレイズよりも年上で、そのなかには中年に差し掛かっている者もいる。
男達は尻尾を振りながら近づく犬のように、サキュバス達に近づいていく。
すでに激しく勃起しており、中には我慢汁が滴り落ちている者もいた。
グラマラスな2体のサキュバスは、好みの男を1人ずつ選んで連れて行く。

「また今夜、会いに行くわ。残りのオスは、その時に♡」
「大人しく待ってなさいよ?」

 残された男に手を振る2体のサキュバス。
選ばれた2人の男は腰を振るのを抑えられないほど興奮しており、発情の様子を周囲に晒しながらサキュバスの後について行く。

「はい、今夜ですね……!」
「ぜ、是非よろしくお願いします」
「そんなぁ……」

 部屋に残された男達は激しく勃起しながら、残念そうな表情を浮かべて返事をした。
そんな中、唯一屈辱の表情を浮かべているのは勇者のクレイズだ。

(くっ! みんな……サキュバスのせいで変わってしまった!)

 この6人は元々同じパーティの仲間であり、この城を統率する魔王を退治しにやって来た。 
城に侵入すると、すぐに下位のサキュバス数体と遭遇してしまった。
そして、彼女達に負けて捕まってしまったのだ。
 彼らは捕まってからというもの、搾精される日々を送っていた。
そして、何もできないまま1週間が経過した。
今やサキュバス討伐に息巻いていた彼らの姿は消えてしまった。
かろうじて闘志が残っているのはクレイズだけである。
とは言え、サキュバスの魅力に抗うのは不可能だ。
クレイズの性器もまた、その屈辱の表情とは対照的に、激しく勃起していた。
そんな彼の股間に目を向けるサキュバスのノア。

「あなたは今日も私よ」

 ノアの視線が彼の股間から顔に移る。
彼女の大きな黒い瞳がクレイズを射抜いた。

「……」

「さあ、早く来なさい」

 長い黒髪と尻尾を揺らし、優雅に部屋を出て行くノア。
クレイズは躊躇いながらも彼女について行く。
まだ闘志が残っているとは言え、敵の本拠地で武器を取られ、全裸にされては従わざるを得ない。
部屋に残されたのは3人の男達。
遠ざかるノアの小柄で可愛い後ろ姿を見ながら次々と口を開く。

「またノア様はクレイズを選んだのか」
「そうだな。チッ……今日は選ばれなかったぜ……」
「あんなロリ巨乳のサキュバス様と2人きりで、どんなふうに搾精されているんだろうな?」

 この1週間、サキュバス達に味見をされ続けてきた6人。
ノアは明らかにクレイズを気に入っていた。

「クレイズはいいよな……。ノア様が絶対に1番いい。ロリっぽいのに巨乳ってのがいいよな」
「ああ、みんな美しくてエロいんだけど、ノア様は可愛いさがあるよな。可愛い静かな声も心地いいぜ。そんなノア様に選ばれ続けているのに、クレイズのやつ……」
「まだサキュバスの討伐を諦めていないんだよな、あいつ。反抗心が顔に出てしまっている。勃起はしてるのによ」

 そんな話をしながら、残された男達は気持ちを切り替え、カードゲームをして時間を潰し始めた。

--

 ノアの部屋に連れて行かれた勇者クレイズ。
個室にもかかわらず、天井にはシャンデリアが取り付けられている。
彼女の部屋は明るく、花も飾ってあるため、城内の中では異なる雰囲気を醸し出している。

(丸腰では抵抗できない。また今日も精子をヌキとられるのか……)

「さて、準備はいいかしら? いくわよ?」

 少し高めで可愛い声で、静かに喋るノア。
ゆっくりと、その魅力的な姿を見せつけるように近づいていく。
可愛らしい顔と、大きな胸で膨らむ黒いミニワンピ、服から伸びる白い腕、裾から伸びる細い脚。
クレイズの視界が彼女の姿で埋まる。

(こ、この美しさを前にすると……見惚れてしまう!!)

 彼女はクレイズの体を両手で押し、ベッドの上に突き倒した。
彼の身長は173センチで、もちろん鍛えており決して体は細くはない。
ノアよりも一回り大きいが、仰向けに倒されてしまったクレイズ。
美貌に満ちたノアが、黒いヒールをゆっくりと脱ぎ、ベッドに上がってくる。

「う、うぅっ!?」

 彼女が少し動く度に、その外見の魅力に圧倒されるクレイズ。
ノアは下位のサキュバスであり、決して特別な存在ではない。
この城にいるサキュバスの中で、戦闘力は中の下である。
勇者として認められた力をもつクレイズであれば、対抗できる可能性はある。
しかし、彼女と互角に戦えたとしても、魅了されてしまえば全く抗えなくなる。
何度戦おうとも、彼女に見惚れた時点で確実に負けが訪れる。

「ふふっ」

 先ほどから、ずっと勃起しているクレイズに笑いを堪えられなくなるノア。
笑いながら、全裸で仰向けになっているクレイズの上に覆い被さる。
 幼さが残る彼女の見た目は、じつは彼のタイプではない。
タイプではないにもかかわらず、やはりサキュバスがもたらす快楽には抗えなかった。
上から密着するノアの柔らかい小さなカラダ。
柔らかい肌と甘い香りが、そして体型に似合わないFカップ相当の胸の感触がクレイズを欲情させ、理性を奪っていく。

(こんなに近くに顔が! お、お、おっぱいも当たっている……!!)

 先述のとおり、クレイズはロリ系の可愛らしさに欲情するタイプの男ではない。
しかし、彼女の外見は非現実的に美しく、勃起していたペニスがさらに熱くなっていく。

「さてと……」

 ノアは自分の上体を起こし、クレイズの胴体に馬乗りになる。
そのままゆっくりと後退するノア。
彼の股間の位置に座り込む。
自分のペニスの上に女の子座りをする小さな彼女を見て、可愛いらしいと思うクレイズ。
造られた人形のような、あまりにも美しい人外。
生身の人間とは違う。
ロリ巨乳として完璧なスタイル・髪質・キメ細かい白い肌。

「これが人間で言うところの、騎乗位ってヤツかな? こうやってさ……」

 ノアがミニワンピの裾をめくり上げながら、腰を浮かす。

(あ、赤いパンツだ……)

 黒いミニワンピに隠れていた真紅のパンツ。
それを見て、さらに欲情するクレイズ。
ノアは真紅のパンツを左手で少し横にズラし、自分の陰部を晒す。
そして、ガニ股の状態でゆっくりと腰を下ろす。
その行き先はもちろん、激しくそそり立つクレイズのペニスだ。
可愛い女の子が、ガニ股になりM字に開脚しているというアンバランスな状態が刺激的である。
クレイズは彼女の所作から目を離すことができない。

「あ♡ すごい硬くなってるね」

 ゆっくりと、そそり立つペニスを膣内に挿入するノア。

「うっ……!?」

 クレイズに襲いかかる挿入の快楽、そしてノアの魅力。
雄である以上、この状況に抗えるはずがなかった。

「ううううううっ!? あ、ああぁっ……!!」

 クレイズの喘ぎ声が部屋に響く。
脚をM字に開いたまま、ゆっくりと腰を下ろし続けるノア。
ようやくペニスの半分まで到達した。

(や、やはり……狭いっ!!)

 あまりにも狭い彼女の膣内。
クレイズの肉棒が圧迫される。

(カラダが小さければアソコも狭いのか!?)

 この1週間、挿入させられてきたクレイズ。
 ノアのあまりにも狭い膣内に慣れることができないでいた。

「ふふっ。動かしちゃお♡」

 いったん腰を下ろすのをやめ、両手をクレイズの胸に置くノア。
ペニスの真ん中の位置で挿入を止めて、腰を前後左右に細かく動かし始めた。
彼女の膣にかき乱される肉棒。

「う、う、うわあああぁっーー!?」

 狭く、圧迫してくる膣に、さらに動きが加えられたのだ。
そこから生じる快楽に耐えられず、大きな声で喘ぐクレイズ。
肉体的な快楽だけではない。
前を見れば映る、彼女の人形のような非現実的な美しさ。
そんな彼女が腰を動かしている所作を見ると、快楽が倍増する。

「あぁっ! あ、あああぁっ……!? ……はぁっ……はぁ……」

 喘ぎ苦しみ、もがくクレイズの無様な姿を見て、怪しく笑うノア。

(可愛い……可愛い……!! ただただ可愛いぃっ!!)

 クレイズが、ノアの魅力に取り憑かれていく。

「ふふっ♪」

(こ、こんな外見が幼い子……タイプじゃないはずなのに……)

「勇者だったんだっけ? 無様ね♡」

(なっ……!! くっ! このままではマズい!)

 勇者としてのプライドが顔を出し、クレイズは体に力を込めて抵抗を試みる。
その動きを察し、彼の両腕を自らの手で抑えてくるノア。

「抵抗しても無駄よ?」

 ノアはクレイズの両腕を抑えるため、前に倒れ込んだ。
その小さな体からは考えられない、強い力。
彼の胸には、黒いミニワンピ越しに豊満な胸が押し付けられる。
さらに彼女は、前に倒れ込むと同時に腰を下ろして、ペニスの根元まで挿入を許した。
ペニス全体が挿入されたことにより、クレイズの理性が飛びそうになる。

「あはあぁっ!? あ……あぁ……ひいぃっ……き、気持ちひいぃっ……」

 抵抗することを忘れるクレイズ。
それを確認してノアが上体を元に戻し、ゆっくりと腰を浮かしていく。
そのまま、後ろに仰け反りながら、両手をベッドの上に置く。
後ろに傾いた姿勢で、大きくM字開脚し、上下運動を繰り返すノア。
大胆な姿勢で上下する所作の一つ一つが美しい。
締め付ける膣の快楽と彼女の大胆な様子に、クレイズの頭はおかしくなり始めていた。

「ああ、面白いわね。あなたの表情は……」

 快楽に浸りながらも射精できずに苦しむ彼の表情を見て、楽しむノア。
今度はペニスを奥まで挿入した状態で、女の子座りの状態になった。
そのまま腰を前後に振り出す。
そのスピードは速くない。
ゆっくりと腰を前後に動かす。
あまりにも気持ち良いが、クレイズは射精には至らない。
そんな速度で騎乗位を続けるノア。

「うわあぁ……ああぁっ……わああぁっ」

 射精に至らない状態が続き、クレイズがもがく。
その口からはヨダレが垂れ始めていた。
ノアは気にせずに次の行動に出る。
今度は腰を浮かし始めた。
再びM字に開脚した大胆な姿が目に映る。

「途中で細かく動かしちゃおうかしら?」

 再びペニスの真ん中の辺りまで挿入した状態にして、そこから小刻みに上下し始めたノア。
その刺激範囲は狭く、速度はゆっくりである。
やはり射精には至れないクレイズ。
ノアは涼しい顔をして小刻みに上下し続けている。
人間には高度なテクニックも、サキュバスの身体能力があれば容易である。

「あっ!? ヒィっ!! あ、あはああああぁっーー!?」

 ノアの視線を浴びながら、クレイズは卑猥に腰を細かく上下する姿を見つめる。
彼女の立ち振る舞いから目が離せない。

(エ、エロい!! こ、こんな……こんなにも幼い顔なのに……)

 一回り小さなカラダ、幼さの残る顔。
そんな彼女に犯される勇者。

「そうだ……この位置はどう?」

 今度は亀頭の真ん中の辺りまで挿入した状態で止め、再び小刻みに上下運動を開始するノア。
その速度は、相変わらずスローである。

「ああああっ!? 無理無理!! ムリィッ!!」

 亀頭の中心部を攻められて、おかしくならない訳がない。
ヨダレを垂らしたクレイズの顔が、さらに狂っていく。

「も、もう……イクッ! で、出るぅッ!! 出ちゃうぅっ!!」

 亀頭攻めにより、射精感が一気に高まった。

「本当にイキそうね? これはストップ」

「え……!? うううぅっ!? あはぁっ……はぁっ……はぁっ……」

 挿入したまま、ノアが腰の動きを止めた。
動揺を隠せないクレイズ。

「でも、まだ終わらないわよ?」

 いわゆるM字騎乗位を続行するノア。
再び腰を少しだけ沈ませる。
しかし、その位置は亀頭の根元、つまりカリの部分までだ。
ノアは亀頭の先端からカリの部分まで、ゆっくりと腰を上下させ始めた。
先ほどよりも少しだけ広い範囲で繰り返される超低速のピストン運動。
亀頭の先端ギリギリの位置から、カリを包み込む位置までを刺激し続ける。
亀頭全体を刺激しているとは言え、あまりにも低速であるため、射精までには時間が掛かる。
クレイズの我慢汁は常に出続けている状態でイケそうでイケない状態が続く。
およそ5分の間、クレイズは射精に至らず苦しむ様子を観察された。
そして、ようやく射精感がMAXになった。

「い、い……イぐゥッ! ほ、本当に出ちゃうっっ!!」

 クレイズの体にかつてないほどの力が込められる。
ノアは瞬時にベッドの上に立ち上がり、膣内からペニスの先端を抜く。
イく寸前の男を見下ろしながら、次の行動に出るノア。

「はい、搾精♡」

 ノアの黒い尻尾が、我慢汁と彼女の愛液で包まれた射精寸前の肉棒を咥えた。

「うはあああぁっ!? ひ、ひいぃっ!? き、気持ちひいいぃっ……!!」

 ノアの膣内とは異なり、尻尾の内部には無数のヒダが敷き詰められている。
そのヒダの働きにより、圧倒的な快感がクレイズを襲う。
ついに搾精の開始である。

「うあああああぁっ!? で、出てる! 出てるぅぅっーー!!」

 激しく体を痙攣させながら、叫ぶクレイズ。
ノアはベッドの上で彼の様子を凝視しながら、尻尾の内部にたっぷりと放出された精液を吸引する。

「ふふっ♡ 精液、出たね♡」 

 体内に取り込んだクレイズの精液を味わうノア。
満足そうな表情を浮かべている。

「……やっぱり、あなたはそこら辺の奴○よりも美味しいかも。私の【専属奴○】にしてあげる。味変も大事だし。魔王様に申請しなきゃ」

 この城の奴○は、特定のサキュバスにのみ従う【専属奴○】にされることがある。
ノアはクレイズを専属奴○に選んだのだ。

「今日はもう1回しようかな? ねっ♡」

 ノアが笑顔を投げかける。

「う……!? くっ……くぅ……」

 射精後、クレイズは冷静さを取り戻しつつあった。
美貌と快楽に惚けつつも、勇者として、こんな状況はあり得ないと認識する。
クレイズが表情を歪めた。

「う〜ん……なんか態度が気に入らないな」

 クレイズの対応を見て、ノアの表情が険しくなる。

「まだ……諦めてないんだね?」

 勇者として、まだ戦意が残っていることを見抜かれたクレイズ。

「私はカラダが小さくて、腕力が弱いほうだけど、頭は決して悪くないからね? あなたの考えていることぐらい、分かるわよ?」

「う……! お、俺は……勇者だ……!」

 クレイズの態度に納得がいかないノア。

「じゃあ、いいよ。あなたは【フリーの奴○】ね」

「な、なあっ!? そ、それだけは……!」

 【フリーの奴○】になると、その奴○はこの城の全てのサキュバスに従わなくてはならない。
フリーの奴○は非常に雑な扱いを受けているのが現状である。

「もう決定よ。あなたはまだ若くて美味しいから、きっと喜ぶ仲間達がいるわ。入れ食い状態になるかもね。よかったね」

(そ、そんな……)

 フリーの奴○の存在は、話には聞いていたクレイズ。
自分の行く末を想像すると恐怖が襲ってくる。

「あら? もしかして泣きそう? ふふっ♡」

 恐怖に耐えられず、涙を浮かべるクレイズを見て、ノアが笑っている。

「う〜ん……そういうことなら、まぁ、チャンスをあげてもいいけど」

「チャ、チャンス……だと?」

「うん、また今度ね」

 不気味に笑うノア。
それ以上は何も語らず、クレイズに退室を促した。


 やがて日が暮れ、夜が訪れた。
勇者クレイズが率いていた6人組のパーティは、再び小さな部屋に集まっていた。
クレイズ以外の5人は、今夜もカードゲームをして時間を潰している。

「なぁ、脱走……しないか?」

 部屋の端で、床に座るクレイズが5人に話しかけた。

「なに? だ、脱走……?」
「いやぁ、クレイズ。お前、何を言っているんだ」
「考えようによっちゃあ、ここは素敵な場所だぜ?」

 すでに打倒サキュバスを諦め、新しい生活を受け入れている男たち。
サキュバスから得られる快楽に溺れてしまっているのだ。

「み、みんな……! もう抵抗する意志はないのか!?」

 熱を帯びるクレイズに対して、仲間達は冷めた視線を送る。

「……ないな」
「遊んで暮らして、美しくてエロいサキュバス様が気持ちよくヌいてくれるわけだろ?」
「そうそう。このまま彼女達の専属奴○になってさ……」

 彼らはまだ、専属奴○でもフリーの奴○でもない、お試し期間なのである。
楽観的になっている仲間たちを見て、クレイズが主張を強める。

「よく考えるんだ! 俺はフリーの奴○にされてしまうかもしれない!! この城は危険なんだ!!」

 自分の身に危険が生じたことを打ち明け、熱弁するクレイズ。

「えっ!? クレイズが!?」
「ノア様のお気に入りだったのに……」
「そうだよ、お気に入りじゃないか。何かの間違いだろ?」

 話が進む中、部屋の外で物音がした。
男達は会話をピタリと止める。
扉が開き、部屋の中に入って来たのはノアだ。
これまでとは少し異なり、明らかに冷たい雰囲気を放っている。
その視線はクレイズに向けられた。

「クレイズ……あなたに用があるわ」

 みんながクレイズに視線を向ける。

「今夜は人間犬のレースに招待するわ。あなたは今夜の新しい犬よ、クレイズ」

「い、犬……?」

 ノアの手には、首輪が握られていた。

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