Nubilia 2024/03/02 00:36

モーション作成時の備忘録(騎乗位)

ループモーション作成時の思考整理です。
色々な縁があり、他のMMD製作者様と意見交換をする事が最近多いです。
自分がモーションを作成する際に気にしてる事など、雑多に認識してはいるんですが
ちゃんと整理したことはないなということで、備忘録的にまとめてみます。

(私のモーション作成は理詰めが主体なので、
基本的な支点・力点・作用点・慣性・重心・モーメントを愚直に考えてるだけです。
テクニックとか何もないですので、多分読んでも得られるものはないです。)

今回はこれまで作成したことのない
スタンダードな女性優位での騎乗位モーションを作ってみましたので
こいつを題材につらつら書いていきます。

モデルは
・Quappa-El様の伐谷るこに
・burton3rd様の罪もぶ太郎
・ムムム様のモダンなホテルルーム
をお借りしています。いつもお世話になっております。
るこにちゃんは腕・足切りIK化しています。


作成するにあたっての要件整理
①15フレーム前後の気持ち早いか程度の1ループ
②引き抜き時に搾り取る動きを想定
とします。

そのためモーションを作成するにあたって
①15フレーム前後の気持ち早いか程度の1ループ
 →比較的脱力しており、各部の関節の動きは緩いため
  慣性の影響が大きく残る。
②引き抜き時に搾り取る動きを想定
 →モーションの緩急をどうつけるかに影響する。
  今回は引き抜き時なので、
  着地~引き抜き直前までの加速と引き抜き動作が早めになる。
  また、引き抜き動作に伴う予備動作を大きめに取る。
あたりを意識して作成することになります。

ざっくり全体動きとして、腕の力を使いつつ身体持ち上げ
浮いてる間に腰を曲げちんこに擦りつける感じで引き抜く。
以降、自由落下しながら再挿入しループ、となります。


そもそもループモーション作成時どのタイミングを打つかですが、
私は以下6タイミングを基本としています。


ここに反動や慣性等を反映するアクセントを間に追加したり
ループが早いモーションの時は逆に②とか⑤あたりを抜いたりしてます。
腰振りに限らず手コキモーションなんかも同じです。

今回もアクセントフレームが1フレーム入ってます。
緩急付けのため①~③の間隔が③~⑥に比べて短くなっています。

ループモーションではあまり補完曲線は使っていません。
このタイミングこの位置を通って欲しいというのが管理しやすいので。
以下各項で考えてることの詳細です。



①行き行程の始点であり、帰り行程の余韻なので
 普段は⑥↔①の動きの変化は抑え目にしてますが、
 今回は引き抜き動作時にアクセントを付けたいので、
 ②行き行程の開始動作手前の加速区間を兼ねて動きの変化は大きいです。
 主動作イメージはこの後の上体上げに向けてパワーを溜めてる感じ。


②行き行程の開始動作
 上体の持ち上げ開始とそれにより腰が取り残される様子を表現


③行き行程の着地
 メインでの絞り取り動作です。
 腰だけ曲がっててもいまいちなので、上体を後ろに下げて助走感をプラス。


④行き行程の余韻=帰り行程の始点
 ③の動きの減速区間です。
 身体の無重力間を出すために膝を少し浮かせます。


⑤帰り行程の開始動作
 ここでは自由落下が始まる様子を表現


⑥帰り行程の着地
 自由落下で腰が落ち切った状態。同時に膝も着地します。
 さらに長尺のループモーションだと身体は伸ばさずに着地させ
 重心を前に出しながら身体を伸ばすフレームを追加するかもしれません。
 今回は尺的にそこのフレームは端折るので、
 この時点で身体を伸ばし次フレームとの変化が激しすぎないようにします。
 ここを激しくすると動きの緩急のメインが
 引き抜き動作からこっちに移ってしまいます。


アクセントフレーム
 慣性の残り香です。着地の勢いを表現するうえで重要です。
 ただここもやりすぎると緩急が崩れてしまうのでほどほどに。

一連の動きができたので、最終動作確認をします。
今回のモーションは以下のボーン
頭:慣性の表現
肩:上体持ち上げ表現
腰:引き抜き表現
がメインとして構築されているので、
上3つに注目して移動・回転の滑らかさを確認します。
特に移動についてはその軌道が楕円になってるかがよく話題に上がる気がします。


頭は頭部の中心、肩も肩部の中心、腰は腰骨に注目して動きをプロットしてみました。
点と点の間が離れている所が動きが早い部分です。

肩と腰はほぼ同じ軌跡をたどっており、加速している箇所がよくわかります。
楕円軌道ではありませんが、直線区間と曲線区間にちゃんと分かれており、
各区間中に歪な軌跡は通ってません。

頭は主動作の腰から離れているため、慣性影響が大きくその場の留まろうとするので
腰よりも点の分布はまとまってます。
身体の動きに合わせて揺らされているだけで、頭から動こうとはしていないので
肩や腰のような直線区間がなく奇麗な楕円軌道を描いています。

いずれのボーンの動きも問題なさそうです。


ということで一連のフレーム役割詳細でした。
上での詳細に加えてそもそもあまり頭は揺らさないか、
一気に動かす必要がある場合は直前に予備動作を入れて少し鈍化させてます。
人間あんまり頭振られたくないはずなので自然とそうなるはずというのと
動かしすぎると顔の表情がよく見えなくなるためです。

さすがに書きつかれたので今回はひとまずこの辺で。

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