若様の性長日記!・3(5)
オレは気を引き締め直し、扉をノックした。
「失礼します。桔梗さんからこちらに伺うように言われたんですが…」
扉を開けると、そこはマッサージの専門学校の教室のようだった。
前にテレビで見たことがある。
広く清潔な白い部屋に、細長いベッドがいくつも並んでいる。
そしてベッドの傍らには、椅子が一つずつセットで置いてあった。
やっぱり『性』のことに関しているとは言え、その知識や技術は一流のプロと引けを取らないと言われるだけはある。
引き締まった空気が、背筋を自然と正してくれる。
「はぁーい、伺っています」
右手の扉から現れた女性を見て、オレは眼を丸くした。
「ゆ…かり、さん?」
「あらぁ、若様ぁ。お久しぶりねぇ」
この甘ったるくも柔らかな声。
その声に相応しく、彼女はとても柔らかな雰囲気を持つ女性だ。
「何で…えっ? あっ、梢さんの親友ってそういう意味か…」
「凄いわねぇ、若様。瞬時に悟ってしまうなんて」
由香里さんは両手を胸の上で組み、嬉しそうに微笑む。
…が、オレは頭から足元まで、血が急激に下がっていった。
ふらつく体を壁に預け、オレは思い出した。
―彼女とはじめて会った時のことを。
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