3Dモデルの陰毛の造形方法

3Dモデルの陰毛処理について

テクスチャに描くかパーティクルで生やすか

 うちのキャラクターの3Dモデルにはほぼ全てに陰毛が生えています。その実現方法ですが、一般的にはテクスチャとして直接体に描く方法と、パーティクルを使ってメッシュデータとして生やす方法があります。

 パーティクルを使う方法は実際に毛を生やすわけですからとにかくリアルな表現ができるのがメリットです。一方で思ったように設定するにはある程度パラメータの試行錯誤が必要なことと、単純にデータ量が増えることがデメリットです。テクスチャで表現する方法(特に胴体のモデルに直接陰毛を描き込む場合)は、パーティクルに比べ工数とデータ量が圧倒的に少ないのがメリットです。逆に立体的な表現には向きません。

 どちらの方法を取るかについてはキャラクターデザインとも関係してくるので一概には言えませんが、アニメ風のキャラデザインの場合は髪の毛をブロックのようなメッシュで表現することが多いので、陰毛もそれに合わせてテクスチャで表現する方が向いていると考えます。

陰毛用のメッシュデータを作りそれにテクスチャを描き込む

 胴体に直接テクスチャで陰毛を書き込む場合、立体的な表現ができない点以外にも陰毛の量を変えたい時にいちいちテクスチャを入れ替えなければならないのも大きなデメリットになります。そこでおすすめするのが、ボディのメッシュから陰毛部分を別メッシュとして複製&分離してそのメッシュに陰毛を描き込む方法です。複数のメッシュデータを用意してそれぞれに陰毛の量を変えたテクスチャを描いておけば、メッシュオブジェクトを交換するだけで陰毛の量を変えることができます。


 テクスチャ画像を作る際は、アルファチャンネル(透明度)ありのPNGデータで画像を準備し、画像データのアルファをBSDFノードのアルファに繋げます。


 さらに、陰毛のメッシュデータを立体的に作ることで、陰毛を立体的に見せることも可能になります。




 陰毛用のメッシュオブジェクトを胴体のメッシュオブジェクトと組み合わせる方法には、一つ大事な注意点があります。それは二つのオブジェクトの面が完全に重なっているとレンダリング時に不具合が出ることです。そこで面が重ならないよう胴体のメッシュから陰毛用メッシュを若干浮かせることで対処します。しかし、もしサブサーフェスモディファイアを使用している場合は、頂点の位置の関係上、等距離でメッシュを浮かせることが難しくなります。その場合はシュリンクラップモディファイアを使ってください。

実際の不具合例

■陰毛メッシュを単純にボディのメッシュから等距離で1mm離したケース
 →陰毛メッシュの縁が胴体メッシュにめり込んでおり、面が交差している。

■シュリンクラップモディファイアを使用した場合
 →メッシュ間距離が0.2mmと上の例よりも少ないにも関わらず、胴体との面交差がない。

陰毛を立体表現にするか二次元表現にするか

 私はパンツを履かせるときなどは平面的な表現にし、オールヌードの時は立体的なメッシュにして陰毛オブジェクトを使い分けています。

ギャラリー

■平面的な処理




■立体的な処理




■尻毛



■パンツとの組み合わせ





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