息子の告白/21
久美子としては、彼と何回すると決めていたわけではなく、というより、まず一回ができるかどうかが分からなかったので、それが終わったあとは、どうでも構わないという気持ちがあった。そうして、現に一回終わったあと、二回目をシてほしくなったわけで、その二回目が消化不良だったので、もう一度シてもらってもよっぽど構わない。それに、彼に宣言したとおり、こんな関係は今日で終わりにするわけだから、それならば、思い切りシてもらってもいい。
久美子が承諾を与えると、高典は、心から嬉しそうな顔をした。三回目も勃起させる自信があるらしい。
「一度抜いてもいい?」
高典の言葉に、久美子はうなずいた。どうして一度抜きたいのかは分からないけれど、そうしたいと言うならそうさせてやるまでのことである。
「あっ、ちょっと待って、高典」
そのまま肉棒を抜かれると、膣内に放出された精液が、シーツを汚してしまう。久美子は、近くにあったティッシュ箱から二三枚、ティッシュを引き抜くと、
「いいわよ」
と高典に合図した。息子が肉棒を引き抜くと、久美子は、何とも言えない喪失感に襲われた。自分の一部がなくなってしまったかのような気分である。全部引き抜かれたあとに、久美子はすばやく秘所にティッシュを当てた。二三枚では足りず、一度拭い取ったあとに、もう一度ティッシュを引き抜いて、また当ててということを、さらにもう一回繰り返した。漂うオスの匂いに、久美子はクラクラした。決してかぐわしいとは言えないその匂いが、媚薬のように作用して、早くもう一度シてもらいたくなる。
「ねえ、母さん。舐めてくれない?」
久美子は、目の前に、濡れた肉棒が現われるのを見た。息子が自分の胸のあたりをまたぐようにして膝をつき、股間をこちらに向けてきている。勃起していなくても十分な大きさの肉棒に、久美子はドキリとした。そうして、言われるがままに、口を開いて、肉棒を迎え入れる準備を整えた。
精液と愛液に濡れた性器を含むことに嫌悪感は無く、というより、さっきまで確実に快感を与えてくれていたそれをいざ口に含むと、愛情さえ感じた。
「ううっ、気持ちいいよ、母さん……」
息子が、まるで女の子のように喘ぐのを聞きながら、久美子は、亀頭を口に含んで舌を動かした。フェラチオなど、数えることしかしたことがなくて、どうすればいいのか分からないけれど、どうやら、息子はそれでも喜んでくれているようである。
肉棒は、またたく間に硬くなって、もう一度、合体する準備は整った。