母の浮気/47
男がどうしておっぱい好きなのか、ということは、当の男である良太にも分からない。分からないけれど、好きなものは好きなのである。アソコにも興味はあるけれど、何と言っても乳房だった。服の外からちょっと谷間が見えることがあるというのもポイントかもしれない。
さらに言えば、良太は巨乳好きだった。大きいおっぱいを思うさま揉みしだくことが、良太にとっては、セックスすることと同じくらいの大きな夢だったのだ。それを、自分と年が変わらない、というか、年下の、見知った少年がしているのだから、良太の悔しさたるや、両手をぐっとにぎり、歯を食いしばるほどのものだった。
「ああ、すごいです、おばさんのおっぱい……」
「好きなだけ、どうぞ」
「痛くないんですか?」
「全然。痛くもないし、あんまり気持ちよくもないけどね」
「えっ! ……すいません、下手で」
「いやね、そうじゃないのよ。おっぱい自体が、感じるところじゃないってこと」
「そうなんですか?」
「人によるかもしれないけどね」
そうなのか、と良太は、一つ利口になった思いだった。よくエロ動画では、乳房をこねくりまわされて嬌声を上げる女性の姿を見るけれど、してみると、あれは演技だったわけである。少なくとも、その可能性がある。
「でも、さっき、久司くんに、おっぱいの先っぽを舐められたでしょ。あれは、気持ちよかったわ」
「あ、じゃあ、また舐めてもいいですか?」
「舐めてもいいけど、指でつまんでみるのはどう?」
「やってみます!」
体を交えながら歓談している二人に、良太は、大いに嫉妬した。これでは誰の母親か分かったものではない。
――おれの母さんなのに……。
良太は、ますます歯を食いしばった。
久司の指が、母の乳首に伸びる。その指が、おっかなびっくりといった具合に、乳首をつまむようにすると、
「あんっ」
と母が可愛らしい喘ぎ声を上げた。
「気持ちいいですか、おばさん?」
「ええ、気持ちいいわよ。でも、もうちょっと、強くしてもらった方が好みかも」
「こうですか?」
久司は乳首をつねる指に力を入れたようである。
「はあっ!」
ぶるっと、体を震わせて、母は、先ほどよりも切なげな声を上げた。
「そうそう、上手よぉ」
「ありがとうございます!」
褒められて喜びの声を上げた久司は、調子を得て、それからしばらくの間、乳首をつねり続けた。そのたびに、母が、
「あんっ、あんっ、あんっ!」
と高い声で鳴いた。
ざっくばらんな母のことである。演技をしているというわけでもないだろうから、本気で感じているのだと良太は思った。