官能物語 2020/10/18 14:00

母の浮気/106

 敷地内には、小さな棟が立ち並ぶようになっていて、どうやら、宿泊施設のようである。休憩を取るのに宿泊施設に入るというのも、大げさな話だなあと思っていた良太は、そこで、ようやくピンと来た。

「母さん……ここって、もしかして、ラブホ?」
「ピンポーン」

 母は車を停めて、

「さ、行きましょ」

 息子に降車を促した。
 良太は、ドキドキした。ラブホテルなどというところは、まったく想像の中にあって、現実の像を持ったことは一度も無い。動画の中でさえ、見たことは無かった。というか、そもそも、「ラブホ紹介」などという動画があるのだろうか。……ある気はしたが、探そうとしたことはなかった。興味津々で、近くにあった扉を開くと、階段があって、そこを登っていくと、さらに扉があった。

「ここでいいのよね?」

 母が尋ねた。訊かれても答えようがない良太が、彼女に代わって、ドアを開いてやると、どうやら、大丈夫そうである。ドアを閉めると、

「こちらのお部屋は、自動精算システムを採用しています」

 というアナウンスが流れて、ドキリとした。何だろうかそのシステムはと思った良太だったが、もちろん、知る由も無い。部屋は、広々として、玄関を上がるとすぐに、大きなベッドが鎮座しているのが見えた。ベッドが大きいということの他は、特段、おかしなところもなくて、良太は、拍子抜けした。

「ああ、久しぶりに来たわ」

 母が言った。そうして、上着を脱ぐと、ベッドの上にごろんと仰向けになった。

「良太も来たら、気持ちいいよ」

 お言葉に甘える格好で、良太は、母の隣に横になった。スプリングが心地よく、良太自身も、車に乗っているだけだったにもかかわらず、それなりに疲労していることが分かった。

「良太……」

 母が体を半身にして、こちらを向いた。

「今日は本当にありがとうね。楽しかったぁ」
「よかったね。でも、遠足は、帰るまでが遠足だろ?」
「うーん……今日、帰らずに、ここに泊まっちゃおうかあ?」
「えっ!?」
「お父さんが帰ってくるのは、明日の午後でしょ、それまでに帰れば大丈夫だし……ね?」

 家まであと少しというところで泊まるというのも、微妙な話と言えば微妙だけれど、面白そうだと思えば面白そうでもある。

「ちょっと疲れるし、これから、もっと疲れることになるしぃ……」

 そう言うと、母が体の上に乗ってくるのを、良太は見た。その顔が、徐々に近づいてきて、良太の唇を奪った。母の舌が口内に差し込まれると、良太は、すぐに股間が熱くなるのが分かった。

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