母の浮気/141
しばらくの間、母はまるで子どものようにしがみついてきていたけれど、やがて、それがゆるんだ。良太は、母の顔を見た。頬が緩み、唇を開いた彼女の顔は、凄絶なまでにいやらしい。良太は、体に力がみなぎるのを感じた。彼女は満足したかもしれないが、良太は、まだ満足していないし、母もまだ満足させるわけにはいかなかった。
良太は、再び腰を振り始めた。
少しの間、母は何の反応も示さなかったが、そのうちに、
「あっ、あっ、あっ、あっ!」
顎を上げるようにして、再び喘ぎ声を上げ始めた。
「ああ、良太……ダメッ、もうキツい……ああっ!」
良太は、母の腕がこちらの体を引き離そうとするようにしているのを感じた。彼女の手は、良太の胸板に当てられている。本気で嫌がっているのなら、彼女が嫌がることを続けることはしたくなかったが、本当に嫌なのかどうかその見極めがつかないので、良太は、抵抗を得たまま腰を振り続けた。すると、母の手の抵抗はゆるんで、代わりに、
「はあああっ、ああああっ!」
喘ぎ声を大きくして、耐えられないように、首を打ち振り始めた。
良太は、ぎゅぎゅぎゅっ、と蜜壺が、肉棒を強烈に締め付けてくるのを感じた。まるでイッたときの締め付けであり、心地よいどころか、痛みを感じるほどである。早く射精しろと言わんばかりの膣内のうごめきだったけれど、それでも、良太はまだ達しない。まだまだ余裕がある。
「ああああっ、ダメッ、ダメッ、また、また来ちゃう……あああああっ!」
母はまるで錯乱しているような声を出した。良太は、母の顔を見た。彼女はこちらを見ていない。というか、どこも見ていないようだった。うつろな目である。ちょっと怖くなった良太が、思わず腰を止めると、
「やめないでっ、良太っ、続けてぇっ!」
と叫ぶような声が上がった。その声に応じてやると、また母は、どこか別の世界に飛んだような目になった。
「ああっ、来るっ、あああああっ……ひあああっ!」
母は、ぐぐぐっと背中を反らせるようにした。まるで巨大な手によって、下から体を押されているような趣である。良太は、母の背に手を回して、しっかりと抱き留めながら、さらに腰を振り続けた。二人の結合部からは、ひっきりなしにいやらしい水音が上がって、この愛液の量だと、シーツに水たまりを作っているのではないかと思われた。
「はあっ、あああ、ああ、イクッ……ダメッ、ああ、ダメッ、イクッ、イクッ、イクーーーーーッ!」
耳をつんざくような絶叫を上げて、その見事な肢体をガクガクと震わせながら、母は、もう一度、オーガズムを得たようだった。