投稿記事

2020年 05月の記事 (23)

官能物語 2020/05/03 16:00

息子の告白/17

 頼めば、もう一度してもらえるだろうか。さっき、高典は、もう一度立つかどうか分からないと言っており、それ次第ということになるだろう、と思った久美子は、高典にとっての初体験の時なのに、なんという自分勝手なことを考えているのかと、自分で自分に呆れた。

 唇を離した息子が、ぐったりと身を任せてきた。

「大丈夫、高典?」

 久美子は、息子の頭を軽く撫でるようにした。
 すると、彼は、大儀そうに顔を上げて、その顔を嬉しそうに微笑ませた。

「母さん、ありがとう。おれ、幸せだよ」

 それを聞いた久美子は、目の奥が熱くなるのを感じた。この子を幸せにしたくて、これまで頑張ってきたのだった。もちろん、体を交えて、幸せを得させるなどということは、間違っているかもしれない。世間的に見れば、非難されることかもしれない。そうであってもなお、久美子の感動には、いささかも水を差すことはできないようだった。

「泣くなよ、母さん」
「……泣いてないわ」
「泣いてないけど、泣きそうな顔してる」

 高典は、そこで真面目な表情になると、

「母さん、後悔してない?」

 と訊いてきた。
 久美子は、すぐに首を横に振った。「してないわ」

「本当?」
「ええ、本当よ」
「明日になったら、おれと一緒にいたくなくて、家を出てたりしない?」

 高典が真剣な顔でそんなことを言うので、久美子は思わず噴き出してしまった。

「おれ、結構マジなんだけど」
「ごめん、ごめん……大丈夫よ、そんなことしないわよ」

 すると、高典は、心の底からホッとしたような表情を見せた。そうして、

「もうちょっと、このままでいてもいい?」
 
 と訊いてきたので、好きにさせることにした。
 今度は、彼の方が噴き出して、どうしたのかと尋ねると、

「だって、こんなに間近で、母さんの顔見たこと無いからさ」

 言うので、

「そこかしこに小じわのあるおばさんの顔が面白いのね?」

 とちょっと口を尖らせてやったところ、彼はゆるやかに首を横に振った。

「母さんは綺麗だよ。おれの知っている人の中で誰よりも綺麗だ。昔からずっとそう思っていたし、これからもずっとそうだよ」

 息子の言葉に、久美子は、不覚にも胸の奥をきゅんと鳴らしてしまった。そんな音がまだ出るということが、自分で不思議である。

「ああ、母さんのがなんかすごい……しぼるようにしてくるよ」

 息子がうっとりとした声を出した。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

官能物語 2020/05/02 12:00

息子の告白/16

 久美子は、顎を上げるようにした。

「はあああんっ!」

 童貞を導く余裕など全くなく、ただただ快感に身を任せるしかない。

「ぜ、全部入ったよ、母さん……」

 息子の声がどこか遠くの方から聞こえるようである。高典の一物は、その先端が、久美子の奥まで届くようだった。その奥というのがいったいどこなのかは分からないながらも、確かにそこに届いていて、それはこれまでに感じたことのないものであり、そもそもが久しぶりのセックスに、久美子は、何が何やら分からないほどの快楽を得ていた。

「母さん……」

 自分の目の前に息子の顔があることをかろうじて認められた久美子は、荒く息をつきながらも、どうにか微笑むことができた。そうして、

「童貞卒業、おめでとう……高典」

 と言うこともできた。

――ああっ、ただ、入れられてるだけなのに……。

 久美子は、びくんっ、と体を震わせた。このままだと遠からず、また達してしまいそうである。交わった状態から息子よりも先に絶頂に達することは避けたいけれど、避けたいと思えば思うほど、性感は高まって、余計に感じてしまう。そんなところに、

「母さん」

 息子が優しい表情で、

「愛してる」
 そんなことを言って、おもむろに口づけてきたものだから、たまらなかった。息子のキスを受けた瞬間、

――ああ、イクッ……イクーーーーッ!

 久美子は、声にならない声を上げて、クライマックスに達した。びくびくびくっ、と体を何度も震わせて、快楽をむさぼると、唇を離した息子が、

「ううっ、母さんっ、出るよっ!」

 と言って、彼の腰が震えるのが伝わってきた。次の瞬間、膣奧に、どぴゅどぴゅどぴゅっ、と精の弾丸が撃ち込まれるのを久美子は確かに感じた。少しして、じんわりとお腹が温かくなるのが分かると、久美子は、心の底から幸せな気持ちになった。

 これがセックスなのである。セックスとは、これほど気持ちよかったのかと、久美子は以前のときのことを思い出そうとしたが、ここまで快感を得たセックスを思い出すことはできなかった。これほど気持ちがよかったのは、初めてのことではないだろうか。それが、何によるのか。単に体の相性がいいのか、それとも、息子のことを愛しているからか。あるいは、息子とするということに禁忌を犯しているという背徳感があるからなのか。なんにせよ、久美子は、深い満足を覚えてた。そうして、できるなら、もう一度してほしいとも思っていた。これも、これまでにないことである。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

官能物語 2020/05/01 16:00

息子の告白/15

 あまりに凝視してくるので、

「そんなに見ないで……」

 久美子が言うと、

「綺麗だ、母さんの」

 と息子は感動したような声を出した。自分のものをまじまじと見たことなどないので、それがどのような形状や色合いをしているのか、自分でもはっきりとは分からない。それで綺麗だと言われても微妙な心持ちがするけれど、グロいとか言われるよりはずっといいのは確かである。とはいえ、ずっと見られていたいものではないので、

「来て、高典」

 もう一度、久美子は言って、彼が挿入しやすいように、体を横たえた。

「あの、母さん」
「なに?」
「ゴムつけなくていいの?」
「えっ」

 久美子は、そこで初めて避妊について意識した。恐ろしいことに、これまでまったく避妊について考えていなかったのである。それもこれも、息子の告白からの一連の流れが、衝撃的過ぎたせいだった。

「高典……持ってる?」
「持ってるわけないだろ。使う相手もいないのに」
「そうよね……」
「日を改めようか?」

 高典が微笑しながら言った。久美子は、ハッとした。その笑い方は、彼が母親のことを思いやってするときのそれであることは、長年の付き合いから分かっていた。この顔を、久美子は何度も見てきた。それはつまり、彼に何度も我慢させてきたということである。初体験のときまで、我慢させていいのだろうか。もちろん、事が妊娠ということになれば、我慢させてもいいのかもしれないけれど……久美子は、覚悟を決めた。安全日かどうかさえ計算しなかった。

「そのままでいいよ、高典」
「……いいの?」
「うん。今日は大丈夫な日だから」
「じゃあ、入れるよ。入るかどうか分かんないけど」

 息子は腰を近づかせるようにしてきた。久美子は、別の覚悟も決めた。秘唇に粘膜の感触があって、続いて、ずぶりと、膣内に、硬いものが挿入される感覚があった。

「ううっ」
「ああっ」

 息子と母親の喘ぎ声が和した。

「すごいっ、めちゃくちゃ気持ちいいよ、母さん!」

 息子が感動したような声を出すのを聞いて、久美子は、大人っぽく微笑みたかったけれど、それは難しいようだった。ただ、挿入されただけだというのに、すさまじい快感に襲われて、荒い息をつくことしかできない。

「全部、入れるからね、母さん」

――えっ……。
 
 ずぶずぶずぶと、まるで自分の体が貫かれるような、圧倒的な快感を得た久美子は、頭が真っ白になった。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

1 2 3 4 5 »

月別アーカイブ

記事のタグから探す

限定特典から探す

記事を検索